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馬事師 5
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騎士試験当日は、当然雨となった。
とはいえ前から通達していたことであるし、試験の全てを野外で行うわけでもない。
あまりの土砂降りならば翌日以降に延期するつもりであったのだけど、幸い本日は霧雨。
きちんと読み書き計算ができるかどうかの筆記試験を終え、現在は実技。馬術と剣術となる。
ロジオンらが用意してくれた馬は、遺憾なく実力を発揮してくれたよう。怪我人を出すことなく馬術試験は無事終え、現在は剣術。
だが……。
ここで少々、問題が発生することとなった。
「サヤと試合がしたい?」
全ての実技試験を終えた後、実際に実力が伴うかどうかと見定めるため、試合が組まれているのだが、他領からの試験希望者から、そんな声が上がったという。
「なんでそんな要望が?」
そう問い返すと、ジークは言いにくそうに理由を教えてくれた。
「かなり剣の腕に自信のある御仁のようで……ここで一番強い者と手合わをせし、実力を示したいと。
それで、ここで一番強いのはサヤさんだと、口を滑らせた者がおりました。申し訳ございません」
「……いや、別に責めているわけではないよ。
その……サヤが女性であることは、伝えたの?」
「はい。それを承知で、お願いしたいと……」
参加者の名簿を確認すると、筆記、実技、どちらにおいても現状、上位の三名に名を連ねている。
当然、試験で水準を満たす成績を示せば騎士には採用されるのだが、実力を示したいと言っているならば、それ以上を狙っている可能性があるな……。
そういったことは、無いではない。騎士試験で領主の目にとまり、近習に抜擢されることだってある。
特に試合は、試験の最終段階。合格者の実力を、雇う側が直に見ることも多い。
承知の上で……か。厄介だ。
サヤが女性であり、従者であるということは、ここで働く以上は、受け入れてもらうしかないことだ。
既にサヤだけにとどまらず、女性従者見習いも、文官希望者もいる。
そんな地で新人騎士となるからには、彼女らのことを理解し、同僚と認められる人物であってほしい。
けれど、彼女らの存在をまだ知らない者だってやはりいるだろうし、受け入れ難く感じる者も、当然現れるだろう……。
他領からということは、貴族出身者かもしれないしな……。そうであれば余計に、反発がある可能性もあるか。
「……実力に関してはどうなんだ?」
「確かに、言うだけのことはあるかと」
と、ジーク。
その返答に、俺は更に悩まされることとなった。
申し出を拒否することはできる。
サヤに匹敵する実力者として、代役をシザーやオブシズに頼むことだって可能だろう。
けれどその人物が、それで納得することはきっと無い。サヤたち女性の職務従事者に対する理解も、深まらないだろう。
しかし、その人物がどういった人間性かも分からない状況で、サヤを差し出すなどしたくなかった。
試合と言うからには当然、剣を振るうのだ。その人物の顕示欲を満たすために、サヤを命の危険に晒すなど……。
「良いですよ」
しかし、俺が決断を下す前に、サヤ本人が、そう返事を返した。
「私は無手で挑みますが、それで構いませんかとお聞きいただけますか?」
「サヤ……」
「実力のある方は、大歓迎です。
それに、これは必要なことだと思います」
レイだって分かってるんやろ? と、瞳を覗き込まれた。
悩んでいるのは、切り捨てられないと、分かっているからだ……と。
その通り、この申し出は受け入れるべき内容だ。
有能な人材を確保するため、女性の職務従事者を受け入れてもらうために、踏み込まなければならない領域。
今後のセイバーンの……ひいては、フェルドナレンのための一歩だ。
そしてサヤが認めているならば、俺の選べる選択肢は、もとよりひとつきり……。
「…………その人、一番最後に順番を回しておいて」
溜息を押し殺して、ジークにそう伝えた。
一礼したジークが立ち去ってから、身支度するために立ち上がったサヤを、呼び止める。
サヤも当然それは察していたのだろう、俺が口を開く前に、問いの返事をくれた。
「無茶はしません」
「……分かってるよ……」
そう言うのだろうって、分かってた。
だけど心配してしまうのも仕方がないことなのだと、理解してほしい……。
サヤを傷付けるのは、物理的なものばかりじゃない。
サヤを女性だと分かって挑もうとする人物が、果たして何を目的にしているか……。
「サヤの実力を疑ってなどいない」
「はい」
「サヤは強い。けれど、それが万能じゃないことも、事実だろう?」
「そうですね。でも、騎士試験の一環です。そんな大層なことにはならないですよ」
命の取り合いをするのではないのだと。
だけど俺は、サヤの心だって、傷付いてほしくないのだ。
「……万全の準備を、整えて」
「そのつもりです」
一瞬だけ、抱き寄せた。
そしてつるりとした額に、怪我をしないでと念じて唇を落とす。
「れっ⁉︎」
「サヤはセイバーンきっての実力者だけど、それだけじゃないって忘れないで……。
誰がどんな風に思っていようと、何を言おうと、俺にはサヤが必要だから」
そう言うと、顔を真っ赤にして俺を見上げた。
……だけど皆の前だということを思い出したようで、慌てて胸をぐいぐい押して身を離す。
「わ、分かってます。言わなくっていいですっ。
そ、それじゃ、着替えてきますから……準備、してきますから!」
パタパタと慌てた足音が遠去かってから、俺は猛然と、手元の書類を仕上げることに集中する。
サヤを一人で行かせるなど、絶対しない。
「レイシール様……」
呆れた感じの、ハインの声。
「皆、俺宛の書類を優先して進めてくれ」
「……その前に、まずはご自分の書類整理をお願いします。代筆できるものはこちらに回してください」
本当に、できた従者を持って幸せ者だよ俺は!
◆
ハインや皆の協力があり、騎士試験合格者たちの実力査定となる試合には、なんとか間に合った。
早足で飛び込んだのは、騎士らの訓練場の一角にある、室内鍛錬場。
初めの方の二組ほどは見逃してしまったが、サヤの出番となる相手はまだ後方。実力に関係無く一番最後に回してもらったのだから、当然なのだけど。
「総合得点順になっているのかな?」
「はい。ですがかの人物、最後に回さずとも、最終の三人に含まれたままでしたよ」
書類を手渡してくれたジークに礼を言って、現在の試合を見学させてもらった。
まぁ、だいたい実力の近い相手と組んでの試合になるから、結構どれもしっかりとした内容になる。
……今年は豊作だと聞いていたけれど、本当のようだな。確かに剣術面での成績は、例年より数字が上だと感じる。
まぁ、本来なら住んでいる地域で試験を受ける者らが、この拠点村に集まっている。それでそう感じているのかもしれないけれど……。馬の確保が原因で、試験を受けられずにいた者たちが来ているということもあるだろう。
会場の反対側で、俺の方を見て言葉を交わす者たち。
きっと領主が見にきたということで、浮き足立っているのだろう。
俺が気に入れば、騎士になる以上の出世があると考えればそうなるよなと思うが、あいにく俺は、引き抜き目的で来ているのではない。
そういうのは、彼らに任す。俺が判断基準にはならない。
「……オブシズ、武官候補者があれば、後で聞く」
「畏まりました」
シザーとオブシズも共に来ていた。
彼らの同僚となるのだから、彼らに選んでもらうのが確実だろう。
そうして、用意された椅子に座って、ただ試合を眺めた。
シザーとオブシズも、俺の後方に直立したまま、言葉を発することはなかった。
全員の実力を全て把握し、その上で判断をするつもりなのだろう。正直……相当な何かがなければ、大抜擢なんてことは起こらないし、そうするつもりも無い。
そうして試合が後半の数組となった時に、サヤが鍛錬場にやって来た。
女近衛の鍛錬用として用意された衣服。
細袴は太腿部分がゆったりとしており、短衣の袖も広め。しかし袖口はすぼまっており、剣を握る邪魔にならないように配慮されている。その上に着込んだ、前面のみの中衣は柔らかい革製。
袖の中で見えないけれど、サヤは小手の腕輪もしているはずだ。そして髪は、背中に三つ編みとなって垂らされている。
通常ならば、短い細袴に袖無しの短衣を着用するサヤがきちんと身を包む衣服を着用してくれているのは、俺の言葉を受けてと、やはりまだ、男性陣に対する恐怖が残っているからだろう。
鍛錬場に一礼して踏み込んだサヤは、そこから黙々と、体を動かし始めた。
まずは柔軟体操。身体を解し、腕や足の稼働領域を広げていく。皆は不思議そうにしているが、サヤの鍛錬はいつもそこから始まるので、セイバーンに既に仕えている面々は邪魔などしない。
そうやって、残る恐怖を集中により、意識の外に押しやる。精神力で、捻じ伏せる。
真横、上下と足を広げ、腰を倒す。相変わらず素晴らしい柔軟性だ。
そうしてゆっくりと型を行い、身体の調子と可動域を確認する。
舞のような動きだが、それはサヤの体捌きに無駄がないからに他ならない。余計なものを全て削り落としていったからこそ到達できる、達人の境地と言っても過言ではないだろう。
そんなサヤの様子を視界の端に収めながら、試合を見続けた。
残りはサヤを含めて四人……彼らが今回の最優秀者なのだな。
一人はいかにも裕福な家庭の出だろうと思われる、身綺麗な服装の男。商家の出だろうか。
もう一人は現場からの叩き上げといった、がっしりと逞しい肉体を持っている。
最後の一人は、まだ若い。成人前なのだろうに、上位三人に入るとは凄い。
しかし髪は短いから、庶民なのだろう。
さて、どの人物がサヤとの試合を望んだのか……。
最後に残ったのは。
とはいえ前から通達していたことであるし、試験の全てを野外で行うわけでもない。
あまりの土砂降りならば翌日以降に延期するつもりであったのだけど、幸い本日は霧雨。
きちんと読み書き計算ができるかどうかの筆記試験を終え、現在は実技。馬術と剣術となる。
ロジオンらが用意してくれた馬は、遺憾なく実力を発揮してくれたよう。怪我人を出すことなく馬術試験は無事終え、現在は剣術。
だが……。
ここで少々、問題が発生することとなった。
「サヤと試合がしたい?」
全ての実技試験を終えた後、実際に実力が伴うかどうかと見定めるため、試合が組まれているのだが、他領からの試験希望者から、そんな声が上がったという。
「なんでそんな要望が?」
そう問い返すと、ジークは言いにくそうに理由を教えてくれた。
「かなり剣の腕に自信のある御仁のようで……ここで一番強い者と手合わをせし、実力を示したいと。
それで、ここで一番強いのはサヤさんだと、口を滑らせた者がおりました。申し訳ございません」
「……いや、別に責めているわけではないよ。
その……サヤが女性であることは、伝えたの?」
「はい。それを承知で、お願いしたいと……」
参加者の名簿を確認すると、筆記、実技、どちらにおいても現状、上位の三名に名を連ねている。
当然、試験で水準を満たす成績を示せば騎士には採用されるのだが、実力を示したいと言っているならば、それ以上を狙っている可能性があるな……。
そういったことは、無いではない。騎士試験で領主の目にとまり、近習に抜擢されることだってある。
特に試合は、試験の最終段階。合格者の実力を、雇う側が直に見ることも多い。
承知の上で……か。厄介だ。
サヤが女性であり、従者であるということは、ここで働く以上は、受け入れてもらうしかないことだ。
既にサヤだけにとどまらず、女性従者見習いも、文官希望者もいる。
そんな地で新人騎士となるからには、彼女らのことを理解し、同僚と認められる人物であってほしい。
けれど、彼女らの存在をまだ知らない者だってやはりいるだろうし、受け入れ難く感じる者も、当然現れるだろう……。
他領からということは、貴族出身者かもしれないしな……。そうであれば余計に、反発がある可能性もあるか。
「……実力に関してはどうなんだ?」
「確かに、言うだけのことはあるかと」
と、ジーク。
その返答に、俺は更に悩まされることとなった。
申し出を拒否することはできる。
サヤに匹敵する実力者として、代役をシザーやオブシズに頼むことだって可能だろう。
けれどその人物が、それで納得することはきっと無い。サヤたち女性の職務従事者に対する理解も、深まらないだろう。
しかし、その人物がどういった人間性かも分からない状況で、サヤを差し出すなどしたくなかった。
試合と言うからには当然、剣を振るうのだ。その人物の顕示欲を満たすために、サヤを命の危険に晒すなど……。
「良いですよ」
しかし、俺が決断を下す前に、サヤ本人が、そう返事を返した。
「私は無手で挑みますが、それで構いませんかとお聞きいただけますか?」
「サヤ……」
「実力のある方は、大歓迎です。
それに、これは必要なことだと思います」
レイだって分かってるんやろ? と、瞳を覗き込まれた。
悩んでいるのは、切り捨てられないと、分かっているからだ……と。
その通り、この申し出は受け入れるべき内容だ。
有能な人材を確保するため、女性の職務従事者を受け入れてもらうために、踏み込まなければならない領域。
今後のセイバーンの……ひいては、フェルドナレンのための一歩だ。
そしてサヤが認めているならば、俺の選べる選択肢は、もとよりひとつきり……。
「…………その人、一番最後に順番を回しておいて」
溜息を押し殺して、ジークにそう伝えた。
一礼したジークが立ち去ってから、身支度するために立ち上がったサヤを、呼び止める。
サヤも当然それは察していたのだろう、俺が口を開く前に、問いの返事をくれた。
「無茶はしません」
「……分かってるよ……」
そう言うのだろうって、分かってた。
だけど心配してしまうのも仕方がないことなのだと、理解してほしい……。
サヤを傷付けるのは、物理的なものばかりじゃない。
サヤを女性だと分かって挑もうとする人物が、果たして何を目的にしているか……。
「サヤの実力を疑ってなどいない」
「はい」
「サヤは強い。けれど、それが万能じゃないことも、事実だろう?」
「そうですね。でも、騎士試験の一環です。そんな大層なことにはならないですよ」
命の取り合いをするのではないのだと。
だけど俺は、サヤの心だって、傷付いてほしくないのだ。
「……万全の準備を、整えて」
「そのつもりです」
一瞬だけ、抱き寄せた。
そしてつるりとした額に、怪我をしないでと念じて唇を落とす。
「れっ⁉︎」
「サヤはセイバーンきっての実力者だけど、それだけじゃないって忘れないで……。
誰がどんな風に思っていようと、何を言おうと、俺にはサヤが必要だから」
そう言うと、顔を真っ赤にして俺を見上げた。
……だけど皆の前だということを思い出したようで、慌てて胸をぐいぐい押して身を離す。
「わ、分かってます。言わなくっていいですっ。
そ、それじゃ、着替えてきますから……準備、してきますから!」
パタパタと慌てた足音が遠去かってから、俺は猛然と、手元の書類を仕上げることに集中する。
サヤを一人で行かせるなど、絶対しない。
「レイシール様……」
呆れた感じの、ハインの声。
「皆、俺宛の書類を優先して進めてくれ」
「……その前に、まずはご自分の書類整理をお願いします。代筆できるものはこちらに回してください」
本当に、できた従者を持って幸せ者だよ俺は!
◆
ハインや皆の協力があり、騎士試験合格者たちの実力査定となる試合には、なんとか間に合った。
早足で飛び込んだのは、騎士らの訓練場の一角にある、室内鍛錬場。
初めの方の二組ほどは見逃してしまったが、サヤの出番となる相手はまだ後方。実力に関係無く一番最後に回してもらったのだから、当然なのだけど。
「総合得点順になっているのかな?」
「はい。ですがかの人物、最後に回さずとも、最終の三人に含まれたままでしたよ」
書類を手渡してくれたジークに礼を言って、現在の試合を見学させてもらった。
まぁ、だいたい実力の近い相手と組んでの試合になるから、結構どれもしっかりとした内容になる。
……今年は豊作だと聞いていたけれど、本当のようだな。確かに剣術面での成績は、例年より数字が上だと感じる。
まぁ、本来なら住んでいる地域で試験を受ける者らが、この拠点村に集まっている。それでそう感じているのかもしれないけれど……。馬の確保が原因で、試験を受けられずにいた者たちが来ているということもあるだろう。
会場の反対側で、俺の方を見て言葉を交わす者たち。
きっと領主が見にきたということで、浮き足立っているのだろう。
俺が気に入れば、騎士になる以上の出世があると考えればそうなるよなと思うが、あいにく俺は、引き抜き目的で来ているのではない。
そういうのは、彼らに任す。俺が判断基準にはならない。
「……オブシズ、武官候補者があれば、後で聞く」
「畏まりました」
シザーとオブシズも共に来ていた。
彼らの同僚となるのだから、彼らに選んでもらうのが確実だろう。
そうして、用意された椅子に座って、ただ試合を眺めた。
シザーとオブシズも、俺の後方に直立したまま、言葉を発することはなかった。
全員の実力を全て把握し、その上で判断をするつもりなのだろう。正直……相当な何かがなければ、大抜擢なんてことは起こらないし、そうするつもりも無い。
そうして試合が後半の数組となった時に、サヤが鍛錬場にやって来た。
女近衛の鍛錬用として用意された衣服。
細袴は太腿部分がゆったりとしており、短衣の袖も広め。しかし袖口はすぼまっており、剣を握る邪魔にならないように配慮されている。その上に着込んだ、前面のみの中衣は柔らかい革製。
袖の中で見えないけれど、サヤは小手の腕輪もしているはずだ。そして髪は、背中に三つ編みとなって垂らされている。
通常ならば、短い細袴に袖無しの短衣を着用するサヤがきちんと身を包む衣服を着用してくれているのは、俺の言葉を受けてと、やはりまだ、男性陣に対する恐怖が残っているからだろう。
鍛錬場に一礼して踏み込んだサヤは、そこから黙々と、体を動かし始めた。
まずは柔軟体操。身体を解し、腕や足の稼働領域を広げていく。皆は不思議そうにしているが、サヤの鍛錬はいつもそこから始まるので、セイバーンに既に仕えている面々は邪魔などしない。
そうやって、残る恐怖を集中により、意識の外に押しやる。精神力で、捻じ伏せる。
真横、上下と足を広げ、腰を倒す。相変わらず素晴らしい柔軟性だ。
そうしてゆっくりと型を行い、身体の調子と可動域を確認する。
舞のような動きだが、それはサヤの体捌きに無駄がないからに他ならない。余計なものを全て削り落としていったからこそ到達できる、達人の境地と言っても過言ではないだろう。
そんなサヤの様子を視界の端に収めながら、試合を見続けた。
残りはサヤを含めて四人……彼らが今回の最優秀者なのだな。
一人はいかにも裕福な家庭の出だろうと思われる、身綺麗な服装の男。商家の出だろうか。
もう一人は現場からの叩き上げといった、がっしりと逞しい肉体を持っている。
最後の一人は、まだ若い。成人前なのだろうに、上位三人に入るとは凄い。
しかし髪は短いから、庶民なのだろう。
さて、どの人物がサヤとの試合を望んだのか……。
最後に残ったのは。
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