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ポイント制を導入してみました。
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ライブは土曜日の夜なので、せっかくならと、ランチにも誘ってくれた。
丁度行きたいと思っていた、お寿司屋さんのランチ。
夜は高いけど、昼は手頃で美味しいお寿司が食べられると評判なのだ。
「美味しい!誘ってくれてありがとうございます、蓮司さん」
「雅ちゃん、お寿司好きって聞いたから。喜んでくれて良かった」
「そうなんです。大好き」
蒼司は一瞬びっくりしたが、すぐにニコリと笑顔になった。
お寿司の事とはいえ、面と向かって大好きは結構クルものがあるな。
雅がお茶を飲みながら、あ、そうだ、と何か思い出したように言った。
「蒼司さん、私、恥ずかしながら恋愛ってよくわかんなくて」
「わかんないって?雅ちゃん彼氏とかいとことあるよね?」
「居たんですけど、言われて付き合ったことしかなくて、結局その人のこと一番には思えなかったかなって。申し訳なかったんですけどね」
「そうなんだ」
「はい。そこで、提案なんですけど・・・」
雅が一旦考え込むように言い淀む。
「何?ゆっくり考えてくれれば良いから。結論は急がないで」
蒼司はやや慌てて雅に言う。
「いえ、そうではなくて、わからないならいっそのこと、数値化してみても良いのかなって思って」
「?数値化?」
「う~んと、ポイント制みたいな?」
ポイント制?雅ちゃん、時々斜め上の事言うことがあるよね。
「あ、ここが良いなぁとか、自分なりに数値化して、ポイントが上がってくれば、好きって事なのかなと思ったのですが、どうでしょう」
どうでしょうって・・・。スーパーじゃないんだから、ポイント2倍デーとかあるのかな?
「そのポイント、何ポイントで恋人なの?」
「・・・それはまだよくわかんないんですが、私なりに真剣に向き合えるかなと」
「なるほど」
まあ、雅ちゃんが自分に向き合おうと考えてくれてるだけでも、一歩進んだと思おう。
「で、今日のデートは?何ポイント?」
蒼司が不意に微笑んで雅をのぞき込んだ。
うっ、好むと好まざる関係なく、顔は抜群に良い。
ちょっと不意をつかれて、ドギマギして赤くなる。
「まだ、ライブがあるからそれ次第!」
雅の反応を見て、お!いつもと違うと蒼司はニンマリした。
こういう積み重ね、大事だな。
ライブは大いに盛り上がり、相当楽しくて、雅の中でのポイントはかなり上がったのだか、何故か恥ずかしくて蒼司には言えなかった。
帰りは遅かったので雅の家まで送ってくれた。
彼女は実家なので、家の前までだったが。
「じゃあね、雅ちゃん。また面白そうなのあったら誘うよ」
「ありがとうございました。遅くまですみません」
「今度は飲みに行こうね」
「そうですね。おススメのところあるので行きましょう」
ごく自然に出た。
蒼司は嬉しそうに笑って、ぜひ、と言って帰ろうとした。
「あ、そうだ」
忘れ物と言って、雅をさりげなくハグする。
「お休み。雅ちゃん」
「お、おやすみなさい」
え?え!と思ってる間に、パッと離れ手を振って去って行った。
う~ん、これはちょっと、兄さんにしてやられたかな。
不覚にもドキドキしてしまったではないか、と雅は、はぁぁ、とため息をついた。
別に嫌いじゃないんだよね、元々。
そう思いながら家に入った。
丁度行きたいと思っていた、お寿司屋さんのランチ。
夜は高いけど、昼は手頃で美味しいお寿司が食べられると評判なのだ。
「美味しい!誘ってくれてありがとうございます、蓮司さん」
「雅ちゃん、お寿司好きって聞いたから。喜んでくれて良かった」
「そうなんです。大好き」
蒼司は一瞬びっくりしたが、すぐにニコリと笑顔になった。
お寿司の事とはいえ、面と向かって大好きは結構クルものがあるな。
雅がお茶を飲みながら、あ、そうだ、と何か思い出したように言った。
「蒼司さん、私、恥ずかしながら恋愛ってよくわかんなくて」
「わかんないって?雅ちゃん彼氏とかいとことあるよね?」
「居たんですけど、言われて付き合ったことしかなくて、結局その人のこと一番には思えなかったかなって。申し訳なかったんですけどね」
「そうなんだ」
「はい。そこで、提案なんですけど・・・」
雅が一旦考え込むように言い淀む。
「何?ゆっくり考えてくれれば良いから。結論は急がないで」
蒼司はやや慌てて雅に言う。
「いえ、そうではなくて、わからないならいっそのこと、数値化してみても良いのかなって思って」
「?数値化?」
「う~んと、ポイント制みたいな?」
ポイント制?雅ちゃん、時々斜め上の事言うことがあるよね。
「あ、ここが良いなぁとか、自分なりに数値化して、ポイントが上がってくれば、好きって事なのかなと思ったのですが、どうでしょう」
どうでしょうって・・・。スーパーじゃないんだから、ポイント2倍デーとかあるのかな?
「そのポイント、何ポイントで恋人なの?」
「・・・それはまだよくわかんないんですが、私なりに真剣に向き合えるかなと」
「なるほど」
まあ、雅ちゃんが自分に向き合おうと考えてくれてるだけでも、一歩進んだと思おう。
「で、今日のデートは?何ポイント?」
蒼司が不意に微笑んで雅をのぞき込んだ。
うっ、好むと好まざる関係なく、顔は抜群に良い。
ちょっと不意をつかれて、ドギマギして赤くなる。
「まだ、ライブがあるからそれ次第!」
雅の反応を見て、お!いつもと違うと蒼司はニンマリした。
こういう積み重ね、大事だな。
ライブは大いに盛り上がり、相当楽しくて、雅の中でのポイントはかなり上がったのだか、何故か恥ずかしくて蒼司には言えなかった。
帰りは遅かったので雅の家まで送ってくれた。
彼女は実家なので、家の前までだったが。
「じゃあね、雅ちゃん。また面白そうなのあったら誘うよ」
「ありがとうございました。遅くまですみません」
「今度は飲みに行こうね」
「そうですね。おススメのところあるので行きましょう」
ごく自然に出た。
蒼司は嬉しそうに笑って、ぜひ、と言って帰ろうとした。
「あ、そうだ」
忘れ物と言って、雅をさりげなくハグする。
「お休み。雅ちゃん」
「お、おやすみなさい」
え?え!と思ってる間に、パッと離れ手を振って去って行った。
う~ん、これはちょっと、兄さんにしてやられたかな。
不覚にもドキドキしてしまったではないか、と雅は、はぁぁ、とため息をついた。
別に嫌いじゃないんだよね、元々。
そう思いながら家に入った。
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