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ミコーの語る第五話 6
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結局私たちは手枷と足枷を追加され、牢屋に戻されることになった。
クーストースも簡単な手当てだけで、一緒に放り込まれた。
見張りまでつけられちゃって、もう逃げるのは絶対無理って雰囲気。
「どうして……」
悔しがるクーストースに。
「仕方ないでしょ。私、もうあんなの絶対ゴメンなんだもん」
ミーレスを死なせたみたいにしたくない。
ミーレスだけじゃない……今のこの状況が、あの日霊廟に行った沢山の人が口封じされてるってことなんだって今なら分かる。
これはただ私たちを殺すってことじゃない。国の簒奪そのものだ。
だから私がただ逃げたんじゃ意味がない。狼が一匹逃げただけじゃダメなの。あのバカ叔父に一矢報いてやるには、私が誰かを示し、あの日の真実を叫ばなければいけない。
――それに、トニトが死なないなら、負けじゃない。
きっといつかみんなの仇をまとめて取ってくれるよ。
「貴女は殺される必要などないはずだ」
クーストースは諦め切れないのか、しつこく食い下がる。
獣化して逃げられるだろうという意味なのは、見張りに分からないよう言葉を選んでいることで察せられる。私がミコーだということも分かってるっぽい。だから私の名前をあえて呼ばない。
「私だけが逃げる意味もないんだもん」
貴方たちを死なせて生き残る意味がないんだもん。
ミーレスの遺言を守れないのは申し訳ないけど、次の来世で謝るよ。
◆
夜が明けた。
太陽が正中に昇る頃、私たちは猿轡をかまされ、足枷だけ外され牢屋を出て、王宮の前庭に引き出された。
ずいぶん遅くなったなと思いつつ進む宮内は、なんだかとても慌ただしく見えた。
公開処刑というからには、民衆にも晒されるんだろうと思ってた。でも前庭とは趣味が悪すぎて恐れ入る。王宮の面前を血で染めようというんだから。
露台から私たちを睥睨する叔父の姿は、まるで自分がもう王であるかのよう。ずいぶん煌びやかに飾り立てられていて、まるで祝いの席に出席するみたい。
対し、汚れた夜着に女中服、そして血濡れた騎士の装束という三人の姿は、遠くに放された柵の向こうからでも衝撃なよう。さらに私が小柄で明らかに子供だから、どちらかというと可哀想という意識が働くんだろう。民衆は興奮というより、困惑・恐怖している様子でザワついてるように見え、中には処刑台を囲む騎士らに抗議の声を上げる姿も見受けられる。
まぁそれはそれとして……。
――バカ叔父があんなに遠いなんて……。
もっと近くで勝ち誇ると思ってたのに、まさかの露台。
手枷や猿轡はどうとでもなる。獣化すれば簡単に外れるだろうから。でもあそこに駆け上がるのは狼でも無理、行くなら王宮内を走るしかないかな……。
三つ並べられた台の前に立たされた私たちは、まずそこで罪状を告げられた。
王子暗殺とすり替わりを画策し、実行した。
王家の一員のふりをして、権威を濫用した。
半年近くに渡って国民を騙し続けた。
罪から逃れようと逃走を図った。
一人目の処刑者として、クーストースの名が読み上げられ、最後に一言だけ許されるとのことで、猿轡を外された彼は――。
小声で私に言った。
「来世は……私もミーレスと共に、落ち葉の雨を降らせましょう」
クーストースを挟み反対側にいたタミアが、その言葉にポトリと涙の粒を落とす。
次は私なのか、猿轡が緩められた。
クーストースの身体が強引に断頭台へと向けられる。
……っ、もう、今しかない。
露台の叔父は遠いけど、せめて、一撃だけでも……っ!
ぐっとお腹に力を込めたその時。
「意義がある!」
突然、前庭の一画から声が上がった。
「王位継承権第二位、ウェルテクス・ウェリデ・フェルドナレンはこの処刑に同意した覚えはない!」
静止しようとする騎士らを押しやって乱入してきたのは、武官を多数引き連れたウェルテ。
見当たらないなと思ってたら、閉め出されていたようだ。
ウェルテの発言に処刑人らが困った様子でバカ叔父を見た。
バカ叔父は苛立ったように騎士らに向かい手を振る。早く摘み出せと言いたいんだろうけど、叔父の方が優先順位が低いため騎士らは動きにくそう。
「私は王位継承権二位の放棄に同意もしていない! 今権力を濫用しているのは貴様だ、アウクトル!」
名指ししてまで強い口調で声高に叫ぶウェルテ。
彼が今まで怒りを露わにしている姿なんて見たことない。まして誰かを名指しで罵っているところも……この叔父に反発するところも。
「王位を継承する意思はないと、昨日申されていたはずだが?」
名指しの罵倒にカチンときたのか、苛立った叔父がそう言い返す。
するとウェルテは。
「もちろん言った」
堂々と認めたけれど「だがそれは貴方に譲るという意味ではない!」と、キッパリ付け足す。
「トニトルス・ルプス・フェルドナレンにその意思がある以上、彼が継承すべきという意味で言ったのだ」
「トニトルス王子はそこの一味によって襲撃され亡くなったと告げたはずだが?」
「なんの冗談だ。そんなはずがあるものか」
フフンと鼻で笑うウェルテはどこか楽しそうですらあって、それがなんだか不思議。
「まぁ、王子の生死について我らがどれだけ言葉を尽くそうと平行線だろうし、まずはこの者について述べさせてもらおう。そこな者は確かに王家の者だ。トニトルス・ルプス・フェルドナレンと同じものだよ」
そうだそうだ! という民衆から同意の声。見た目が全く同じだからトニトにしか見えないよね。そうか、それであんなにザワついてたか。
「そもそも貴様が権力の濫用と宣うのは、クラウデレ伯爵領における自然災害への対応のこと。して……貴方はあの折に何をされていた? 国の一大事に優先すべきは民の生活を守ることだというのに、貴方は対策室に一度も顔を出さなかった。そのために我々が代わりとなり取るべき当然の行動を取ったまで。そのどこに責められる理由がある!」
こいつは災害対策サボりました宣言に、焦るバカ叔父。
「王族でない者が王族の力を振るっていいはずがないではないか!」
「またそれか。だからそこの者は王族だと言っている。トニトルス・ルプス・フェルドナレンと同じものだ」
ウェルテの視線が、私を見た。面白そうに、興味深そうに――。
……あ!
ウェルテの言ってることの意味がやっと分かった!
首を振り、緩んだ猿轡を強引に外した。
「ウェルテクス様のおっしゃる通り! 私はトニトルス・ルプス・フェルドナレンの片割れ、ひとつより二人となりました!」
急に叫んだ私に、ギョッとする処刑人たち。
「私はミコー・ルプス・フェルドナレン、王族の一員である狼の娘! 只今その証拠をお見せします!」
今までの人生の殆どを、私は狼で過ごしてきた。
だから狼の自分を晒すことになんら不満なんてなかった。
クーストースも簡単な手当てだけで、一緒に放り込まれた。
見張りまでつけられちゃって、もう逃げるのは絶対無理って雰囲気。
「どうして……」
悔しがるクーストースに。
「仕方ないでしょ。私、もうあんなの絶対ゴメンなんだもん」
ミーレスを死なせたみたいにしたくない。
ミーレスだけじゃない……今のこの状況が、あの日霊廟に行った沢山の人が口封じされてるってことなんだって今なら分かる。
これはただ私たちを殺すってことじゃない。国の簒奪そのものだ。
だから私がただ逃げたんじゃ意味がない。狼が一匹逃げただけじゃダメなの。あのバカ叔父に一矢報いてやるには、私が誰かを示し、あの日の真実を叫ばなければいけない。
――それに、トニトが死なないなら、負けじゃない。
きっといつかみんなの仇をまとめて取ってくれるよ。
「貴女は殺される必要などないはずだ」
クーストースは諦め切れないのか、しつこく食い下がる。
獣化して逃げられるだろうという意味なのは、見張りに分からないよう言葉を選んでいることで察せられる。私がミコーだということも分かってるっぽい。だから私の名前をあえて呼ばない。
「私だけが逃げる意味もないんだもん」
貴方たちを死なせて生き残る意味がないんだもん。
ミーレスの遺言を守れないのは申し訳ないけど、次の来世で謝るよ。
◆
夜が明けた。
太陽が正中に昇る頃、私たちは猿轡をかまされ、足枷だけ外され牢屋を出て、王宮の前庭に引き出された。
ずいぶん遅くなったなと思いつつ進む宮内は、なんだかとても慌ただしく見えた。
公開処刑というからには、民衆にも晒されるんだろうと思ってた。でも前庭とは趣味が悪すぎて恐れ入る。王宮の面前を血で染めようというんだから。
露台から私たちを睥睨する叔父の姿は、まるで自分がもう王であるかのよう。ずいぶん煌びやかに飾り立てられていて、まるで祝いの席に出席するみたい。
対し、汚れた夜着に女中服、そして血濡れた騎士の装束という三人の姿は、遠くに放された柵の向こうからでも衝撃なよう。さらに私が小柄で明らかに子供だから、どちらかというと可哀想という意識が働くんだろう。民衆は興奮というより、困惑・恐怖している様子でザワついてるように見え、中には処刑台を囲む騎士らに抗議の声を上げる姿も見受けられる。
まぁそれはそれとして……。
――バカ叔父があんなに遠いなんて……。
もっと近くで勝ち誇ると思ってたのに、まさかの露台。
手枷や猿轡はどうとでもなる。獣化すれば簡単に外れるだろうから。でもあそこに駆け上がるのは狼でも無理、行くなら王宮内を走るしかないかな……。
三つ並べられた台の前に立たされた私たちは、まずそこで罪状を告げられた。
王子暗殺とすり替わりを画策し、実行した。
王家の一員のふりをして、権威を濫用した。
半年近くに渡って国民を騙し続けた。
罪から逃れようと逃走を図った。
一人目の処刑者として、クーストースの名が読み上げられ、最後に一言だけ許されるとのことで、猿轡を外された彼は――。
小声で私に言った。
「来世は……私もミーレスと共に、落ち葉の雨を降らせましょう」
クーストースを挟み反対側にいたタミアが、その言葉にポトリと涙の粒を落とす。
次は私なのか、猿轡が緩められた。
クーストースの身体が強引に断頭台へと向けられる。
……っ、もう、今しかない。
露台の叔父は遠いけど、せめて、一撃だけでも……っ!
ぐっとお腹に力を込めたその時。
「意義がある!」
突然、前庭の一画から声が上がった。
「王位継承権第二位、ウェルテクス・ウェリデ・フェルドナレンはこの処刑に同意した覚えはない!」
静止しようとする騎士らを押しやって乱入してきたのは、武官を多数引き連れたウェルテ。
見当たらないなと思ってたら、閉め出されていたようだ。
ウェルテの発言に処刑人らが困った様子でバカ叔父を見た。
バカ叔父は苛立ったように騎士らに向かい手を振る。早く摘み出せと言いたいんだろうけど、叔父の方が優先順位が低いため騎士らは動きにくそう。
「私は王位継承権二位の放棄に同意もしていない! 今権力を濫用しているのは貴様だ、アウクトル!」
名指ししてまで強い口調で声高に叫ぶウェルテ。
彼が今まで怒りを露わにしている姿なんて見たことない。まして誰かを名指しで罵っているところも……この叔父に反発するところも。
「王位を継承する意思はないと、昨日申されていたはずだが?」
名指しの罵倒にカチンときたのか、苛立った叔父がそう言い返す。
するとウェルテは。
「もちろん言った」
堂々と認めたけれど「だがそれは貴方に譲るという意味ではない!」と、キッパリ付け足す。
「トニトルス・ルプス・フェルドナレンにその意思がある以上、彼が継承すべきという意味で言ったのだ」
「トニトルス王子はそこの一味によって襲撃され亡くなったと告げたはずだが?」
「なんの冗談だ。そんなはずがあるものか」
フフンと鼻で笑うウェルテはどこか楽しそうですらあって、それがなんだか不思議。
「まぁ、王子の生死について我らがどれだけ言葉を尽くそうと平行線だろうし、まずはこの者について述べさせてもらおう。そこな者は確かに王家の者だ。トニトルス・ルプス・フェルドナレンと同じものだよ」
そうだそうだ! という民衆から同意の声。見た目が全く同じだからトニトにしか見えないよね。そうか、それであんなにザワついてたか。
「そもそも貴様が権力の濫用と宣うのは、クラウデレ伯爵領における自然災害への対応のこと。して……貴方はあの折に何をされていた? 国の一大事に優先すべきは民の生活を守ることだというのに、貴方は対策室に一度も顔を出さなかった。そのために我々が代わりとなり取るべき当然の行動を取ったまで。そのどこに責められる理由がある!」
こいつは災害対策サボりました宣言に、焦るバカ叔父。
「王族でない者が王族の力を振るっていいはずがないではないか!」
「またそれか。だからそこの者は王族だと言っている。トニトルス・ルプス・フェルドナレンと同じものだ」
ウェルテの視線が、私を見た。面白そうに、興味深そうに――。
……あ!
ウェルテの言ってることの意味がやっと分かった!
首を振り、緩んだ猿轡を強引に外した。
「ウェルテクス様のおっしゃる通り! 私はトニトルス・ルプス・フェルドナレンの片割れ、ひとつより二人となりました!」
急に叫んだ私に、ギョッとする処刑人たち。
「私はミコー・ルプス・フェルドナレン、王族の一員である狼の娘! 只今その証拠をお見せします!」
今までの人生の殆どを、私は狼で過ごしてきた。
だから狼の自分を晒すことになんら不満なんてなかった。
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