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水色衣の聖女たち
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コルリネアたち水色衣の聖女たちは、毎日規則正しい生活を送っている。それぞれ個室は与えられているものの、自室の掃除は自分で行う。
朝は起床後に神殿の掃除を、聖女見習いたちと行う。冷たい水でかじかんだ手を、自分の癒しの力で治しながら掃除していく。
掃除が終われば、朝食だ。朝食は見習い聖女たちが交代でスープを作る。野菜のスープと、硬いパンが定番のメニューだった。
昼や夜にはスープに肉や魚が入る程度で、あくまでも質素なものだった。ちなみに、貴族がなる青衣の聖女たちは、毎日午後に神殿にやってきて祈りを捧げ、聖なる湖を飲んで帰っていく。
食事は自分達の屋敷で食べてくるため、神殿で食べることはない。また、清掃や祈りなどの仕事を行うことはなく、基本的には貴族相手の癒しを行うだけだった。
祈りもしないのに癒しの力があるのは、聖なる湖のおかげだ。この湖の水を飲むことで、1~2日は簡単な癒しの力を使うことができるのだ。つまり、貴族の娘なら誰でも青衣の聖女になれた。
「ついにコルネリアさんがいなくなっちゃうのかー」
朝食後の少しの休憩時間に、コルネリアの周りに他の水色衣の聖女たちが集まる。みんな幼少期から一緒に育っているため、コルネリアにとって家族みたいなものだった。
「そうね。私が今やっている仕事も引き継ぐことになるから、この国のことお願いしますわ」
コルネリアの前で1番悲しそうな顔をしているショートカットの女の子リューイに、コルネリアが声をかける。
コルネリアは聖女としての自分が好きだし、聖女として守ってるこの国のことも好きだった。
「任せてくださいよ!」
どんっとリューイは自分の胸を叩く仕草をする。他国に嫁ぎたくない、という理由でショートカットにし続ける彼女は、優秀な聖女だった。
「コルネリアさん。満月の夜に」
リューイがコルネリアの耳元に顔を寄せ、そうささやく。
「ええ。満月の夜に」
コルネリアも意味ありげに笑みを浮かべて、そう言葉を返した。
そしてコルネリアは聖なる湖に己の声を捧げ、現在はネバンテ国へ向かう馬車に揺られている、というわけだ。
他国に嫁ぐ聖女は声を捧げる他、自分の財産も置いていくことになっている。そのため、コルネリアの持ち物は、替えの水色衣1着だけだった。
(――ヴァルター様がいい人だといいのだけど)
まだ見ぬヴァルターの情報は噂だけ。嫁ぐことが決まった後も、何の連絡も来ていなかった。
そのため、ネバンテ国から歓迎されているのか、それもとメヨ帝国の同盟国の聖女のため疎まれているのか、それすらコルネリアには分からなかった。
はあ、と思わずため息をついて外を見たコルネリアは、見慣れた風景に少し表情を明るくする。
(――昔、聖女の修行で来た村だわ!懐かしい。確か国境沿いの村だから、ネバンテ国ももうすぐだわ)
コルネリアがまだ幼い頃に、修行で来ていた村だ。水色衣の聖女たちは青衣の聖女と異なり、しっかりと修行をして聖力を身につけている。
(――この村の川でたくさん遊んだな)
どんどん遠ざかる思い出の村の姿に、コルネリアは懐かしい気持ちになる。
そして、村が見えなくなる頃に、馬車はネバンテ国の領土へと入った。
国境には豪華な馬車が用意され、ネバンテ国の騎士たちが厳しい表情で立っていた。
朝は起床後に神殿の掃除を、聖女見習いたちと行う。冷たい水でかじかんだ手を、自分の癒しの力で治しながら掃除していく。
掃除が終われば、朝食だ。朝食は見習い聖女たちが交代でスープを作る。野菜のスープと、硬いパンが定番のメニューだった。
昼や夜にはスープに肉や魚が入る程度で、あくまでも質素なものだった。ちなみに、貴族がなる青衣の聖女たちは、毎日午後に神殿にやってきて祈りを捧げ、聖なる湖を飲んで帰っていく。
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「ついにコルネリアさんがいなくなっちゃうのかー」
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「そうね。私が今やっている仕事も引き継ぐことになるから、この国のことお願いしますわ」
コルネリアの前で1番悲しそうな顔をしているショートカットの女の子リューイに、コルネリアが声をかける。
コルネリアは聖女としての自分が好きだし、聖女として守ってるこの国のことも好きだった。
「任せてくださいよ!」
どんっとリューイは自分の胸を叩く仕草をする。他国に嫁ぎたくない、という理由でショートカットにし続ける彼女は、優秀な聖女だった。
「コルネリアさん。満月の夜に」
リューイがコルネリアの耳元に顔を寄せ、そうささやく。
「ええ。満月の夜に」
コルネリアも意味ありげに笑みを浮かべて、そう言葉を返した。
そしてコルネリアは聖なる湖に己の声を捧げ、現在はネバンテ国へ向かう馬車に揺られている、というわけだ。
他国に嫁ぐ聖女は声を捧げる他、自分の財産も置いていくことになっている。そのため、コルネリアの持ち物は、替えの水色衣1着だけだった。
(――ヴァルター様がいい人だといいのだけど)
まだ見ぬヴァルターの情報は噂だけ。嫁ぐことが決まった後も、何の連絡も来ていなかった。
そのため、ネバンテ国から歓迎されているのか、それもとメヨ帝国の同盟国の聖女のため疎まれているのか、それすらコルネリアには分からなかった。
はあ、と思わずため息をついて外を見たコルネリアは、見慣れた風景に少し表情を明るくする。
(――昔、聖女の修行で来た村だわ!懐かしい。確か国境沿いの村だから、ネバンテ国ももうすぐだわ)
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どんどん遠ざかる思い出の村の姿に、コルネリアは懐かしい気持ちになる。
そして、村が見えなくなる頃に、馬車はネバンテ国の領土へと入った。
国境には豪華な馬車が用意され、ネバンテ国の騎士たちが厳しい表情で立っていた。
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