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回想 ②
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その後、どうやって家まで帰ってきたのか。
晴翔の表情が、どんなだったか。
僕の笑顔が彼にどう映ったのか。
それさえも薄ぼんやりしていて思い出せない。
ただ、手には晴翔から渡された封筒を持っていて、自分の部屋に戻り、それを机の上に放り投げ僕はベットの上に倒れ込んだ。
「ちゃんと言わなきゃと思ったのに、結局また言えずじまいだな……」
「ダメダメじゃん、僕……」
洗い立てのシーツから香る柔軟剤の匂い。
晴翔のフェロモンに似ていた気がして使い続けている。
ベータの僕にわからないはずの晴翔の匂い。
出会った頃から少しだけど甘く香るんだ。
なんでだろう?
って晴翔に聞くと彼はいつも
「運命だからだろ」
て言うんだ。
あ……
泣きたくなってきちゃった。
夏祭りの日、晴翔に友達以上のものを感じた。
だから触れ合うだけのキスをされて胸が震えた。
でもすぐにこの気持ちは晴翔に知られちゃいけない、隠さなきゃダメなんだって。
「婚約者ができたんだ」
なんて言葉を聞いたから。
あの時決めたはず、僕達は友達、それ以上でも以下でもない、ただの友達なんだって。
でもダメだな、僕。
あの時より好きになってるじゃん。
自然と溢れる涙が頬を伝う。
明日また考えよう。
考えて考えてもきっと答えなんて出ないだろう。
でも、朝が来ない夜はないんだから……
なんとかなるよね?
楽観視できるのが僕の良いところ。
グルグル、グルグル出ない答えを探し、止まらない涙と共に静かに夜は明けていった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
朝、迎えに来た同じクラスの瀬川凌太が僕の腫れた目を見て驚いて肩からかけたリュクを取り落とした。
「またべったりと……智大丈夫か?これって晴翔様となんかあったりするん?」
「大丈夫じゃない、慰めて凌ちゃん」
「うー、抱きしめてやりたいけど、俺怖くて無理やわ。頭くらいなら撫でたってもええで!」
「抱きしめるって、それは違うでしょ、でも頭は撫でて欲しいかも……」
ちょっとスキンシップの激しいこの同級生は3年生になって大阪から引っ越してきた瀬川凌太。
身長も晴翔と同じくらいあって、勉強も運動も出来たりする。
母方に北欧の血が混ざってるらしく、はっきりした顔立ちのイケメンだ。
言葉もだけど芸人みたいに面白くて気持ちのいいヤツなんだ。
うちの高校はほとんどがベータの生徒ばかりだから、凌太みたいなヤツは凄く目立つ。
仲良くなった時はアルファだよね?
って声掛けたくらい僕達とは出来が違った。
なのに本人は”アルファなわけないやん、あの人達には足元もおよばんよ~”
って否定された。
だから本当のところはわかんない。
僕が晴翔関連で悩んでいると
「またなん?そんなに悩むんやったら早めに離れてしまった方がええで!離れたら俺が智の面倒みたるで!」
ちょっとおちゃらけた雰囲気で僕を慰めてくれる。
晴翔と色々あった日は、そんな彼に甘えたくなるんだ。
髪をぐちゃぐちゃにかき回され
「今日、ベータの奴らでも智には近づかれへんと思うから、俺の近くにおったらええわ!ほんま晴翔様の独占欲強すぎやで!」
「うん、なんかわかんないけど、凌ちゃんが近くにいればいいや、一緒にいてね?」
昨日から一睡もできていない僕は今日1日きっとポンコツなはず。
凌太に助けてもらわないと何もできない気がする。
乱れた髪もそのままに助けを求め頭をちょこんと胸に押し当てた。
「ありがとう、頼りにしてます」
「もー、自分そーゆーとこやで!!反則やわ!逆にムカついてきた!!」
ムカついている割には撫でてくる手は優しくて、抱きしめてくれないって言ってたから、両手で彼の制服の裾を掴んだら大きなため息をつかれて
「だからそーゆーとこ!!」
「ん、ごめんなさい、凌ちゃん」
学校行くで、って手を引かれた。
僕って手を引かれてばかりだな、って考えてたんだ。
晴翔の表情が、どんなだったか。
僕の笑顔が彼にどう映ったのか。
それさえも薄ぼんやりしていて思い出せない。
ただ、手には晴翔から渡された封筒を持っていて、自分の部屋に戻り、それを机の上に放り投げ僕はベットの上に倒れ込んだ。
「ちゃんと言わなきゃと思ったのに、結局また言えずじまいだな……」
「ダメダメじゃん、僕……」
洗い立てのシーツから香る柔軟剤の匂い。
晴翔のフェロモンに似ていた気がして使い続けている。
ベータの僕にわからないはずの晴翔の匂い。
出会った頃から少しだけど甘く香るんだ。
なんでだろう?
って晴翔に聞くと彼はいつも
「運命だからだろ」
て言うんだ。
あ……
泣きたくなってきちゃった。
夏祭りの日、晴翔に友達以上のものを感じた。
だから触れ合うだけのキスをされて胸が震えた。
でもすぐにこの気持ちは晴翔に知られちゃいけない、隠さなきゃダメなんだって。
「婚約者ができたんだ」
なんて言葉を聞いたから。
あの時決めたはず、僕達は友達、それ以上でも以下でもない、ただの友達なんだって。
でもダメだな、僕。
あの時より好きになってるじゃん。
自然と溢れる涙が頬を伝う。
明日また考えよう。
考えて考えてもきっと答えなんて出ないだろう。
でも、朝が来ない夜はないんだから……
なんとかなるよね?
楽観視できるのが僕の良いところ。
グルグル、グルグル出ない答えを探し、止まらない涙と共に静かに夜は明けていった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
朝、迎えに来た同じクラスの瀬川凌太が僕の腫れた目を見て驚いて肩からかけたリュクを取り落とした。
「またべったりと……智大丈夫か?これって晴翔様となんかあったりするん?」
「大丈夫じゃない、慰めて凌ちゃん」
「うー、抱きしめてやりたいけど、俺怖くて無理やわ。頭くらいなら撫でたってもええで!」
「抱きしめるって、それは違うでしょ、でも頭は撫でて欲しいかも……」
ちょっとスキンシップの激しいこの同級生は3年生になって大阪から引っ越してきた瀬川凌太。
身長も晴翔と同じくらいあって、勉強も運動も出来たりする。
母方に北欧の血が混ざってるらしく、はっきりした顔立ちのイケメンだ。
言葉もだけど芸人みたいに面白くて気持ちのいいヤツなんだ。
うちの高校はほとんどがベータの生徒ばかりだから、凌太みたいなヤツは凄く目立つ。
仲良くなった時はアルファだよね?
って声掛けたくらい僕達とは出来が違った。
なのに本人は”アルファなわけないやん、あの人達には足元もおよばんよ~”
って否定された。
だから本当のところはわかんない。
僕が晴翔関連で悩んでいると
「またなん?そんなに悩むんやったら早めに離れてしまった方がええで!離れたら俺が智の面倒みたるで!」
ちょっとおちゃらけた雰囲気で僕を慰めてくれる。
晴翔と色々あった日は、そんな彼に甘えたくなるんだ。
髪をぐちゃぐちゃにかき回され
「今日、ベータの奴らでも智には近づかれへんと思うから、俺の近くにおったらええわ!ほんま晴翔様の独占欲強すぎやで!」
「うん、なんかわかんないけど、凌ちゃんが近くにいればいいや、一緒にいてね?」
昨日から一睡もできていない僕は今日1日きっとポンコツなはず。
凌太に助けてもらわないと何もできない気がする。
乱れた髪もそのままに助けを求め頭をちょこんと胸に押し当てた。
「ありがとう、頼りにしてます」
「もー、自分そーゆーとこやで!!反則やわ!逆にムカついてきた!!」
ムカついている割には撫でてくる手は優しくて、抱きしめてくれないって言ってたから、両手で彼の制服の裾を掴んだら大きなため息をつかれて
「だからそーゆーとこ!!」
「ん、ごめんなさい、凌ちゃん」
学校行くで、って手を引かれた。
僕って手を引かれてばかりだな、って考えてたんだ。
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