社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa

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第3章・残念なドラゴンニュートの女の子

076:ひらめきは一瞬

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 俺とルイちゃんは、フランターヤの幻覚を出すオリジナルスキルによって翻弄されてしまっている。
 翻弄されるどころか、この幻覚は脳にも作用している為に攻撃を受けると、体に本当の傷を負ってしまうところだ。


「本当に面倒なスキルだなっ!! 本物のフランターヤが、どこにいるのか………ルイちゃんは大丈夫かっ!!」

「こっちは大丈夫でござる!! しかし、あまりにも数が多くて捌ききれなくなってきたでござる………」


 フランターヤは最近戦ってきた脳筋とは異なり、頭が良いのだと分かる戦闘スタイルで俺たちを追い込む。
 しかしオリジナルスキルだけで追い込むのではなく、生命燃料オーラを上手く使った戦闘技術《マーシャルアーツ》と呼ばれる技も使ってくる。


「今度は刀脚だっ!!」

「なっ!? 確かに刀の様な切れ味だ……オーラを上手く使えば魔法じゃなくても強くなれるのか」

「そうだっ!! 俺たちは、女神《スミカ》様の下で多くの修行を行ってきた………それが、この結果だっ!!」


 フランターヤが習得した3つのマーシャルアーツが、相当なものでオリジナルスキルだけを警戒すれば良いわけじゃない。
 足を刀の様な切れ味にした蹴りを、俺に向かってしてきたのでエルードで防いだ。


「ミナト殿の動きも良くなってきたでござるな………それやら、拙者も負けるわけにはいかないでござる!!」

・火魔法Level1《ファイヤーボール》
・風魔法Level3《ガストストーム》

―――東西南北の突風レンプウハイ―――


 ルイちゃんは刀に火魔法と風魔法を混ぜ合わせて、自分自身がグルッと円を描く様に回った。
 すると熱風の風が幻覚のフランターヤたちを襲って、そのまま周囲の幻覚たちを瞬殺した。


「ほぉ。ただの雑魚ってわけじゃなさそうだな………まぁ何の問題も無いけどな!!」

「フランターヤっ!! ルイちゃん、そっちに行ったよ!!」

「こっちに来たでござるか!? しかし、そこまでの速さは無いでござるな!!」

「ふんっ。この程度の刀で、俺の体を斬れると思ったのか?」

「なっ!? 拙者の刀で斬れないでござるか………」


 ルイちゃんの強さに気がついたフランターヤは、俺に攻撃をして足止めした瞬間に動き出した。
 そしてルイちゃんのところに飛び出したのであるが、そこまで動きが速くなかったのでルイちゃんは動きを捉え斬った。
 しかしフランターヤの体にあるはずの切り傷がなく、どうなっているのかとルイちゃんは困惑する。


「どうだ? これが綱体だ……そして、これが鉄拳っ!!」

「ゔわぁっ!?」

「ルイちゃんっ!!」


 フランターヤは攻撃を防いだ事に自慢げな顔をしてから、鉄拳でルイちゃんの事を殴り飛ばした。
 ルイちゃんが殴り飛ばされた事に俺が反応して、俺に背を向けているフランターヤに斬りかかる。


「そんな分かりやすい攻撃が当たると?」

「なっ!? いつの間に幻覚と入れ替わりやがった!!」

「オリジナルスキルってのは、こうやって頭を良く使って戦うもんなんだよ!!」


 俺が斬りかかって斬った瞬間に、フランターヤがフニャッとなって姿を消したのである。
 その瞬間に俺が斬ったのは幻覚の方だと分かって、周りキョロキョロして本物を探そうとした。
 しかし俺はフランターヤの気配を背後から感じて振り返った時には、ルイちゃんと同じところに殴り飛ばされた。


「オリジナルスキルと、マーシャルアーツっていうのが相性良いな………こっちからは手を出しづらい」

「そうでござるな。幻覚の方は、マーシャルアーツは使ってこないみたいでござるが、本物との見分けがつかないでござる」

「幻覚には生存燃料オーラが無いからなんだろうな。ん? ちょっと待てよ……」


 本物との見分けがつきづらく、本物のフランターヤは気配を消して近寄ってくるので戦いづらい。
 それは幻影の方にオーラが無いからだろうと思った瞬間に、俺はある事に気がついたのである。


「ルイちゃん、お願いがあるんだけど良いかな? 相当、負担をかける事になるんだけど………」

「なんでござるか!! 拙者なら、ミナト殿の期待に応えられると思っているでござる!!」

「それなら必ず俺が、本物のフランターヤを見つけるから、その間の幻覚の相手を頼めないかな」

「そういう事でござるかっ!! もう既に違いを見つけているとは………さすがミナト殿でござる!! 拙者に任せてくれれば問題ないでござる!!」


 俺は既にフランターヤの攻略法を見つけており、その為にルイちゃんに頼んで幻覚の相手をしてもらう。
 ルイちゃんは俺に頼られた事が嬉しいのか、満面の笑みで愛刀を構えて幻覚を迎え撃つ。



* * *



 イローナちゃんは第6師団との戦闘を終えて、1人でカエデちゃんを運べるのかと考えている。
 するとイローナちゃんの前に、エッタさんとシュナちゃんに数人の男たちが現れた。


「イローナちゃん? こんなところで……って!? どうして、そんなに血まみれなの!!」

「ん? あぁエッタさんか………共和傭兵団の人間と戦ってて、私の血じゃないから心配しないで」

「そ そう……なら良いのだけど」

「それよりもカエデを運ぶのを手伝ってもらえる?」

「あ~うん。分かったわ」


 エッタさんはイローナちゃんの体に大量の血が付いていたので、相当な出血をしているのでは無いかと焦る。
 しかし血は師団長のものだと言って誤解をとると、イローナちゃんはカエデちゃんを指差して運ぶを手伝ってもらう。
 そして最初の宿屋に運ぶと、少し落ち着いたところでイローナちゃんはエッタさんとシュナちゃんと一緒にいる男たちについて話を聞くのである。


「それでエッタさんといる、男たちは誰?」

「革命軍の人たちよ。私たちは、この人たちと一緒に共和傭兵団について調べているのよ」

「何か分かった事でもあった?」

「共和傭兵団っていうのは表の名前で、裏の名前は《カホアール教団》というらしい事は分かったわ」

「人だけじゃなく、多くの種族が参加している宗教団体っていうのは面倒そう………」


 エッタさんたちといたのは革命軍のメンバーらしく、ある程度の情報を手に入れたから帰ってきたという。
 そして持って帰ってきた情報は、俺たちが命を張って城に潜入して手に入れた情報と同じだった。


「それでミナト様たちは、どこにいるのかしら?」

「それなら城の中に潜入しに行ったよ」

「城に自ら潜入するなんて………ミナト様ったら危険な事をしているのね。それで、どれくらい帰ってきてないのかしら?」

「そうだな。私たちが別れて3時間くらい?」

「そんなに経つの………私たちも応援に向かった方が良いかもしれないわね」


 エッタさんは俺たちが城に行っている事を知ると、何時間帰って来ていないかと、さらにイローナちゃんに聞いた。
 その時間を聞いて危ないかもしれないと判断して、自分たちも応援に行こうとエッタさんは言った。


「応援は必要なのかな? 逆にミナトの邪魔になったりするんじゃないの?」

「それは……確かにない話じゃないわね。それなら信じて待つほか無いわね………」

「まぁミナトを信じて待つしか無いよ………」


 イローナちゃんは邪魔になる危険性があると言って、それならばと納得したエッタさんは待つ事にした。
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