31 / 59
2
僕のもの
しおりを挟む
「なんか暗い話になっちゃったね、ごめん」
顔の前で手を合わせ謝った。
謝る必要なんてないのに…
ノア君は立ち上がって僕を見た
「晴翔が君にそれを言わないのはきっと何か訳があるからだと思うよ、俺にはわかるんだ、あいつ程じゃないけど、立場は同じだから…守るべきものが多いって案外自分の自由になる事が少ないって事なんだ、わからないかもしれないけど、少しだけあいつを信じて待ってやって、」
僕だってわかってる。
けど悲しいの。
僕も立ち上がりノア君を見た。
「ありがとう、ノア君ってお節介なんだね」
金髪の髪がキラキラしてる。
「だろ?俺っていい人、頼りになるよ~、まぁ、何かあったら連絡して、それと引き換えに俺の相談も聞いてくれたら嬉しいな」
2人してその場でL○NE交換して駅で別れた。
電車に乗ってスマホを見たら
”俺の運命”
ってメールが添付した写真と一緒に送られてきた。
その人は俺のよく知ってる人だった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
帰り道、隣に寄ってきた車から声をかけられた。
智と呼ばれ車を視線に入れる。
今日は会いたくなかったのに、こんな日に限って会っちゃうんだ。
もう一度声をかけられて振り返った。
「送るから乗って」
嫌だけど逆らえない。
黙ったまま晴を見ずに車に乗り込んだ。
「どうした?何かあったのか?」
「何もないよ」
「そんな顔に見えない、何かあったなら言ってくれ」
「…本当に何もないよ、本屋に行ってただけ、ちょっと散歩したくらいかな?」
「そうか…」
「あと…ノア君に会った、いい人だね」
「それはわかってる、メールが来たから、後匂いで」
「だよね、何でもわかっちゃう」
今日はもう帰りたい、手に持った書店の袋を握り締め晴の顔を見て言った。
「わかった…」
沈黙が続く…何分経ったのか、数秒だったのかわからない。
きっと聞きたくない言葉が続くんだな、と漠然と思ったら耳を塞ぎたくなった。
「明日から馨…、婚約者のヒートが始まる。」
ビクッと震えた身体に力が入る。
「5日、連絡できない。それだけだ」
とうとう来ちゃった。
僕には晴に何も言えない。
嫌だな。
「わかった」
それだけ言ってドアを開けた。
玄関前だから家はすぐ、中に入って扉を閉めた。
ドアを背にしゃがみ込んだ。
泣かない、泣かない。
絶対に、泣いてなんてやらないんだ。
何が運命だ、何が可愛いだ。
晴の言葉が全部嘘に聞こえる。
胸の奥がジリジリしてジクジクして涙を堪え、膝をかかえた。
「嫌いに…なれたらいいのにな……」
「全部僕のものならいいのに……」
顔の前で手を合わせ謝った。
謝る必要なんてないのに…
ノア君は立ち上がって僕を見た
「晴翔が君にそれを言わないのはきっと何か訳があるからだと思うよ、俺にはわかるんだ、あいつ程じゃないけど、立場は同じだから…守るべきものが多いって案外自分の自由になる事が少ないって事なんだ、わからないかもしれないけど、少しだけあいつを信じて待ってやって、」
僕だってわかってる。
けど悲しいの。
僕も立ち上がりノア君を見た。
「ありがとう、ノア君ってお節介なんだね」
金髪の髪がキラキラしてる。
「だろ?俺っていい人、頼りになるよ~、まぁ、何かあったら連絡して、それと引き換えに俺の相談も聞いてくれたら嬉しいな」
2人してその場でL○NE交換して駅で別れた。
電車に乗ってスマホを見たら
”俺の運命”
ってメールが添付した写真と一緒に送られてきた。
その人は俺のよく知ってる人だった。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
帰り道、隣に寄ってきた車から声をかけられた。
智と呼ばれ車を視線に入れる。
今日は会いたくなかったのに、こんな日に限って会っちゃうんだ。
もう一度声をかけられて振り返った。
「送るから乗って」
嫌だけど逆らえない。
黙ったまま晴を見ずに車に乗り込んだ。
「どうした?何かあったのか?」
「何もないよ」
「そんな顔に見えない、何かあったなら言ってくれ」
「…本当に何もないよ、本屋に行ってただけ、ちょっと散歩したくらいかな?」
「そうか…」
「あと…ノア君に会った、いい人だね」
「それはわかってる、メールが来たから、後匂いで」
「だよね、何でもわかっちゃう」
今日はもう帰りたい、手に持った書店の袋を握り締め晴の顔を見て言った。
「わかった…」
沈黙が続く…何分経ったのか、数秒だったのかわからない。
きっと聞きたくない言葉が続くんだな、と漠然と思ったら耳を塞ぎたくなった。
「明日から馨…、婚約者のヒートが始まる。」
ビクッと震えた身体に力が入る。
「5日、連絡できない。それだけだ」
とうとう来ちゃった。
僕には晴に何も言えない。
嫌だな。
「わかった」
それだけ言ってドアを開けた。
玄関前だから家はすぐ、中に入って扉を閉めた。
ドアを背にしゃがみ込んだ。
泣かない、泣かない。
絶対に、泣いてなんてやらないんだ。
何が運命だ、何が可愛いだ。
晴の言葉が全部嘘に聞こえる。
胸の奥がジリジリしてジクジクして涙を堪え、膝をかかえた。
「嫌いに…なれたらいいのにな……」
「全部僕のものならいいのに……」
8
あなたにおすすめの小説
バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?
cheeery
BL
サークルに一人暮らしと、完璧なキャンパスライフが始まった俺……広瀬 陽(ひろせ あき)
ひとつ問題があるとすれば金欠であるということだけ。
「そうだ、バイトをしよう!」
一人暮らしをしている近くのカフェでバイトをすることが決まり、初めてのバイトの日。
教育係として現れたのは……なんと高二の冬に俺を振った元カレ、三上 隼人(みかみ はやと)だった!
なんで元カレがここにいるんだよ!
俺の気持ちを弄んでフッた最低な元カレだったのに……。
「あんまり隙見せない方がいいよ。遠慮なくつけこむから」
「ねぇ、今どっちにドキドキしてる?」
なんか、俺……ずっと心臓が落ち着かねぇ!
もう一度期待したら、また傷つく?
あの時、俺たちが別れた本当の理由は──?
「そろそろ我慢の限界かも」
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
【BL】捨てられたSubが甘やかされる話
橘スミレ
BL
渚は最低最悪なパートナーに追い出され行く宛もなく彷徨っていた。
もうダメだと倒れ込んだ時、オーナーと呼ばれる男に拾われた。
オーナーさんは理玖さんという名前で、優しくて暖かいDomだ。
ただ執着心がすごく強い。渚の全てを知って管理したがる。
特に食へのこだわりが強く、渚が食べるもの全てを知ろうとする。
でもその執着が捨てられた渚にとっては心地よく、気味が悪いほどの執着が欲しくなってしまう。
理玖さんの執着は日に日に重みを増していくが、渚はどこまでも幸福として受け入れてゆく。
そんな風な激重DomによってドロドロにされちゃうSubのお話です!
アルファポリス限定で連載中
二日に一度を目安に更新しております
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学で逃げ出して後悔したのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
運命じゃない人
万里
BL
旭は、7年間連れ添った相手から突然別れを告げられる。「運命の番に出会ったんだ」と語る彼の言葉は、旭の心を深く傷つけた。積み重ねた日々も未来の約束も、その一言で崩れ去り、番を解消される。残された部屋には彼の痕跡はなく、孤独と喪失感だけが残った。
理解しようと努めるも、涙は止まらず、食事も眠りもままならない。やがて「番に捨てられたΩは死ぬ」という言葉が頭を支配し、旭は絶望の中で自らの手首を切る。意識が遠のき、次に目覚めたのは病院のベッドの上だった。
一日の隣人恋愛~たかが四日間、気がつけば婚約してるし、公認されてる~
荷居人(にいと)
BL
「やっぱり・・・椎名!やっと見つけた!」
「え?え?」
ってか俺、椎名って名前じゃねぇし!
中学3年受験を控える年になり、始業式を終え、帰宅してすぐ出掛けたコンビニで出会った、高そうなスーツを着て、無駄にキラキラ輝いた王子のような男と目が合い、コンビニの似合わない人っているんだなと初めて思った瞬間に手を握られ顔を近づけられる。
同じ男でも、こうも無駄に美形だと嫌悪感ひとつ湧かない。女ならばコロッとこいつに惚れてしまうことだろう。
なんて冷静ぶってはいるが、俺は男でありながら美形男性に弱い。最初こそ自分もこうなりたいと憧れだったが、ついつい流行に乗ろうと雑誌を見て行く内に憧れからただの面食いになり、女の美人よりも男の美人に悶えられるほどに弱くなった。
なぜこうなったのかは自分でもわからない。
目の前のキラキラと俺を見つめる美形はモデルとして見たことはないが、今まで見てきた雑誌の中のアイドルやモデルたちよりも断然上も上の超美形。
混乱して口が思うように動かずしゃべれない。頭は冷静なのにこんな美形に話しかけられれば緊張するに決まっている。
例え人違いだとしても。
「男に生まれているとは思わなかった。名前は?」
「い、一ノ瀬」
「名字じゃない、名前を聞いているんだよ」
「うっ姫星」
イケメンボイスとも言える声で言われ、あまり好きではない女のような名前を隠さずにはいられない。せめて顔を離してくれればまだ冷静になれるのに。
「僕は横臥騎士、会えて嬉しいよ。今回は名前だけ知れたら十分だ。きあら、次こそはキミを幸せにするよ」
「はい・・・おうが、ないと様」
「フルネーム?様もいらない。騎士と呼んで」
「騎士・・・?」
「そう、いいこだ。じゃあ、明日からよろしくね」
そう言って去る美形は去り際までかっこいい姿に見惚れて見えなくなってから気づいた。美形男のおかしな発言。それと明日??
まさかこれが俺の前世による必然的出会いで、翌日から生活に多大な変化をもたらすとは誰が思っただろう。
執着系ストーカーでありながら完璧すぎる男と平凡を歩んできた面食い(男限定)故、美形であればあるほど引くぐらいに弱い平凡男の物語。
孕めないオメガでもいいですか?
月夜野レオン
BL
病院で子供を孕めない体といきなり診断された俺は、どうして良いのか判らず大好きな幼馴染の前から消える選択をした。不完全なオメガはお前に相応しくないから……
オメガバース作品です。
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる