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終幕 14
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イェーナが出て、目潰しや礫、小刀といった小物をいくつか持ち帰った。
俺は日常ホルスターを帯びていないのだけど、これも吠狼で使う予備があり、借りることに。
「こうしてみると……サヤの発明品ってほんと有能……」
持てる絶対数が違いすぎるんだよなぁ……。重くはなるが、それを差し引いても価値がある。
肩のベルトが傷口に当たって少々痛かったけれど、手拭いを挟んで対処。
腰鞄には目潰しを三つほど。余った懐に礫を放り込んで、準備を整えたのだけど。
ではいざ出るぞという段になって。
「あの、それでしたらひとつ、提案があるのですが」
にっこりと、商人の笑顔でエルランド。
彼も何か指示を飛ばしているなと思ってはいたのだけど…………。わらわらと使用人や傭兵らが、完全武装で倉庫にやって来て、出発の準備が手早く整えられ出した時には慌てた。
え……これは…………いや、流石にそれは駄目だぞ⁉︎
「いえいえ、共闘はしませんよ。我々ただの行商人ですから、そんな大それた大志とか抱けませんので」
俺たちの慌てた表情で察したらしいエルランドが、飄々とそう答え、そしてにんまりと……黒い笑みを浮かべた……。
隣のヘルガーもやる気満々臨戦体制。言葉と裏腹に無茶苦茶不穏なんですけど⁉︎
「いえね、この際ですから、我々も仕事に出発することにしようかと。
越冬までに保存食の移送を進めなければ、アヴァロンの皆が飢えるのです。陛下もですよ! これはあってはいけないことです。少々の困難に負けてられません、我々は使命を果たさなければ!
……と、いうわけで丁度本日、出発の予定で書類を提出しておりましたし、時間的にも頃合いですからね。出ないと」
こんな時にこんな武装の一段を連れて門前に行けば、疑ってくださいと言ってるようなものだ。
「えぇ、そうですね。検閲に人手と時間を取られるでしょうねぇ。
だから街中や資材の仮置き場は少々手薄になるかもしれませんが……疑いは晴らすべきでしょうからねぇ。
我々も別段、他意があるわけじゃありませんし、しっかり調べてもらいますよ。何も隠しません。思う存分やっていただきましょうね」
つまりエルランド、囮役を買って出てくれているのだ。
オブシズの古巣である明けの明星傭兵団も、それに一役買ってくれる。
ウォルテールの救出を手助けするため、神殿騎士団やセイバーン騎士らの手と目を、自分達に引き付けておいてくれると、そういうこと……!
「馬車の提供は少し待ってもらえますか。
不守備で一日二日、留まるよう言われた時は申し訳ないのですが、他をあたっていただかなくてはなりません。
ですが、上手く出れたなら、馬車を途中で引き渡します」
俺たちがリディオ商会の馬車を使っていると知られないから、その方が追手には気付かれにくくなる。
間も無く越冬というこの時期に、身一つで逃亡生活となった場合は困ることになるが、今はウォルテールの命が優先だ。
まぁ最悪、騎狼するという手段もある……俺が掴まってられるならばという話ではあるのだけれど。
「すまないな……わざわざこんなこと、しなくて良いのに……」
危険を冒してまで手助けしてくれるのは有難いが、申し訳なくもあり、そう言ったのだけど。
「何をおっしゃいます」
エルランドはそこでにこりと笑った。黒い方の笑みじゃなく、ちゃんと優しい、温かい眼差しの微笑み。
「私の友人は、獣人の妻と子を持つ身なのですよ。
友が幸せであれることを願うのは、ごく当然のことではございませんか」
その言葉で、彼の協力を有難く受けることにした。
アヴァロンを獣人の住める地にする計画は失敗してしまったけれど……意味はあった。こんな風に言ってくれる……獣人を友と思える人たちと、巡り会えた。
「……ディート殿に協力要請はできませんか……」
それを見て、オブシズがそう口にしたけれど、それは駄目だと首を横に振る。
そうしている時間は無いだろうし……。
「職務が優先。彼は陛下をお守りしなきゃいけない立場だし、これ以上の疑いを招くことはしないよ……。
セイバーンと関わりが強かったヴァイデンフェラーも、危険なんだから」
さて。これ以上余計な話をしている場合じゃないな。
「それでは我々は、堂々と門へ向かいますので、ここで……」
「うん。頼む」
「レイシール様……この外套を。
これくらいどこででも手に入りますし、我々がどうこう言われたりもしないでしょうから。
服装が目立つのは良くない……」
貴族然とした出で立ちを隠すよう、ヘルガーが厚手の外套を差し出してくれたから、有難く受け取った。
確かに忍んでいる間は目立たぬに越したことはないし、外套ならばすぐに外せる。
「では我々も行く」
アイルに促され、俺、ハイン、オブシズ、シザーに加えて吠狼が三名。西の外門に向かう馬車列から離れて南へ向かった。
主筋通りを突っ切るエルランドらはすぐに門まで到達するだろうから、回り込む俺たちは急がなければならない。
アヴァロンは水路に覆われた都たから、本来退路が少ない。が、不測の事態に備え、堀沿いには簡易用の橋をかける設備が、所々隠されている。
今は民らも逃げるのに使っているはずだ。
「サヤは無事……?」
「奥方は問題無い。屋根の上を使える……上は迷宮だからな」
そうなのだ。このアヴァロンは、吠狼らが屋根伝いに移動しやすいよう設計されており、屋根を道として使えるのだが、それは迷宮のように入り組んでいる。
当然平らではないし地上ほど動きやすくはないのだけれど人が乗ったくらいでくらつくことはない。とはいえ、渡れる場所、渡れない場所は一見判断しにくいし、渡れない場所に出るたび降りて、また登っていたのでは、時間を食い過ぎる。
飛び移らなければならない箇所も多いし、慣れてない者には越えられる幅かどうかも判断しにくいだろう。
普通に考えると防犯面が心配になるのだが、吠狼らは職務に忠実だし、万が一泥棒等が侵入したとしても、その吠狼らが途端に見つけてしまうだろう。
「屋根の上は、狼の特徴を有した者らは知らない。街の中の警備を担当しないからな」
「そうか。ウォルテールが情報を流していたとしても、知られていない可能性が高いのか」
「知っていたとしても、言葉じゃ説明しにくいだろうしな……」
街の設計を考える時は大変だったけれど、備えて良かった……。
前もって吠狼らが誘導してくれているのだろう。南側は人も少なく、住人らも室内に篭っているのか、気配はあれど顔を合わせることはなかった。
一度神殿騎士らと遭遇しそうになったけれど、引き連れていた吠狼のうちの一人が離れ、その連中の前にわざと姿を表して別方向へと誘い出す。
「彼は大丈夫なのか?」
「問題無い」
一人きりで複数人を……と、思ったけれど、屋根伝いに逃げれば撒くのもそう難しくないとのこと。
思ってた以上に遭遇しないのは、アヴァロンが彼らが思っていた以上に広く、人手不足なんだろう。
外堀までやって来ると、簡易の橋は落とされ、脱出経路が封じられていた。
外堀は人の身では飛び越えられないし、別の場所をあたるしかないと思ったのだけど。
「ここは複数隠してある」
「そんなことも見越してます」と、元の簡易の橋より少々細いものが引っ張り出されてきた。
全ての場所にあるわけではないけれど、複数箇所こんな風にしてあるそうだ。元からそれを目当てで、この場所を目指したのだろう。
俺は日常ホルスターを帯びていないのだけど、これも吠狼で使う予備があり、借りることに。
「こうしてみると……サヤの発明品ってほんと有能……」
持てる絶対数が違いすぎるんだよなぁ……。重くはなるが、それを差し引いても価値がある。
肩のベルトが傷口に当たって少々痛かったけれど、手拭いを挟んで対処。
腰鞄には目潰しを三つほど。余った懐に礫を放り込んで、準備を整えたのだけど。
ではいざ出るぞという段になって。
「あの、それでしたらひとつ、提案があるのですが」
にっこりと、商人の笑顔でエルランド。
彼も何か指示を飛ばしているなと思ってはいたのだけど…………。わらわらと使用人や傭兵らが、完全武装で倉庫にやって来て、出発の準備が手早く整えられ出した時には慌てた。
え……これは…………いや、流石にそれは駄目だぞ⁉︎
「いえいえ、共闘はしませんよ。我々ただの行商人ですから、そんな大それた大志とか抱けませんので」
俺たちの慌てた表情で察したらしいエルランドが、飄々とそう答え、そしてにんまりと……黒い笑みを浮かべた……。
隣のヘルガーもやる気満々臨戦体制。言葉と裏腹に無茶苦茶不穏なんですけど⁉︎
「いえね、この際ですから、我々も仕事に出発することにしようかと。
越冬までに保存食の移送を進めなければ、アヴァロンの皆が飢えるのです。陛下もですよ! これはあってはいけないことです。少々の困難に負けてられません、我々は使命を果たさなければ!
……と、いうわけで丁度本日、出発の予定で書類を提出しておりましたし、時間的にも頃合いですからね。出ないと」
こんな時にこんな武装の一段を連れて門前に行けば、疑ってくださいと言ってるようなものだ。
「えぇ、そうですね。検閲に人手と時間を取られるでしょうねぇ。
だから街中や資材の仮置き場は少々手薄になるかもしれませんが……疑いは晴らすべきでしょうからねぇ。
我々も別段、他意があるわけじゃありませんし、しっかり調べてもらいますよ。何も隠しません。思う存分やっていただきましょうね」
つまりエルランド、囮役を買って出てくれているのだ。
オブシズの古巣である明けの明星傭兵団も、それに一役買ってくれる。
ウォルテールの救出を手助けするため、神殿騎士団やセイバーン騎士らの手と目を、自分達に引き付けておいてくれると、そういうこと……!
「馬車の提供は少し待ってもらえますか。
不守備で一日二日、留まるよう言われた時は申し訳ないのですが、他をあたっていただかなくてはなりません。
ですが、上手く出れたなら、馬車を途中で引き渡します」
俺たちがリディオ商会の馬車を使っていると知られないから、その方が追手には気付かれにくくなる。
間も無く越冬というこの時期に、身一つで逃亡生活となった場合は困ることになるが、今はウォルテールの命が優先だ。
まぁ最悪、騎狼するという手段もある……俺が掴まってられるならばという話ではあるのだけれど。
「すまないな……わざわざこんなこと、しなくて良いのに……」
危険を冒してまで手助けしてくれるのは有難いが、申し訳なくもあり、そう言ったのだけど。
「何をおっしゃいます」
エルランドはそこでにこりと笑った。黒い方の笑みじゃなく、ちゃんと優しい、温かい眼差しの微笑み。
「私の友人は、獣人の妻と子を持つ身なのですよ。
友が幸せであれることを願うのは、ごく当然のことではございませんか」
その言葉で、彼の協力を有難く受けることにした。
アヴァロンを獣人の住める地にする計画は失敗してしまったけれど……意味はあった。こんな風に言ってくれる……獣人を友と思える人たちと、巡り会えた。
「……ディート殿に協力要請はできませんか……」
それを見て、オブシズがそう口にしたけれど、それは駄目だと首を横に振る。
そうしている時間は無いだろうし……。
「職務が優先。彼は陛下をお守りしなきゃいけない立場だし、これ以上の疑いを招くことはしないよ……。
セイバーンと関わりが強かったヴァイデンフェラーも、危険なんだから」
さて。これ以上余計な話をしている場合じゃないな。
「それでは我々は、堂々と門へ向かいますので、ここで……」
「うん。頼む」
「レイシール様……この外套を。
これくらいどこででも手に入りますし、我々がどうこう言われたりもしないでしょうから。
服装が目立つのは良くない……」
貴族然とした出で立ちを隠すよう、ヘルガーが厚手の外套を差し出してくれたから、有難く受け取った。
確かに忍んでいる間は目立たぬに越したことはないし、外套ならばすぐに外せる。
「では我々も行く」
アイルに促され、俺、ハイン、オブシズ、シザーに加えて吠狼が三名。西の外門に向かう馬車列から離れて南へ向かった。
主筋通りを突っ切るエルランドらはすぐに門まで到達するだろうから、回り込む俺たちは急がなければならない。
アヴァロンは水路に覆われた都たから、本来退路が少ない。が、不測の事態に備え、堀沿いには簡易用の橋をかける設備が、所々隠されている。
今は民らも逃げるのに使っているはずだ。
「サヤは無事……?」
「奥方は問題無い。屋根の上を使える……上は迷宮だからな」
そうなのだ。このアヴァロンは、吠狼らが屋根伝いに移動しやすいよう設計されており、屋根を道として使えるのだが、それは迷宮のように入り組んでいる。
当然平らではないし地上ほど動きやすくはないのだけれど人が乗ったくらいでくらつくことはない。とはいえ、渡れる場所、渡れない場所は一見判断しにくいし、渡れない場所に出るたび降りて、また登っていたのでは、時間を食い過ぎる。
飛び移らなければならない箇所も多いし、慣れてない者には越えられる幅かどうかも判断しにくいだろう。
普通に考えると防犯面が心配になるのだが、吠狼らは職務に忠実だし、万が一泥棒等が侵入したとしても、その吠狼らが途端に見つけてしまうだろう。
「屋根の上は、狼の特徴を有した者らは知らない。街の中の警備を担当しないからな」
「そうか。ウォルテールが情報を流していたとしても、知られていない可能性が高いのか」
「知っていたとしても、言葉じゃ説明しにくいだろうしな……」
街の設計を考える時は大変だったけれど、備えて良かった……。
前もって吠狼らが誘導してくれているのだろう。南側は人も少なく、住人らも室内に篭っているのか、気配はあれど顔を合わせることはなかった。
一度神殿騎士らと遭遇しそうになったけれど、引き連れていた吠狼のうちの一人が離れ、その連中の前にわざと姿を表して別方向へと誘い出す。
「彼は大丈夫なのか?」
「問題無い」
一人きりで複数人を……と、思ったけれど、屋根伝いに逃げれば撒くのもそう難しくないとのこと。
思ってた以上に遭遇しないのは、アヴァロンが彼らが思っていた以上に広く、人手不足なんだろう。
外堀までやって来ると、簡易の橋は落とされ、脱出経路が封じられていた。
外堀は人の身では飛び越えられないし、別の場所をあたるしかないと思ったのだけど。
「ここは複数隠してある」
「そんなことも見越してます」と、元の簡易の橋より少々細いものが引っ張り出されてきた。
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