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第1章・王弟の反乱 編
014:決戦前夜
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俺たち王太子軍は函館県を抜けて、王都のある北都県へと侵攻を開始するのである。
王太子軍と呂久軍が最初に衝突したのは、王宮がある札幌市の手前である虹安町(旧倶知安町)だ。
呂久軍は本隊をぶつけずに、士族たちの頭取たちが仕切る軍隊を先に導入する。
「王太子殿下、夏目・須郷・小介川・条規らが率いる軍が虹安で陣を張っているみたいです」
士族軍たちは旧ニセコリゾートに陣を張り、それを知った王太子たちは少し手前で陣を張った。
しかし12万を超える王太子軍に対して、士族軍は数千で相手にしなければいけない。
明らかに勝敗は目に見えている感じだ。
だが逃げた場合は、呂久の命令によって一族抹殺される可能性があると脅されている。
それでも数千の兵士で、12万の軍勢を相手できるわけがなく士族軍は、1日とかからずに蹴散らされた。
俺も最前線で戦ったのだが、明らかに向こう側の表情が死を覚悟した人間の顔だった。
呂久側の幹部たちは、もうヤケクソになっているのでは無いかと俺は戦いながら思っていた。
そして士族の頭取たちを捕まえようとした。
だが既に戦線を離脱していたのである。
まぁ簡単に敵前逃亡したのだ。
「水城、このまま簡単に終わりそうじゃ無いか? こっちは12万を超える兵士たちに、向こうは数万だろ?」
「まぁ確かに負ける可能性は低いけど、それでも何があるかが分からないのが戦争だからねぇ」
「何かあると思ってるのか?」
このまま上手く戦いが終わるのでは無いのかと、俺が水城に言ってみたのである。
すると水城は何かあるかもしれないから油断はできないと、いつも通りのニヤけ面しながら言う。
それでも確かに水城の言う通りだ。
何かあるかもしれないから気を抜くのはダメだ。
それは王子が王位継承するまで、それまで手を抜くわけには絶対にいかない。
王太子軍は虹安町市内で物資補給する。
そこまで消耗しているわけでは無いので、小さな町で軽く補給するだけで済んだ。
そのまま俺たちは王宮のある札幌市に向かう。
まだ札幌市までは距離があるので、3日もかかったが札幌市内に陣取っている本隊に対して、王太子軍は北海道立近代美術館跡地に陣を張った。
俺と水城は夜に王子の天幕に呼ばれた。
どうしたのかと思って行ってみると、そこには軍服を着た王子が酒を持って座っていた。
その姿は、いつも見ている王子の3割増しで畏怖のようなものを感じている。
しかしとりあえず中に入ってみる。
「おぉ2人とも来たか。中に入って、少し一緒に酒を飲もうじゃないか」
「え? 俺たちと一緒にですか………」
「そうだが、もしかして酒は飲めないか? それなら無理にとは言わないが」
「いえ! そういうわけじゃなくて………まさか殿下から飲みの誘いを受けるとは思いませんでした」
まさかのお酒の誘いだった。
想像していた内容とは違ったので、俺たちは呆気に取られていて黙ってしまった。
最初こそ驚いたが誘いを取り下げようとしたので、俺たちは「是非とも!」と誘いを受ける事にしか。
しかしどうして、いきなり酒なのかと困惑はしてる。
それを聞くのは、少し待ってからにしようと座る。
「反逆者で国賊とはいえども相手は弟だ、少しばかり心に迷いがあってな。決戦前夜に、こんな話をするべきじゃないと思うが………お前たちに、少しだけ話を聞いて欲しいと思ってな」
「俺たちで良いなら、いくらでも話は聞きますよ! どんな話でも、ばっちこいです!」
王子は決戦前夜でナーバスになっているのだろう。
俺たちに話を聞いて欲しいと言ってきたのである。
俺たちとしては、どんな話だろうと王子と対話できるなんて珍しい事なのでウェルカムだ。
しかし王子的には弱みを出したくないらしい。
まぁそれはそうだろうな。
とりあえず王子の話を水城と一緒に聞く。
「この話は王宮内でも知っている人間は、ほんの一握りではあるんだが………俺の母は豊栄共和国から亡命してきた農民だったんだ」
「王太子の母が農民だった? つまり太后は平民だったと言う事ですよね?」
「それって国家機密も国家機密じゃないですか! それをこんな風に………話しても良いんですか?」
王子の口から飛び出したのは、とてつもない衝撃の事実だったのである。
それは王子の母である太后が、王族ではなく豊栄共和国から亡命してきた農民だったと言う。
そんな話を唐突に聞かされて俺も水城も衝撃のあまり頭がショートしかけた。
「遅かれ早かれ話が表に出る事だ。それが今だったってだけの事で気にする事は無い」
「そう言われましても………それじゃあ呂久王子も同じと言う事ですよね?」
「いや、俺と呂久の母は別だ。俺の母は農民であり、呂久の母は日中合衆国出身の貴族のはずだ」
またまた衝撃の事実が飛び出してきた。
王子と呂久は腹違いの兄弟だった。
しかも呂久の方は、日中合衆国出身の貴族の令嬢だというでは無いか。
それはつまり王子は王族と平民のハーフで、呂久の方は王族と貴族の由緒正しい血筋だ。
この事実から呂久の反乱の理由が見えてくる。
「お前たちが想像している通り、呂久がクーデターを起こした理由は血筋を重視した結果だろうな。俺の母が農民の出である事を知った呂久は、俺を排除して正しい血筋である自分が王になろうと考えたはずだ」
「確かに、それならクーデターを起こす大義になり得るかもしれませんね………それにしては、そこまで兵士数が集まっていないのはどうしてなんでしょうか?」
「どういう事実があったかは分からないが、やはり王太子に逆らうリスクを考えた時に、手を貸さない方が良いと判断したんじゃ無いかと思ってる」
色々と今回の内戦についての全貌が見えてきた。
しかしそれを知れば知るほど、王子にとっては酷な話となってくるのである。
俺と水城は辛い話になってきて言葉を失う。
それに気がついて王子は、俺たちのコップに酒をトクンットクンッと入れる。
「暗い話になってしまったな。別に決戦前に暗い話をしたかったわけじゃ無いんだ………明日は俺の未来も国の未来もかかっている。弟だろうが親戚だろうが、俺の覇道の邪魔をするというのならば、その全てを薙ぎ払って前に進むだけだっ!!」
「はいっ! 無礼ながら殿下の覇道と、俺の夢は同じところにあります。どんなところにも剣と盾として着いていきますので、よろしくお願いします!」
王子の覇道である天下統一は、俺や父ちゃんの夢でもあり、叶えなければいけないものだ。
その為だったら、俺は剣にでも盾にでもなろう。
そんな想いで俺たちは酒を交わす。
そして遂に最終決戦の日が訪れる。
王太子軍と呂久軍が最初に衝突したのは、王宮がある札幌市の手前である虹安町(旧倶知安町)だ。
呂久軍は本隊をぶつけずに、士族たちの頭取たちが仕切る軍隊を先に導入する。
「王太子殿下、夏目・須郷・小介川・条規らが率いる軍が虹安で陣を張っているみたいです」
士族軍たちは旧ニセコリゾートに陣を張り、それを知った王太子たちは少し手前で陣を張った。
しかし12万を超える王太子軍に対して、士族軍は数千で相手にしなければいけない。
明らかに勝敗は目に見えている感じだ。
だが逃げた場合は、呂久の命令によって一族抹殺される可能性があると脅されている。
それでも数千の兵士で、12万の軍勢を相手できるわけがなく士族軍は、1日とかからずに蹴散らされた。
俺も最前線で戦ったのだが、明らかに向こう側の表情が死を覚悟した人間の顔だった。
呂久側の幹部たちは、もうヤケクソになっているのでは無いかと俺は戦いながら思っていた。
そして士族の頭取たちを捕まえようとした。
だが既に戦線を離脱していたのである。
まぁ簡単に敵前逃亡したのだ。
「水城、このまま簡単に終わりそうじゃ無いか? こっちは12万を超える兵士たちに、向こうは数万だろ?」
「まぁ確かに負ける可能性は低いけど、それでも何があるかが分からないのが戦争だからねぇ」
「何かあると思ってるのか?」
このまま上手く戦いが終わるのでは無いのかと、俺が水城に言ってみたのである。
すると水城は何かあるかもしれないから油断はできないと、いつも通りのニヤけ面しながら言う。
それでも確かに水城の言う通りだ。
何かあるかもしれないから気を抜くのはダメだ。
それは王子が王位継承するまで、それまで手を抜くわけには絶対にいかない。
王太子軍は虹安町市内で物資補給する。
そこまで消耗しているわけでは無いので、小さな町で軽く補給するだけで済んだ。
そのまま俺たちは王宮のある札幌市に向かう。
まだ札幌市までは距離があるので、3日もかかったが札幌市内に陣取っている本隊に対して、王太子軍は北海道立近代美術館跡地に陣を張った。
俺と水城は夜に王子の天幕に呼ばれた。
どうしたのかと思って行ってみると、そこには軍服を着た王子が酒を持って座っていた。
その姿は、いつも見ている王子の3割増しで畏怖のようなものを感じている。
しかしとりあえず中に入ってみる。
「おぉ2人とも来たか。中に入って、少し一緒に酒を飲もうじゃないか」
「え? 俺たちと一緒にですか………」
「そうだが、もしかして酒は飲めないか? それなら無理にとは言わないが」
「いえ! そういうわけじゃなくて………まさか殿下から飲みの誘いを受けるとは思いませんでした」
まさかのお酒の誘いだった。
想像していた内容とは違ったので、俺たちは呆気に取られていて黙ってしまった。
最初こそ驚いたが誘いを取り下げようとしたので、俺たちは「是非とも!」と誘いを受ける事にしか。
しかしどうして、いきなり酒なのかと困惑はしてる。
それを聞くのは、少し待ってからにしようと座る。
「反逆者で国賊とはいえども相手は弟だ、少しばかり心に迷いがあってな。決戦前夜に、こんな話をするべきじゃないと思うが………お前たちに、少しだけ話を聞いて欲しいと思ってな」
「俺たちで良いなら、いくらでも話は聞きますよ! どんな話でも、ばっちこいです!」
王子は決戦前夜でナーバスになっているのだろう。
俺たちに話を聞いて欲しいと言ってきたのである。
俺たちとしては、どんな話だろうと王子と対話できるなんて珍しい事なのでウェルカムだ。
しかし王子的には弱みを出したくないらしい。
まぁそれはそうだろうな。
とりあえず王子の話を水城と一緒に聞く。
「この話は王宮内でも知っている人間は、ほんの一握りではあるんだが………俺の母は豊栄共和国から亡命してきた農民だったんだ」
「王太子の母が農民だった? つまり太后は平民だったと言う事ですよね?」
「それって国家機密も国家機密じゃないですか! それをこんな風に………話しても良いんですか?」
王子の口から飛び出したのは、とてつもない衝撃の事実だったのである。
それは王子の母である太后が、王族ではなく豊栄共和国から亡命してきた農民だったと言う。
そんな話を唐突に聞かされて俺も水城も衝撃のあまり頭がショートしかけた。
「遅かれ早かれ話が表に出る事だ。それが今だったってだけの事で気にする事は無い」
「そう言われましても………それじゃあ呂久王子も同じと言う事ですよね?」
「いや、俺と呂久の母は別だ。俺の母は農民であり、呂久の母は日中合衆国出身の貴族のはずだ」
またまた衝撃の事実が飛び出してきた。
王子と呂久は腹違いの兄弟だった。
しかも呂久の方は、日中合衆国出身の貴族の令嬢だというでは無いか。
それはつまり王子は王族と平民のハーフで、呂久の方は王族と貴族の由緒正しい血筋だ。
この事実から呂久の反乱の理由が見えてくる。
「お前たちが想像している通り、呂久がクーデターを起こした理由は血筋を重視した結果だろうな。俺の母が農民の出である事を知った呂久は、俺を排除して正しい血筋である自分が王になろうと考えたはずだ」
「確かに、それならクーデターを起こす大義になり得るかもしれませんね………それにしては、そこまで兵士数が集まっていないのはどうしてなんでしょうか?」
「どういう事実があったかは分からないが、やはり王太子に逆らうリスクを考えた時に、手を貸さない方が良いと判断したんじゃ無いかと思ってる」
色々と今回の内戦についての全貌が見えてきた。
しかしそれを知れば知るほど、王子にとっては酷な話となってくるのである。
俺と水城は辛い話になってきて言葉を失う。
それに気がついて王子は、俺たちのコップに酒をトクンットクンッと入れる。
「暗い話になってしまったな。別に決戦前に暗い話をしたかったわけじゃ無いんだ………明日は俺の未来も国の未来もかかっている。弟だろうが親戚だろうが、俺の覇道の邪魔をするというのならば、その全てを薙ぎ払って前に進むだけだっ!!」
「はいっ! 無礼ながら殿下の覇道と、俺の夢は同じところにあります。どんなところにも剣と盾として着いていきますので、よろしくお願いします!」
王子の覇道である天下統一は、俺や父ちゃんの夢でもあり、叶えなければいけないものだ。
その為だったら、俺は剣にでも盾にでもなろう。
そんな想いで俺たちは酒を交わす。
そして遂に最終決戦の日が訪れる。
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