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後悔は先に立たないが、開き直りも大事である

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話は少し遡り。

悠里が結婚する相手は、悠里いわく、規格外の人外で魔王様なんだ、とよくわからない。

人、なんだよな一応?という事で、蓮司と一緒にその異世界とやらに行く事にした蒼司。

クリストファーという男は悠里言った通り、規格外の人外だった。
彼の父、バッキバキのレオナルドも含め、魔王親子と言っても過言ではない。

異世界すげぇな、と蓮司と二人、驚きを通り越して呆気に取られて、反対するのも馬鹿馬鹿しくなった。

呆気に取られてる間にもクリストファーは着々と既成事実を作ってるしな。
まぁ、でもクリストファーなら悠里の為なら世界を敵に回して、余裕で勝ちそうなので、良しとするか、と蓮司と意見は一致した。


クリストファーの遠慮なしの自由すぎる振る舞いに、蓮司も蒼司も触発されて、お互いに思う相手と結婚する!と誓い合い、蓮司は異世界に残り、蒼司は帰って来たのだった。

クリストファーの改造したスマホ片手に。

異世界から帰って来たテンションそのままに、雅に連絡を取り、その日に改造したスマホを渡し

「雅ちゃん、俺、ずっと前から雅ちゃんの事好きなんだ」

高校生の様な告白をしてしまった。
呆気に取られた雅の顔を見て、やってしまった!と思ったのは後の祭り。

何をしてる28歳!!
いつも冷静な自分らしくない行動に、異世界って怖ぇぇぇと、我に帰る蒼司→今ココ。


まあ、言ってしまったものはもう取り消せない。
開き直って、どこか遠慮がちな態度を捨て去る事に決めた。

さてと、雅ちゃんに連絡とって、今度はいつ会おうかな、と蒼司はスマホにメッセージを入れた。



ピロリン。

雅のスマホにメッセージが入る。
見なくてもわかる。蒼司だろう。
ここのところ、毎日のように連絡が来るのだ。
ピアノの調律師をしてる蒼司は音楽関係の繋がりが多く、雅が興味がありそうなライブなど、絶妙な加減で誘ってくるのだ。

今回もライブの誘いだった。
普通に行きたい。
ゆっくりで良いと、言われたし、あまり気にせず行こう。

『行きます』送信、と。

ライブは楽しみだしね。
なんとなく、蒼司に慣れて来たのもある。
嫌な感じはしないからだろうか。

確かに、凄いイケメンなのはわかっているのだが、雅はどっちというと、見た目はもっと男っぽい人の方が好みなのだ。

蒼司が聞いたらガックリ来そうだが、見た目に釣られないところも雅のいいところ。
頑張れ、蒼司。道のりは長い・・・




















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