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窓を開けたままで、花梨は部屋で待機。
空もすっかり暗くなり、そろそろヴィラが来るはず。
ミケの姿は部屋には無かった。勝手に居なくなったわけではない。ただ『お邪魔なので、失礼します~』と意味不明なことを言って出て行ったのだ。
「花梨さん、入ってもいいですか?」
カラカラ、と窓が開けられて、花梨が言葉を返す前にヴィラが入ってくる。
「さて、と。花梨さん、今日は意志を聞きに来ました。どうするんですか?」
姿勢を正した後で、ヴィラは真剣な表情を浮かべた。
こういうところに花梨は王を感じる。それほどまでに、威圧的な存在感が出ていた。
「うん。私ね、龍の娘として何かしたいと思うんだよ」
考えていた説明口調も出ずに、ただ思ったままに口にする。
「一度名乗りあげたら、もう戻れませんよ?」
ぐいっとヴィラが手を掴めば、ちりっとした胸の痛み。
「分かってるけど、このままぼうっと何てしてられないから」
きっと睨みつける勢いで、ヴィラを見つめる。
「……わかりました。それでは、明後日パーティーがあるんです。それに出てもらいますよ?」
複雑そうな表情で言って、ヴィラが花梨の手を放した。
「パーティー?」
「はい。今ちょうど両国の使者がやって来ているので」
ツザカの使者は、ゼフィルドだということは分かる。
一体、イガーの使者ってどんな人なんだろう。と花梨は首をかしげた。
「どっちの国に王がつくか、決まったの?」
少しだけ雰囲気が緩み、軽い口調で花梨が訊ねた。
「あぁ。それがまだなんですよ。どちらの国も王族を味方につけたいようですし……
今のところ、やはりイガーが有利でしょうか。そろそろ白黒つけなければ戦場も悪化していく一方でしょうし」
眉間に皺を寄せて、ため息を吐いた。
花梨は、人差し指でその皺を思いっきり押す。
「花梨さん?」
「駄目だよ~。一応ヴィラって王様でしょ? そんな顔してたら」
ぐいぐいと皺を伸ばすように指を動かせば、くすぐったそうにヴィラが笑う。
「そんな険しい顔してました?」
「してました」
即答すれば、ヴィラがさらに笑い声を上げた。しかし、何かを思い出したかのように急に笑い声を止める。
「花梨さん。ルファムア殿にはあまり近づかないでくださいね」
「え? 何で?」
そんな名前も聞いたことの無い人。頭の中で、検索をかけるけれど全く知らない。思うところは言い難い名前というくらい。
「どうしてもです」
つんっとした様子で、言ったヴィラに花梨頬を赤く染めた。
「可愛い」
その言葉にヴィラは拍子抜けした様子。
(――うわー、何か最初の頃のヴィラを思い出す)
ヴィラの様子にも気がつかず、花梨がぐりぐりとヴィラの頭を撫でた。その行動に、ヴィラが少しだけ背中を丸める。
「いつ、子供扱いが終わるのやら」
ため息交じりに呟いた言葉は、幸か不幸か花梨の耳には入らなかった。
空もすっかり暗くなり、そろそろヴィラが来るはず。
ミケの姿は部屋には無かった。勝手に居なくなったわけではない。ただ『お邪魔なので、失礼します~』と意味不明なことを言って出て行ったのだ。
「花梨さん、入ってもいいですか?」
カラカラ、と窓が開けられて、花梨が言葉を返す前にヴィラが入ってくる。
「さて、と。花梨さん、今日は意志を聞きに来ました。どうするんですか?」
姿勢を正した後で、ヴィラは真剣な表情を浮かべた。
こういうところに花梨は王を感じる。それほどまでに、威圧的な存在感が出ていた。
「うん。私ね、龍の娘として何かしたいと思うんだよ」
考えていた説明口調も出ずに、ただ思ったままに口にする。
「一度名乗りあげたら、もう戻れませんよ?」
ぐいっとヴィラが手を掴めば、ちりっとした胸の痛み。
「分かってるけど、このままぼうっと何てしてられないから」
きっと睨みつける勢いで、ヴィラを見つめる。
「……わかりました。それでは、明後日パーティーがあるんです。それに出てもらいますよ?」
複雑そうな表情で言って、ヴィラが花梨の手を放した。
「パーティー?」
「はい。今ちょうど両国の使者がやって来ているので」
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「どっちの国に王がつくか、決まったの?」
少しだけ雰囲気が緩み、軽い口調で花梨が訊ねた。
「あぁ。それがまだなんですよ。どちらの国も王族を味方につけたいようですし……
今のところ、やはりイガーが有利でしょうか。そろそろ白黒つけなければ戦場も悪化していく一方でしょうし」
眉間に皺を寄せて、ため息を吐いた。
花梨は、人差し指でその皺を思いっきり押す。
「花梨さん?」
「駄目だよ~。一応ヴィラって王様でしょ? そんな顔してたら」
ぐいぐいと皺を伸ばすように指を動かせば、くすぐったそうにヴィラが笑う。
「そんな険しい顔してました?」
「してました」
即答すれば、ヴィラがさらに笑い声を上げた。しかし、何かを思い出したかのように急に笑い声を止める。
「花梨さん。ルファムア殿にはあまり近づかないでくださいね」
「え? 何で?」
そんな名前も聞いたことの無い人。頭の中で、検索をかけるけれど全く知らない。思うところは言い難い名前というくらい。
「どうしてもです」
つんっとした様子で、言ったヴィラに花梨頬を赤く染めた。
「可愛い」
その言葉にヴィラは拍子抜けした様子。
(――うわー、何か最初の頃のヴィラを思い出す)
ヴィラの様子にも気がつかず、花梨がぐりぐりとヴィラの頭を撫でた。その行動に、ヴィラが少しだけ背中を丸める。
「いつ、子供扱いが終わるのやら」
ため息交じりに呟いた言葉は、幸か不幸か花梨の耳には入らなかった。
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