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仕事だとしても、これからも亜季が他のアルファに抱かれるなんて、晴臣には許せなかった。
晴臣は可能な限り、末っ子オメガの予約を埋める。自分が行けようが行けまいがかまわず、予約の枠がある日にちをすべて自分の予約でいっぱいにした。
そして、自分の番であることを確かめるように、晴臣は何度か亜季のことを抱いた。
だが、アルファが番を求める欲求より、亜季に自分を思い出して、「晴臣」として欲しいと思い始める。
この数年間のあいだに出来なかったさまざまなことを亜季にしてやりたい。
運命の番を大切にしたい。
だが、一向に自分が兄だと気づかない亜季に晴臣はだんだんと焦燥感が募っていく。
そんな折だった。
いつもと同じようにいつもと同じ部屋で、違ったことは亜季が晴臣の誕生日にと持ってきていたワイン。
再開して初めて、亜季が自分のために用意したもの。亜季が自分のことを考えてくれたことが飛び上がるほどに嬉しい。
二人で亜季が開けたワインを傾ける。
「誕生日おめでとう」
「ありがとう、嬉しいよ」
グラスの濃いとろりとした赤ワインが芳醇な味と香りを楽しむ。
部屋の中にワインの酒精と亜季のクリーンでパウダリーな深みのある独特ない香りが混ざる。
ふと、目の前がちかちかと光った。
いくら疲れているからといって、たかだか一杯二杯のワインで酔うことなどない──。
突然、かっと体が熱くなる。
これは……発情だ!
普段より照明が落とされた薄暗い部屋に晴臣の双眸が欲情の色を纏ってギラリと光る。
自分の欲望が……亜季を番にしたいという欲求が表出してしまったのか──。
理性が働かなくなるほどの発情。
部屋の中には末っ子オメガの甘い甘い発情期の匂いが満ちている。自分の発情につられて、亜季もまた発情を起こしているようだった。
晴臣は目の前の発情したオメガを渇望する。
もう、自分では発情を止めらなかった。
気づいた時には末っ子Ωの中に自分の欲望を突き立てていた。
亜季の上にのしかかる自分を別の自分が眺めている。
獣の所業──。
己の劣情に任せて亜季を貪る。
果てども果てども、一向におさまらない。
「亜季……、亜季!」
(このオメガを孕ませたい)
晴臣はごつごつと自身の剛直で亜季の最奥を何度も穿つ。
亜季も「ちょうだいっ……あぁっあ、……出して! おくっぅ!!」と甘い声を上げる。「お前を番にしたい」
それだけがアルファの脳を支配する。
大切にすると、そう思ったのに、欲望のままに末っ子オメガを抱き潰す。
「ダメ……」「いやぁ」という嬌声はそのうち「もういや」「これ以上、お腹に入らない!」という叫び声に変わる。
亜季が気を失ってなお晴臣は亜季の腹奥を穿ち続けた。
何度目か数え切れない吐精ののちに、晴臣は正気を取り戻す。
なんてことしてしまったのか──。
晴臣の下でぐったりと横たわる末っ子オメガ。そのネックガードには無数の噛みあとがついていた。
「すまない。こんな乱暴をはたらくつもりはなかった」
長兄は末っ子Ωに必死に謝った。
どうして……いきなり発情になったのかはわからない。だが、側にいるのに番にできないというじれったさ、苛立ち、そういったものが爆発した結果なのかもしれない。
「いや、言い訳をするつもりはない」
誠実に亜季に向き合わなくてはならない。今がその時だ。
晴臣はベッドに腰かけたまま、膝に手をつき深々と頭を下げる。
「本当にごめん。亜季、気づいていないかもしれないが、私は君の『番』だ」
亜季は聞いているのかいないのか、肩越しを見つめている。
「君が好きなんだ。大切にしたい」
そう口にしたときの亜季の顔は悲しく歪んだ。
(そこまで俺を嫌っているのか……?)
それもそうだ。
兄だとも名乗らず、体を金で好きにしてきた男にいきなり、「番」だの「好き」だのといわれたところで、喜ぶものなどいるものか。
晴臣はこの関係を正常なものに戻したかった。
だが、もう何が正しい二人の関係なのかわからなくなっていた。
大事にしたいのにまた失うのではないかという思いが常に頭の片隅にこびりついていて、焦る気持ちが前のめりにさせている自覚はあった。
「そう……」
亜季はひと言だけ答えると、そのあとは何も言わずに着替えを纏って、「じゃあ、また」といって部屋をあとにした。
引き留めることは今の晴臣にはできなかった。
晴臣は可能な限り、末っ子オメガの予約を埋める。自分が行けようが行けまいがかまわず、予約の枠がある日にちをすべて自分の予約でいっぱいにした。
そして、自分の番であることを確かめるように、晴臣は何度か亜季のことを抱いた。
だが、アルファが番を求める欲求より、亜季に自分を思い出して、「晴臣」として欲しいと思い始める。
この数年間のあいだに出来なかったさまざまなことを亜季にしてやりたい。
運命の番を大切にしたい。
だが、一向に自分が兄だと気づかない亜季に晴臣はだんだんと焦燥感が募っていく。
そんな折だった。
いつもと同じようにいつもと同じ部屋で、違ったことは亜季が晴臣の誕生日にと持ってきていたワイン。
再開して初めて、亜季が自分のために用意したもの。亜季が自分のことを考えてくれたことが飛び上がるほどに嬉しい。
二人で亜季が開けたワインを傾ける。
「誕生日おめでとう」
「ありがとう、嬉しいよ」
グラスの濃いとろりとした赤ワインが芳醇な味と香りを楽しむ。
部屋の中にワインの酒精と亜季のクリーンでパウダリーな深みのある独特ない香りが混ざる。
ふと、目の前がちかちかと光った。
いくら疲れているからといって、たかだか一杯二杯のワインで酔うことなどない──。
突然、かっと体が熱くなる。
これは……発情だ!
普段より照明が落とされた薄暗い部屋に晴臣の双眸が欲情の色を纏ってギラリと光る。
自分の欲望が……亜季を番にしたいという欲求が表出してしまったのか──。
理性が働かなくなるほどの発情。
部屋の中には末っ子オメガの甘い甘い発情期の匂いが満ちている。自分の発情につられて、亜季もまた発情を起こしているようだった。
晴臣は目の前の発情したオメガを渇望する。
もう、自分では発情を止めらなかった。
気づいた時には末っ子Ωの中に自分の欲望を突き立てていた。
亜季の上にのしかかる自分を別の自分が眺めている。
獣の所業──。
己の劣情に任せて亜季を貪る。
果てども果てども、一向におさまらない。
「亜季……、亜季!」
(このオメガを孕ませたい)
晴臣はごつごつと自身の剛直で亜季の最奥を何度も穿つ。
亜季も「ちょうだいっ……あぁっあ、……出して! おくっぅ!!」と甘い声を上げる。「お前を番にしたい」
それだけがアルファの脳を支配する。
大切にすると、そう思ったのに、欲望のままに末っ子オメガを抱き潰す。
「ダメ……」「いやぁ」という嬌声はそのうち「もういや」「これ以上、お腹に入らない!」という叫び声に変わる。
亜季が気を失ってなお晴臣は亜季の腹奥を穿ち続けた。
何度目か数え切れない吐精ののちに、晴臣は正気を取り戻す。
なんてことしてしまったのか──。
晴臣の下でぐったりと横たわる末っ子オメガ。そのネックガードには無数の噛みあとがついていた。
「すまない。こんな乱暴をはたらくつもりはなかった」
長兄は末っ子Ωに必死に謝った。
どうして……いきなり発情になったのかはわからない。だが、側にいるのに番にできないというじれったさ、苛立ち、そういったものが爆発した結果なのかもしれない。
「いや、言い訳をするつもりはない」
誠実に亜季に向き合わなくてはならない。今がその時だ。
晴臣はベッドに腰かけたまま、膝に手をつき深々と頭を下げる。
「本当にごめん。亜季、気づいていないかもしれないが、私は君の『番』だ」
亜季は聞いているのかいないのか、肩越しを見つめている。
「君が好きなんだ。大切にしたい」
そう口にしたときの亜季の顔は悲しく歪んだ。
(そこまで俺を嫌っているのか……?)
それもそうだ。
兄だとも名乗らず、体を金で好きにしてきた男にいきなり、「番」だの「好き」だのといわれたところで、喜ぶものなどいるものか。
晴臣はこの関係を正常なものに戻したかった。
だが、もう何が正しい二人の関係なのかわからなくなっていた。
大事にしたいのにまた失うのではないかという思いが常に頭の片隅にこびりついていて、焦る気持ちが前のめりにさせている自覚はあった。
「そう……」
亜季はひと言だけ答えると、そのあとは何も言わずに着替えを纏って、「じゃあ、また」といって部屋をあとにした。
引き留めることは今の晴臣にはできなかった。
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