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直訴状
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我が敬愛せし主君、クリスティーナ・アギー・フェルドナレン陛下
万が一、己の口から語れぬ時のために、これを記します。
大災厄と呼ばれたもの。
教典では、悪魔が獣人を使役し、人に戦いを挑み争ったのだとされているが、これを私たちは、ただの大きな自然災害だと考えている。
神の教えに反すると思われるかもしれないが、まずは目を通していただけることを切に願う。
農耕民族である人と、狩猟民族であった獣人。
農耕には、地を選ぶ。そのため人は南の地を求めた。
そこで生活し、数を増やし、山脈と樹海に阻まれ南下できぬため、土地を求めて北へと勢力を広げていったと考えられる。
それに対し獣人は住む場所を選ばなかった。
獲物を追って移動するため縄張り意識も薄く、増える人に北へと追いやられてもそれを苦としなかったため、いつしか南と北で種が分かれる形が自然と出来上がったのだろう。
獣人の、その在り方は狼によく似ている。
彼らは群れの単位で生活し、その殆どは、長しか子を成さなかったと考えられる。
長だけが複数の妻を娶り子を成す理由は、より強く、生き残れる血を残すため。
余程糧に恵まれでもしない限り、他の上位者が妻を持つことは稀であった。
養える数しか生み育てないよう、子の数は厳しく制限されていた。そのため人のように増殖し、土地を欲することはなかった。
教典では……大災厄の末に獣人は滅び、人の血に呪いを残したと書かれている。だが実際、その痕跡を探すのは難しい……。
大災厄前の文献は極端なほどに残っておらず、教典を鵜呑みにするほかはないのが現状だ。
二千年を得て、大災厄前の時代のものは大概朽ち、オゼロに残るものも劣化が激しい。
けれど考えてみてほしい。
種が争いお互い滅びかけたと言うが、そこまで消耗する前にどこかで静止がかからなかったなど、おかしな話だ。
そもそも住む土地が分かれており、たまに境界を越え交わったにしろ、それは北の一部に限られていたろう。
種で争うほどの火種が、その環境で育つとは考え難い。
それで我々は、別の仮説を立てた。それが冒頭で述べた自然災害説。
天は等しく、この地の種を選ばず、皆に平等に、神の矛を振るったのだと。
その結果、人も獣人も滅びの瀬戸際に立たされた。
そのとき選べた生き残る術は、然程無かったろうと考えている……。
我々の導き出した結論から言うと、種は交わり生き残る道を選択したとなる。
獣人と人。もうそれは、二つの種として存在していない。
混ざり合い、一つの種となり、神の采配のもとで人と獣人、どちらかの要素を強く持って産まれるだけで、皆同じ種となったのだと。
根拠は王家、白の病。
それが劣勢遺伝子であることだ。
獣人の遺伝子は、王家の白の病と同じく、劣勢遺伝子。重ならなければ現れない。
遺伝の話で説明した通り、同じ設計図二枚が揃わなければ表に出ない獣人の特性の大半は、人の血に潜ったが、そこに残り続けているのだ。
そう考えれば獣人が滅んだとされる理由は説明がつく。
人と結ばれた獣人は、人しか生めない……。そのため、確実に数を減らす運命にあったのだが、彼らはそれを自然に受け入れ、騒ぎ立てたりしなかったのだろう。
お互いに滅びかけ、しのごの言っていられない状況であったろうし、農耕民である人は働き手を必要とした。
対し獣人は、頑強な肉体と身体能力を有しており、前向きで苦を苦としない性質であったため、場所を選ばず生きていけた。
王家にもこの血は流れており、特に王朝初期、複産されておられた王妃様方は皆獣人か、その血を濃く持つ者だと考えられる。
その根拠としてあげるのが、獣人は複産がよく起こる種であったということ。
長しか子を成さない以上、一度に設ける子の数は極端に少なく、また子を腹に抱くことは大きな危険をも孕む。
そのため複数を一度に産み落とす性質を持ったのだろう。
これは、群れの単位で暮らす野の獣らにも多く見られる性質だ。
けれど人の世は、群れで暮らす獣人と違い、家族がひとつの括りとなっている。
長に従う習性を持つ獣人は、家の長が望むままに子を成し産んだ。そうすることで、大災厄で滅び去る直前まで数を減らしていたであろう人は、急激に人口を回復させ、生き残ることができた。
そして獣人は血に潜り、一度は消えたのだ……。
そうして、お互いが支え合いこの地に残ったはずなのに……獣人の今の扱いは、あまりに酷いと言わざるを得ない……。
私には獣人の仲間がいる。
あえて仲間と記したのは、彼は私を友にはしてくれなかったからだ。
獣人の性質を強く持つ彼は、私を長に据えた。手の指一本の償いのために、それを選ぶ。命には、命をもって報いる。おかしなくらいに義理堅い種。
獣人と知らずに過ごし、長く共にいた。
十年近くを共に過ごした後、やっと彼が人ではないことを知ったけれど、その十年彼はただ、彼だった。
獣人の性質は別紙に纏めた。
長く観察し、数の少ない文献を元に得た情報に、獣人ら本人からの聞き取り、そして北の地に残る、獣人の生活習慣を色濃く残す狩猟民の生活……。
それらを元にして纏めたものであるので、かつての獣人を思い描く参考にしていただきたく思う。
とはいえ、きっと記したものが獣人の全てではない。
もう彼らの本来の姿は失われてしまった。
そして我々も、人であると認識しているけれど、純粋な人ではない。獣人の性質を、きっと多く、自覚せずに持っているだろう。
交わることで生き延びた人……そして消えた獣人……。
だがそれはどちらも違う。
もう共に人だと、どうかこの先の世が認められる世であってほしいと願う。
来世は、共に等しくあるものであってほしいと願う。
弱き者が虐げられることを当たり前としない世であってほしいと願う。
クリスティーナ・アギー・フェルドナレン陛下の治世が、誰にも等しく豊かであってほしいと願う。
豊かさとは、そうでなければならないと思う。
私、レイシール・ハツェン・セイバーンは、獣人を隣人とすることを誇りに思っております。
彼がいなければきっと私は、今世を失っていた。最愛の人にも巡り会えなかった。
彼らと交わらせて頂けた、運命の歯車。アミに感謝と、誓いを捧げます。
私の誓約は、獣人と歩むことに使いたく、ここに記すことをお許しください。
獣人に人として生きる権利を。
彼らは悪魔の使徒ではなく、我らと同種。
彼らに等しく、希望ある来世を思い描ける命を。
そうあれる形を求め続けることを、アミに誓います。
どうか……私の誓いをお赦し願います。
◆
綴っていく中で、覚悟を決め、腹を括った。
ウォルテールを信じる。
でなければ、ハインやギルに救われてから今日まで、俺を形作り守ってきてくれた彼らと、歩んだ時間が無駄になる。
悪魔なんてものは存在しておらず、獣人も人も、ただ神に造られた種のひとつでしかなかったのだと、そう言うために今日まで歩んだ。この時間を信じなくて、何を信じれば良いというのか。
朝日が差し込む段になってようやっと、その気持ちが定まった。
獣人が罪を犯した事実がどうであれ、俺は獣人を隣人とする。それだけは揺るがない。揺るがせてはならない。
「おはようございます」
「おはよう。ハイン、ジークらが戻ったら直ぐに報告を聞く。部屋を用意しておいてくれ」
「畏まりました」
引き出しの鍵を閉め、その鍵を別の引き出しに放り込んだ。
顔を上げると、自分の着替えを済ませたサヤが、俺の着替えを持って待っているのが視界に入り、慌ててそちらに足を急がせる。
「書き終わった」
そう言うと、少々険しかった表情が、少し和らいだ。
「……思うものが書けた?」
「うん。思いのたけをぶつけたら、なんかスッキリしたよ。
今回のこの件が、どうアヴァロンに絡もうと、貫くものは変わらないんだよな」
ジェスルが何を考え打った布石か知らないが、それに翻弄される必要はない。
襲撃者がウォルテールであるはずがないし、それで我々を陥れようとしているのなら、それが諸刃の剣であることを分からせてやれば良い。
たったそれだけのことだ。
身支度を整え、首の後ろ、少し高い位置で髪を一括りにしてもらってから、俺はサヤに向き直った。
「ん」
「ん?」
「今日は俺の方が早起きしちゃったから、頬に口付け貰ってない」
そう言い笑うと、頬を染め……けれどほっとしたように、表情がまた緩む。
「起きたんやったらいらへんやろ」
「いる。栄養補給」
「口づけに栄養は入ってへん思う……」
「入ってます」
強気でぐいぐい押すと、サヤは困ったように眉を寄せる。そして俺からも栄養補給だと、サヤの頬に口づけしたら、慌てて頬を両手で隠す。
「頬が駄目なら、唇から直接貰うけど?」
顔を近づけてそう言うと、慌てて「するからっ」と、同意の声。
「じ、じっとしといてな……」
「うん」
「……こっち向いたらあかんっ」
注文多いな……。
やっとのことに頬に口づけしてくれたサヤの腰をそのまま捕まえて、お返しの口づけをしたら、もの凄く怒られた……。
万が一、己の口から語れぬ時のために、これを記します。
大災厄と呼ばれたもの。
教典では、悪魔が獣人を使役し、人に戦いを挑み争ったのだとされているが、これを私たちは、ただの大きな自然災害だと考えている。
神の教えに反すると思われるかもしれないが、まずは目を通していただけることを切に願う。
農耕民族である人と、狩猟民族であった獣人。
農耕には、地を選ぶ。そのため人は南の地を求めた。
そこで生活し、数を増やし、山脈と樹海に阻まれ南下できぬため、土地を求めて北へと勢力を広げていったと考えられる。
それに対し獣人は住む場所を選ばなかった。
獲物を追って移動するため縄張り意識も薄く、増える人に北へと追いやられてもそれを苦としなかったため、いつしか南と北で種が分かれる形が自然と出来上がったのだろう。
獣人の、その在り方は狼によく似ている。
彼らは群れの単位で生活し、その殆どは、長しか子を成さなかったと考えられる。
長だけが複数の妻を娶り子を成す理由は、より強く、生き残れる血を残すため。
余程糧に恵まれでもしない限り、他の上位者が妻を持つことは稀であった。
養える数しか生み育てないよう、子の数は厳しく制限されていた。そのため人のように増殖し、土地を欲することはなかった。
教典では……大災厄の末に獣人は滅び、人の血に呪いを残したと書かれている。だが実際、その痕跡を探すのは難しい……。
大災厄前の文献は極端なほどに残っておらず、教典を鵜呑みにするほかはないのが現状だ。
二千年を得て、大災厄前の時代のものは大概朽ち、オゼロに残るものも劣化が激しい。
けれど考えてみてほしい。
種が争いお互い滅びかけたと言うが、そこまで消耗する前にどこかで静止がかからなかったなど、おかしな話だ。
そもそも住む土地が分かれており、たまに境界を越え交わったにしろ、それは北の一部に限られていたろう。
種で争うほどの火種が、その環境で育つとは考え難い。
それで我々は、別の仮説を立てた。それが冒頭で述べた自然災害説。
天は等しく、この地の種を選ばず、皆に平等に、神の矛を振るったのだと。
その結果、人も獣人も滅びの瀬戸際に立たされた。
そのとき選べた生き残る術は、然程無かったろうと考えている……。
我々の導き出した結論から言うと、種は交わり生き残る道を選択したとなる。
獣人と人。もうそれは、二つの種として存在していない。
混ざり合い、一つの種となり、神の采配のもとで人と獣人、どちらかの要素を強く持って産まれるだけで、皆同じ種となったのだと。
根拠は王家、白の病。
それが劣勢遺伝子であることだ。
獣人の遺伝子は、王家の白の病と同じく、劣勢遺伝子。重ならなければ現れない。
遺伝の話で説明した通り、同じ設計図二枚が揃わなければ表に出ない獣人の特性の大半は、人の血に潜ったが、そこに残り続けているのだ。
そう考えれば獣人が滅んだとされる理由は説明がつく。
人と結ばれた獣人は、人しか生めない……。そのため、確実に数を減らす運命にあったのだが、彼らはそれを自然に受け入れ、騒ぎ立てたりしなかったのだろう。
お互いに滅びかけ、しのごの言っていられない状況であったろうし、農耕民である人は働き手を必要とした。
対し獣人は、頑強な肉体と身体能力を有しており、前向きで苦を苦としない性質であったため、場所を選ばず生きていけた。
王家にもこの血は流れており、特に王朝初期、複産されておられた王妃様方は皆獣人か、その血を濃く持つ者だと考えられる。
その根拠としてあげるのが、獣人は複産がよく起こる種であったということ。
長しか子を成さない以上、一度に設ける子の数は極端に少なく、また子を腹に抱くことは大きな危険をも孕む。
そのため複数を一度に産み落とす性質を持ったのだろう。
これは、群れの単位で暮らす野の獣らにも多く見られる性質だ。
けれど人の世は、群れで暮らす獣人と違い、家族がひとつの括りとなっている。
長に従う習性を持つ獣人は、家の長が望むままに子を成し産んだ。そうすることで、大災厄で滅び去る直前まで数を減らしていたであろう人は、急激に人口を回復させ、生き残ることができた。
そして獣人は血に潜り、一度は消えたのだ……。
そうして、お互いが支え合いこの地に残ったはずなのに……獣人の今の扱いは、あまりに酷いと言わざるを得ない……。
私には獣人の仲間がいる。
あえて仲間と記したのは、彼は私を友にはしてくれなかったからだ。
獣人の性質を強く持つ彼は、私を長に据えた。手の指一本の償いのために、それを選ぶ。命には、命をもって報いる。おかしなくらいに義理堅い種。
獣人と知らずに過ごし、長く共にいた。
十年近くを共に過ごした後、やっと彼が人ではないことを知ったけれど、その十年彼はただ、彼だった。
獣人の性質は別紙に纏めた。
長く観察し、数の少ない文献を元に得た情報に、獣人ら本人からの聞き取り、そして北の地に残る、獣人の生活習慣を色濃く残す狩猟民の生活……。
それらを元にして纏めたものであるので、かつての獣人を思い描く参考にしていただきたく思う。
とはいえ、きっと記したものが獣人の全てではない。
もう彼らの本来の姿は失われてしまった。
そして我々も、人であると認識しているけれど、純粋な人ではない。獣人の性質を、きっと多く、自覚せずに持っているだろう。
交わることで生き延びた人……そして消えた獣人……。
だがそれはどちらも違う。
もう共に人だと、どうかこの先の世が認められる世であってほしいと願う。
来世は、共に等しくあるものであってほしいと願う。
弱き者が虐げられることを当たり前としない世であってほしいと願う。
クリスティーナ・アギー・フェルドナレン陛下の治世が、誰にも等しく豊かであってほしいと願う。
豊かさとは、そうでなければならないと思う。
私、レイシール・ハツェン・セイバーンは、獣人を隣人とすることを誇りに思っております。
彼がいなければきっと私は、今世を失っていた。最愛の人にも巡り会えなかった。
彼らと交わらせて頂けた、運命の歯車。アミに感謝と、誓いを捧げます。
私の誓約は、獣人と歩むことに使いたく、ここに記すことをお許しください。
獣人に人として生きる権利を。
彼らは悪魔の使徒ではなく、我らと同種。
彼らに等しく、希望ある来世を思い描ける命を。
そうあれる形を求め続けることを、アミに誓います。
どうか……私の誓いをお赦し願います。
◆
綴っていく中で、覚悟を決め、腹を括った。
ウォルテールを信じる。
でなければ、ハインやギルに救われてから今日まで、俺を形作り守ってきてくれた彼らと、歩んだ時間が無駄になる。
悪魔なんてものは存在しておらず、獣人も人も、ただ神に造られた種のひとつでしかなかったのだと、そう言うために今日まで歩んだ。この時間を信じなくて、何を信じれば良いというのか。
朝日が差し込む段になってようやっと、その気持ちが定まった。
獣人が罪を犯した事実がどうであれ、俺は獣人を隣人とする。それだけは揺るがない。揺るがせてはならない。
「おはようございます」
「おはよう。ハイン、ジークらが戻ったら直ぐに報告を聞く。部屋を用意しておいてくれ」
「畏まりました」
引き出しの鍵を閉め、その鍵を別の引き出しに放り込んだ。
顔を上げると、自分の着替えを済ませたサヤが、俺の着替えを持って待っているのが視界に入り、慌ててそちらに足を急がせる。
「書き終わった」
そう言うと、少々険しかった表情が、少し和らいだ。
「……思うものが書けた?」
「うん。思いのたけをぶつけたら、なんかスッキリしたよ。
今回のこの件が、どうアヴァロンに絡もうと、貫くものは変わらないんだよな」
ジェスルが何を考え打った布石か知らないが、それに翻弄される必要はない。
襲撃者がウォルテールであるはずがないし、それで我々を陥れようとしているのなら、それが諸刃の剣であることを分からせてやれば良い。
たったそれだけのことだ。
身支度を整え、首の後ろ、少し高い位置で髪を一括りにしてもらってから、俺はサヤに向き直った。
「ん」
「ん?」
「今日は俺の方が早起きしちゃったから、頬に口付け貰ってない」
そう言い笑うと、頬を染め……けれどほっとしたように、表情がまた緩む。
「起きたんやったらいらへんやろ」
「いる。栄養補給」
「口づけに栄養は入ってへん思う……」
「入ってます」
強気でぐいぐい押すと、サヤは困ったように眉を寄せる。そして俺からも栄養補給だと、サヤの頬に口づけしたら、慌てて頬を両手で隠す。
「頬が駄目なら、唇から直接貰うけど?」
顔を近づけてそう言うと、慌てて「するからっ」と、同意の声。
「じ、じっとしといてな……」
「うん」
「……こっち向いたらあかんっ」
注文多いな……。
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