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私生児聖女は二束三文で売られた敵国で幸せになりました!
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話を終えたヴァルターは荷物の中から一枚の絵を取り出し、コルネリアに手渡す。それは古びた絵で、コルネリアたちが川で遊ぶ姿が描かれていた。
「き、気分を悪くしただろうか?」
「そんなことはありませんわ!ごめんなさい。思い出せなくて」
「そうか」
「でも、嬉しいですわ」
コルネリアは手渡された絵をぎゅっと抱きしめて、嬉しそうに微笑む。嫁いだその日から、何でヴァルターがあれほど優しかったのかが不思議だった。他の聖女が嫁いでもこれだけ優しいのか、と胸が痛んだこともあった。
「法国から聖女が来ると聞いたとき、正直君が来ると期待はしていたが、本当に来てくれるとは思ってなかった。喜びすぎてマルコやクルトにからかわれたくらいだ」
コルネリアが来ると知ったヴァルターは、ドキドキしながら迎えに行く馬車の準備を念入りにした。コルネリアが座るかもしれない、と布から自分で厳選したほどだ。
「他の方が来たら、どうなさるおつもりでしたの?」
「そうだな。帝国との戦争が完全に終結すれば、法国へ返そうと思っていたからな。おそらく夜の営みはせず、できるだけ快適に過ごしてもらうようにはしたと思う」
「夜の営みを?」
「ああ。離婚をする前提であれば、相手にとってもそれがいいだろう」
うんうん、とうなずくヴァルターにコルネリアがさっと顔色を悪くする。
「わ、私とそういったことがないのも、もしかして?」
「それは違う!」
コルネリアの勘違いに気が付いたヴァルターが大きな声を出し、コルネリアの両手をぎゅっと握る。
「結婚式で女神様に君を幸せにすると誓ってからにしたい。大切にしたいんだ」
ヴァルターが真っ赤な顔でそう言うと、コルネリアもぼっと頬を赤く染めた。
「そうしないと、女神様に嫌われて君を失ってしまう気がするんだ」
「ラウラ姉さまは結婚式前には、そういうことをしてらっしゃったわ」
(――大切にしてくださるのは嬉しいですけれど、私はいつでも大丈夫ですわ!)
「ヴァルター様が女神様に嫌われたとしても、私が何とかしてみますわ」
きりっとした表情で言ったコルネリアに、思わずヴァルターが噴出した。
「君は相変わらず、見た目に似合わず男前なことを言ってくれるな」
「お嫌ですか?」
コルネリア自身見た目と中身にギャップがあることは自覚していた。嫌だったのだろうか、と不安そうにするコルネリアに、ヴァルターは笑顔で首を振る。
「まさか!そこにも俺は惚れたんだ!」
そう言うと座っていたコルネリアを抱きしめて立ち上がり、抱っこしたままくるくると回った。わわ、とバランスを崩しかけたコルネリアが、慌ててヴァルターの首に手を回す。
「ヴァルター様!危ないですわ!」
「すまん。すまん。嬉しくてじっとしていられないんだ」
そう言うとヴァルターは足を止め、ちゅっとコルネリアの頬に軽いキスを落とした。
「愛してる、コルネリア」
「私も。愛していますわ」
にっこりと見つめあい、自然と唇を重ねた。そっとコルネリアはキスをしながら目を開け、ヴァルターの精悍な顔を見つめる。
(――二束三文で売られたときはどうなるかと思いましたが、私は今が一番幸せだわ!)
「ん?どうした、コルネリア?」
「いいえ。なんでもありませんわ!」
視線を感じたヴァルターが唇を離して問うと、コルネリアはにっこり笑顔で答えて顔をヴァルターへ近づけた。
一か月後。ネバンテ国で盛大に二人の結婚式が行われた。二人の幸せそうな姿に、国民や各国の王、聖女から祝福の声が届いた。
聖女を王妃とし、女神に愛されたレオンハルトの王位を支持したネバンテの国王ヴァルターは、愛妻家として広く知られている。二人はそれこそ、死が二人を分かつまで仲睦まじく過ごした。
「ヴァルター様。私、幸せですわ!」
「そうか。俺も君がそばにいてくれて嬉しいよ」
かくして、私生児聖女は二束三文で売られた敵国で幸せになりましたとさ。おしまい。
「き、気分を悪くしただろうか?」
「そんなことはありませんわ!ごめんなさい。思い出せなくて」
「そうか」
「でも、嬉しいですわ」
コルネリアは手渡された絵をぎゅっと抱きしめて、嬉しそうに微笑む。嫁いだその日から、何でヴァルターがあれほど優しかったのかが不思議だった。他の聖女が嫁いでもこれだけ優しいのか、と胸が痛んだこともあった。
「法国から聖女が来ると聞いたとき、正直君が来ると期待はしていたが、本当に来てくれるとは思ってなかった。喜びすぎてマルコやクルトにからかわれたくらいだ」
コルネリアが来ると知ったヴァルターは、ドキドキしながら迎えに行く馬車の準備を念入りにした。コルネリアが座るかもしれない、と布から自分で厳選したほどだ。
「他の方が来たら、どうなさるおつもりでしたの?」
「そうだな。帝国との戦争が完全に終結すれば、法国へ返そうと思っていたからな。おそらく夜の営みはせず、できるだけ快適に過ごしてもらうようにはしたと思う」
「夜の営みを?」
「ああ。離婚をする前提であれば、相手にとってもそれがいいだろう」
うんうん、とうなずくヴァルターにコルネリアがさっと顔色を悪くする。
「わ、私とそういったことがないのも、もしかして?」
「それは違う!」
コルネリアの勘違いに気が付いたヴァルターが大きな声を出し、コルネリアの両手をぎゅっと握る。
「結婚式で女神様に君を幸せにすると誓ってからにしたい。大切にしたいんだ」
ヴァルターが真っ赤な顔でそう言うと、コルネリアもぼっと頬を赤く染めた。
「そうしないと、女神様に嫌われて君を失ってしまう気がするんだ」
「ラウラ姉さまは結婚式前には、そういうことをしてらっしゃったわ」
(――大切にしてくださるのは嬉しいですけれど、私はいつでも大丈夫ですわ!)
「ヴァルター様が女神様に嫌われたとしても、私が何とかしてみますわ」
きりっとした表情で言ったコルネリアに、思わずヴァルターが噴出した。
「君は相変わらず、見た目に似合わず男前なことを言ってくれるな」
「お嫌ですか?」
コルネリア自身見た目と中身にギャップがあることは自覚していた。嫌だったのだろうか、と不安そうにするコルネリアに、ヴァルターは笑顔で首を振る。
「まさか!そこにも俺は惚れたんだ!」
そう言うと座っていたコルネリアを抱きしめて立ち上がり、抱っこしたままくるくると回った。わわ、とバランスを崩しかけたコルネリアが、慌ててヴァルターの首に手を回す。
「ヴァルター様!危ないですわ!」
「すまん。すまん。嬉しくてじっとしていられないんだ」
そう言うとヴァルターは足を止め、ちゅっとコルネリアの頬に軽いキスを落とした。
「愛してる、コルネリア」
「私も。愛していますわ」
にっこりと見つめあい、自然と唇を重ねた。そっとコルネリアはキスをしながら目を開け、ヴァルターの精悍な顔を見つめる。
(――二束三文で売られたときはどうなるかと思いましたが、私は今が一番幸せだわ!)
「ん?どうした、コルネリア?」
「いいえ。なんでもありませんわ!」
視線を感じたヴァルターが唇を離して問うと、コルネリアはにっこり笑顔で答えて顔をヴァルターへ近づけた。
一か月後。ネバンテ国で盛大に二人の結婚式が行われた。二人の幸せそうな姿に、国民や各国の王、聖女から祝福の声が届いた。
聖女を王妃とし、女神に愛されたレオンハルトの王位を支持したネバンテの国王ヴァルターは、愛妻家として広く知られている。二人はそれこそ、死が二人を分かつまで仲睦まじく過ごした。
「ヴァルター様。私、幸せですわ!」
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