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第3章・刺客急襲暗殺計画 編
050:偉大な王に
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050:偉大な王に
天日王は起き上がってから直ぐに状況を理解する。
しかしやはり数は向こうの方が多いので、雨のように弓矢が飛んでくるのである。
道明も大腹も腹部や肩に弓矢を受けている。
少しづつ倒しても向こうは大軍で来る。
もうどうにもならないと諦めるムードになって来た。
すると天日王は目をカッと開いて「あきらめるな!」と全力で叫んだのである。
その声に生き残ったメンバーは驚く。
「矢も尽きていないし、馬だって走る! それなのに諦めるとは何事か! 今は一歩でも良いから王国に近づく事だけを考えろ!」
道明は、いきなりどうしたのかと思った。
大腹は驚いた顔からフッと良い顔をして、後ろの騎馬隊に向かって弓矢を放ち続けるのである。
「佳子、迎えに来る軍が向かってるかもしれない。それなのに早々に諦めるなど、佳子らしくない! 俺を北星王国まで連れて行くと言ったでは無いか!」
「本当に目覚められたのですね? 本当に良かった」
「佳子が手を差し伸ばしてくれたからだ。本当に感謝をしてもしきれない………」
完全に正気を取り戻したと佳子は安心する。
こんな風に元に戻れたのは過去のおかげだと言いながら、腕に刺さった矢を一気に抜く。
苦痛で顔が歪みながらも天日王に感謝する。
天日王の覚醒を持って士気を取り戻した、佳子たちだったが殿で弓を引いている大腹が、騎馬隊の一斉射撃をモロに喰らってしまうのである。
そのまま大腹は「無念……尚人さま、申し訳ありません」と言って馬車から落ちた。
もう完全に天日王たちの勝利は、限りなくゼロに近寄ってしまった。
今は敗北の足音が聞こえる。
佳子も死を覚悟して、養父のように助けを求める子供を助ける事ができなかったと後悔する。
しかしそんな時だった。
前方の方から砂煙が見えたのである。
「尚人さまっ! 馬車の運転をお任せします。運転に集中して、後ろは振り向かないで下さい」
「佳子……一体何をするつもりなんだ!」
「最後まで全力を尽くすんです! 諦めるわけにはいきませんから!」
佳子は馬車の運転を天日王に任せて、自分は弓を持って戦うと言うのである。
明らかに佳子は無理をしようとしていると、天日王は思っているが手綱から手は離せない。
必死に手綱を握り王国を目指す。
そして天日王も前方からの砂煙に気がつく。
ギリギリで間に合うのかと思ったところで、道明の胸に矢が抜き刺さるのである。
「あぁ寿治みたいに、カッコいい退場の仕方をしたかったんだけどなぁ………拾われた命にしては、随分と長く生きたってもんだな。寿治よりも長く好きな女の側に入れたんだからな。佳子、お前は1秒でもながく生きろ」
そう道明は言うと、敵兵に向かって死ぬならば道連れにしてやると突進して行く。
数で言えば2機を倒している。
しかしそんなの大群の中で、たったの2機だ。
それでも天日王たちからしたら、それだけの気合を感じて意志を受け継ぐのである。
この受け継いだ意志を絶やしてはいけないと言う気持ちと、仇を取ってやると佳子は弓を引く。
そして圧倒的な技術で敵兵たちを射抜いて行く。
しかしどれだけ弓が上手くても、左右や後ろからの同時攻撃で捌けなくなる。
そのまま壁がないところから、佳子は狙われて手の甲を射られてしまうのである。
天日王は「どうしたんだ!」と聞く。
しかし佳子は「向くな!」と返した。
天日王は何となく理解しているが、それでも知らぬふりをして馬車を走らせるしかない。
佳子も急いで手に刺さった矢を引き抜く。
そして直ぐに弓を引いて打つのであるが、手の痛みで蹲ってしまうのである。
天日王は動かなくて良いという。
ここまで追い込まれた天日王たちに対して、合衆国の騎馬隊たちは前方の砂煙に気がついた。
「王国の騎馬隊かっ! 尚人を迎えに国境線を越えて来たのか………だがまだ遠い! 馬車に乗り移って、尚人の首をとって来い!」
とうとう本気を出して来た騎馬隊が、馬車に乗り移ろうと動き始めるのである。
天日王の首を取らせるわけにはいかないと、佳子は剣を抜いて震えながら構える。
「私も小さい時、赤の他人に命懸けで助けて貰った。その人は私が12歳の時に、別の人を助けようとして命を落としたわ………その人の傍らで、私は死なないでと泣き叫んでいたわ。命を助けて貰ったのに、私は何も返せていなかったから」
佳子は戦いながら天日王に、自分の心のうちの思いを話し始めるのである。
自分も天日王と同じで、小さい時は辛かったと。
「しかしその人は……恩恵は次の人に渡しなさいと、どんな些細なものでも良いからと。そうやって人と人は繋がって行くんだ」
佳子は天日王を殺させるわけにはいかないと、必死に戦っているが遠くから射られた矢が胸に刺さる。
そのままバタンッと倒れると、天日王は振り向こうとするので「振り向くな!」と叫ぶ。
深く深呼吸をしながら馬車に乗り移ろうとする騎兵を必死に斬り伏せるのである。
するとその時、向かいから王国の騎馬隊が現れた。
騎馬隊の登場に合衆国の騎馬隊は、もう何が何でも天日王の首を取れと躍起になっている。
しかしその全ての攻撃を佳子が盾となって防ぐ。
馬車が王国の騎馬隊と合流したところで、天日王は佳子の方に振り返るのである。
佳子は無数の矢と槍が体に刺さっていた。
そのまま佳子は馬車の上にバタンッと倒れる。
合衆国兵たちは王国の騎馬隊に一掃されて、何とか難局は逃れる事はできた。
しかし佳子は既に力尽きる寸前だ。
天日王は矢と槍を抜いて毛布をかけてあげる。
異様に佳子の体が冷たくなっている。
そして佳子は小さな声で「尚人さま……」という。
「お怪我はありませんか?」
その言葉に駆けつけた王国兵たちは顔を背ける。
合衆国の人間とは言えども、自分の命をかけて天日王を助けた人が自分の事よりも王の事を心配したからだ。
「あぁ大丈夫だっ! お前のおかげで、俺は北星王国に帰れるんだ!」
「尚人さま……あなた様は生まれと育った環境は、およそ王族が歩まぬ道だったと思います。しかし逆に、あなた様ほど辛い経験をした王も他にはいません……だからきっと、あなた様は誰よりも偉大な王になれます」
佳子は最後の力を振り絞りながら、天日王ならば民を導ける偉大な王になれるという。
その言葉を聞いて人生で初めて天日王は涙した。
それと同時に佳子を助ける事ができなかった自分の無力さに、涙を流しながら悔しがるのである。
「尚人さま、顔を見せてはいただけますか? もう目が見えなくなって来ています………あぁ亡霊は居なくなったみたいですね。瞳が何とも美しい…………」
佳子は優しく微笑んでからスッと瞼を閉じた。
天日王は佳子の亡骸を抱きかかえながら、天に向かって叫び声を上げるのである。
助けに来た兵士たちも敬礼して見送る。
そして天日王は佳子の亡骸と共に、齢9歳で祖国の土を踏む事になったのである。
天日王は起き上がってから直ぐに状況を理解する。
しかしやはり数は向こうの方が多いので、雨のように弓矢が飛んでくるのである。
道明も大腹も腹部や肩に弓矢を受けている。
少しづつ倒しても向こうは大軍で来る。
もうどうにもならないと諦めるムードになって来た。
すると天日王は目をカッと開いて「あきらめるな!」と全力で叫んだのである。
その声に生き残ったメンバーは驚く。
「矢も尽きていないし、馬だって走る! それなのに諦めるとは何事か! 今は一歩でも良いから王国に近づく事だけを考えろ!」
道明は、いきなりどうしたのかと思った。
大腹は驚いた顔からフッと良い顔をして、後ろの騎馬隊に向かって弓矢を放ち続けるのである。
「佳子、迎えに来る軍が向かってるかもしれない。それなのに早々に諦めるなど、佳子らしくない! 俺を北星王国まで連れて行くと言ったでは無いか!」
「本当に目覚められたのですね? 本当に良かった」
「佳子が手を差し伸ばしてくれたからだ。本当に感謝をしてもしきれない………」
完全に正気を取り戻したと佳子は安心する。
こんな風に元に戻れたのは過去のおかげだと言いながら、腕に刺さった矢を一気に抜く。
苦痛で顔が歪みながらも天日王に感謝する。
天日王の覚醒を持って士気を取り戻した、佳子たちだったが殿で弓を引いている大腹が、騎馬隊の一斉射撃をモロに喰らってしまうのである。
そのまま大腹は「無念……尚人さま、申し訳ありません」と言って馬車から落ちた。
もう完全に天日王たちの勝利は、限りなくゼロに近寄ってしまった。
今は敗北の足音が聞こえる。
佳子も死を覚悟して、養父のように助けを求める子供を助ける事ができなかったと後悔する。
しかしそんな時だった。
前方の方から砂煙が見えたのである。
「尚人さまっ! 馬車の運転をお任せします。運転に集中して、後ろは振り向かないで下さい」
「佳子……一体何をするつもりなんだ!」
「最後まで全力を尽くすんです! 諦めるわけにはいきませんから!」
佳子は馬車の運転を天日王に任せて、自分は弓を持って戦うと言うのである。
明らかに佳子は無理をしようとしていると、天日王は思っているが手綱から手は離せない。
必死に手綱を握り王国を目指す。
そして天日王も前方からの砂煙に気がつく。
ギリギリで間に合うのかと思ったところで、道明の胸に矢が抜き刺さるのである。
「あぁ寿治みたいに、カッコいい退場の仕方をしたかったんだけどなぁ………拾われた命にしては、随分と長く生きたってもんだな。寿治よりも長く好きな女の側に入れたんだからな。佳子、お前は1秒でもながく生きろ」
そう道明は言うと、敵兵に向かって死ぬならば道連れにしてやると突進して行く。
数で言えば2機を倒している。
しかしそんなの大群の中で、たったの2機だ。
それでも天日王たちからしたら、それだけの気合を感じて意志を受け継ぐのである。
この受け継いだ意志を絶やしてはいけないと言う気持ちと、仇を取ってやると佳子は弓を引く。
そして圧倒的な技術で敵兵たちを射抜いて行く。
しかしどれだけ弓が上手くても、左右や後ろからの同時攻撃で捌けなくなる。
そのまま壁がないところから、佳子は狙われて手の甲を射られてしまうのである。
天日王は「どうしたんだ!」と聞く。
しかし佳子は「向くな!」と返した。
天日王は何となく理解しているが、それでも知らぬふりをして馬車を走らせるしかない。
佳子も急いで手に刺さった矢を引き抜く。
そして直ぐに弓を引いて打つのであるが、手の痛みで蹲ってしまうのである。
天日王は動かなくて良いという。
ここまで追い込まれた天日王たちに対して、合衆国の騎馬隊たちは前方の砂煙に気がついた。
「王国の騎馬隊かっ! 尚人を迎えに国境線を越えて来たのか………だがまだ遠い! 馬車に乗り移って、尚人の首をとって来い!」
とうとう本気を出して来た騎馬隊が、馬車に乗り移ろうと動き始めるのである。
天日王の首を取らせるわけにはいかないと、佳子は剣を抜いて震えながら構える。
「私も小さい時、赤の他人に命懸けで助けて貰った。その人は私が12歳の時に、別の人を助けようとして命を落としたわ………その人の傍らで、私は死なないでと泣き叫んでいたわ。命を助けて貰ったのに、私は何も返せていなかったから」
佳子は戦いながら天日王に、自分の心のうちの思いを話し始めるのである。
自分も天日王と同じで、小さい時は辛かったと。
「しかしその人は……恩恵は次の人に渡しなさいと、どんな些細なものでも良いからと。そうやって人と人は繋がって行くんだ」
佳子は天日王を殺させるわけにはいかないと、必死に戦っているが遠くから射られた矢が胸に刺さる。
そのままバタンッと倒れると、天日王は振り向こうとするので「振り向くな!」と叫ぶ。
深く深呼吸をしながら馬車に乗り移ろうとする騎兵を必死に斬り伏せるのである。
するとその時、向かいから王国の騎馬隊が現れた。
騎馬隊の登場に合衆国の騎馬隊は、もう何が何でも天日王の首を取れと躍起になっている。
しかしその全ての攻撃を佳子が盾となって防ぐ。
馬車が王国の騎馬隊と合流したところで、天日王は佳子の方に振り返るのである。
佳子は無数の矢と槍が体に刺さっていた。
そのまま佳子は馬車の上にバタンッと倒れる。
合衆国兵たちは王国の騎馬隊に一掃されて、何とか難局は逃れる事はできた。
しかし佳子は既に力尽きる寸前だ。
天日王は矢と槍を抜いて毛布をかけてあげる。
異様に佳子の体が冷たくなっている。
そして佳子は小さな声で「尚人さま……」という。
「お怪我はありませんか?」
その言葉に駆けつけた王国兵たちは顔を背ける。
合衆国の人間とは言えども、自分の命をかけて天日王を助けた人が自分の事よりも王の事を心配したからだ。
「あぁ大丈夫だっ! お前のおかげで、俺は北星王国に帰れるんだ!」
「尚人さま……あなた様は生まれと育った環境は、およそ王族が歩まぬ道だったと思います。しかし逆に、あなた様ほど辛い経験をした王も他にはいません……だからきっと、あなた様は誰よりも偉大な王になれます」
佳子は最後の力を振り絞りながら、天日王ならば民を導ける偉大な王になれるという。
その言葉を聞いて人生で初めて天日王は涙した。
それと同時に佳子を助ける事ができなかった自分の無力さに、涙を流しながら悔しがるのである。
「尚人さま、顔を見せてはいただけますか? もう目が見えなくなって来ています………あぁ亡霊は居なくなったみたいですね。瞳が何とも美しい…………」
佳子は優しく微笑んでからスッと瞼を閉じた。
天日王は佳子の亡骸を抱きかかえながら、天に向かって叫び声を上げるのである。
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