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心境の変化?
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土曜日はちょっと遅めのブランチをしようと、待ち合わせ場所に向かっていた雅。
先に蒼司は来ていた。
あ、いた、と思って急いで向かおうとした時、彼の周りに二人の女性がいたのだ。
声は聞こえないが、どうやら逆ナンされてるらしい。
彼はにこやかにしつつ、やや迷惑そうに断っているが、二人は中々にしつこい。
結構綺麗な人達だった。
ちょっと、ムッとして雅は近づいて行った。
蒼司は困っていた。
着いて早々20代前半と思われる二人の女性に絡まれてしまった。
待ち合わせをしている、と言っても彼女か?誰なんだとしつこい。
関係ないと言っても、どんな相手が来るのか見ると離れない。
はぁぁぁ、もう勘弁して、二人とも美人の部類の入るだろうが、蒼司にしてみれば、雅とは比べ物にならない。
こんなところを雅に見られたらと思うと気が気でないし。
最近何かと身近になった魔法を知った今、認識障害の魔法が使えたらと心底思った。
今度、クリストファーになんか作ってもらおう、久しぶりにしつこく絡まれて、うんざりしていた。
これから雅と会うってのに、正直、まともに相手するのも疲れる。
とうとうその内の一人が彼の腕を取ろうとした時だった。
「お待たせ」
すいっと蒼司の左手に指を絡めて、にっこりと笑う雅がいた。
蒼司はびっくりした。いつも一定の距離を保っていた雅が自ら近寄って来たからだ。
しかも、恋人繋ぎとか・・・嬉しすぎてさっきまでの嫌な気分が吹っ飛んだ。
さっきまで絡んでた二人は、スラリと背が高く、モデルも顔負けの雰囲気のある超美人がやってきたのだからびっくりしていた。
なんだ彼女じゃん、とそそくさと逃げ出した。
「助かった雅ちゃん。ちょっとしつこくて参った」
「ふふ、見てた。やっぱりモテるんだね」
「雅ちゃん以外にモテてもしょうがないだけど」
苦笑する蒼司に、あ、と手を離そうとしたが、ガッチリ握って離してくれない。
自分の手がすっぽり包まれてしまうくらい大きな手。
蒼司の手はピアノを弾くだけあって、指が長く、密かに男の人の手が好きな雅はいつも綺麗だなと思って見ていた。
その手に今自分が繋がれられてると思うと恥ずかしくなった。
「ちょ、離して」
「ダーメ。雅ちゃんから繋いで来てくれたんだし。もうちょっと。離れたら俺、また絡まれるかもしれないし」
ね、と嬉しそうに微笑まれると、手を繋ぐくらいで嬉しそうにする蒼司から目が離せなかった。
※注 この二人は28歳と24歳です
手を繋いで目的の店まで歩きなが、雅が一瞬避ける素振りをした。
「ん?」
「ううん、何でもない」
おっと危ない。また見えてしまった。
見分けつかなくて、うっかり避けちゃったじゃないか。
人が多いところはこれだから好きじゃないのだ。
蒼司は耳が良い、普通の耳の良さに加えて、相手の心理も声を通して聞き分けてしまう。
雅が「何でもない」訳じゃ無いのはわかったが、あえて深くは聞かなかった。
自分もそうだが、誰にでも打ち明けてる訳じゃ無い。
いつか雅ちゃんにも話すつもりであった。
先に蒼司は来ていた。
あ、いた、と思って急いで向かおうとした時、彼の周りに二人の女性がいたのだ。
声は聞こえないが、どうやら逆ナンされてるらしい。
彼はにこやかにしつつ、やや迷惑そうに断っているが、二人は中々にしつこい。
結構綺麗な人達だった。
ちょっと、ムッとして雅は近づいて行った。
蒼司は困っていた。
着いて早々20代前半と思われる二人の女性に絡まれてしまった。
待ち合わせをしている、と言っても彼女か?誰なんだとしつこい。
関係ないと言っても、どんな相手が来るのか見ると離れない。
はぁぁぁ、もう勘弁して、二人とも美人の部類の入るだろうが、蒼司にしてみれば、雅とは比べ物にならない。
こんなところを雅に見られたらと思うと気が気でないし。
最近何かと身近になった魔法を知った今、認識障害の魔法が使えたらと心底思った。
今度、クリストファーになんか作ってもらおう、久しぶりにしつこく絡まれて、うんざりしていた。
これから雅と会うってのに、正直、まともに相手するのも疲れる。
とうとうその内の一人が彼の腕を取ろうとした時だった。
「お待たせ」
すいっと蒼司の左手に指を絡めて、にっこりと笑う雅がいた。
蒼司はびっくりした。いつも一定の距離を保っていた雅が自ら近寄って来たからだ。
しかも、恋人繋ぎとか・・・嬉しすぎてさっきまでの嫌な気分が吹っ飛んだ。
さっきまで絡んでた二人は、スラリと背が高く、モデルも顔負けの雰囲気のある超美人がやってきたのだからびっくりしていた。
なんだ彼女じゃん、とそそくさと逃げ出した。
「助かった雅ちゃん。ちょっとしつこくて参った」
「ふふ、見てた。やっぱりモテるんだね」
「雅ちゃん以外にモテてもしょうがないだけど」
苦笑する蒼司に、あ、と手を離そうとしたが、ガッチリ握って離してくれない。
自分の手がすっぽり包まれてしまうくらい大きな手。
蒼司の手はピアノを弾くだけあって、指が長く、密かに男の人の手が好きな雅はいつも綺麗だなと思って見ていた。
その手に今自分が繋がれられてると思うと恥ずかしくなった。
「ちょ、離して」
「ダーメ。雅ちゃんから繋いで来てくれたんだし。もうちょっと。離れたら俺、また絡まれるかもしれないし」
ね、と嬉しそうに微笑まれると、手を繋ぐくらいで嬉しそうにする蒼司から目が離せなかった。
※注 この二人は28歳と24歳です
手を繋いで目的の店まで歩きなが、雅が一瞬避ける素振りをした。
「ん?」
「ううん、何でもない」
おっと危ない。また見えてしまった。
見分けつかなくて、うっかり避けちゃったじゃないか。
人が多いところはこれだから好きじゃないのだ。
蒼司は耳が良い、普通の耳の良さに加えて、相手の心理も声を通して聞き分けてしまう。
雅が「何でもない」訳じゃ無いのはわかったが、あえて深くは聞かなかった。
自分もそうだが、誰にでも打ち明けてる訳じゃ無い。
いつか雅ちゃんにも話すつもりであった。
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