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第3章・残念なドラゴンニュートの女の子
078:次の国へ
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俺たちの前にやってきた十二聖王のアレクから、ルイちゃんの父親の存在を発見したのである。
「なんだ、あのドラゴンニュートは父親なのか?」
「そうでござる。それで父上は、何処で何をしているのか知ってるでござるか?」
「ユウトか? それなら確かだが、俺が会った時にはクロスロード連盟軍に居たなぁ」
「ルイちゃんの父親は軍人ってわけか………このまま冒険してれば会えるかもしれないね」
ルイちゃんの父親がクロスロード連盟軍で、軍人をしているという情報を手に入れる事ができた。
それを聞いて父親に近づいている事に、ルイちゃんは笑みを溢して静かに喜んでいるのである。
「まぁ後は頼んだから………俺たちは休ませてもらうよ」
「あぁ俺たちが後を継いで、きっちりと市民に正しい歴史ってのを教えてやるよ」
「期待しないでおくよ………俺からしたら、アンタは頭が良い様には思えないからねぇ」
「言ってくれるじゃないか。それくらいじゃないと、張り合いが無いってもんだ………ゆっくり休みな」
俺たちはアレクたちに後を任せて、エッタさんたちが戻っている宿屋に帰還するのである。
* * *
ナミカゼ少尉とダフネ少尉は、トレーニングばかりで中々に作戦へ参加できていなかった。
だが部隊長のトラスト中将が、作戦に参加しても良い時期だろうと判断して今回は同行させる。
「と トラスト中将っ!! 1つ質問があるのですが、よろしいでしょうか!!」
「なんだ?」
「今回の標的である、カホアール教団の根城は何処にあるのでしょうか?」
「なんだ、伝えられていなかったのか。根城はフロマージュ王国という場所にある」
ナミカゼ少尉とダフネ少尉は、トラスト中将の近くにいるようにと言われており緊張しながら立っている。
間が持たないと思ってナミカゼ少尉は、標的のカホアール教団の潜伏先を聞いたのである。
するとトラスト中将はカホアール教団は、俺たちがいるツァリーヌ王国の隣であるフロマージュ王国だという。
「そんなに教祖の男とは凶悪な男なのでしょうか!!」
「オリヴァーとは中々に名前が通った騎士だった。本当に傭兵団を作って活躍していた………しかし、ある事件が起きてからオリヴァーは変わり果ててしまった」
「ある事件ですか?」
「あぁ今でも覚えている……アイツの目が正義から復讐への鬼に変わる瞬間をな」
カホアール教団の教祖《オリヴァー=スタドール》は、元々は普通の正義感あふれる騎士だったらしい。
だがトラスト中将が関わっていた、ある事件で丸々人が違うのかと思う程に変わり果てたという。
「お前たちも覚えておけよ。人というのは、何か大切なものを奪われた人間は………恐ろしく無敵な人間になる」
「そ それって一体……どういう事でしょうか」
「そのままの意味だ。自分にとって大切な人間やモノが壊された時に人間っていうのは、他には何も無いと錯覚し無謀な事でも実行する無敵な人間になるんだ」
「そういう事ですか………」
トラスト中将がオーラを纏いながら話すモノだから、ナミカゼ少尉とダフネ少尉は額から冷や汗を流し聞き入る。
オリヴァーはトラスト中将がいう無敵の人なのだろうが、ナミカゼ少尉は何があったのかとオリヴァーの過去が気になる。
「そんなところに立っていても仕方ないだろう。まだ目的地までは距離がある………部屋に戻って休んでいろ」
「りょ 了解いたしました!! 失礼いたします!!」
ナミカゼ少尉とダフネ少尉に、部屋に戻って目的地までは休息を取る様に言った。
2人はトラスト中将に敬礼をしてから、中将の部屋を後にして部屋に戻っていく。
「おい、ナミカゼ。あのトラスト中将の顔を見た? 相当な事件があったって分かるよなぁ………」
「そうでもなきゃ、共和傭兵団を宗教団体にして世界を乗っ取ろうなんてしないだろうね」
「私たちも大切な人とかを亡くしたら、あんな犯罪者たちと同じになるのか………」
「信念を忘れるな。なんで、俺たちが軍人になったのかを絶対に忘れないんだ」
ダフネ少尉はナミカゼ少尉に、自分たちも大切な人たちが死んだら犯罪者になるのかとボソッと言った。
それに対してナミカゼ少尉は、ダフネ少尉の方を見る事なく真っ直ぐ前をみて、信念を忘れるなと自分たちの正義を話す。
そのままナミカゼ少尉たちは、自分の部屋に戻るとカホアール教団の潜伏先まで休息を取る。
* * *
俺とルイちゃんが宿屋に帰ってから、エッタさんたちに色々とあった事を話すと疲れから、その日は直ぐに部屋で休んだ。
すると次の日の朝にはアレクたちが、全ツァリーヌ王国国民に全ての事実を話して混乱させていた。
「さすがに、こんな事実だと国民も驚くよなぁ………」
「ミナト様たちが、この国を救ったんですよ!!」
「後始末はアレクたちに任せたし、俺たちは次の国にでも出発するかい?」
「そうですね。ここでの仕事は終わったので、後の事は自分たちがやるべきだと思います!!」
俺たちはやる事はやったので、残りの事は革命軍の人間とアレクたちに任せようと決めた。
そうなるとツァリーヌ王国にいる理由が無くなるので、俺たちは荷物をまとめて出国の準備を進めていた。
「ミナトさんっ!! もう出発してしまうんですね」
「あぁ倒したい奴は倒したし、俺たちがツァリーヌ王国にいる理由は無くなったからな」
「そうですか。なら、これだけは言わせて下さい………本当に助けていただきありがとうございます!!」
俺たちの前にアードルフがやって来て、俺たちに対して頭を下げて感謝を伝えてくれた。
アードルフは頭を下げているが、地面にポタポタッと垂れている液体をみて泣いているのが分かる。
そんなアードルフの肩を、俺はポンッと叩いて手配していた馬車に乗り込んで出発する。
「さてと次の国は、どこになるんだっけか?」
「次の国は《フロマージュ王国》だにゃ。現在のフロマージュ王国は、なんとも言えない状況にゃ………」
「何とも言えない? なんとも言えないって、まさか酷い状況だって事かい?」
俺は地理には詳しくはない。
そこでシュナちゃんがフロマージュ王国と教えてくれたが、シュナちゃんはフロマージュ王国に思うところがあるらしい。
その言い方が気になった俺は、詳しそうなエッタさんたちに詳しい話を聞くのである。
「フロマージュ王国の国土は、砂漠が7割に森林が3割と砂漠が国土のほとんどを占めています」
「おぉ砂漠の国ってわけか。それで、まさか砂漠っていうのがダメなところなのか?」
「そうもいえますが、国の政府がダメなんですよ。約10年前に反乱が起きて国王が変わってから酷い国政が起きてるんです」
「つまりは反乱を起こして国王が変わったが、その国王が独裁者になったっていう事か………」
詳しく話を聞いたところ反乱が起きたらしいが、このフロマージュ王国にとっては最悪な事だろうと分かった。
俺としては面倒な事に巻き込まれるのだけは嫌だが、世界を回ると決めたからには行く他ない。
「心配なところは多くあるけど………まぁ何とかなるよな」
「私たちとミナト様がいれば問題ありません!!」
俺たちは問題があると分かっていながらも、互いがいれば問題ないとフロマージュ王国に向けて出発する。
「なんだ、あのドラゴンニュートは父親なのか?」
「そうでござる。それで父上は、何処で何をしているのか知ってるでござるか?」
「ユウトか? それなら確かだが、俺が会った時にはクロスロード連盟軍に居たなぁ」
「ルイちゃんの父親は軍人ってわけか………このまま冒険してれば会えるかもしれないね」
ルイちゃんの父親がクロスロード連盟軍で、軍人をしているという情報を手に入れる事ができた。
それを聞いて父親に近づいている事に、ルイちゃんは笑みを溢して静かに喜んでいるのである。
「まぁ後は頼んだから………俺たちは休ませてもらうよ」
「あぁ俺たちが後を継いで、きっちりと市民に正しい歴史ってのを教えてやるよ」
「期待しないでおくよ………俺からしたら、アンタは頭が良い様には思えないからねぇ」
「言ってくれるじゃないか。それくらいじゃないと、張り合いが無いってもんだ………ゆっくり休みな」
俺たちはアレクたちに後を任せて、エッタさんたちが戻っている宿屋に帰還するのである。
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ナミカゼ少尉とダフネ少尉は、トレーニングばかりで中々に作戦へ参加できていなかった。
だが部隊長のトラスト中将が、作戦に参加しても良い時期だろうと判断して今回は同行させる。
「と トラスト中将っ!! 1つ質問があるのですが、よろしいでしょうか!!」
「なんだ?」
「今回の標的である、カホアール教団の根城は何処にあるのでしょうか?」
「なんだ、伝えられていなかったのか。根城はフロマージュ王国という場所にある」
ナミカゼ少尉とダフネ少尉は、トラスト中将の近くにいるようにと言われており緊張しながら立っている。
間が持たないと思ってナミカゼ少尉は、標的のカホアール教団の潜伏先を聞いたのである。
するとトラスト中将はカホアール教団は、俺たちがいるツァリーヌ王国の隣であるフロマージュ王国だという。
「そんなに教祖の男とは凶悪な男なのでしょうか!!」
「オリヴァーとは中々に名前が通った騎士だった。本当に傭兵団を作って活躍していた………しかし、ある事件が起きてからオリヴァーは変わり果ててしまった」
「ある事件ですか?」
「あぁ今でも覚えている……アイツの目が正義から復讐への鬼に変わる瞬間をな」
カホアール教団の教祖《オリヴァー=スタドール》は、元々は普通の正義感あふれる騎士だったらしい。
だがトラスト中将が関わっていた、ある事件で丸々人が違うのかと思う程に変わり果てたという。
「お前たちも覚えておけよ。人というのは、何か大切なものを奪われた人間は………恐ろしく無敵な人間になる」
「そ それって一体……どういう事でしょうか」
「そのままの意味だ。自分にとって大切な人間やモノが壊された時に人間っていうのは、他には何も無いと錯覚し無謀な事でも実行する無敵な人間になるんだ」
「そういう事ですか………」
トラスト中将がオーラを纏いながら話すモノだから、ナミカゼ少尉とダフネ少尉は額から冷や汗を流し聞き入る。
オリヴァーはトラスト中将がいう無敵の人なのだろうが、ナミカゼ少尉は何があったのかとオリヴァーの過去が気になる。
「そんなところに立っていても仕方ないだろう。まだ目的地までは距離がある………部屋に戻って休んでいろ」
「りょ 了解いたしました!! 失礼いたします!!」
ナミカゼ少尉とダフネ少尉に、部屋に戻って目的地までは休息を取る様に言った。
2人はトラスト中将に敬礼をしてから、中将の部屋を後にして部屋に戻っていく。
「おい、ナミカゼ。あのトラスト中将の顔を見た? 相当な事件があったって分かるよなぁ………」
「そうでもなきゃ、共和傭兵団を宗教団体にして世界を乗っ取ろうなんてしないだろうね」
「私たちも大切な人とかを亡くしたら、あんな犯罪者たちと同じになるのか………」
「信念を忘れるな。なんで、俺たちが軍人になったのかを絶対に忘れないんだ」
ダフネ少尉はナミカゼ少尉に、自分たちも大切な人たちが死んだら犯罪者になるのかとボソッと言った。
それに対してナミカゼ少尉は、ダフネ少尉の方を見る事なく真っ直ぐ前をみて、信念を忘れるなと自分たちの正義を話す。
そのままナミカゼ少尉たちは、自分の部屋に戻るとカホアール教団の潜伏先まで休息を取る。
* * *
俺とルイちゃんが宿屋に帰ってから、エッタさんたちに色々とあった事を話すと疲れから、その日は直ぐに部屋で休んだ。
すると次の日の朝にはアレクたちが、全ツァリーヌ王国国民に全ての事実を話して混乱させていた。
「さすがに、こんな事実だと国民も驚くよなぁ………」
「ミナト様たちが、この国を救ったんですよ!!」
「後始末はアレクたちに任せたし、俺たちは次の国にでも出発するかい?」
「そうですね。ここでの仕事は終わったので、後の事は自分たちがやるべきだと思います!!」
俺たちはやる事はやったので、残りの事は革命軍の人間とアレクたちに任せようと決めた。
そうなるとツァリーヌ王国にいる理由が無くなるので、俺たちは荷物をまとめて出国の準備を進めていた。
「ミナトさんっ!! もう出発してしまうんですね」
「あぁ倒したい奴は倒したし、俺たちがツァリーヌ王国にいる理由は無くなったからな」
「そうですか。なら、これだけは言わせて下さい………本当に助けていただきありがとうございます!!」
俺たちの前にアードルフがやって来て、俺たちに対して頭を下げて感謝を伝えてくれた。
アードルフは頭を下げているが、地面にポタポタッと垂れている液体をみて泣いているのが分かる。
そんなアードルフの肩を、俺はポンッと叩いて手配していた馬車に乗り込んで出発する。
「さてと次の国は、どこになるんだっけか?」
「次の国は《フロマージュ王国》だにゃ。現在のフロマージュ王国は、なんとも言えない状況にゃ………」
「何とも言えない? なんとも言えないって、まさか酷い状況だって事かい?」
俺は地理には詳しくはない。
そこでシュナちゃんがフロマージュ王国と教えてくれたが、シュナちゃんはフロマージュ王国に思うところがあるらしい。
その言い方が気になった俺は、詳しそうなエッタさんたちに詳しい話を聞くのである。
「フロマージュ王国の国土は、砂漠が7割に森林が3割と砂漠が国土のほとんどを占めています」
「おぉ砂漠の国ってわけか。それで、まさか砂漠っていうのがダメなところなのか?」
「そうもいえますが、国の政府がダメなんですよ。約10年前に反乱が起きて国王が変わってから酷い国政が起きてるんです」
「つまりは反乱を起こして国王が変わったが、その国王が独裁者になったっていう事か………」
詳しく話を聞いたところ反乱が起きたらしいが、このフロマージュ王国にとっては最悪な事だろうと分かった。
俺としては面倒な事に巻き込まれるのだけは嫌だが、世界を回ると決めたからには行く他ない。
「心配なところは多くあるけど………まぁ何とかなるよな」
「私たちとミナト様がいれば問題ありません!!」
俺たちは問題があると分かっていながらも、互いがいれば問題ないとフロマージュ王国に向けて出発する。
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