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さん
chapter32 休みません?
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アビゲールと王子のワルツは、瞬く間に会場の話題となった。
「わあ、すごく綺麗」
「息がピッタリね」
「あの美人なご令嬢は誰だろう」
「知らないのか。あれがあの、殿下のご婚約者の………!」
「あっ、あの………!?」
「殿下、とても丁寧なリードをなさってるわ」
「整った顔と合わさって、すごく魅力的………!」
「私も一回、踊りたい!」
そうやって囁かれる声の一つ一つを、アビゲールはボンヤリ聞いていた。
「………注目の的ですね」
「君は話題に事欠かないからな」
「私だけのせいなんですか?」
「他にあるか?」
「………この、鈍感」
「なんて?」
「持ち腐れだと言ったのです」
ポンポンと小気味良く応酬を続けながら、人々を魅了する躍りを繰り広げるアビゲールと王子。
やがて音楽が鳴り止むと、アビゲールは足を止め、スルリと王子から離れた。
「………少し疲れちゃいました。休みません?」
そう言って、アビゲールはニコ、と笑う。
「あ、うん………わかった」
なんか急だな、と思いつつも、王子は従順に休める場所を探す。と、そのとき。
「………殿下?」
後ろから、声をかけられた。振り向くとそれなりに付き合いのある高位の貴族令息だった。
「あ、………やあ」
「ご無沙汰してます、殿下も参加さらていたのですね」
「う、うん」
始まってしまった会話に、王子はそれとなく応じながら、どうしよう、とアビゲールに目を向ける。
それに、アビゲールは、
『先に休んでますね』
とジェシチャーを交えて答えた。そして、そのまま背中が遠退いていく。
(………大丈夫か?)
と気もそぞろだったが、「殿下?」と声をかけられて、また会話へと意識が戻った。
「あ、ああ………申し訳ない、クラダディ公子。何の話だっただろうか」
「わあ、すごく綺麗」
「息がピッタリね」
「あの美人なご令嬢は誰だろう」
「知らないのか。あれがあの、殿下のご婚約者の………!」
「あっ、あの………!?」
「殿下、とても丁寧なリードをなさってるわ」
「整った顔と合わさって、すごく魅力的………!」
「私も一回、踊りたい!」
そうやって囁かれる声の一つ一つを、アビゲールはボンヤリ聞いていた。
「………注目の的ですね」
「君は話題に事欠かないからな」
「私だけのせいなんですか?」
「他にあるか?」
「………この、鈍感」
「なんて?」
「持ち腐れだと言ったのです」
ポンポンと小気味良く応酬を続けながら、人々を魅了する躍りを繰り広げるアビゲールと王子。
やがて音楽が鳴り止むと、アビゲールは足を止め、スルリと王子から離れた。
「………少し疲れちゃいました。休みません?」
そう言って、アビゲールはニコ、と笑う。
「あ、うん………わかった」
なんか急だな、と思いつつも、王子は従順に休める場所を探す。と、そのとき。
「………殿下?」
後ろから、声をかけられた。振り向くとそれなりに付き合いのある高位の貴族令息だった。
「あ、………やあ」
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「う、うん」
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それに、アビゲールは、
『先に休んでますね』
とジェシチャーを交えて答えた。そして、そのまま背中が遠退いていく。
(………大丈夫か?)
と気もそぞろだったが、「殿下?」と声をかけられて、また会話へと意識が戻った。
「あ、ああ………申し訳ない、クラダディ公子。何の話だっただろうか」
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