異界娘に恋をしたら運命が変わった男の話〜不幸の吹き溜り、薄幸の美姫と言われていた俺が、英雄と呼ばれ、幸運の女神と結ばれて幸せを掴むまで〜

春紫苑

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馬事師 6

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 最終試合となった。
 進み出てきたサヤに、騎士試験を受けた者らはざわつきが止まらない。
 若く、美しい女性であるサヤが、剣の一本も帯びず、場の中心に進み出てきたからだ。

 それに相対する相手は、サヤとはまるで真逆だった。

 ゴツゴツした、立派な筋肉に覆われた腕。無精髭の残る顎を支える、太い首筋。
 サヤの前に立ったその男は、不機嫌そうに瞳を細める。その表情で、大体の感情を察することができた。

 嫌悪。

 女性が男性職に就いていることを、この人物は快く思っていないよう。
 ならば、サヤと手合わせしたいという申し出の本音は、サヤを否定し、傷付けたいという欲望……。

 自然と、肘掛を握る手に、力が籠る。
 だけどサヤは、そんな相手に礼儀正しく一礼した。
 冷静な、凛とした表情。
 敏感な彼女が、自身に向けられている悪意に気付いていないはずがない。
 それでもなお、そのことには触れなかった。

 抜き放たれた刃が、無遠慮にサヤに向けられている。
 男はサヤに対し、礼の姿勢は取らなかった。
 彼は、セイバーンの騎士になるということがどういったことかを、理解していない。
 ……いや、違うな……もとより、そのつもりが無い……だろうか?

 ジークによる、号令の声。

 そのまま試合は開始され、拳を握って腰を落としたサヤに男は、何の遠慮もなく斬り込んだ。
 女性に剣を向けるということに対する躊躇いも無い。剣の前に立ったのだから、何が起ころうと承知の上だよな? と、そんな風に思っている男の意思が、俺には透けて見えていた。
 勿論。騎士や従者、武官という職務に携わるというならば、固めなければならない覚悟だし、サヤも当然、それをしている。
 ただ、サヤの覚悟はお前が考えているような、生半可なものじゃない……。
 そう思ったから、敢えて口は挟まなかった。
 サヤを侮られることに対する憤りはあったけれど、それに今、反論する権利があるのはサヤだけだ。

 小剣を握る手を撫でるような細やかな動きで逸らし、一歩で懐に飛び込んだサヤに、男が驚愕の瞳を向けた。

 そのまま男の手首に左手を添え、襟首を掴む、サヤの右手の動きが見えた。普段より速度を落としている。俺の目が、サヤの動きを追えるということは、そういうことだ。
 そのまま足を払おうとしたサヤの動きをギリギリで察した男が、慌てて身をもぎ離すと、サヤはそのまま横に、身を反転させつつ後退。
 警戒を強めた男は、サヤを近付かせないという選択を取った。無手のサヤは間合いが狭いとみて、剣の有利を最大限に活かそうというのだろう。
 元々体格に恵まれている上に、扱うのが小剣。男の剣捌きは速かった。

 慣れているな……。騎士試験を受ける人間の大半は、剣術としての技術を磨いている。剣を振るう技術ではない場合が多いのに……。
 女性に対し、躊躇いも無しだったことを考えると、騎士に準ずる職務歴があるのだろう。しかもそれなりに経験を積んでいる。

 薙ぎ、突いて払い、手首を返して剣をはね上げ、振り下ろされる。そんな冴え渡った剣捌きを、サヤは全てギリギリでかわす。
 もう一度間合いの内に飛び込むために、最低限の回避のみに徹し……っ。
 剣の振りに合わせて、体当たりしてきた男にサヤは、吹き飛ばされたかに見えた。
 勿論違う。
 同じ方向に、回避のための跳躍を挟んだのだ。
 追いすがる男は、地に倒れるサヤに剣を振り下ろすつもりだったのだと思うが、猫のように身をくねらせたサヤは、地面に転がることなく両足をついて着地し、そのあとすぐ直角に跳んで、振り下ろされる剣を避けた。
 まだ一度も使っていないな、蹴りを。

 いつしか場は静まっていた。
 この試合は、外から見ている方が圧巻だったろう。
 極限まで無駄を省いたサヤの体捌きは、相対していると、まるで消えているように感じてしまう。

 男の動きにも、あらが目立ち出した。
 もっと簡単に倒せると、思っていた?
 焦りと体力の消耗により、男の攻撃は次第に単純化していっている。
 まるで先を読まれているみたいに感じているのだろうが、それはもうサヤの術中にはまっているから。体力だけでなく、行動の選択肢をも削られてきた結果が、今なのだ。

 彼は、どれだけ体格に恵まれていようと、それを過信するべきではなかったのだ。
 サヤが女性であることを、侮るべきではなかった。
 相手が自分より恵まれた体躯であることも、危険な武器を扱っていることも、サヤにとってはごく当たり前のこと。それが彼女が立つ場所だ。

「そこまで!」

 既定の時間が過ぎ、ジークが制止の声をあげた。
 それによりサヤはピタリと動きを止めたが、男の振り上げていた腕は止まらない……いや、止める気が無いのだ。
 最後の足掻きとばかりに振り下ろされたそれを、サヤは最小限の動きで避けて、試合は終わった。
 息を切らせた男に対し、サヤはそれ以上に身体を動かしていたろうに、涼しげで、呼吸も乱していない。
 さもありなん。シザーやディート殿とやり合う時に比べたら、格段に速度を落としていたから、体力にはまだまだ余裕があるのだろう。

「良い動きだった」

 二人にそう声を掛けたら、サヤは綺麗な姿勢で一礼した。
 不満そうな男も、慌てて姿勢を正す。

「ありがとうございました」

 その男に対しても礼を取ったサヤは、そのまま俺の元に足を向けた。

「職務に戻ります」
「うん。お疲れ様」

 鍛錬場を後にする背を見送ってから、俺も席を立ち、サヤに挑んだ男の前に、足を進めた。


 ◆


「どうだった? 彼女と戦ってみた感想は」

 内心では怒りが燻っていたのだけど、敢えて穏やかに、俺はその言葉を男に贈った。

「無手を相手にしたのは初めてだろう? 彼女の武術は珍しいものだから」
「は……」

 男は、言葉に迷っている様子だ。
 俺に対し少しだけ頭を下げた姿勢を、自然と取っている。主に仕える者が、言葉に困った時によく見せる動作だな。
 圧倒できると思っていた相手に翻弄され、結局傷の一つも付けられなかった。そこは全く、遠慮していなかったというのに。

 ……まだ彼は、サヤを侮っているのだな……。

 サヤを認める発言は、したくない。だから、言葉が出てこない。
 どうやって自分自身を擁護、正当化しようかと考えている顔に、怒りが更に煽られたものだから……。

「ここにいる何人が、身の守りを持たぬ状態で、武器を手にした相手に挑む気概を持っているだろうね」

 そう言葉を発したら、試合を見ていた面々が、ザッと姿勢を正し、ピリッとした空気が、一瞬で広がった。
 そうだな……。見ていた彼らの方が、きっと強く、感じていたことだろう。

「武器を向けられた時、人は緊張で筋肉が強張る……。視界が狭まる。精神を乱し、状況判断が遅れる。
 一度やってみると良いよ。武器や防具をいっさい持たずに、凶器を持つ相手の攻撃を避け続けるような鍛錬を。
 正直、普段以上に判断が遅れるし、選択を誤る。恐怖というものは、体力も判断力も、容赦なく削っていく」

 ゴクリと唾を飲み込む音がした。
 そう考えると、分かるだろう? 彼女の覚悟が如何程のものなのかが。

「生半可な決意で、無手は選べないということを、どうか理解してほしい。
 女性の身で、男性職に飛び込むこともだ。……どちらも、半端な覚悟でできることではないんだ」

 そう言うと、視線を彷徨わせる者が数名いた。
 サヤは俺の婚約者でもある。だから俺が、彼女を手放さないために、従者として傍に侍らせているのだとでも、思っていたのだろうな。

「世間で私がどのように言われているか、そのせいで彼女がどのように誹られているかを考えると、申し訳ない限りだけれどね……。
 彼女が女性の身で従者をしているのは、その職務を遂行する能力を有していると、判断されているからだ。
 彼女の従者という職務は、恐怖に身を竦めてしまうなんてことは、許されない。
 弓の前でも、槍の前でも、複数の相手に囲まれた状態でも、私を守るために身を盾とする。その覚悟を固めているということなんだ」

 サヤが従者であり続けようとするのは、そういうことなんだ……。

「中途半端にしか聞いていない者も多いだろうから、言っておく。
 彼女の女近衛への推挙も、その実力で掴んだものだし、陛下はお飾りは求めておられない。
 あの方は、そういった実の伴わない無駄を嫌う」

 女近衛に抜擢されたのがたったの六名ということを考えれば分かることだろう。
 飾りで良いならば、いくらだってなり手は得られたのだ。

 そして陛下という言葉に、ギクリと身体を強張らせた男。

 やっぱりか……。
 他領からの志願。そして端々に滲む不遜さ……。
 剣の腕と、身につけている礼儀、癖、教養の度合いからして、彼は多分、他領の騎士か、従者。もしくはそれに準ずる立場だ。
 セイバーンの内情を探るため、潜り込ませる虫として、送られてきたのだろうか。
 これはマルに、志願者らをひと洗いしてもらう方が、良いかもしれないな……。

「私は、陛下直属である、地方行政官長を賜る身。そしてこの拠点村は、私の研究施設。無償開示品を開発する場。
 女性の王が統べるフェルドナレンの礎。その一端を担っている地だ。
 女性であっても、責任を担う志と覚悟、実力を示せば召抱えるし、それが陛下のご意志でもあると、理解せよ。
 そのことをよしとできない者に、ここの勤めは難しい。
 それを皆、もう一度考えておくれ。無理だと思う者は、辞退してくれて構わない」

 それだけ宣言して、踵を返した。
 何人残るだろうなぁと、内心では溜息を吐いていたけれど……。
 女性の職務従事者を受け入れられないと言う人物ならば、この先にもどうせ、衝突を起こすのだと、自分に言い聞かせた。


 ◆


 急遽、騎士試験志願者の身元洗い出しという工程が追加されたせいで、騎士の任命式は三日遅れた。
 正直、それなりの人数がいたのに、三日で済ませたマルを褒めてやるべきだと思う。
 どうやら埋伏の虫として潜ませてあったのは四名。
 その四名は、任命式の前に肩を叩き、上司の名を挙げて実態を確認し、丁重にお帰りいただいた。無論、サヤに挑んだあの男もその一人だった。

 合格したにもかかわらず、辞退する者も当然いた。
 顕著に結果が出たなと思ったのは、馬を買う資金捻出に苦慮していた者ほど、女性の同僚を受け入れる選択をしたこと。
 念願の騎士になるために断腸の思いでその選択を選んだという者もいたが、大半はそうではなく。

「え、いや……俺たちの界隈じゃ、女が働くこともっていたって普通のことなんで」
「女の方が強い家なんていくらでもあります」

 という……。
 ある種の庶民感覚。こういったことは、貴族階級より彼らの方が飲み込みやすいのかもしれない。

 今回騎士に任じた者ら全員とは、直接面接を行った。
 その人物の人となりを掴むためと、ヘイスベルトの目を確認するためだった。その上で決定を下したから、多分今年は大丈夫だろう。と、いうことで。

「本日より、お前たちには最低二年、この拠点村にで職務に努めつつ、研修を受けてもらう。
 その中で身につけるべきものを身につけ、馬を得た者から希望を聞き、新たな任地への配属が決定される。
 希望任地に必ず通るとは限らない。ある程度の希望を配慮してもらえるのは今季からだ。
 希望は三つまで出せるから、これも研修中に考えておくように」

 今季新たに騎士となったのは十八名。
 希望者が例年の倍であったわりに伸びなかったが……初回はそんなものだろう。

「職務中、お前たちの相棒となる軍用馬は、シュヴァル馬事商より借り受けるが、馬もお前たちを見ているということを忘れるな。
 研修の間に給与から資金を貯め、馬を買うこととなるが……馬との相性は職務に大きく影響する。命を預けることのできる相棒と巡り合えるかどうかは、普段の行いと、運だ!」

 ビシッと言い切ったジーク。

「馬に信頼されないような騎士になるな。騎士となるために、新たにできた道を、穢すような行いは許さん。
 お前たちの歩む道が、これから騎士を目指す者らの道標となることを忘れるな。
 この道はまだセイバーンの、ここにしかない道だ。お前たちは、新たな可能性を掴めた幸運を持ったと共に、責任をも担ったのだと、忘れるな」

 新たな馬事師の職務として作り上げたのは、この事業だ。
 拠点村はシュヴァル馬事商と契約を交わし、新人騎士の軍用馬を借り受ける。
 これは任務をこなすためであると共に、将来の相棒を見定めるお見合いのようなものでもあるのだ。

 馬にだって性格がある。当然相性もある。
 黄の馬より青の馬の方が優秀とされているが、それは総合力がという意味だ。
 例えば、国境警備を担う地域では、とにかく体力のある馬が良い馬だ。黄であっても、底無しの体力がある馬は名馬と言われるだろう。
 王都であれば、体力はさほど求められず、些細な指示にも機敏に反応してくれる賢い馬だろう。
 だけどそれも、乗り手の性格次第な面がある。
 国境警備だろうが繊細に指示を聞いてくれる馬を必要とする騎士だっているわけだ。

 高い金を出して買う。その上で命を預ける相手だ。吟味して選ぶべきだと思うし、大切にしてほしいと思う。
 馬にとっても、騎士にとっても、その方が絶対に良いはずだ。

 彼らが相棒と呼べる相手を得られると良いなと、心から願っている。
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