日本大戦〜日本が大変な事になりました〜

湯崎noa

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第3章・刺客急襲暗殺計画 編

046:佳子

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046:佳子
 佳子が現れたところで、2人の男《道明》と《寿治》は商談で熱くなっているのだと言うのである。
 しかし佳子が参戦した事で話が前に進むのである。
 まず佳子は道明と寿治に、自分が知っている事を話すと言ってある情報を伝える。


「私が知ってる情報は、まず第2代国王である麗紅王が死去したってこと」


 そう戦場を駆け回った先代の王が崩御した。
 しかしその事実よりも王国の使者たちが驚いたのは、この話は王宮内でも知ってる人は少ない。
 それなのにどこから情報を手に入れたのか。
 ここまでの情報収集能力があるとは、この2人の使者たちは完全に佳子を侮っていた。


「それでまずって事は、他にも何かあるんだろ?」

「2つ目は現国王である考烈王が、流行病で床に臥している状態って事よ」


 そう今回の商談に大きく関わってくるのは、この現国王が流行病で床に臥しているという事だ。
 どういう事なのかというと、流行病にかかった事で病状が悪く政治に関しては、内務卿と外務卿を筆頭に大臣たちが代わりにやってはいる。
 しかし国王がいなければ王国が途絶えてしまうので、この場合は人質として日中合衆国にいる天日王を、王国に戻して準備させようとしている。
 もちろん考烈王が元気になれば良いが、もしもの時があれば天日王に継がせようとしているのだ。


「つまり俺たちが運ぼうとしてるのは………」

「考烈王の子供を合衆国から脱出させて、王国へと送り届けるという計画だっ!」


 この話を全て聞いて道明と寿治は察した。
 まさか今回の商談で運ぶ事になるのが、北星王国の次期国王候補である考烈王の嫡子だったとは。
 道明は落ち着いているが、寿治は立ち上がって口を開けたままにするくらい驚いている。


「そこまで話を知っているのならば話は早い。このままもしも考烈王が亡くなられた場合、次に王位に就くのは尚人様だ………事の大きさが分かっただろ? これで、お前たちは抜けなれない事になったぞ」

「お待ち下さい……まず引き受けるか、どうかは尚人さまのお人柄を確認してからです。まずは尚人さまに会わせてはもらえませんか?」

「尚人さまに会ってから決めるだと? それはどういう了見なんだ?」

「商人が自分たちの運ぶモノを、確認するのは当然だとは思いませんか? 決めるのは、それからです」


 佳子たちは天日王に会ってから人柄を確認して引き受けるか、どうかを決めると言ったのである。
 それは商人として運ぶモノを確認したいかららしい。
 しかしその発言に使者たちが「我々の王太子を、モノというのは何事か!」と叫ぶのである。
 今にも喧嘩が始まりそうな雰囲気になる。

 すると商談をしている近くで、この喧嘩の声よりも大きな声が聞こえてくるのである。
 その内容は「クソガキ」だの「尚人だっ!」や「王国の呪われたガキだ!」などだ。
 佳子たちは天日王が居ると聞こえて振り返る。
 どんな子供なのかと思ったら、ボロボロな布切れに汚い髪の毛、そして目つきは人殺しの目だ。
 これが本当に王国の王子なのかと思ってしまう。


「尚人ぉ!? あれが王国の王子なのか!? どこをどう見たって貧しいコソ泥だろ………どうなってんだ?」


 次期国王候補だの嫡子だのの話を聞いてから、あの姿の天日王を見れば誰でも困惑するだろう。
 この状態を見れば、ただのコソ泥にしか見えない。
 どうなっているのかと困惑している。

 そんな中で広神の悲劇で、多くの親族を失った男が木刀を振り上げて殴りつけようとした。
 しかし天日王はスッと木刀を避けると、男の腹にパンチを入れてから落ちている石で顔面を殴りつける。
 殴られた男は気を失って地面に倒れた。
 その男の木刀を奪って戦うのであるが、大人が大人数で囲んでいるので勝てるわけがない。
 そのまま倒れてリンチになる。

 そんなのを目の前で起こって、王国の使者たちが冷静にいられるわけがない。
 剣を抜いて斬り殺してやろうとする。
 だが佳子が「騒ぎを大きくするだけだ!」と言って、何とか使者たちを落ち着かせようとするのである。


「大丈夫です! 彼らだって尚人さまが、死んでしまったらマズイと理解しているはずです」


 そう人質として合衆国にいるので、合衆国民も天日王が死ぬのはマズイと理解している。
 だからこそ殺しはしないと佳子はいう。
 その言葉の通りにやり過ぎそうになると国民同士で、これ以上は危ないからと止める。
 しかしそんなんじゃあ恨みが消えない国民たちは、手足を切り落とすくらいは良いだろうと剣を抜く。


「やめなさい! あなた方がやろうとしているのは、䋝田以下の事です!」


 さすがに佳子は見逃す事ができなかった。
 止めるように言われて佳子に気が取られている隙に、天日王は立ち上がって走って逃げようとする。
 しかし少し離れたところで立ち止まると、振り返って合衆国民を凄まじい目で睨むのである。


「見たろ? 物好きな姉ちゃん、あのガキは助ける価値なんてねぇんだよ!」

「舐めた目をしやがって、あのクソガキが!」


 佳子は走り去る天日王の背中を見送る。
 どうして子供が、あんな目をできるのかと思った。
 仕事をする上で、天日王について知らなければいけないと思って道明と寿治に調べさせるのである。
 すると思ってたよりも情報が集められる。


「だいぶ分かったぞ、あのガキについて。どうやら本当に盗まないと生活できないくらい飢えてるらしい。もう当分、王国からの物資提供は途絶えていて、母親の方も王国の王子を産んだから酷い仕打ちを受けてるって」


 少し調べただけでも天日王の酷い話が聞けた。
 何よりも天日王と母親の生活は、今日生きるとか死ぬかの話らしく王子とは思えない生活らしい。
 天日王の母上は合衆国の生まれではあるが、憎き王国の王子を産んだという事で差別を受けている。
 だから働き口もなく体を売って生活してるらしい。
 それでも日銭を稼ぐので精一杯だ。


「で、この話はどうするんだ?」

「そんなの決まってるだろうが、この話は断んだよ。考烈王が病に臥している情報は、遅かれ早かれ合衆国大統領の耳にも入るだろう。そしてその情報を知った大統領が、まずやる事と言えば………尚人の暗殺だ」

「そうだろうな。あんなガキが国王なんかになったら、俺たちが目の敵にされてもおかしくねぇからな」


 この商談の危険性を察知した。
 何よりも大統領の耳に国王が床に臥したとなると、最初に行われるのは天日王の暗殺だ。
 どうしてかというと天日王が、王国の王になると天日王にしてきた事で合衆国を目の敵にする可能性がある。
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