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数年経って、亜季に似た人物がアルファ専用の娼館で男娼として働いているという情報が依頼を続けていた興信所から入る。
晴臣は確かめずにはいられなかった。
「『Bloom』という店に『アキ』という名のオメガの男娼がいます」
目の前の男が、数枚の写真と一緒に晴臣へ書類を手渡す。亜季の捜索を依頼していた興信所の応接セットに座って、それらを受け取る。
「ご確認ください」
薄暗い写真に写る横顔の青年は随分と艶めいていて大人っぽい。手足はすらっと長く、背は晴臣の知る亜季より少しだけ高いようだった。肩にかかるかかからないかくらいに伸ばされた緩いウェーブのかかった黒髪に夜のネオンが反射している。
見間違えるはずがない。
写真に写っているのは、十四歳から一度も会うことが出来なかった末っ子の成長した姿。
この「アキ」と名乗る青年が亜季だ。
書類には「人気あり」、「予約困難」、「数年前から勤務?」という文字が見える。晴臣は書類を床に叩きつけたい衝動を必死に堪える。
この情報は亜季に再び会うための重要なものだ。
「この青年と会う方法は?」
「店に予約をするのが不信に思われずに会えますね。ただ、この店は紹介が必要なようです」
予約をしろ?
客として亜季に会えというのか──。
一瞬頭に血が上るが、深呼吸をして気持ちを落ち着ける。
「もし、仮にこの青年が亜季様でなかった場合、問題になります。私がどうにか予約をして確認してもよいですが?」
「いや、自分で確認……直接会って話をしてみたい。予約できる方法を探してくれ」
そう言い残して、事務所を後にする。
晴臣は亜季が男娼として働いているなどとは思いもしなかった。どんな事情があって、家に帰らずにこのような道を選んだのか──。
考えても答えは出るはずがない。
事情によってはまた姿を消してしまう可能性がある。それだけは嫌だった。
ゆっくりと亜季に接触しよう。事情を確認しながら……。
晴臣はハンドルを握り締め、自宅へと車を走らせた。
数日後、早速興信所から連絡があり、「予約を取るつてが見つかった」という。
晴臣ははやる気持ちを抑えて、男に指示した。
「では、予約をしてくれ。場所はグランドシャトーホテルで」
そして、ホテルに現れたのは、愛する末っ子オメガ 亜季だった。
「ご指名ありがとうございます。アキです」
全く知らない他人に対するように、長兄に自己紹介をする末っ子オメガ。
晴臣は亜季の反応を確認しようと、「はじめまして、晴臣です。今日はよろしく」と告げる。
「よろしくおねがいします」
と末っ子オメガは「はじめまして」にも「晴臣」という名前にも特段反応することはなかった。
(忘れられて……いる?)
最後に会った六年前と比べると、随分と大人っぽく……非常に艶っぽく成長している。だが、くりっとした榛色の瞳、すっと通った鼻筋、ふわふわと緩やかに波打つ艶やかな黒髪、どれをとっても亜季だった。
無視を決め込んでいるのか、それとも六年の間に自分の顔を忘れられているのか、いずれにせよ晴臣には気づいてもらえないことが悲しかった。
末っ子オメガはその場で着ていたローブをはらりと落とすと、清楚な白いレースの上下を身に着けただけの姿を晴臣の目の前に晒す。
亜季は自分の人差し指と中指で乳首を挟み、きゅっとひねり上げ、煽るように弄り始める。
晴臣の頭にかっと血が上り、アルファのフェロモンが漏れ出ているのに自分で気が付いた。
「ん、ふ……」
晴臣は自分のペニスに血液が集まっていくのを感じる。
亜季はそんな晴臣を見て、慣れた手つきで前をくつろげるとためらうことなく口に含み奉仕を始める。
そこには優しく純粋だった亜季の姿はなかった。
一体どれだけ他のアルファに抱かれてきたのか──。
それを考えただけで、晴臣は血管がブチ切れそうなほどの激しい怒りがわいた。
自分に対する怒り。自分の番を守れなかった無力感……。
一方で自分の番であるオメガに再び会えた幸福感……。
自分に懸命に口での奉仕を続ける、末っ子オメガを二つの複雑な気持ちを心の中で絡ませつつ見つめた。
「亜季……」
眼下にある丸い頭に手を置いて、優しく撫でると、末っ子オメガが窺うように上目遣いで晴臣を見上げた。
ひどく劣情を煽る表情──。
理性はあった。だが、我慢は出来なかった。
「くっ」
晴臣は抑えることが出来ず、そのまま口へ熱い迸りを放った。
ホテルの煌々とした明かりの下で、口の端から白い液体をこぼす末っ子オメガを見下ろした。白いレースの間から覗く、ピンク色のペニス、赤い唇の端からこぼれ落ちる白い精液。二色の対比が一層卑猥さを際立たせている。
亜季は呆然とする晴臣の手を取りベッドに押し倒し、客にするように跨って腰を妖艶にくねらせる。
晴臣は欲望のまま末っ子オメガを抱いた。
晴臣は確かめずにはいられなかった。
「『Bloom』という店に『アキ』という名のオメガの男娼がいます」
目の前の男が、数枚の写真と一緒に晴臣へ書類を手渡す。亜季の捜索を依頼していた興信所の応接セットに座って、それらを受け取る。
「ご確認ください」
薄暗い写真に写る横顔の青年は随分と艶めいていて大人っぽい。手足はすらっと長く、背は晴臣の知る亜季より少しだけ高いようだった。肩にかかるかかからないかくらいに伸ばされた緩いウェーブのかかった黒髪に夜のネオンが反射している。
見間違えるはずがない。
写真に写っているのは、十四歳から一度も会うことが出来なかった末っ子の成長した姿。
この「アキ」と名乗る青年が亜季だ。
書類には「人気あり」、「予約困難」、「数年前から勤務?」という文字が見える。晴臣は書類を床に叩きつけたい衝動を必死に堪える。
この情報は亜季に再び会うための重要なものだ。
「この青年と会う方法は?」
「店に予約をするのが不信に思われずに会えますね。ただ、この店は紹介が必要なようです」
予約をしろ?
客として亜季に会えというのか──。
一瞬頭に血が上るが、深呼吸をして気持ちを落ち着ける。
「もし、仮にこの青年が亜季様でなかった場合、問題になります。私がどうにか予約をして確認してもよいですが?」
「いや、自分で確認……直接会って話をしてみたい。予約できる方法を探してくれ」
そう言い残して、事務所を後にする。
晴臣は亜季が男娼として働いているなどとは思いもしなかった。どんな事情があって、家に帰らずにこのような道を選んだのか──。
考えても答えは出るはずがない。
事情によってはまた姿を消してしまう可能性がある。それだけは嫌だった。
ゆっくりと亜季に接触しよう。事情を確認しながら……。
晴臣はハンドルを握り締め、自宅へと車を走らせた。
数日後、早速興信所から連絡があり、「予約を取るつてが見つかった」という。
晴臣ははやる気持ちを抑えて、男に指示した。
「では、予約をしてくれ。場所はグランドシャトーホテルで」
そして、ホテルに現れたのは、愛する末っ子オメガ 亜季だった。
「ご指名ありがとうございます。アキです」
全く知らない他人に対するように、長兄に自己紹介をする末っ子オメガ。
晴臣は亜季の反応を確認しようと、「はじめまして、晴臣です。今日はよろしく」と告げる。
「よろしくおねがいします」
と末っ子オメガは「はじめまして」にも「晴臣」という名前にも特段反応することはなかった。
(忘れられて……いる?)
最後に会った六年前と比べると、随分と大人っぽく……非常に艶っぽく成長している。だが、くりっとした榛色の瞳、すっと通った鼻筋、ふわふわと緩やかに波打つ艶やかな黒髪、どれをとっても亜季だった。
無視を決め込んでいるのか、それとも六年の間に自分の顔を忘れられているのか、いずれにせよ晴臣には気づいてもらえないことが悲しかった。
末っ子オメガはその場で着ていたローブをはらりと落とすと、清楚な白いレースの上下を身に着けただけの姿を晴臣の目の前に晒す。
亜季は自分の人差し指と中指で乳首を挟み、きゅっとひねり上げ、煽るように弄り始める。
晴臣の頭にかっと血が上り、アルファのフェロモンが漏れ出ているのに自分で気が付いた。
「ん、ふ……」
晴臣は自分のペニスに血液が集まっていくのを感じる。
亜季はそんな晴臣を見て、慣れた手つきで前をくつろげるとためらうことなく口に含み奉仕を始める。
そこには優しく純粋だった亜季の姿はなかった。
一体どれだけ他のアルファに抱かれてきたのか──。
それを考えただけで、晴臣は血管がブチ切れそうなほどの激しい怒りがわいた。
自分に対する怒り。自分の番を守れなかった無力感……。
一方で自分の番であるオメガに再び会えた幸福感……。
自分に懸命に口での奉仕を続ける、末っ子オメガを二つの複雑な気持ちを心の中で絡ませつつ見つめた。
「亜季……」
眼下にある丸い頭に手を置いて、優しく撫でると、末っ子オメガが窺うように上目遣いで晴臣を見上げた。
ひどく劣情を煽る表情──。
理性はあった。だが、我慢は出来なかった。
「くっ」
晴臣は抑えることが出来ず、そのまま口へ熱い迸りを放った。
ホテルの煌々とした明かりの下で、口の端から白い液体をこぼす末っ子オメガを見下ろした。白いレースの間から覗く、ピンク色のペニス、赤い唇の端からこぼれ落ちる白い精液。二色の対比が一層卑猥さを際立たせている。
亜季は呆然とする晴臣の手を取りベッドに押し倒し、客にするように跨って腰を妖艶にくねらせる。
晴臣は欲望のまま末っ子オメガを抱いた。
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