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第3章・残念なドラゴンニュートの女の子
077:見抜いた一撃
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俺はフランターヤの幻覚を破り、本物を見分けて勝利する勝ち筋が頭の中に浮かんだ。
その為には本物を見つける時間が必要な為に、ルイちゃんには負担が掛かるが時間を稼いでもらう事になった。
「ミナト殿が本物を見つけるだけの時間は、拙者が作ってみせるでござる!!」
「本物の俺を見つけるって? そんなの君たちには不可能だ。完璧な力を持っている俺を見つけるなんてね」
「黙ってろ。お前の力は完璧じゃない………真っ向から戦う事ができないから、この戦法を選んだんだろ?」
「なんだと? それは俺を煽ってるつもりなのかな?」
俺はフランターヤに対して、わざと怒らせる様な煽りを片っ端からいうと、フランターヤは割と我慢できないタイプらしい。
本人は余裕を見せているつもりだろうが、無理矢理に怒りを我慢してるかの様な震えが見て取れる。
今までも強い人間だろうが、怒りを抱いた瞬間に冷静な思考なんて思いつくわけがない。
「煽りだって? 俺は煽ってるつもりは、さらさらないね。ただ事実を述べてるだけだ」
「そうか。そんなに死にたいって事なんだな………良いだろう。神の名の下に、お前を地獄に落としてやるよ」
「神の名を口にして、そんな品格もない事をいうとは………それは神への冒涜なんじゃないか?」
「今すぐに殺してやるよ!!」
「見つけたぞ!!」
俺の煽りはひたすらに続いた。
その煽りを真っ向から受け止めていれば、そりゃあ苛立ちも隠せなくなるだろう。
そして遂にフランターヤの堪忍袋も限界が来て、さっきまでオーラを消していたにも関わらず、マーシャルアーツを使う為にオーラを思い切り纏ってしまった。
「正面の右から2番目が、本物のフランターヤだっ!!」
「そうでござるか!!」
「なっ!? そんな方法で見つかるとは………だが、直ぐに綱体すれば問題な……」
「そうさせるわけないでござる!! 切り捨てごめん!!」
・火魔法Level3《ファイヤーエンチャント》
・高速移動魔法Level3
――――頭尻取り――――
「う ゔわぁああああ!!!!! 俺の腕がぁああああ!!!!」
俺がフランターヤの位置を把握すると、直ぐにルイちゃんへ場所を伝えた。
しかしフランターヤは直ぐに綱体を使おうとしたが、ルイちゃんの瞬間的な動きによって綱体を使う前に斬られる。
フランターヤの右腕は斬られた事で、空中にフワッと浮くと地面にベチャと落ち、フランターヤの傷口からは噴水の様に血が吹き出して自身は混乱している。
「よしっ!! 完全にオーラのコントロールと、オリジナルスキルが使用できていない!!」
スキル:高速移動魔法Level2
・スキル:斬撃魔法Level2
――――残像の太刀――――
「こ こんなところで………」
俺はフランターヤが完全に意識が飛びかけているのを見て、これではマーシャルアーツも、オリジナルスキルも使えないと確信して剣を握り直す。
そのまま俺はアフタリミッジ・スラッシュで、フランターヤの首を刎ねて勝利を掴む事ができた。
「ふぅふぅ……疲れたぁ。こんな面倒な奴とやったのは、久しぶり過ぎて疲れたわぁ」
「確かに細心の注意をしながらの戦闘は疲れるでござる。しかしミナト殿の本物を見抜いたのは凄いでござるな!!」
「いやぁ。成功するのは中々のギャンブルだったけど、思った通りに成功して良かったわぁ………」
俺は完全にフランターヤが死んだ事を確認すると、地面にドサッと座り込んで疲れたとボヤく。
それに続くようにルイちゃんも座り込んで、頭や神経を使う戦いで疲れたと俺と同じ気持ちだった。
「しかし、この事実を市民に伝えるとなると………俺たちで、何とかなるのだろうか?」
「そうでござるなぁ。確かに伝え方が難しいところではあるでござる………どうするでござる?」
「う~ん……」
俺はひと段落して休みたいところだが、この事実を市民に伝えなければいけなく方法に困っている。
ルイちゃんも一緒に考えてくれているが、俺たちは頭が良い方では無いので思いつかない。
「おぉん? なんだなんだ。革命軍のダチから聞いて来てみれば解決してるんじゃないか」
「あれ? アレク様、あの男の子って最近、話題になってる駆け出し冒険者じゃありませんか?」
「なんだって!? あの1年も経たずに、十二聖王に入るかもって噂のルーキーかっ!!」
俺たちが困っているところに男女で構成された冒険者パーティーがやって来たのである。
その中心メンバーは、周りからアレク様と呼ばれており、そのアレクに目が惹かれる。
上半身裸に無数の傷、背中には骸骨が槍を噛んでいる刺青が入っており、高身長のガチムチな男って感じの男だ。
「あ アンタらは誰なんだ?」
「俺たちか? 俺たちは《東方旅団》って冒険者グループだ」
「東方旅団……どこかで聞いた事がある様な気がするけど」
「私たちは、それなりに名前は知られているんですよ!! そして、こちらの方こそが十二聖王の序列8位《アレク=サンダース》様です!!」
なんと目の前にいるのは十二聖王の序列8位《アレク=サンダース》だった。
確かに目を惹くくらいの男らしい冒険者だ。
納得する事はできるが、それならば尚更に十二聖王がいるのは何故なのだろうか。
「そんな十二聖王さまが、どうしてツァリーヌ王国の城内に?」
「だから言っただろう。俺のダチに革命軍がいて、ソイツが手を貸して欲しいって言ったからな」
「あぁそんな事を言っていたか………」
俺は驚きがあった為にアレクたちが、ここにいる理由を忘れており2度目の説明を受ける。
「お前たちが共和傭兵団のフランターヤを倒したのか? さすがは期待のルーキーじゃないか」
「まぁ。そんな事よりも市民には、どうやって伝えたら良いと思う?」
「どうやってって普通に事実を伝えれば良いじゃないか。そんなまどろっこしい事を考えなくても良いだろ」
俺は十二聖王という偉大な人間ならば、市民に正しい伝え方ができるだろうと聞いてみた。
しかしアレクは面倒くさい事を考えずに、真っ向から事実を話したら良いだろうと言われてしまった。
まぁそれもそうかと変な風に納得すると、何に悩んでいたのかと馬鹿らしくなって来たのである。
「それじゃあ俺が市民に話すよりも、アンタらが市民に話した方が説得力があるかもな」
「まぁそうかもしれないが、お前らの功績を奪いかねないぞ?」
「そんな面倒な事をするよりかはマシだ………それじゃあ、後は十二聖王さまに任せるわ」
俺たちとしても説得力があって、後処理が面倒なところがあるので全てのアレクたちに引き継がせた。
「まぁ申し訳ないけど、後の事はよろしく頼むよ」
「それは良いが、そっちの子はドラゴンニュートか?」
「え? あぁドラゴンニュートのルイちゃんだ」
「おぉドラゴンニュートに会ったのは、お前で2人目だ」
アレクは帰ろうとする俺たちを呼び止めて、ルイちゃんはドラゴンニュートかと聞いてきた。
なのでドラゴンニュートだと認めると、アレクはもの珍しそうな目をして会ったのは2人目だという。
「そ そのドラゴンニュートの名前は何でござるか!!」
「な 名前か? 確か……《ユウト=サザンザール》だった様な気がするな」
「まさか!? その人ってルイちゃんの………」
「親父でござる………」
ルイちゃんはアレクに会ったドラゴンニュートの名前を焦りながら聞くと、驚きながらも名前を思い出して話した。
その名前はルイちゃんと同じ苗字で、まさかと思って確認するとルイちゃんの父親だった。
その為には本物を見つける時間が必要な為に、ルイちゃんには負担が掛かるが時間を稼いでもらう事になった。
「ミナト殿が本物を見つけるだけの時間は、拙者が作ってみせるでござる!!」
「本物の俺を見つけるって? そんなの君たちには不可能だ。完璧な力を持っている俺を見つけるなんてね」
「黙ってろ。お前の力は完璧じゃない………真っ向から戦う事ができないから、この戦法を選んだんだろ?」
「なんだと? それは俺を煽ってるつもりなのかな?」
俺はフランターヤに対して、わざと怒らせる様な煽りを片っ端からいうと、フランターヤは割と我慢できないタイプらしい。
本人は余裕を見せているつもりだろうが、無理矢理に怒りを我慢してるかの様な震えが見て取れる。
今までも強い人間だろうが、怒りを抱いた瞬間に冷静な思考なんて思いつくわけがない。
「煽りだって? 俺は煽ってるつもりは、さらさらないね。ただ事実を述べてるだけだ」
「そうか。そんなに死にたいって事なんだな………良いだろう。神の名の下に、お前を地獄に落としてやるよ」
「神の名を口にして、そんな品格もない事をいうとは………それは神への冒涜なんじゃないか?」
「今すぐに殺してやるよ!!」
「見つけたぞ!!」
俺の煽りはひたすらに続いた。
その煽りを真っ向から受け止めていれば、そりゃあ苛立ちも隠せなくなるだろう。
そして遂にフランターヤの堪忍袋も限界が来て、さっきまでオーラを消していたにも関わらず、マーシャルアーツを使う為にオーラを思い切り纏ってしまった。
「正面の右から2番目が、本物のフランターヤだっ!!」
「そうでござるか!!」
「なっ!? そんな方法で見つかるとは………だが、直ぐに綱体すれば問題な……」
「そうさせるわけないでござる!! 切り捨てごめん!!」
・火魔法Level3《ファイヤーエンチャント》
・高速移動魔法Level3
――――頭尻取り――――
「う ゔわぁああああ!!!!! 俺の腕がぁああああ!!!!」
俺がフランターヤの位置を把握すると、直ぐにルイちゃんへ場所を伝えた。
しかしフランターヤは直ぐに綱体を使おうとしたが、ルイちゃんの瞬間的な動きによって綱体を使う前に斬られる。
フランターヤの右腕は斬られた事で、空中にフワッと浮くと地面にベチャと落ち、フランターヤの傷口からは噴水の様に血が吹き出して自身は混乱している。
「よしっ!! 完全にオーラのコントロールと、オリジナルスキルが使用できていない!!」
スキル:高速移動魔法Level2
・スキル:斬撃魔法Level2
――――残像の太刀――――
「こ こんなところで………」
俺はフランターヤが完全に意識が飛びかけているのを見て、これではマーシャルアーツも、オリジナルスキルも使えないと確信して剣を握り直す。
そのまま俺はアフタリミッジ・スラッシュで、フランターヤの首を刎ねて勝利を掴む事ができた。
「ふぅふぅ……疲れたぁ。こんな面倒な奴とやったのは、久しぶり過ぎて疲れたわぁ」
「確かに細心の注意をしながらの戦闘は疲れるでござる。しかしミナト殿の本物を見抜いたのは凄いでござるな!!」
「いやぁ。成功するのは中々のギャンブルだったけど、思った通りに成功して良かったわぁ………」
俺は完全にフランターヤが死んだ事を確認すると、地面にドサッと座り込んで疲れたとボヤく。
それに続くようにルイちゃんも座り込んで、頭や神経を使う戦いで疲れたと俺と同じ気持ちだった。
「しかし、この事実を市民に伝えるとなると………俺たちで、何とかなるのだろうか?」
「そうでござるなぁ。確かに伝え方が難しいところではあるでござる………どうするでござる?」
「う~ん……」
俺はひと段落して休みたいところだが、この事実を市民に伝えなければいけなく方法に困っている。
ルイちゃんも一緒に考えてくれているが、俺たちは頭が良い方では無いので思いつかない。
「おぉん? なんだなんだ。革命軍のダチから聞いて来てみれば解決してるんじゃないか」
「あれ? アレク様、あの男の子って最近、話題になってる駆け出し冒険者じゃありませんか?」
「なんだって!? あの1年も経たずに、十二聖王に入るかもって噂のルーキーかっ!!」
俺たちが困っているところに男女で構成された冒険者パーティーがやって来たのである。
その中心メンバーは、周りからアレク様と呼ばれており、そのアレクに目が惹かれる。
上半身裸に無数の傷、背中には骸骨が槍を噛んでいる刺青が入っており、高身長のガチムチな男って感じの男だ。
「あ アンタらは誰なんだ?」
「俺たちか? 俺たちは《東方旅団》って冒険者グループだ」
「東方旅団……どこかで聞いた事がある様な気がするけど」
「私たちは、それなりに名前は知られているんですよ!! そして、こちらの方こそが十二聖王の序列8位《アレク=サンダース》様です!!」
なんと目の前にいるのは十二聖王の序列8位《アレク=サンダース》だった。
確かに目を惹くくらいの男らしい冒険者だ。
納得する事はできるが、それならば尚更に十二聖王がいるのは何故なのだろうか。
「そんな十二聖王さまが、どうしてツァリーヌ王国の城内に?」
「だから言っただろう。俺のダチに革命軍がいて、ソイツが手を貸して欲しいって言ったからな」
「あぁそんな事を言っていたか………」
俺は驚きがあった為にアレクたちが、ここにいる理由を忘れており2度目の説明を受ける。
「お前たちが共和傭兵団のフランターヤを倒したのか? さすがは期待のルーキーじゃないか」
「まぁ。そんな事よりも市民には、どうやって伝えたら良いと思う?」
「どうやってって普通に事実を伝えれば良いじゃないか。そんなまどろっこしい事を考えなくても良いだろ」
俺は十二聖王という偉大な人間ならば、市民に正しい伝え方ができるだろうと聞いてみた。
しかしアレクは面倒くさい事を考えずに、真っ向から事実を話したら良いだろうと言われてしまった。
まぁそれもそうかと変な風に納得すると、何に悩んでいたのかと馬鹿らしくなって来たのである。
「それじゃあ俺が市民に話すよりも、アンタらが市民に話した方が説得力があるかもな」
「まぁそうかもしれないが、お前らの功績を奪いかねないぞ?」
「そんな面倒な事をするよりかはマシだ………それじゃあ、後は十二聖王さまに任せるわ」
俺たちとしても説得力があって、後処理が面倒なところがあるので全てのアレクたちに引き継がせた。
「まぁ申し訳ないけど、後の事はよろしく頼むよ」
「それは良いが、そっちの子はドラゴンニュートか?」
「え? あぁドラゴンニュートのルイちゃんだ」
「おぉドラゴンニュートに会ったのは、お前で2人目だ」
アレクは帰ろうとする俺たちを呼び止めて、ルイちゃんはドラゴンニュートかと聞いてきた。
なのでドラゴンニュートだと認めると、アレクはもの珍しそうな目をして会ったのは2人目だという。
「そ そのドラゴンニュートの名前は何でござるか!!」
「な 名前か? 確か……《ユウト=サザンザール》だった様な気がするな」
「まさか!? その人ってルイちゃんの………」
「親父でござる………」
ルイちゃんはアレクに会ったドラゴンニュートの名前を焦りながら聞くと、驚きながらも名前を思い出して話した。
その名前はルイちゃんと同じ苗字で、まさかと思って確認するとルイちゃんの父親だった。
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