ある夏の思い出

shoichi

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第4章

どんな世界。

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窓の外を開けると、午前四時半のゆっくりと明るくなっていく空。

消えて行く星を見上げながら、通り過ぎる雲を目で追いかけていた。

時折り聞こえる、救急車のサイレン。

段々と五月蝿くなって来るバイクの音。

僕の家の玄関で止まった一台の…。

「あっ。」

「よっ!!」

「せ、星矢!!!!」

「早く、乗れよ!!」

外国人かと思うくらいの真っ黒に日焼けしていた星矢が、夏の流れ星のように突然現れた。



「どこ行ってたんだよ。」

「あ?どうした?」

少しだけ大きくなった様な気がする星矢の背中に、遠距離恋愛をしていたカップルの様な事を、僕は呟いていた。

「どこ行ってたんだよ!!」

星矢は、笑って、すまん。と言った。



本当に、この場所が好きなんだな。って、また、星矢と初めて出会った場所に来ていた。

ランニングをしているおじさんや、犬の散歩をしているお姉さん。

朝の風景は、夜の景色と違って、新鮮な感じがした。

「すまんな。」

小石を拾って、目の前の川へ投げ捨てながら星矢が続ける。

「まっ、前に言った、俺の夢なんだけどな。」

「せめて、何か言ってくれても。」

「ほら、見ろよ。」

そう言って携帯電話へ映る、絵を沢山見せてくれた。

「橘…参上って。」

「世界中に、俺の存在を教えて来るんだよ。」

世界を旅しては、なかなか消えないペンキで名前を書いているらしい。

「今度は、ソラも来るか?」

「今度は、どこに行くの?」

「南極の氷にでも、俺たちの名前でも書いてくるか?」

笑いながら話す星矢。

「どんな世界だよ。」



僕の、とある夏の思い出です。

~fin~
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