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Phase9 星空のレジスタンス
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3日目の予定はバーベキューでの交流会であり、慶輔達は初めての料理経験だったため、包丁や煮込みなどの調理作業に悪戦苦闘していた。特にアリエルは火から出る煙に対して、ゲホゲホと咳を出している。
「やはり、初めて手料理するのって結構きついんだな……!」
「全くだぜ。こういう事になるんなら、さぼっておきゃよかったよ!」
カインとエッジも、慣れない包丁手つきでニンジンや玉ねぎを切るのに苦戦していた。特に目が赤くなっており、涙を流していった。
「でも頑張らなきゃだめだよ。今の私達はヴィオラ―ドと言う最強の悪魔なんだから、世界中の人間達の手本にならなきゃ!」
「そのために私達は悪魔に転生したんでしょ?」
アーシェとリノアの言葉にここにいた全生徒が沈黙しながら作業を始める。やはり、ヴィオラ―ドと言う悪魔に転生した意味を理解できない生徒がいたのが、現状なのだろう。
そんな中、慶輔は綺麗で素早い料理作業をこなしている一人の銀髪のシニヨンヘアーの少女に目をくぎ付けになっていった。彼女の包丁さばきはプロの料理人のように正確であり、早くこなしているのだった。
「えっと君は確か、大細田慶輔君かな? 悪いんだけど、このお鍋混ぜてくれるかしら?」
「分かりました、ってえ~っと……、名前まだ聞いてなかったね?」
「クルル・パパトプーロス。ギリシャ国籍、双児騎士サウザンドの契約者よ」
「分かった。クルルさんだね。これからもよろしく」
クルルと名乗った少女は、慶輔に向かって、笑顔でウィンクする。慶輔もお返しするかのようにウィンクした後、お鍋を箆でかき混ぜるのだった。
「クルルさんって料理得意なんだ。あまりにも包丁さばきが早かったからさ、僕も思わず驚いたよ」
「そう言ってくれると嬉しくなるわ。私、こう見えても人間だった頃、誰にも愛されなかった日々だったの」
「ごめん、気が障ったこと、言ったかな?」
「気にしないで。私もこの学園に入って、新しい自分を探す事にしたの。自分の心の傷を強引に癒すんじゃなく、受け入れて誰かを守る力を手にする方法をね」
クルルと名乗った少女の言葉は、まるで前向きな姿勢を大事にしているかに思えた。自分とは一体何が違うのかは、もうわかったような表情をしてしまう慶輔であった。
いつかクルルのような前向きな姿勢を向けれたらいいなと、感じる慶輔だった。
「ところで、これは一体何を作ってるの?」
「これはスパゲティミートソース。私は麺をゆでてるんだけど、今ルーネス達がカレーを作ってるから」
クルルが首を向けた方向を見てみると、ルーネスとラムザがカレー作りに励んでいた。二人とも、行動するたびに戸惑っていたため、どうやら料理は初めてみたいだ。
「全く、こんな料理をやらされるなんて俺達運がないとしか言いようがないな!」
「ぼやくなよルーネス。SMクラブで女王様に鞭でた叩かれるよかマシだろ?」
ラムザはともかく、ルーネスは完全に白旗を上げているようである。もう少し頑張ってほしいと思っている慶輔であったが……。
「だ~! もうやめだ! 俺俺俺はあそこの木の下で休んでくるわ!」
「おいおい! 今日の昼ごはんはどうするつもりだよルーネス!?」
「いいよ、俺はどっかコンビニで弁当買って食うから!」
完全にカレー作りを放棄したルーネスは調理場を去ってしまう。それを見かねた慶輔はルーネスを説得するために、彼を追いかけようとしたのだが……。
「大丈夫よ。こういう時のために、彼女が来るから」
「彼女!?」
クルルに止められた慶輔は彼女と言う言葉の意味が分からなかったが、この後理解できるようになる。
「コラ~、ルーネスさぼるな~!」
どこから女の子の声が聞こえてきた次の瞬間に、ルーネスの後頭部に強力な一撃が炸裂した。その正体は軽めのゴムボールだった。
「いてえええええええ!」
「自分だけ義務を放棄しようたってそうはいかないわよ! ルーネスにはキッチリ、みんなが食べるカレーを作ってもらうわよ!」
なんと茶色のロングヘアーの少女が、マシンガンを持って、ルーネスのところへとやって来た。どうやら彼女の射撃によるものだろう。
「クルルさん、彼女は一体!?」
「フィンランド国籍のシェルク・モイサンデル。私達の中ではかなりのミリオタよ」
「マジこういう女の子いたんだ……」
シェルクと言う少女、只者ではないと感じている慶輔だった。
---to be continued---
「やはり、初めて手料理するのって結構きついんだな……!」
「全くだぜ。こういう事になるんなら、さぼっておきゃよかったよ!」
カインとエッジも、慣れない包丁手つきでニンジンや玉ねぎを切るのに苦戦していた。特に目が赤くなっており、涙を流していった。
「でも頑張らなきゃだめだよ。今の私達はヴィオラ―ドと言う最強の悪魔なんだから、世界中の人間達の手本にならなきゃ!」
「そのために私達は悪魔に転生したんでしょ?」
アーシェとリノアの言葉にここにいた全生徒が沈黙しながら作業を始める。やはり、ヴィオラ―ドと言う悪魔に転生した意味を理解できない生徒がいたのが、現状なのだろう。
そんな中、慶輔は綺麗で素早い料理作業をこなしている一人の銀髪のシニヨンヘアーの少女に目をくぎ付けになっていった。彼女の包丁さばきはプロの料理人のように正確であり、早くこなしているのだった。
「えっと君は確か、大細田慶輔君かな? 悪いんだけど、このお鍋混ぜてくれるかしら?」
「分かりました、ってえ~っと……、名前まだ聞いてなかったね?」
「クルル・パパトプーロス。ギリシャ国籍、双児騎士サウザンドの契約者よ」
「分かった。クルルさんだね。これからもよろしく」
クルルと名乗った少女は、慶輔に向かって、笑顔でウィンクする。慶輔もお返しするかのようにウィンクした後、お鍋を箆でかき混ぜるのだった。
「クルルさんって料理得意なんだ。あまりにも包丁さばきが早かったからさ、僕も思わず驚いたよ」
「そう言ってくれると嬉しくなるわ。私、こう見えても人間だった頃、誰にも愛されなかった日々だったの」
「ごめん、気が障ったこと、言ったかな?」
「気にしないで。私もこの学園に入って、新しい自分を探す事にしたの。自分の心の傷を強引に癒すんじゃなく、受け入れて誰かを守る力を手にする方法をね」
クルルと名乗った少女の言葉は、まるで前向きな姿勢を大事にしているかに思えた。自分とは一体何が違うのかは、もうわかったような表情をしてしまう慶輔であった。
いつかクルルのような前向きな姿勢を向けれたらいいなと、感じる慶輔だった。
「ところで、これは一体何を作ってるの?」
「これはスパゲティミートソース。私は麺をゆでてるんだけど、今ルーネス達がカレーを作ってるから」
クルルが首を向けた方向を見てみると、ルーネスとラムザがカレー作りに励んでいた。二人とも、行動するたびに戸惑っていたため、どうやら料理は初めてみたいだ。
「全く、こんな料理をやらされるなんて俺達運がないとしか言いようがないな!」
「ぼやくなよルーネス。SMクラブで女王様に鞭でた叩かれるよかマシだろ?」
ラムザはともかく、ルーネスは完全に白旗を上げているようである。もう少し頑張ってほしいと思っている慶輔であったが……。
「だ~! もうやめだ! 俺俺俺はあそこの木の下で休んでくるわ!」
「おいおい! 今日の昼ごはんはどうするつもりだよルーネス!?」
「いいよ、俺はどっかコンビニで弁当買って食うから!」
完全にカレー作りを放棄したルーネスは調理場を去ってしまう。それを見かねた慶輔はルーネスを説得するために、彼を追いかけようとしたのだが……。
「大丈夫よ。こういう時のために、彼女が来るから」
「彼女!?」
クルルに止められた慶輔は彼女と言う言葉の意味が分からなかったが、この後理解できるようになる。
「コラ~、ルーネスさぼるな~!」
どこから女の子の声が聞こえてきた次の瞬間に、ルーネスの後頭部に強力な一撃が炸裂した。その正体は軽めのゴムボールだった。
「いてえええええええ!」
「自分だけ義務を放棄しようたってそうはいかないわよ! ルーネスにはキッチリ、みんなが食べるカレーを作ってもらうわよ!」
なんと茶色のロングヘアーの少女が、マシンガンを持って、ルーネスのところへとやって来た。どうやら彼女の射撃によるものだろう。
「クルルさん、彼女は一体!?」
「フィンランド国籍のシェルク・モイサンデル。私達の中ではかなりのミリオタよ」
「マジこういう女の子いたんだ……」
シェルクと言う少女、只者ではないと感じている慶輔だった。
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