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知らない方が幸せなこともある

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今日は悠里と蘭と会う事になっている。
仕事が終わって、約束の19時まであと少し。
久しぶりに会う親友達の元に行く雅の足取りは軽かった。


店には既に悠里と蘭がいた。

「ごめん、お待たせ」
「雅ちゃんお疲れ様~」
「雅、お疲れ。とりあえずビール頼むね~」

悠里の隣に腰掛けた。

個室になった居酒屋だ。
遠慮なく話が出来る。

ビールで乾杯し、雅が早速聞いた。

「悠里、異世界どう?」
「あんまり変わらないからね。楽しいよ。ただねぇ・・・」
「何?」
「う~ん、ホラ、私付き合うのとかクリストファー初めてだからさ~、何ていうか基準がよくわかんなくて」
「「基準」」

雅と蘭が顔を見合わせる。もしや?

「夜のこととか、その~頻度とかさ。今のところ、ほぼ毎晩だし、ほとんど気を失っちゃうんだよね~。普通なのかなって」

いやいやいやいや、無い無い無い無い。
雅と蘭は二人ともフルフルしていた。

悠里が下を向いて、もっ鍛えないとダメかな~と、呟いてた。

確かに、クリストファーとは体格差がありそうだが、それにしても、容赦ないな~。

「魔力混ざってるから、だいぶ楽なんだけどね」
「え?混ざる?」
「うんそう。最初の時にね~。混ぜたんだってさ。だからかな、明け方くらいまでは意識あるんだよね」
「そ、それはすごいね。ったいうか、明け方までしてるの?」
「うん。もっとかな~?でも、慣れたよさすがに」
「「!!!!」」

異世界的な基準は二人ともわからない。
自分に当てはめたら、ちょっと無理だ。
雅が目で言う?と合図すると、蘭は慣れたなら良し、と帰って来た。

知らない方が幸せなこともある。
人によるかな~と、あははと何となく二人は誤魔化してた。

あ、そうだ、と悠里は持ってきた鞄から小さいプラスチックの容器を取り出した。
植木にあげる栄養剤みたいな形だ。色は琥珀に少しピンクがかっている。

悠里は安眠+ビューティーポーションだと言った。
悠里が自分の魔力を混ぜて作ったらしい。
あれからリタと色々試して、更に改良され、効果も高まってる代物だ。

安眠ポーションだけもあり、働き盛りの男性に人気で、騎士団からも注文が入って大変忙しいらしい。

「寝る前に飲んでみてね。疲れが取れて、翌朝プルプルだよ」
「凄い嬉しい!早速試してみるね」

美容関係の蘭は興味津々だ。
雅もお肌プルプルと聞いて、楽しみになった。
明日の土曜日、蒼司と会うからでは無い、断じて、うん。


ライブの後も定期的に飲みに行ったり、休日は出かけたりと頻繁に会っている。
会う事が日常になっていて、嫌では無いし、蒼司と出かけるのは楽しい。
親友の兄→友人 くらいには思っていたある日だった。





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