ある夏の思い出

shoichi

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第1章

流星

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「おい、兄ちゃん。」

両肩が硬直し、野太い声の方向へ、体を向けられなかった。

「おーい。シカトかよ。」

後一歩踏み出せば、全てを終わらせれるのに。

足音と共に、声も近くなる。

「そこ、下水道の出口らしいぞ。」
「え?」

振り向いた先に、見たこともないデカイ顔の男。

振り向きざまに、一度もしたことのないキスをするかと思うくらいの近い顔。

「あっ」

とっさに、握っていたフェンスを離してしまった。

どんな風にしたのか覚えてはいないが、身長も180センチくらいだろうか。

大型の男に、捕まれ、フェンスの内側へと投げ飛ばされた。

いてて。と思う暇もなく、

「おい、兄ちゃん。」

そいつは、寝そべった僕の前に座った。

「火、持ってない?」





それが、僕と星矢との出会いだった。
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