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対の飾り 15
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どうやら従者の方は、一つ深い情報を得ることのできる立場であるようだ。
ということは、この従者の方はアギーの中でそれなりの信頼を得ている方……もしかしたら、本来はアギー公爵様の従者であるのかもしれない。
そうして、リヴィ様も王家の呪いを耳にしている……。
「男爵家から、下手をすれば公爵家まで、推測は広がりましょう。一人を特定するのはとても困難であるはず。
地位も名も定かではありませんから、下手な手出しはできかねる……そう判断する家が多いと思います。
その形を作り上げることが、我々の提供する盾。
オリヴィエラ様は、ただ耳飾を身につけ日々を過ごし、そのお相手に関しては極力秘しておけば良い」
「極力……ですの?」
「そう、極力です。全ての情報を閉ざしたのでは、逆に信憑性が薄れますから」
なんとなく、概要が分かってきたのだろう。従者の方が、また口を開いた。
「そんな稚拙な手段で騙し通せるとは思えぬ……」
「騙せるよう、手段は講じます。
まず、情報の操作、撹乱はこちらにお任せいただければ問題ございません。
次に、その架空の人物を作り上げます。
貴女様との縁を持つ者から、ある人物を、この方の記憶として利用していただく。そうすることで信憑性も増します。
貴女様と七年以上の交流があり、貴方様とお会いする際は、他家の方との接点を持っていない人物。
特定されにくいであろう、貴族外の者が、その仮姿となります」
その言葉に、リヴィ様は瞳を見開いた。
そうしてギルを、ただ黙って凝視する。
ギルもその視線を正面から受け止めた。
俺は表情に出さぬよう、心の中だけで深く息を吐く。
良かった……。ひやひやしたけれど、なんとか俺の策は成った。
「……その方は、毎月貴女様に、バート商会を通して贈り物をする……。たまに手紙も添えられます。
貴女様はそれを受け取り、使用し、たまに返事を認めてください。
それはバート商会から、その方へと渡されます。
バート商会は、本店と支店を持ち、そのどちらも、多くの貴族の方と縁を持ちますから、店の利用者から相手を絞り込むのは、些か骨が折れることでしょう」
ギルの引き上げられた口角が、その作戦への自信を覗かせていた。
相手の特定など、実質、無理だろう。
老舗のバート商会は長く貴族との取引を続けてきている。それは、そうやすやすと情報を漏らしはしないという、実績でもあるのだ。
現に、父上へと俺の情報を伝えていたアルバートさんも、それをジェスルに悟らせてはいない。
更に、マルを使って情報操作を行い、その上でお相手は架空の人物……。
手紙はバート商会より外には流出しないとなれば、知られてしまう要素は無きに等しい。
そしてこの策には、ライアルドのみに絶大な効果を発揮するであろう、もう一つの罠が潜ませてある。
耳飾から連想していけば、俺の存在はすぐに引っ張り出されるだろう。
調べていけば、バート商会との縁が、俺に繋がることもすぐに出てくる。
けれど……。
ライアルドは、きっと邪推することになるはずだ……。
俺から絡まる、ある方との縁を……。
あの夜会には、特別な方がいらっしゃっていたというのは、皆の記憶にも新しいだろう。
そう、リカルド様だ。
今年の社交界には、リカルド様がアギーまで出向いてこられていた。これは正直、異例なことだ。
家督を継がぬとはいえ、嫡子を寄越すなど、普通はしない。まさかリカルド様が、俺に会うために来ていたなどとは、誰も考えまいし、知られたところで信じはしないだろう。
そんな巫山戯た理由より、縁を繋ぐ女性に会うためだった……と考えた方が、余程しっくりくる。
更に、リヴィ様とのいざこざに、彼の方は介入したのだ。
ライアルドにしたら、それが充分な根拠となる。
「…………何故そこまでなさるの?
店主殿の利点が見えてきません。
そのようなお話、やすやすと信じることなどできかねますわ」
冷静を装い、リヴィ様はゆっくりと落ち着いた口調で、そうおっしゃった。
確かにそうだろう。
ただ貴女のためにだなんて、そんな馬鹿みたいな話、信じることなどできはしない。
だけどギルは、その馬鹿をやるのだ。
リヴィ様の負担にならぬよう、ちゃんと理由まで用意して。
「実は……本店の兄から、いい加減所帯を持てと、せっつかれておりまして……」
綺麗な顔を、計算尽くの麗しい苦笑で飾って、ギルはその言葉を口にした。
途端、リヴィ様の表情が凍りつく。
「………………そう、なのです、か……」
そうして、かろうじて言葉を吐き出した。
ギルは、それをあえて気付かぬふりで、言葉を続ける。
「はい……。とはいえ、私にはその気が無い。
店主としての体面などもありまして、ただ望まぬでは通らないくらいには切迫しているのですが……まぁ、兄は私の『遊び』を、元から快く思っておりませんからね。
いい加減に落ち着け……と、言いたいのでしょう」
ギルが、多くの女性との縁を持つことを、リヴィ様はご存知だ……。
だからこう言えば、彼女は納得するだろうと、ギルは考えたに違いない……。
リヴィ様は、瞳を伏せた。
何かを押し殺すような表情を、隠すために。
「私は幼き頃の記憶を、貴女の愛しい方の仮姿として提供する。
私は兄に、貴族の方との縁があると伝える。
私は王都で、貴女様を煩わせる瑣末ごとから、貴女様を守る盾になる。
その代わり貴女様は、私の秘密の恋人役を担う……。
貴族の方の都合にこちらが合わせるのは当たり前ですから、兄も私の婚姻をとやかく言えなくなりますし、公爵家のご令嬢が耳飾を利用すれば、その価値も高まることでしょう」
お互い、益のある話ですよと、笑顔でギル。
従者の方はまだ懐疑的な表情であったけれど、顔を上げたリヴィ様はもう、作られた貴族のお顔だった。
個人の感情は捨て、政治の世界に身を投じる方の顔……。
「毎月の贈り物とはなんですの?」
「文字通り贈り物の場合もあれば、お互いの情報交換であったり、女性職務者用、新作衣装の試作であったりします。
定期的に連絡を送ることが不振とならない手段が必要かと。
当たり障りない手紙でしたら、他に見られても問題ございませんよ。そういったものも混ぜるつもりです」
「……手慣れてらっしゃるのね……」
「……まぁ、色々と考えて行動することを余儀なくされていましたからね。それがこのような形で役に立つとは、世の中何が功を奏すか分かりませんね」
そんな風に言い、ギルは肩を竦めてみせた。
それでもなお逡巡する様子のリヴィ様に、ギルは最高の笑顔で、最後の一言を付け足す。
「もし……王都での生活で、将来を誓い合える方と巡り会えたならば、盾の役割はその方にお譲りしますよ」
「…………分かりました。取引致しましょう」
リヴィ様の言葉に、従者の方が、もの言いたげにするが、それをリヴィ様は、さっと手を挙げて制した。
彼女がこの場において、己のみで判断を下したことに困惑しているのだろう……。きっと普段のリヴィ様なら、そのような軽率な行動は取らない。
「書面には残しません。これはバート商会支店店主、ギルバート殿と、アギー家の私の、個人的な取引。それでよろしいのね?」
「はい。ありがとうございます」
そう言いギルは、深く頭を下げた。
その姿を、リヴィ様は黙って見つめる……。そうしてから、つと、俺に視線を寄越した。
これで、よろしかったの?
そう聞く瞳に、俺も一応笑顔を返す。
今は。
少なくとも二人の縁は、これで確実に繋がった。
女近衛の正装から、働く女性の衣装に大きく手を広げていこうとしているバート商会は、必ず王宮内に必要とされるようになる。
だから、この先をどう育てるかは、二人次第となるだろう…………。
ということは、この従者の方はアギーの中でそれなりの信頼を得ている方……もしかしたら、本来はアギー公爵様の従者であるのかもしれない。
そうして、リヴィ様も王家の呪いを耳にしている……。
「男爵家から、下手をすれば公爵家まで、推測は広がりましょう。一人を特定するのはとても困難であるはず。
地位も名も定かではありませんから、下手な手出しはできかねる……そう判断する家が多いと思います。
その形を作り上げることが、我々の提供する盾。
オリヴィエラ様は、ただ耳飾を身につけ日々を過ごし、そのお相手に関しては極力秘しておけば良い」
「極力……ですの?」
「そう、極力です。全ての情報を閉ざしたのでは、逆に信憑性が薄れますから」
なんとなく、概要が分かってきたのだろう。従者の方が、また口を開いた。
「そんな稚拙な手段で騙し通せるとは思えぬ……」
「騙せるよう、手段は講じます。
まず、情報の操作、撹乱はこちらにお任せいただければ問題ございません。
次に、その架空の人物を作り上げます。
貴女様との縁を持つ者から、ある人物を、この方の記憶として利用していただく。そうすることで信憑性も増します。
貴女様と七年以上の交流があり、貴方様とお会いする際は、他家の方との接点を持っていない人物。
特定されにくいであろう、貴族外の者が、その仮姿となります」
その言葉に、リヴィ様は瞳を見開いた。
そうしてギルを、ただ黙って凝視する。
ギルもその視線を正面から受け止めた。
俺は表情に出さぬよう、心の中だけで深く息を吐く。
良かった……。ひやひやしたけれど、なんとか俺の策は成った。
「……その方は、毎月貴女様に、バート商会を通して贈り物をする……。たまに手紙も添えられます。
貴女様はそれを受け取り、使用し、たまに返事を認めてください。
それはバート商会から、その方へと渡されます。
バート商会は、本店と支店を持ち、そのどちらも、多くの貴族の方と縁を持ちますから、店の利用者から相手を絞り込むのは、些か骨が折れることでしょう」
ギルの引き上げられた口角が、その作戦への自信を覗かせていた。
相手の特定など、実質、無理だろう。
老舗のバート商会は長く貴族との取引を続けてきている。それは、そうやすやすと情報を漏らしはしないという、実績でもあるのだ。
現に、父上へと俺の情報を伝えていたアルバートさんも、それをジェスルに悟らせてはいない。
更に、マルを使って情報操作を行い、その上でお相手は架空の人物……。
手紙はバート商会より外には流出しないとなれば、知られてしまう要素は無きに等しい。
そしてこの策には、ライアルドのみに絶大な効果を発揮するであろう、もう一つの罠が潜ませてある。
耳飾から連想していけば、俺の存在はすぐに引っ張り出されるだろう。
調べていけば、バート商会との縁が、俺に繋がることもすぐに出てくる。
けれど……。
ライアルドは、きっと邪推することになるはずだ……。
俺から絡まる、ある方との縁を……。
あの夜会には、特別な方がいらっしゃっていたというのは、皆の記憶にも新しいだろう。
そう、リカルド様だ。
今年の社交界には、リカルド様がアギーまで出向いてこられていた。これは正直、異例なことだ。
家督を継がぬとはいえ、嫡子を寄越すなど、普通はしない。まさかリカルド様が、俺に会うために来ていたなどとは、誰も考えまいし、知られたところで信じはしないだろう。
そんな巫山戯た理由より、縁を繋ぐ女性に会うためだった……と考えた方が、余程しっくりくる。
更に、リヴィ様とのいざこざに、彼の方は介入したのだ。
ライアルドにしたら、それが充分な根拠となる。
「…………何故そこまでなさるの?
店主殿の利点が見えてきません。
そのようなお話、やすやすと信じることなどできかねますわ」
冷静を装い、リヴィ様はゆっくりと落ち着いた口調で、そうおっしゃった。
確かにそうだろう。
ただ貴女のためにだなんて、そんな馬鹿みたいな話、信じることなどできはしない。
だけどギルは、その馬鹿をやるのだ。
リヴィ様の負担にならぬよう、ちゃんと理由まで用意して。
「実は……本店の兄から、いい加減所帯を持てと、せっつかれておりまして……」
綺麗な顔を、計算尽くの麗しい苦笑で飾って、ギルはその言葉を口にした。
途端、リヴィ様の表情が凍りつく。
「………………そう、なのです、か……」
そうして、かろうじて言葉を吐き出した。
ギルは、それをあえて気付かぬふりで、言葉を続ける。
「はい……。とはいえ、私にはその気が無い。
店主としての体面などもありまして、ただ望まぬでは通らないくらいには切迫しているのですが……まぁ、兄は私の『遊び』を、元から快く思っておりませんからね。
いい加減に落ち着け……と、言いたいのでしょう」
ギルが、多くの女性との縁を持つことを、リヴィ様はご存知だ……。
だからこう言えば、彼女は納得するだろうと、ギルは考えたに違いない……。
リヴィ様は、瞳を伏せた。
何かを押し殺すような表情を、隠すために。
「私は幼き頃の記憶を、貴女の愛しい方の仮姿として提供する。
私は兄に、貴族の方との縁があると伝える。
私は王都で、貴女様を煩わせる瑣末ごとから、貴女様を守る盾になる。
その代わり貴女様は、私の秘密の恋人役を担う……。
貴族の方の都合にこちらが合わせるのは当たり前ですから、兄も私の婚姻をとやかく言えなくなりますし、公爵家のご令嬢が耳飾を利用すれば、その価値も高まることでしょう」
お互い、益のある話ですよと、笑顔でギル。
従者の方はまだ懐疑的な表情であったけれど、顔を上げたリヴィ様はもう、作られた貴族のお顔だった。
個人の感情は捨て、政治の世界に身を投じる方の顔……。
「毎月の贈り物とはなんですの?」
「文字通り贈り物の場合もあれば、お互いの情報交換であったり、女性職務者用、新作衣装の試作であったりします。
定期的に連絡を送ることが不振とならない手段が必要かと。
当たり障りない手紙でしたら、他に見られても問題ございませんよ。そういったものも混ぜるつもりです」
「……手慣れてらっしゃるのね……」
「……まぁ、色々と考えて行動することを余儀なくされていましたからね。それがこのような形で役に立つとは、世の中何が功を奏すか分かりませんね」
そんな風に言い、ギルは肩を竦めてみせた。
それでもなお逡巡する様子のリヴィ様に、ギルは最高の笑顔で、最後の一言を付け足す。
「もし……王都での生活で、将来を誓い合える方と巡り会えたならば、盾の役割はその方にお譲りしますよ」
「…………分かりました。取引致しましょう」
リヴィ様の言葉に、従者の方が、もの言いたげにするが、それをリヴィ様は、さっと手を挙げて制した。
彼女がこの場において、己のみで判断を下したことに困惑しているのだろう……。きっと普段のリヴィ様なら、そのような軽率な行動は取らない。
「書面には残しません。これはバート商会支店店主、ギルバート殿と、アギー家の私の、個人的な取引。それでよろしいのね?」
「はい。ありがとうございます」
そう言いギルは、深く頭を下げた。
その姿を、リヴィ様は黙って見つめる……。そうしてから、つと、俺に視線を寄越した。
これで、よろしかったの?
そう聞く瞳に、俺も一応笑顔を返す。
今は。
少なくとも二人の縁は、これで確実に繋がった。
女近衛の正装から、働く女性の衣装に大きく手を広げていこうとしているバート商会は、必ず王宮内に必要とされるようになる。
だから、この先をどう育てるかは、二人次第となるだろう…………。
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