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中編-2
しおりを挟む「では、ガヴィの説の裏を取ろう。亡くなった女官の同僚、王妃付き女官全員からもう一度、話を聞くべきだ。今回は女官が王妃に対してどう思っていたのかを主軸に聞けば、また違う景色が見えるのではないか?」
陛下は、女官の死は母上が原因かもしれないという推理に思うところはあっただろうが、それら私情には蓋をして冷静に命じられた。父上の器の大きさを、改めてすごいと思った。
だから私も先に進む。いずれ膿は出さねばならないが、それは今ではない。
私たちは陛下からのアドバイス通り、もう一度、王妃付き女官全員から話を聞くことにした。
王妃付き女官は女官長1人と、女官7人。まずは女官長であるマーガレット・マーカス女官長からだ。
マーカス女官長は40代後半のベータで、マーカス伯爵夫人。王妃には王太子妃時代から仕えている、ブラウンの髪と瞳をした落ち着いた雰囲気の女性だ。
「さっそくですが、もう一度、ジーニー女官の話を聞かせてください」
ガヴィの問いかけに、女官長は「大変な事件でございますから、私でお役に立てるのであれば構いません」と言った。
「ジーニー女官と同様、女官長も王太子妃時代から仕えておられる。ジーニー女官と女官長は、個人的に親しかった?」
女官長は一瞬、目線を上げかけたが、またすぐに落とし、私の執務机のあたりを見た。でも、一瞬でも目線が上げかかったのは、ガヴィの言った「個人的」という言葉に反応したからだと思う。
「個人的とは、どういう意味でございましょうか?」
「うーん、つまりジーニー女官から困っていることを打ち明けられたりとか」
「そのような意味でございましたら、女官長は、概ね女官の悩みを聞く担当でもあります」
「では、聞いていたのだね?」
「はい」
「それはどういう悩みです?」
女官長は膝の前で揃えていた手を握った。
「個人的な話ですので、亡くなったとはいえ、ジーニー女官のそういった話を漏らしてもいいのか、判断がつきません」
女官の資質で最も大切な事、それは口が硬いことだ。
「マーカス女官長。私は王命で女官死亡の真相を探っている。よって命じる。ジーニー女官から聞いた悩みを話しなさい」
私の命令に女官長はほっとした表情を見せた。王命とあれば話すしかない。つまり体裁は取れるからだ。
「8年前です。ジーニー女官にファブレス侯爵家の御嫡男との縁談が出ました。
ジーニー女官は、15歳の時から王宮に仕えて、そのころから結婚せずに女官として王家に仕えようと決めており、16歳で王太子妃様付きになり、妃殿下の覚えもよく、より一層、励んではおりましたが、侯爵家とのご縁となれば、これは別でございます。
しかも、御嫡男が王宮にてジーニー女官を見初め、打診されたと聞けば、なおさらでございましょう。
私は彼女に結婚しても女官を続けることはできるから、その話を受けてはどうかと勧めました。彼女も、そのつもりでいたようでございます。
しかし…、妃殿下に話したところ、一言、困るとおっしゃられたそうです。何が困るのか、私には判断できません。ただ困ると。
結局、御嫡男はジーニー女官の同僚であった別の女官とご結婚されました。その女官は職を辞して侯爵夫人となりました。その女官が職を辞する時、妃殿下は反対されませんでした。このことは、その女官よりジーニー女官が優れていたからだと私は思いましたし、彼女もそう思ったはずです。それ以降、ジーニー女官はさらに職務に励みました。ですが…」
「違ったの?」
「…はい。ある夜会で妃殿下がファブレス侯爵夫妻に声を掛けられたあと、ふと漏らされたのです。『あの夫人は女官時代から派手だった。あの派手さは私の傍では邪魔だ』と」
血の気が引いた。
「母上がそんなことを?それでは母上は、女官を引き立て役と思っているということになる。ジーニー女官は地味だから傍に置き、容姿のよい女官は傍に置かない。そういう意味?あ、すまない。これでは、間接的に女官長さえ侮辱したことになってしまうが、けっしてそういう意味では」
「王太子様、よろしいのです」
女官長は、どこかサバサバした様子になった。
「王太子様がおっしゃった通りです。私の口からは不敬になりますので、これ以上は申し上げられません。ただ、王妃様の真意を知ってしまったジーニー女官の気持ちは、いかばかりだったでしょう。それでも、彼女は誠実に王妃様にお仕えしていたとだけは申し上げておきます」
ガヴィが「最後に一つだけ教えてください。ジーニー女官と最も親しかった女官は誰でしょう」と聞いた。
「サーマイズ女官です」
「ありがとう。さがって結構です」
次は当然、サーマイズ女官から話を聞く。
サーマイズ伯爵夫人である、ジュリエット・サーマイズ女官は2年前から母上付きになった。確かジーニー女官とは同い年の25歳のベータで二人の子供がいる、ふくよかな女性だ。
あらかじめ私はサーマイズ女官に伝えた。
「私は王命により、ジーニー女官の死の原因を突き止める任を賜った。よって、ここでのあなたの発言には、いっさい不敬は問わない。ただ知っていることを正直に話してほしい」
サーマイズ女官は、俯き加減に一度ぎゅっと目を閉じ、開けた時には堰を切ったように話し始めた。
「ジーニー様は、ある意味、王妃様に殺されたようなものです。
ジーニー様は、それは王家に、王妃様に忠誠を誓っておられました。
でも、ほんとはファブレス侯爵と結婚したかった、結婚してお子も産みたかったと言っていました。でも、それは王妃様がお許しにならなかった。
王妃様は容姿のよい女官は、おそばに置きたくないのです。地味な容姿で、それで優秀なら、それがいいと。むしろ優秀さより、容姿が地味という点を重要視されておられました。
私は、このように不細工でございますから、優秀でなくてもお傍に置いておられるのです。でもジーニー様は優秀なうえに、派手さがないので、重宝されていました。
私どもは王家に仕えるのが義務です。義務ですから、どのように扱われても、私どもから発言することはできません。
だからといって、あの王妃様のなさりようはあんまりでございました。使い勝手の良い駒でも心があります!
今から一ヶ月前くらいのことです。まだ王妃ではなく、王太子妃であられました。妃殿下が内庭で、お一人でお茶を嗜みたいと仰せられたのです。ちょうど薔薇が咲き誇り、それを愛でながらお茶を飲みたいとのご希望でした。
王妃様は薔薇がお好きなので、開花シーズンの恒例行事のようなものでした。
そのような場合、付き従うのは、たいていジーニー様と私か、ジーニー様と女官長という組み合わせでした。とにかくたいていの場合、必ずジーニー様はお傍にいました。このときは、ジーニー様と私でした。
王妃様はお一人でお茶を嗜むとき、私どもに気軽にお声がけされます。その日も、いつもと同じに、まるで独り言のように、薔薇にでも話すように、思いつくまま、話しかけてこられました。
その日は晴れていて、最初は妃殿下のご機嫌はようございました。そのうちに、王太子様のお話になりました。
妃殿下は王太子様のご教育の進捗にご不満があるようでした。ご自分と王太子様を比較され、『私があれくらいの時は』とおっしゃって、『このくらいは出来た』という言葉で締め括っておられました。
何度かそれが続くうち、ジーニー様が珍しく意見を述べたのです。
『第一王子様は優秀であられます。ただ優秀なだけでなく、よく周囲を見ておられますし、仕える者の気持ちまで汲んでおられます』と。
それが妃殿下のお心に触ったのだと思います。妃殿下は『分かっている。私が生んだ子だから』と仰せになりました。
ジーニー様は『出過ぎた発言をして申し訳ございません』と言いましたが、妃殿下のお気持ちは収まらなかったのでしょう。
こうなると、妃殿下はきつい口調になるのです。
『私は親だからユーリオの行く末を心配しているんだ。子を産んでいないお前には分かるまい。なぜ結婚しなかったんだ?いい縁談だってあったのに。私に意見するのであれば、せめて親になってから言え』
ひどいと思いました。ご自分でジーニー様のご結婚を潰しておきながら、今になってこのおっしゃりよう。
でもジーニー様は顔色一つ変えず、『申し訳ございません』と言われただけでした。そのあとも妃殿下は『子がいないそなたは気楽でいい。子の心配などしなくてすむ』とも。
このとき、このとき私は…私は…自分可愛さから、何も言えませんでした!それが情けなく、ジーニー様に申し訳なく思っております」
ガヴィが何も言わずにサーマイズ女官へハンカチを渡した。突然のことで、彼女は「そんな」と言いかけたが、おずおずと受け取ると、その場に泣き崩れた。
サーマイズ女官が落ち着くまで、その場で侍従と共に介抱し、盛んに恐縮する彼女に協力を感謝すると、彼女は礼を取って部屋を出ていった。
それを見送ってのち、私たちも一度、執務室を出る。
ガヴィは何も言わず、黙って私の手を取り、私専用の居間に入った。侍従に紅茶を持ってくるように伝えると、ドアを開けたままにし、人ばらいをした。
侍従から茶器一式を受け取ったガヴィは、自ら紅茶を入れてくれる。
ガヴィはいつもより多めの茶葉で、いつもより濃いお茶をいれ、いつもよりかなり多くの砂糖を入れた。たくさん砂糖を入れたら、悲しみがどこかに飛んでいく、そんなありもしない魔法があることを信じているかのように。
「飲んで。落ち着くから。…泣いていいんだよ」
ガヴィこそ、泣きそうな顔をしている。
大丈夫、私は泣かない。
母上の言葉に傷ついて、涙を流した時期は、もう過ぎたんだ。
今はジーニー女官のことだ。
母上の言葉は刃物となって、彼女を傷つけた。
「使い勝手の良い駒でも心があります!」
ほんとにその通りだ。
どうして母上は、自分の言葉を受けた者の気持ちが想像できないのだろう…。
亡くなった王妃は、日記を残して国王の所業を暴露した。
では彼女は?彼女はどうだろう?
私はカップを見つめる。
このカップはガーヴィン・マーローの作品だ。
残したはずだ、彼女も…。
ガーヴィン・マーロー。
花瓶。
「妃殿下が内庭で、お一人でお茶を嗜みたいと仰せられたのです。ちょうど薔薇が咲き誇り」
ガーヴィン・マーローの庭シリーズの花瓶、薔薇の庭。
彼女は花を飾るのがうまかった…。
母上はオメガ。
オメガ、24番目の最後の文字。
「ガヴィ!」
突然、立ち上がった私にガヴィは面食らっている。
「王家の宝物庫に行く!」
◇◇◇◇◇◇◇◇
私からの謁見の依頼に対して、陛下は私室に来るように命じられた。
私たちが陛下の私室に入ると、そこには陛下と共に母上と祖父もおられた。
祖父が離宮から来られているとは想像していなかった。
王妃の私室で女官が亡くなったと分かった時点で、祖父は曾祖母の日記を父上に見せようと思ったと聞いた。だからきっと祖父は何かしら思うところがあって、ここに来て下さったのだと思った。
陛下の隣に母上、一人がけソファに祖父、陛下たちと対面するもう一つのソファに、私とガヴィが並んで座った。
「陛下、ジーニー女官の遺書を見つけました」
私たち以外の方々の顔色が変わる。
私は陛下だけを見た。少し頷かれたので、そのまま続けた。
「遺書は、宝物庫に収蔵されているガーヴィン・マーローの庭シリーズ、その中の『薔薇の庭』の0-4番の花瓶の中に入っていました。これです」
私は女官の遺書をテーブルに置く。
上等な白紙に透かし模様が入っている封筒。その模様も薔薇だった。
美しい文字で「皆様へ」と書いてある。
これだけでジーニー女官の教養の高さが分かる。
泣きそうになった。
私はそれを隠すように、浅く呼吸を整える。
「…私たちは読みました。結論から申し上げますと、ジーニー女官は自殺です。自分以外の第三者がいたかのようにオルゴールを落とし、壁から絵画をはずすなどの工作をしたのち、ツツカブラの毒を煽ったのです」
「よく遺書の場所が分かったな」
陛下が聞かれた。
「はい。王妃様のお好きな花、薔薇。そしてオメガ。オメガは24番目の文字です。そこからガーヴィン・マーローの『薔薇の庭』の最後の花瓶に行きつきました」
王妃の私室で亡くなり、王妃の好きな「庭シリーズ」の最後の作品で、王妃(オメガ)を示す24番目の花瓶。
全てが母上に繋がっている。
私は母上の顔を見ることはできない。
「これはいったいどういうことだ!まるで、私への当てつけではないか!」
母上の叫びに誰も答えない。
「私は、私は被害者だ!晴れの戴冠式の日に、侍女が自殺?嫌がらせだろ!」
「いい加減にしろ!」
祖父が怒鳴った。こんなに怒った祖父を見るのは初めてだ。
「読んだとだけいい、具体的な遺書の内容まで話さないユーリオの心遣いが分からんのか!そなたは昔から、自分の発言の重みを理解せず、自分の言葉がどれだけ人に影響を与えるか想像もできない。だから、わしはそなたを王にはすまいと思ったのだ!この決断は正しかった。ただ賢いだけで王になれると考える、その短絡さが一番の欠点だ!」
父上は母上の手を取らない。ここで慰めたら母上は反省できない。だから取らないのだと思った。
母上は一瞬、茫然とした。
「セリーヌの父、ジーニー伯爵にはなんといえばいいんだ。伯爵の大事な令嬢を自死するほど追い詰めてしまった。伯爵になんといえばいい?人と比較し、人を貶めてでしか満足を得られない王妃のせいで、大事な令嬢を死に追いやってしまったと、そう伝えるのか!」
「父上、それは、ひ、ひどい!」
「事実だろう!おまえは、そうやってユーリオも傷つけてきたんだ」
両親と、そして祖父が私を見る。
私は、一度、瞬きをして、母上を見た。
私は普通の声色だろうか。
「おじい様、私は母上のことを責められません。なぜなら私も同じことをしていたから。どうして私の母はジョシュア様ではないんだろう。ジョシュア様が私の母なら、もしそうだったら、私はどんなに幸せかと、何度も何度も思いました!そうやって私は、ずっと心の中で、母上を貶めていました!」
母上が立ちあがった。
ぶたれるかもしれない。そう思ったのは私だけでなかった。ガヴィが私を庇うように抱きしめる。
「何を驚いている。自分はユーリオを愛していないのに、ユーリオには愛されていると思ったのか。どこまで自分の都合だけで物事を考えるんだ、君は」
父上だった。
母上はそのまま部屋を出て言った。
父上は追いかけない。追いかけなかった。いつもならきっと追いかけただろうに。
「こういうときは一人にした方がいい。慰めると反省しない。もっとも慰めようが、慰めまいが、あやつが反省できるかはしらんが」
厳しい祖父のいいように、しかし父上はいう。
「もう少ししたら、行きます。私はこれでも彼を愛しているんですよ」
父上の眼差しが私に向かう。
「…ユーリオ、さっき母上はおまえを愛していないようなことを言ってしまったが、そんなことはないんだよ。彼なりに、彼なりには愛してはいるんだ。
ただ愛する順番が違う。母上の場合は、一番愛しているのはまず自分、そしてその次がおまえだ。そしてだいぶ下がって私かな。
いや、私ではなく、その前に薔薇かもしれない。私は薔薇よりも愛されていると、胸を張って言い切れる自信がない」
「ち、ちちうえ…」
いつもの父上だった。この父上がいたから私は耐えられた。そう思ったら、母上との関係では、もう涙は流し尽くしたと思っていたのに止まらなくなった。ガヴィの腕の中で私は泣き続けた。
「もう私の腕の中では泣いてくれないのか。…寂しいね。ガヴィ、改めてよろしく頼むよ。繊細なところがあるが、王に相応しい器を持つ、大事な後継者だ。君に任せるのが一番だと、私たちは思っている」
「はい」
「…さて、私の腕は一人で泣いている、傲慢な妃に貸してこよう。傲慢だが、あれで可愛いところもあるんだよ」
そう父上は言い残すと、部屋を出て言った。
部屋に残ったのは、私の嗚咽とガヴィの優しさ、そして温かい祖父の眼差しだった。
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