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第3章・刺客急襲暗殺計画 編
044:宮女の戦い
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044:宮女の戦い
北星暦112年11月。
湯川平原の戦いが終わって3ヶ月が経った。
もう随分と王都である北都県は寒くなって来ている。
王宮の廊下を目隠しをされ、男の人たちに代わり代わりに手を引かれている16歳の宮女がいた。
これはどこがどこなのかを分からなくさせる為だ。
それくらいの事をしなければいけない部屋とは、王宮内であれば1つの部屋しかないだろう。
そう国王の御部屋である。
重厚感のある部屋の扉をノックし、ギギギッと扉が開くとベッドの上に天日王が本を手に座っている。
その部屋に入ると宮女は頭の中が真っ白になる。
そりゃあそうだ。
天日王の夜伽をするのだから、緊張しても仕方ない事だろうなと男の点から思う。
頭に真っ白になった為、本当ならば「真白です!」と名乗るところだが黙ってしまう。
夜伽に部屋に呼ばれてから一夜が明けた。
いつも通り王宮内の庭の掃除をしていると、真白よりも1歳年下の先輩《由希子》がやってくる。
王宮内で1番仲が良い宮女である。
まぁ由希子以外に友達は居ないのだけれども。
「ねぇねぇ! 昨日も夜伽に呼ばれたって本当っ!?」
「え え……まぁ本当だけど」
「どうして、そんなにテンション低いの? 昨日で3回目だよ! 3回も呼ばれるなんてあり得ないんだよ!」
由希子がテンション上がっているのは、真白が夜伽に呼ばれたのは3回目だったという事だ。
普通ならば1回呼ばれるだけでも凄い事である。
それが3回も呼ばれるなんてあり得ない。
しかし真白は浮かない顔をしている。
由希子は3回も呼ばれて喜ぶべき事なのに、どうして暗い顔をしているのかと不思議になる。
どこかおかしい感じなのに仕方なく、仕事を一旦止めて話を聞く事にしたのである。
「それでそれで何でテンション低いの? 昨日、何か失敗でもしちゃったの?」
「じ 実は由希子ちゃんに相談があるんだけど………」
落ち着いたところで、何でテンションが低いのかを由希子は質問するのである。
すると真白は相談したい事があると言った。
どんな事なのだろうと少し身構える。
真白は近くにいるのに、聞こえないくらいの小さな声でボソボソと何かを喋っている。
由希子は「え? な なに?」と耳を澄ます。
そして話の内容が聞こえて驚く。
「えぇ!? まだ1回も伽をしていないっ!?」
「ちょ ちょっと由希子ちゃん! 声が大きいよ!」
まさか3回も夜伽に呼ばれているというのに、まだ手を出されていないというのである。
この衝撃の事実に由希子は言葉を失っている。
何で呼ばれているのに手を出されないのかと、由希子は真白にどうなっているのかを聞く。
「呼ばれてるのは呼ばれてるんだよね? それじゃあ部屋の中で何をしてるの?」
「何をしてるとかってわけじゃなくて………陛下は書物を読んでて、私はその隣で横になってるの」
「な 何をしてるのよぉ。私たち宮女にとって、どれだけ夜伽が大切なのかは分かってるわよね!」
由希子が怒るのも無理はない。
王宮内には王国全土から選りすぐられた100人を超える美女・美少女が生活している。
その美女たちは国王からの声をかけられるのを、今か今かと心待ちにしているのである。
「良い? 私たちは陛下の子供を産む為に集められているのよ。これは女の戦いと言っても良いわ!」
「お 女の戦い? そ そんなに大層な事なの?」
「当たり前じゃないの! ここに集められている大半の女は、子供を産んだ後のお手伝いとして呼ばれてる。つまり子供を産む事で王宮と後宮で権力を持つ人間の1人になれるわけなのよ!」
由希子の言う通りである。
宮女の全員が国王の子供を産めるわけではない。
集められた宮女のほとんどは、生まれた子供の世話や産んだ宮女の世話役の為である。
つまり子供を産めば王宮と後宮で権力を握れる。
「それだけじゃないわ! 幸運にも最初の男子を産む事ができれば、太后となって国の中でも、かなりの権力を持って振るう事ができるわ!」
「権力を振るうって………」
「だから、これは女の戦いなのよ!………それで冷静になって考えてみれば、陛下は何で部屋に真白を呼んでいるのかしらね?」
確かにどうして何もしないのに呼ばれているのか。
真白はそんな事を考え続けている。
元を辿れば由希子や他の宮女と違って、真白は貧困な家庭の出身である。
宮女に選ばれるという事は、女として認められたという名誉が与えられる事だ。
真白の父親は号泣して喜んでいた。
そして4回目の夜伽がやってきた。
だが例に違わず、今夜も手を出される事は無さそう。
真白は天日王の隣で横になっているのだが、今日も手を出されないと女として傷ついてシクシクしている。
どうなっているのかと天日王の方を見る。
今までは緊張していて顔をキチンと見ていなかったのだが、よく見てみると顔が整っていてカッコイイ。
真白は顔を赤めるのである。
そんな時に11月で冷え込んでいて、クシュンッとくしゃみをしてしまった。
恥ずかしくなって天日王に背を向ける。
すると天日王は優しく掛け布団をかけてくれた。
この事も次の日になって由希子に報告する。
そして昨日の事でハッキリした事があると、真白は由希子に報告するのである。
それは天日王に惚れたという事だった。
いきなり何を言っているのかと由希子は驚いている。
こんな事を言うのは気が引けると思いながら、由希子は自分たちは平民である事を伝える。
天日王に恋をしたとしても叶うわけがない。
しかし真白は叶わなくても良いし、権力を持たなくても良いから側に居たいというのである。
2人が話していると後ろの方を、2人に気づいていない先輩宮女たちが歩いてきた。
「知ってる? 真白ってガキが、最近になって陛下に呼ばれてるって話っ!」
「あっ! 真白って、あの田舎臭いチビでブスね?」
「ふざけんじゃないわよって話よね! 陛下の趣味もおかしい感じよねぇ」
「あぁそれなら違うらしいわよ。昔に農民の女に、酷い振られ方をして傷ついたって話よ。それでその埋め合わせに呼ばれてるってだけよ………名前はなんて言ったかしら、確かミコ? そんな名前だったは」
そんな話をしながら宮女たちは歩いて行った。
話を聞いてしまった真白は、その場で声を殺しながら悔しさと色々な感情から泣いてしまう。
由希子は今にも突っかかりそうな雰囲気だ。
まさしく宮女同士のイザコザと言っても良い。
北星暦112年11月。
湯川平原の戦いが終わって3ヶ月が経った。
もう随分と王都である北都県は寒くなって来ている。
王宮の廊下を目隠しをされ、男の人たちに代わり代わりに手を引かれている16歳の宮女がいた。
これはどこがどこなのかを分からなくさせる為だ。
それくらいの事をしなければいけない部屋とは、王宮内であれば1つの部屋しかないだろう。
そう国王の御部屋である。
重厚感のある部屋の扉をノックし、ギギギッと扉が開くとベッドの上に天日王が本を手に座っている。
その部屋に入ると宮女は頭の中が真っ白になる。
そりゃあそうだ。
天日王の夜伽をするのだから、緊張しても仕方ない事だろうなと男の点から思う。
頭に真っ白になった為、本当ならば「真白です!」と名乗るところだが黙ってしまう。
夜伽に部屋に呼ばれてから一夜が明けた。
いつも通り王宮内の庭の掃除をしていると、真白よりも1歳年下の先輩《由希子》がやってくる。
王宮内で1番仲が良い宮女である。
まぁ由希子以外に友達は居ないのだけれども。
「ねぇねぇ! 昨日も夜伽に呼ばれたって本当っ!?」
「え え……まぁ本当だけど」
「どうして、そんなにテンション低いの? 昨日で3回目だよ! 3回も呼ばれるなんてあり得ないんだよ!」
由希子がテンション上がっているのは、真白が夜伽に呼ばれたのは3回目だったという事だ。
普通ならば1回呼ばれるだけでも凄い事である。
それが3回も呼ばれるなんてあり得ない。
しかし真白は浮かない顔をしている。
由希子は3回も呼ばれて喜ぶべき事なのに、どうして暗い顔をしているのかと不思議になる。
どこかおかしい感じなのに仕方なく、仕事を一旦止めて話を聞く事にしたのである。
「それでそれで何でテンション低いの? 昨日、何か失敗でもしちゃったの?」
「じ 実は由希子ちゃんに相談があるんだけど………」
落ち着いたところで、何でテンションが低いのかを由希子は質問するのである。
すると真白は相談したい事があると言った。
どんな事なのだろうと少し身構える。
真白は近くにいるのに、聞こえないくらいの小さな声でボソボソと何かを喋っている。
由希子は「え? な なに?」と耳を澄ます。
そして話の内容が聞こえて驚く。
「えぇ!? まだ1回も伽をしていないっ!?」
「ちょ ちょっと由希子ちゃん! 声が大きいよ!」
まさか3回も夜伽に呼ばれているというのに、まだ手を出されていないというのである。
この衝撃の事実に由希子は言葉を失っている。
何で呼ばれているのに手を出されないのかと、由希子は真白にどうなっているのかを聞く。
「呼ばれてるのは呼ばれてるんだよね? それじゃあ部屋の中で何をしてるの?」
「何をしてるとかってわけじゃなくて………陛下は書物を読んでて、私はその隣で横になってるの」
「な 何をしてるのよぉ。私たち宮女にとって、どれだけ夜伽が大切なのかは分かってるわよね!」
由希子が怒るのも無理はない。
王宮内には王国全土から選りすぐられた100人を超える美女・美少女が生活している。
その美女たちは国王からの声をかけられるのを、今か今かと心待ちにしているのである。
「良い? 私たちは陛下の子供を産む為に集められているのよ。これは女の戦いと言っても良いわ!」
「お 女の戦い? そ そんなに大層な事なの?」
「当たり前じゃないの! ここに集められている大半の女は、子供を産んだ後のお手伝いとして呼ばれてる。つまり子供を産む事で王宮と後宮で権力を持つ人間の1人になれるわけなのよ!」
由希子の言う通りである。
宮女の全員が国王の子供を産めるわけではない。
集められた宮女のほとんどは、生まれた子供の世話や産んだ宮女の世話役の為である。
つまり子供を産めば王宮と後宮で権力を握れる。
「それだけじゃないわ! 幸運にも最初の男子を産む事ができれば、太后となって国の中でも、かなりの権力を持って振るう事ができるわ!」
「権力を振るうって………」
「だから、これは女の戦いなのよ!………それで冷静になって考えてみれば、陛下は何で部屋に真白を呼んでいるのかしらね?」
確かにどうして何もしないのに呼ばれているのか。
真白はそんな事を考え続けている。
元を辿れば由希子や他の宮女と違って、真白は貧困な家庭の出身である。
宮女に選ばれるという事は、女として認められたという名誉が与えられる事だ。
真白の父親は号泣して喜んでいた。
そして4回目の夜伽がやってきた。
だが例に違わず、今夜も手を出される事は無さそう。
真白は天日王の隣で横になっているのだが、今日も手を出されないと女として傷ついてシクシクしている。
どうなっているのかと天日王の方を見る。
今までは緊張していて顔をキチンと見ていなかったのだが、よく見てみると顔が整っていてカッコイイ。
真白は顔を赤めるのである。
そんな時に11月で冷え込んでいて、クシュンッとくしゃみをしてしまった。
恥ずかしくなって天日王に背を向ける。
すると天日王は優しく掛け布団をかけてくれた。
この事も次の日になって由希子に報告する。
そして昨日の事でハッキリした事があると、真白は由希子に報告するのである。
それは天日王に惚れたという事だった。
いきなり何を言っているのかと由希子は驚いている。
こんな事を言うのは気が引けると思いながら、由希子は自分たちは平民である事を伝える。
天日王に恋をしたとしても叶うわけがない。
しかし真白は叶わなくても良いし、権力を持たなくても良いから側に居たいというのである。
2人が話していると後ろの方を、2人に気づいていない先輩宮女たちが歩いてきた。
「知ってる? 真白ってガキが、最近になって陛下に呼ばれてるって話っ!」
「あっ! 真白って、あの田舎臭いチビでブスね?」
「ふざけんじゃないわよって話よね! 陛下の趣味もおかしい感じよねぇ」
「あぁそれなら違うらしいわよ。昔に農民の女に、酷い振られ方をして傷ついたって話よ。それでその埋め合わせに呼ばれてるってだけよ………名前はなんて言ったかしら、確かミコ? そんな名前だったは」
そんな話をしながら宮女たちは歩いて行った。
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