社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa

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第3章・残念なドラゴンニュートの女の子

060:新たな旅へ

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 俺はクロスロード連盟軍のアリュード少将と少しの話をしてから、エッタさんたちが待つ宿屋に戻る。
 するとエッタさんたちが囲んでいる食卓に、見た事のない金髪のイケメンな男が座っていた。


「お おい。お前、誰だよ?」

「おっ!! 君が噂になってるルーキーの《ミナト=カインザール》君だね!! 俺は君を待っていたんだよ!!」

「ま まぁ俺がミナトですけど………アンタは誰なんだよ」

「ミナト様っ!! こちらの方は、十二聖王の序列2位《ホルスト=ファン=ホース》さんです!!」

「なんだと!?」


 このキザそうなイケメン男は、十二聖王で序列2位という冒険者の中では世界で2番目の実力者だ。
 そんな男が、どうして俺のところにやって来たのか、全く持って理解できずに困っている。


「そんな有名人が、どうして俺なんかのところに?」

「だから、君を見に来たって言ってんじゃん。ジャックやエルマー、それにアランも倒す15歳なんて、中々のルーキーだって感じだからねぇ」

「まぁそんな気にしてやってるわけじゃないんですけどね」

「さすがは期待のルーキーだな。少しタイミングが早ければ、十二聖王に入れたかもねぇ」


 ホルストは俺の体の周りをウロウロしながら見て、俺が残している結果について小馬鹿にする様にいう。
 そしてホルストはエルマーとの戦闘が早く伝えられていれば、新しい十二聖王に名前を連ねるのは俺だったかもと話す。
 そんなお世辞を聞いて俺は流す様な事を言ってから、少し冷静になって考えると疑問が出る。


「ん? という事は、新しい十二聖王が発表されたって事か?」

「おっ? まだ十二聖王に誰が就いたのか知らないの?」

「全くもって、エルマーの処理で忙しかったもんでね」

「それなら教えてあげよう。新しい十二聖王の序列12位についたのは………大冒険家《エリスファー=キスタドール》って男だよ」


 新しい十二聖王の席に就いたのは、俺でも名前を聞いた事がある大冒険家だった。
 エリスファーは多くの島を発見した偉大な冒険家で、戦闘においては未知数だったが、今回の選出で力も証明された。


「まぁ君たちなら直ぐに、十二聖王として顔を合わせる日も遠くはないかもなぁ………それじゃあ、俺はクロスロード連盟軍の船に乗っけてもらうから、じゃあな!!」

「あっはい……あの人は本当に、何しにやって来たんだ? 俺の顔を見たいからってわざわざ………十二聖王って暇なのか?」

「さぁ嵐の様な人でしたね………それでミナト様、これからの事は決まっているんですか?」


 ホルストは満足したのか、大笑いしながらクロスロード連盟軍の船に乗り込んでいく。
 それを俺たちは変な人を見る目でみながら、完全に姿が見えなくなったところで、エッタさんが次の目的地を聞くのである。


「あぁ決まっているさ!! 今日にでも、この首都を出て、次の国である《ツァリーヌ王国》を目指す!!」

「ここからだったら、5日もあれば着きますね!!」

「よしっ!! 準備をしよう……と言いたいところだけど、シュナちゃんとカエデちゃんは、ここで旅は終わりかな?」


 目的地は決まっており次の国に早く行きたい気持ちはある。
 しかし現時点で問題なのは、この国でカエデちゃんたちとの冒険も終了という事だ。
 俺の目には我慢はしているが少しの涙を浮かべており、エッタさんも釣られる様に涙を流している。


「それなんですが………私たちも着いていって良いかわん?」

「カエデが行くなら私も行くにゃ………」

「えっ!? 2人とも冒険を続けるのか!?」

「はいわん!! お父さんと、お母さんの遺体も取り戻したいんだわん!!」

「私は親友のカエデに着いていくにゃ」


 カエデちゃんは自分の両親の遺体を見つけるまでは、この国に戻る気は無いと鼻息荒く話す。
 それに対して親友のいくところに、一緒に向かうとシュナちゃんも旅の続行を願い出る。
 俺としては、また2人と冒険ができる事に嬉しさを感じて、逆に大泣きしてしまうのである。


「もちろん、私も着いていく………」

「イローナちゃんもだね!! よし、それじゃあ5人で次の国に出発しよう!!」


 カエデちゃんたちに加えて、新たにイローナちゃんが正式に新しい旅に同行する。
 俺たちは、次の国《ツァリーヌ王国》に向かう為に、色々と荷物をまとめて出発の準備を行う。
 そのまま馬車の手配をしている時に、路地裏からコソッと声をかける様にISOのモンタナが姿を現した。


「お前が、ミナトだな? お前の出生を調べたところ、孤児院と記載していたが………生まれも、あの孤児院か?」

「誰だ? 誰だか知らねぇがよ……俺はカインザール孤児院の出身だ。それ以上でも、それ以下でもねぇよ」

「そうか。まぁ今回は見逃してやる………世界連盟は、いつでも冒険者を排除できる事を忘れるなよ」


 そう言い残してモンタナは姿を消した。
 モンタナは、俺の何かを知っている可能性が高いのでは無いかと思ったが、ここで行動しないのなら何かあるのだろうと割り切って気にしない事にした。
 そんなこんなでエッタさんたちの準備も整って、俺たちは馬車に乗り込んでルクマリネ王国を出発する。


「さぁ!! 次の冒険に出発するぞ!!」

『おぉおおおお!!!!!』


 俺のテンションにエッタさんたちも、賛同して中々に楽しい旅が再開しそうだと俺は心の中で思った。
 しかし何回馬車に乗っても異世界人の俺としては、酔ってしまって慣れるもんじゃ無いなと感じている。


「ミナト様、大丈夫ですか? 少し止めた方が良いんじゃないんですか?」

「いや、問題ないから少し眠るよ………何かあったら起こして」


 俺は馬車酔いを良くする為に、横になって少し睡眠を取ろうとしたところで、馬車が急停車して体が転がって顔面をぶつける。


「な 何なんだ!? どうかしたのか!!」

「いや、前の馬車が何やら様子がおかしいみたいで………」

「何があったんだ?」


 なにやら前を走っていた馬車に問題があったらしく、俺たちが乗っている馬車が止まったらしい。
 何があったのかと思っていると、前の馬車から女の人の叫び声が聞こえて来て俺はガバッと立ち上がる。


「ちょっと只事じゃないんじゃないか!! 俺が見てくるから、4人は馬車の中で待っててくれ!!」

「分かりましたけど、大丈夫ですか?」

「何の問題もないさ。とにかく問題ごとで無ければ良いけどな」


 俺はエッタさんたちに待っている様に言ってから、馬車を降りて前の馬車のところまで行くと血塗れの男たちが倒れていた。


「ど どうなってるんだ……山賊にでも襲われたのか?」

「動くなでござる!! そこを動けば、お前の首は、綺麗に飛ぶでござる」

「ござるって語尾が変わってるのは、もう2人もいるんだから、もう良いってんだよ………」


 俺は一見山賊にでも襲われたのかと思われたが、さっきまでは人が居なかった馬車の屋根から声が聞こえたのである。
 何やら首にチクッと冷たい刃の感じがした為に、ここから反応しても仕方ないと手を上げた。
 しかし何よりも気になるのは、後ろにいる奴のという特殊な侍言葉を喋るところだ。
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