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第1章・綺麗なエルフ族の女の子
013:十二聖王という馬鹿野郎
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奴隷商の首を刎ねたエッタさんは、色々な感情がグチャグチャになって息荒くハァハァッと死んだ奴隷商の亡骸を見ている。
「エッタさん。今は泣くんだ………自分の中に感情を押し込んじゃダメだ。それはエッタさんを苦しめる事になる」
「あ ありがとうございます………」
エッタさんは、やっと涙を流す事ができた。
ここで感情を押し殺して気丈に振る舞うのは、そう簡単な事では無いだろうし、それをエッタさんはできるタイプの人だ。
それならば今やるべき事は、エッタさんが感情を爆発させて涙を流して俺たちを頼る事だ。
「ご迷惑をおかけしました………妹のカミラも無事だったので、亡くなった子たちは火葬して、残りの子たちは森に返すに手配します」
「迷惑なんて思っちゃいないし、まだまだやる事は多いからな。俺も色々と手伝うよ!!」
エッタさんが一通り泣き終わったら、生き残った人たちの事を1番に考えて森の里に戻す手段を考える。
俺としてもエルフの子たちを返したから、色々と頭を使って考えている時に外から声が聞こえた。
「おいっ!! ここに違法で奴隷化させたエルフたちがいるって聞いてきたが、もう囲まれている出て来い!!」
今更になって王国の騎士たちが動き出したのか?
前世の警察とかも近年では良くなっていたが、昔は現在みたいに事が起きてから動く為に被害者が多く出るケースが多い。
それにしても奴隷市の人間たちは、一掃してしまった為に出頭する人間がおらず、しかたなく俺が対応する事にした。
「俺たちが、ここの奴隷市を潰しちまったぞ? お前らが遅過ぎるからな」
「そんな事を信じられ………ん? お前はっ!! さっきすれ違った男じゃ無いか!!」
「なに!? ミレーヌさんに攻撃したっていう………しかも周りには奴隷化したエルフちゃんたちが!!」
ここに尋ねてきたのは女騎士のミレーヌだけではなく、黄金の鎧を着た茶髪の明らかにナルシストであろう騎士もいた。
そんな騎士はミレーヌの話と俺の周りに、奴隷の首輪をしているエルフちゃんたちがいて、勝手に俺が犯人だと断定して剣で斬りかかってきた。
「お おいっ!! 話聞いてんのか? 俺たちが、ここを潰したって言ったよな?」
「そんなに聞いてないんだよ!! さっきミレーヌさんから逃亡したっていう事実と………きっと お前が裏で糸を引いて、エルフちゃんたちを不当に奴隷にしたんだろ!!」
あぁ!! コイツは面倒なタイプの奴だ。
俺の話も聞いてなければ、普通に女から良い様に使われるっていう古典的なダメ男だな。
それにしてもディエンテなんかよりも、パワーもスピードも技術も3割り増しで強い感じだな。
避ける事自体は難しくは無いが、攻撃を当てるってなると少し難しいかもしれない。
「良い加減にしろ!!」
「ぶは!?」
俺は腕を振り上げて視線もパンチを出すよというフェイクをかけると、普通に男の騎士は引っかかった。
それによって好きが生まれて俺は、横腹を蹴り飛ばして数十メートルは吹き飛んだのでは無いだろうか。
「お前らは調べがついて、ここに来たんだろ? それなら俺が、この奴隷市に関係してない事ぐらいわかるだろうが!!」
「そんなの分かるわけないだろ。そこまで詳しく調べて来たわけじゃ無いからな………ここら辺で、怪しい取引をしている人間がいると聞いたから来ただけだ」
「なんだと? まともに捜査してなかったのか? ここはエルフ以外にも多くの違法奴隷がいる………それなのに、まともに捜査をしなかったって言うのか?」
「当たり前じゃ無いか。奴隷になるなんていう奴らは、ソイツらに問題があるんだからな」
やばいな。
俺の堪忍袋の尾が切れそうだ。
こんなにふざけた事って存在してて良いのか、まともに捜査していれば容易に見つけられるところにアジトはあった。
そのアジトでは埠頭に連れてこられた人たちが、無意味な暴力を振るわれ死に至る人間もいる。
「ミレーヌさんを責めるなよ!! 言っておくが、我々の様な騎士が奴隷程度の為に、真剣に動くわけが無いだろ!!」
「あはー………テメェは、いっぺん死んでみるか?」
「な 何をする………」
俺の堪忍袋の尾は完璧に切れた。
その怒りのままに俺は、黄金の鎧を着た男に取り掛かる。
そのまま馬乗りになって、騎士の顔面をグーでひたすらに殴りまくっているところに、ミレーヌが剣を向けてくる。
「離せっ!! そのお方は《十二聖王》の1人〈アラン=ディーン〉様だぞ!!」
「十二聖王? どっかで聞いた事がある様な………まぁ何でも良いか、先に、コイツをボコボコにしてからで」
「ミナト様っ!! 少しお待ち下さい!!」
俺が馬乗りになってボコボコにしている奴は、十二聖王の1人である〈アラン=ディーン〉らしい。
たが十二聖王なんてのは聞いた事がある様な感じがするが、そんな事はアランって奴をボコボコにしてから考えれば良いんだ。
しかし何やらエッタさんは、この男が十二聖王だと分かって殴るのは待って欲しいと頼んできた。
まぁ当事者のエッタさんが、待ってというのならば俺は引き下がる他なかろう。
「この度は、私を含め多くの同胞を救ってくれたのは………ここにおられる〈ミナト=カインザール〉様です!! 奴隷市を1人で崩壊させ、奴隷商の首を持っております!!」
「だから何だと言うのだ!! その男は、あろう事か世界の王にも匹敵する十二聖王さまに暴力を振るったのだぞ!!」
エッタさんは俺が悪い奴じゃなく、奴隷市からエルフを救った英雄にしてくれようとしている。
だがミレーヌ女騎士は、既に俺が十二聖王を殴った事を重く捉えているらしく切り捨てられる勢いだ。
あっ今思い出した。
十二聖王ってのは、SSランクのさらに上に鎮座する12人の冒険者の事を言うんだったか?
しかも十二聖王は入れ替え制で、十二聖王の内部もランキング形式になっており、SSランクの人間が上がる場合は序列12位の人間との入れ替えになるだったか。
その十二聖王ってのと同様にカテゴライズされているのが、もう1つあり魔法使いのカテゴリーを《五賢王》というらしい。
「俺が間違っていたのか? そこに尻餅ついてる男は、ここにいる人たちを貶しあろう事か、奴隷を助ける気は無いなどと言い放った………つまりはクズだろ?」
「く クズだと!? この俺をクズだと言ったか!! さっきまでは雑魚相手に、少し好きにやらせていたが………少し調子に乗らせすぎたか!!」
「剣を抜くのか? 騎士が剣を抜くってんなら、首が宙を舞って俺の手に収まる覚悟は良いか?」
「良い覚悟じゃ無いか!!」
コイツに何を言ったところで気持ちを変えさせる事なんてできやしないんだ。
何故か分かるか? コイツが間違っている事を真剣に本当の事なんだと信じて、誰にも付け入る隙を与えていないからだ。
こういう人間に何をいうと響きもしないし、会心とかもする事はできないんだ。
それなら正当防衛を請求できる様に、こっちは後手に回る事にしようか………っと考えた瞬間に大きな声で、俺たちの間に入る人間が現れた。
「そこまでじゃあああああ!!!!! 双方、剣を鞘に戻せ。これは命令である」
「命令だと? ジジイがふざけ………国王さま!? どうして国王様が、こんなところに!?」
俺たちの間に入って来たのは、なんと王国の国王という最重要の人間だったのである。
しかし見た事がある お爺さんだな………分かったぞ。
この人は俺とエッタさんが、スラム街で初めて話を聞いた時にいた、ホームレスの爺さんだ。
「エッタさん。今は泣くんだ………自分の中に感情を押し込んじゃダメだ。それはエッタさんを苦しめる事になる」
「あ ありがとうございます………」
エッタさんは、やっと涙を流す事ができた。
ここで感情を押し殺して気丈に振る舞うのは、そう簡単な事では無いだろうし、それをエッタさんはできるタイプの人だ。
それならば今やるべき事は、エッタさんが感情を爆発させて涙を流して俺たちを頼る事だ。
「ご迷惑をおかけしました………妹のカミラも無事だったので、亡くなった子たちは火葬して、残りの子たちは森に返すに手配します」
「迷惑なんて思っちゃいないし、まだまだやる事は多いからな。俺も色々と手伝うよ!!」
エッタさんが一通り泣き終わったら、生き残った人たちの事を1番に考えて森の里に戻す手段を考える。
俺としてもエルフの子たちを返したから、色々と頭を使って考えている時に外から声が聞こえた。
「おいっ!! ここに違法で奴隷化させたエルフたちがいるって聞いてきたが、もう囲まれている出て来い!!」
今更になって王国の騎士たちが動き出したのか?
前世の警察とかも近年では良くなっていたが、昔は現在みたいに事が起きてから動く為に被害者が多く出るケースが多い。
それにしても奴隷市の人間たちは、一掃してしまった為に出頭する人間がおらず、しかたなく俺が対応する事にした。
「俺たちが、ここの奴隷市を潰しちまったぞ? お前らが遅過ぎるからな」
「そんな事を信じられ………ん? お前はっ!! さっきすれ違った男じゃ無いか!!」
「なに!? ミレーヌさんに攻撃したっていう………しかも周りには奴隷化したエルフちゃんたちが!!」
ここに尋ねてきたのは女騎士のミレーヌだけではなく、黄金の鎧を着た茶髪の明らかにナルシストであろう騎士もいた。
そんな騎士はミレーヌの話と俺の周りに、奴隷の首輪をしているエルフちゃんたちがいて、勝手に俺が犯人だと断定して剣で斬りかかってきた。
「お おいっ!! 話聞いてんのか? 俺たちが、ここを潰したって言ったよな?」
「そんなに聞いてないんだよ!! さっきミレーヌさんから逃亡したっていう事実と………きっと お前が裏で糸を引いて、エルフちゃんたちを不当に奴隷にしたんだろ!!」
あぁ!! コイツは面倒なタイプの奴だ。
俺の話も聞いてなければ、普通に女から良い様に使われるっていう古典的なダメ男だな。
それにしてもディエンテなんかよりも、パワーもスピードも技術も3割り増しで強い感じだな。
避ける事自体は難しくは無いが、攻撃を当てるってなると少し難しいかもしれない。
「良い加減にしろ!!」
「ぶは!?」
俺は腕を振り上げて視線もパンチを出すよというフェイクをかけると、普通に男の騎士は引っかかった。
それによって好きが生まれて俺は、横腹を蹴り飛ばして数十メートルは吹き飛んだのでは無いだろうか。
「お前らは調べがついて、ここに来たんだろ? それなら俺が、この奴隷市に関係してない事ぐらいわかるだろうが!!」
「そんなの分かるわけないだろ。そこまで詳しく調べて来たわけじゃ無いからな………ここら辺で、怪しい取引をしている人間がいると聞いたから来ただけだ」
「なんだと? まともに捜査してなかったのか? ここはエルフ以外にも多くの違法奴隷がいる………それなのに、まともに捜査をしなかったって言うのか?」
「当たり前じゃ無いか。奴隷になるなんていう奴らは、ソイツらに問題があるんだからな」
やばいな。
俺の堪忍袋の尾が切れそうだ。
こんなにふざけた事って存在してて良いのか、まともに捜査していれば容易に見つけられるところにアジトはあった。
そのアジトでは埠頭に連れてこられた人たちが、無意味な暴力を振るわれ死に至る人間もいる。
「ミレーヌさんを責めるなよ!! 言っておくが、我々の様な騎士が奴隷程度の為に、真剣に動くわけが無いだろ!!」
「あはー………テメェは、いっぺん死んでみるか?」
「な 何をする………」
俺の堪忍袋の尾は完璧に切れた。
その怒りのままに俺は、黄金の鎧を着た男に取り掛かる。
そのまま馬乗りになって、騎士の顔面をグーでひたすらに殴りまくっているところに、ミレーヌが剣を向けてくる。
「離せっ!! そのお方は《十二聖王》の1人〈アラン=ディーン〉様だぞ!!」
「十二聖王? どっかで聞いた事がある様な………まぁ何でも良いか、先に、コイツをボコボコにしてからで」
「ミナト様っ!! 少しお待ち下さい!!」
俺が馬乗りになってボコボコにしている奴は、十二聖王の1人である〈アラン=ディーン〉らしい。
たが十二聖王なんてのは聞いた事がある様な感じがするが、そんな事はアランって奴をボコボコにしてから考えれば良いんだ。
しかし何やらエッタさんは、この男が十二聖王だと分かって殴るのは待って欲しいと頼んできた。
まぁ当事者のエッタさんが、待ってというのならば俺は引き下がる他なかろう。
「この度は、私を含め多くの同胞を救ってくれたのは………ここにおられる〈ミナト=カインザール〉様です!! 奴隷市を1人で崩壊させ、奴隷商の首を持っております!!」
「だから何だと言うのだ!! その男は、あろう事か世界の王にも匹敵する十二聖王さまに暴力を振るったのだぞ!!」
エッタさんは俺が悪い奴じゃなく、奴隷市からエルフを救った英雄にしてくれようとしている。
だがミレーヌ女騎士は、既に俺が十二聖王を殴った事を重く捉えているらしく切り捨てられる勢いだ。
あっ今思い出した。
十二聖王ってのは、SSランクのさらに上に鎮座する12人の冒険者の事を言うんだったか?
しかも十二聖王は入れ替え制で、十二聖王の内部もランキング形式になっており、SSランクの人間が上がる場合は序列12位の人間との入れ替えになるだったか。
その十二聖王ってのと同様にカテゴライズされているのが、もう1つあり魔法使いのカテゴリーを《五賢王》というらしい。
「俺が間違っていたのか? そこに尻餅ついてる男は、ここにいる人たちを貶しあろう事か、奴隷を助ける気は無いなどと言い放った………つまりはクズだろ?」
「く クズだと!? この俺をクズだと言ったか!! さっきまでは雑魚相手に、少し好きにやらせていたが………少し調子に乗らせすぎたか!!」
「剣を抜くのか? 騎士が剣を抜くってんなら、首が宙を舞って俺の手に収まる覚悟は良いか?」
「良い覚悟じゃ無いか!!」
コイツに何を言ったところで気持ちを変えさせる事なんてできやしないんだ。
何故か分かるか? コイツが間違っている事を真剣に本当の事なんだと信じて、誰にも付け入る隙を与えていないからだ。
こういう人間に何をいうと響きもしないし、会心とかもする事はできないんだ。
それなら正当防衛を請求できる様に、こっちは後手に回る事にしようか………っと考えた瞬間に大きな声で、俺たちの間に入る人間が現れた。
「そこまでじゃあああああ!!!!! 双方、剣を鞘に戻せ。これは命令である」
「命令だと? ジジイがふざけ………国王さま!? どうして国王様が、こんなところに!?」
俺たちの間に入って来たのは、なんと王国の国王という最重要の人間だったのである。
しかし見た事がある お爺さんだな………分かったぞ。
この人は俺とエッタさんが、スラム街で初めて話を聞いた時にいた、ホームレスの爺さんだ。
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