日本大戦〜日本が大変な事になりました〜

湯崎noa

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第1章・王弟の反乱 編

009:宣戦布告

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 瀧澤さんは王子の話を聞いて、手を貸す事を決めた。
 元々は軍人を辞める時に、もう国の事には関わらないと決めていたが、心変わりしたらしい。
 覚悟と知識はあるとは言えども王子は、まだ俺と同じ16歳なので瀧澤さんに頼らないわけにはいかない。
 その為の会議をスタートさせるのである。


「それでは、まずは手始めに国内外に王位継承の宣言を大々的にやりましょう。それと同時に谷村大将と牛丸大将に声をかけて挙兵しましょう」

「瀧澤殿の言う通りだ! 俺は、この地を借りて王位継承の宣言をする。そして王都を占領している国賊どもを全て排除し、新たな正しい国家を設立させる!」


 王子は瀧澤さんの意見を呑み、この地において各方面への王位継承の意思を主張する事になった。
 そして谷村大将と牛丸大将を呼び、王都にいる国賊たちを排除する作戦を決行する事にした。

 善は急げという事で、周辺国と北星王国の領土全土に王位継承するという事を知らせる早馬を走らせる。
 それと同時に谷村大将と牛丸大将にも、手を貸して欲しいという早馬を走らせる。
 この作戦に関しては欠点というべきか、リスクがあると瀧澤さんはいう。
 俺も何となく理解している。


「もしも協力者が出なければ、殿下には国外に亡命していただきます。殿下さえ生きていれば、何度でもやり直す事はできますからね」


 難しい事だ。
 この作戦は前提として協力者が必要だ。
 もしも協力者が得られなければ、国王派の勝利どころか勝負にならないのである。
 そうなった場合は王子には国外に亡命して貰う。
 生きてさえいれば、また総大将に据えて反国王側と戦う事はできるだろうからな。



~~~~~~~~~~



 柏岡・関戸内務卿・岩代中将はある場所を訪れる。
 それは蝦夷領北都県富黄町(旧富良野市)の山中にある隠れ家的な大きな屋敷である。
 こんな山の中にあるとは思えない豪華な屋敷だ。
 3人は綺麗で豪華な身なりで訪れている。
 明らかに建物と3人の服装からして、ここに住んでいるのは普通の人間では無いと予想ができる。


「柏岡殿下だ、中に案内して貰おうか」

「お待ちしておりました。それではご案内いたします」


 屋敷の扉を開くと、そこには洋風の執事が深々と頭を下げて待っていた。
 スッと顔を上げた執事は、手を屋敷の中に向けて案内するというのである。
 3人が案内されたのは豪華絢爛な客間だった。


「ありのままの報告をしても、あの方はお怒りにはなるでしょうか………」

「そんなのは分からん。あの方は頭がキレる方だ、俺たちが隠したところで分かる事だろう」


 これから会う人間は3人にとって畏怖するような人間であり、かなりの権力を持っている人間だ。
 緊張しながら待っていると客間の扉が開く。
 ピシッと3人は立ち上がって頭を下げて挨拶をする。
 入ってきたのは13歳の目つきの悪い少年である。


「呂久殿下っ! 本日は時間を作っていただき光栄至極でございます!」

「よい座れ。貴様らの用件は分かっている………まだ尚人の首は届けられていないのだろう?」

「は はい! 誠に申し訳ございません!」


 やはり尚人の弟である呂久だった。
 先にドサッと座ると、柏岡たちにも椅子に座るように指示を出して肘置きに肘を置いて顎を乗せる。
 そして見下したような顔で3人を見ている。
 どう見たって3人を見下している。
 しかしただ傲慢というわけではなく、ここに3人が来た理由もハッキリと理解できている。


「あの尚人が、そう簡単に捕まるわけが無い。貴様らに大きな期待なんてしていないわ」

「も 申し訳ありません。もう少しで捕えるか、または首を上げる事はできると思います………」

「その言葉を根拠もなく信じろというのか? そこまで俺が馬鹿に見えるか?」


 馬鹿では無いとは言えども高圧的な態度は否めない。
 あまりの威圧感に13歳でありながら、良い大人たちを恐怖させているのである。


「現段階で貴様らの名前を出して、どれだけの協力者が名乗りをあげているんだ?」

「現段階ですと教育総監、陸軍幹部が数人、大名と士族も数人が名乗りをあげています」

「まだそんなものか? 貴様らが先頭に立っているというのに、それだけの人数しか集まっていないのか。貴様らは人望は無いのか?」


 グサグサッと痛いところを突かれて、3人の顔は下がって地面を見つめるのである。
 確かに現段階で国に対抗するのは難しい。
 計画段階では、もっと多くの人間が参加するはずだったのだが、始めて見たら想定とは異なっていた。


「貴様らに任せていたら、獲れる国も獲れなくなる。ここからは俺が変わって指揮を………」

「ちょっと待って下さい! まだ殿下の手を煩わせるわけにはいきません!」

「向こうの出方を見た方が良いと思います!」

「黙れっ! 貴様らに任せているから、こんな状況になっているんだろうが! それを棚に置いて、この俺に命令するっていうのか!」

「そ そういうわけではございません! 気分を害されてしまったのなら謝罪いたします………しかし! 勝利を確実にする為には、丁寧に作戦を実行しなければいけないんです!」


 呂久は3人が頼りない為、これからは自分自身が陣頭指揮を取ると言い始めたのである。
 それを3人は止めようとしたが、今の事態になっているのは3人の責任であるとして静止を聞かない。
 ダメかと思われたが柏岡が立ち上がる。
 そして落ち着いて事を起こそうと呂久を説得する。


「ほぉ? 俺に命令するんだな」

「そういうわけではありません! 我々は本当に、殿下の事を考えての事です!」


 柏岡は必死に呂久を説得するのである。
 しかし呂久も引き下がらない。
 王位継承権は呂久の方が上ではあるが、柏岡は前国王の弟として甥っ子を思っての事だ。
 それでも一向に話が前に進まない。

 するとそんなやり取りをしている客間の扉が開き、伝達兵が入ってくるのである。
 息を切らして慌てているみたいだ。
 全員の視線が伝達兵に集まる。
 そして柏岡が「何事だ!」と言う。


「失礼しました! ただいま津軽外浜県から北星王国全土にある提示がされました!」

「津軽外浜県から国全土に提示だと? どこの誰が、何の提示をしたと言うんだ!」

「王太子と共に、瀧澤元参謀総長らが王位継承を宣言した上で役職を大々的に発表しました!」

「なんだと!? 王太子と瀧澤殿が王位継承の宣言と、役職を発表しただと!?」


 王子と瀧澤さんは国に全土に、自分が王様になると言う事を宣言した上で、自分の側近の役職を発表した。
 その話を聞いた柏岡たちは焦りを感じている。
 すると呂久は椅子を立ち上がり不敵に笑う。


「向こうが遂に動いたわけだな。もうこれで俺が出ないわけにもいかないだろう」

「そ それは確かに………」


 もうこうなってしまったら、確かに智久が出てきて陣頭指揮を取った方が有利になる可能性が高い。
 柏岡も陣頭指揮を取る事を認めた。
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