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第三章 偽装婚約?
提案
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先日カトレア・スカーレット公爵令嬢に、もともとなかった縁を絶たれてしまったけれど、その場を目撃した生徒たちから事実は確実に語り継がれ、噂は広く拡散され、私の「悪女」の名にさらなる負の付加価値がついてしまった。正真正銘の爪弾き者となったのである。
悪名高い私は、教室では遠巻きにされて誰も近くに寄ろうとしないし、廊下を歩くとヒソヒソと陰口をたたかれ、嫌悪した目で見られる。
それだけなら実害はないからいいかと楽観視していたら、その数日後に教科書を廃棄される被害に遭った。
教科書は学ぶ上でも大切な相棒なので、その事実は念のため学園側にも報告した。ジェセニア伯爵家に連絡して新たな教科書も手配してもらったけれど、もう四ヶ月も共に勉強した教科書を失ったダメージは意外と大きかった。書き込みもたくさんしてあったし、何より愛着が湧いていたので、古い教科書が新しくなったのだからいい……とは到底思えなかった。
学園側は私を守ってくれることなどなかったし、それどころか、スカーレット公爵家とベリサリオ公爵家の顔色を窺い、私への態度を決めかねているようだった。
というのも、ミディール学園内でのできごとに関しては、余程のことがない限り親が出てくることはない。今はスカーレット公爵令嬢に嫌われ、クラウス公爵子息を捨てた『悪女』と言われている私だけれど、この構図のどこかに「親」が出てくると一気に政治的な意味合いが強くなる。政治に対しては中立を貫く学園側はそれを危惧しており、どちら側にも肩入れできずにいるのだ。
だから、両親には口を出すのを我慢してもらっている状態だ。「かわいい娘が『悪女』なんて呼ばれているのを看過できない」と彼らは憤慨してくれているけれど、事実はどうあれ、伯爵家が二つの公爵家相手に声を上げても骨折り損になる可能性が高いのだから。
✳︎✳︎✳︎
「あの慈悲深いカトレア様がお許しにならなかったのだから、よっぽどの悪人に違いない」
「ベリサリオ様を未だ惑わせる悪女」
「悪女なのだから粛清を受けるのは当然」
「悪人が格式高いミディール学園にいる価値はない」
そのような内容の手紙をもらったり、聞こえるように言われることが増えた。
悪感情を閉じ込めた手紙をもらうと悲しくなるし、敵意のこもった言葉を投げつけられると、ナイフを刺されたように胸が痛み、同時に実際何かされるのではないかと恐怖に震えた。
そんな居心地の悪すぎる毎日を送っていると、ここまで悪名が広がってしまえば、奨学生になるのは難しいかもしれないと諦めの気持ちが勝ってきた。奨学生は名誉の象徴だから、当然成績だけでなく学校生活における態度も重要視される。
政治的にも中立を保ちたい学園側としては、二つの公爵家出身の学生と対立構造にある『悪女』と名高い学生を奨学生に選ぶリスクは高そうだ。
実際に私が悪いことをしたわけではないけれど、噂というものは勝手に一人歩きするもので、人々の中での私は「悪いことをした人」で――。
ここまで悪名が高まってくると、真実はそこまで重要視されず「火のないところに煙は立たぬ」論調になってくるものだ。
つまり、私は『悪女』と呼ばれることになる素質をもともと持っていたのだろう、だからこういう噂が流れることになるのだ――と。
けれど、私がたくさんの人に誤解されているとしても、私には打つ手がないことがもどかしい。話しかけようにも避けられているし、誤解をとく機会すら与えてもらえない状況だ。
私はこのまま修道院に行くことになるのかもしれない……と考えつつ、それでも今できることをしなければと不安な気持ちを隅に押しやり、がむしゃらに勉強を続けていた。後悔は全力を出し切って努力したあとにしても遅くない。
そんな日常が当たり前になってきたある日、私の現時点での一番の友人兼先生が、勉強を教えてくれている最中にこの特大の悩みの種の解決策を提案という形で授けてくれた。
「もしリリーがよければなんだけど……」
「……? はい」
「私の婚約者になってくれないかな?」
「はい?」
「だから、私の婚約者に……」
「いえ、あの、ちゃんと聞こえています。お話を遮って申し訳ありません」
驚きでドクドクと脈打つ胸に手を置く。
――二度も言われたら心臓が驚きすぎて処理能力の限界を超えてしてしまいそうだから遠慮していただきたい……
「うん。驚くよね。急にごめん。……でも私としてはずっと考えていたことなんだ」
私は目を白黒させながらも、どうにかして口を動かした。
「ずっと……。それは、クラウスとの一件があったときからですか?」
「……そうだね。あの男がどうやっても諦めないつもりなら、そうするべきだと考えていた」
「あなたのことだから、そうかなって思っていました。王太子殿下の婚約者なんて最強の肩書きがあれば、さすがのクラウスも引かざるを得ないでしょうから」
私がそう言うと、私の大好きな眼鏡姿だったルイ様は、そのレンズ越しに幻想的に輝く瞳で私を射抜き、真剣な表情で続けた。
「でも、あのときは我慢したんだ。リリーが自分の力で解決しようと奮起していたから。応援したかったんだ」
「私の意志を尊重してくださったのですね。とても嬉しいです。ありがとうございます」
私は思わず目を伏せた。
私の頑張りを認めてくれて、応援してくれていたことが本当に嬉しかったのと、真剣に見つめられて恥ずかしいのもあった。
けれど、何より、自分ではうまく対処しきれなくて、結局この優しい友人に一度飲み込んだ言葉を吐き出させてしまった自らの力不足が情けなかった。
「リリーには一切の過失はないのに『悪女』の印象が一人歩きして、リリーを貶めていいという免罪符になっている風潮がある。みんなの悪感情を集める装置になってしまっているんだ」
「はい……心当たりがあります。最近は恐怖を感じることも増えました」
「うん。護衛がいるとしても心配なんだ。だから、私にリリーを守らせてくれないかな? 守るには婚約者になってもらうのが一番都合が良いんだ。私にとってもね」
「でも……そう言ってもらえるのはとても嬉しくてありがたいのですが、そのような理由で王太子殿下の婚約者にはなれません」
「うーん、リリーの気持ちはわかるよ。未来の王太子妃なんて立場、リリーに負担しかかけないと思うし……」
「その立場を使って守ってもらおうというのに、負担だなんて滅相もないです……! ただ……『悪女』が王太子殿下の婚約者になるだなんて、王室に迷惑がかかりますので……」
「その点は問題ないよ。ね? イアン」
またもや同じ空間にいながら空気に徹していたアラスター様だが、ルイ様に話を振られてやっと言葉を発した。
「将来有望な学生の未来が根も歯もないくだらない噂で潰えてしまうなど、我が国にとって損失以外のなにものでもありません。恐れながらスヴェロフの繁栄を望むなら、王室としてはそのような臣下を一番に守るべきと存じます。そういうことですよね? ルイ様」
スヴェロフ王国と王族への忠心を叫んで憚らないアラスター様がこの無茶とも思える提案を肯定するので、私は驚いた。
でも、私の立場を優先しても何の得もないアラスター様がこう言うということは、ルイ様が私に特別の配慮をしてくれているわけではないという証明にもなる。
「うん。王室にとってリリーの存在は全く迷惑ではない、むしろ手段を問わず守りたい存在だということだ。伝わったかな?」
私たちが住むスヴェロフ王国は、この王太子殿下を始めとする王室の方々がいる限り大丈夫だと思えた瞬間だった。
私はこの人たちに救われてばかりだ。いつか恩返しができるだろうか? きっと立派な人間に成長してルイ様を支えられるような臣下になろう。受けた恩が大きすぎて返し切れる未来が想像できないけれど。
そういえばまだクラウスの件でお世話になったお礼すらできていないのだった。次から次へとトラブルが発生してしまって、いつ落ち着いて恩返しができるのか……。
「ありがとうございます。スヴェロフ王室の方々は国民への愛が深いのだということがよくわかりました」
「そうだよ。リリーのことを『悪女』だと見誤っている国民の目を覚まさせる必要もあるからね。リリーは誤った情報を正すために協力するのだと思ってくれればいい」
「では、その情報が正されるまでの、期間限定の婚約者役を務めればいいということですね」
「……そういうことになるかな。まぁ、そのまま王太子妃になってくれるのなら大歓迎するけど」
ルイ様がにっこり笑う。
そんなふうに優しく微笑まれたら、ルイ様にとって私が特別な存在なのかもしれないと勘違いしてしまいそうだ。
――まあ、冗談だってわかっているけれど。
「ふふ。いつもそうやって私を和ませてくれるルイ様に救われています。万が一そうなった場合には、よろしくお願いしますね。旦那様?」
「うん。まあいいか。今の『旦那様』呼びがとてもよかったので許す」
「……?」
「では、契約成立ということでいいかな?」
「はい。お言葉に甘えさせていただきます。是非、私をルイ様の婚約者にしてください」
「…………」
「? ルイ様……?」
ルイ様は目を細めて私を見つめたまま固まってしまっていて、私が「今の言い方はルイ様に対し傲慢だっただろうか」と不安に思い始めた頃――。
「リリアーヌ様、大丈夫です。ルイ様、戻ってきてください」
「あー。イアンのせいで台無しだ。せっかく噛み締めていたのに……」
「噛み……?」
「ああ。リリーごめんね。なんでもないんだ。こちらこそよろしく。愛しい婚約者殿」
「はい! よろしくお願いします……!」
これは人心の乱れを正すことが目的の、お互いがお互いを利用するための婚約だ。だから、私たちの間には深い友情以上の感情は存在しないはずで。
でも、このどこまでも優しくてかっこいい、尊敬できる最高に完璧な未来の君主から「愛しい」なんて声をかけられると――。ドキドキと騒ぎ始める鼓動を抑えることはもはや不可能であった。
悪名高い私は、教室では遠巻きにされて誰も近くに寄ろうとしないし、廊下を歩くとヒソヒソと陰口をたたかれ、嫌悪した目で見られる。
それだけなら実害はないからいいかと楽観視していたら、その数日後に教科書を廃棄される被害に遭った。
教科書は学ぶ上でも大切な相棒なので、その事実は念のため学園側にも報告した。ジェセニア伯爵家に連絡して新たな教科書も手配してもらったけれど、もう四ヶ月も共に勉強した教科書を失ったダメージは意外と大きかった。書き込みもたくさんしてあったし、何より愛着が湧いていたので、古い教科書が新しくなったのだからいい……とは到底思えなかった。
学園側は私を守ってくれることなどなかったし、それどころか、スカーレット公爵家とベリサリオ公爵家の顔色を窺い、私への態度を決めかねているようだった。
というのも、ミディール学園内でのできごとに関しては、余程のことがない限り親が出てくることはない。今はスカーレット公爵令嬢に嫌われ、クラウス公爵子息を捨てた『悪女』と言われている私だけれど、この構図のどこかに「親」が出てくると一気に政治的な意味合いが強くなる。政治に対しては中立を貫く学園側はそれを危惧しており、どちら側にも肩入れできずにいるのだ。
だから、両親には口を出すのを我慢してもらっている状態だ。「かわいい娘が『悪女』なんて呼ばれているのを看過できない」と彼らは憤慨してくれているけれど、事実はどうあれ、伯爵家が二つの公爵家相手に声を上げても骨折り損になる可能性が高いのだから。
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「あの慈悲深いカトレア様がお許しにならなかったのだから、よっぽどの悪人に違いない」
「ベリサリオ様を未だ惑わせる悪女」
「悪女なのだから粛清を受けるのは当然」
「悪人が格式高いミディール学園にいる価値はない」
そのような内容の手紙をもらったり、聞こえるように言われることが増えた。
悪感情を閉じ込めた手紙をもらうと悲しくなるし、敵意のこもった言葉を投げつけられると、ナイフを刺されたように胸が痛み、同時に実際何かされるのではないかと恐怖に震えた。
そんな居心地の悪すぎる毎日を送っていると、ここまで悪名が広がってしまえば、奨学生になるのは難しいかもしれないと諦めの気持ちが勝ってきた。奨学生は名誉の象徴だから、当然成績だけでなく学校生活における態度も重要視される。
政治的にも中立を保ちたい学園側としては、二つの公爵家出身の学生と対立構造にある『悪女』と名高い学生を奨学生に選ぶリスクは高そうだ。
実際に私が悪いことをしたわけではないけれど、噂というものは勝手に一人歩きするもので、人々の中での私は「悪いことをした人」で――。
ここまで悪名が高まってくると、真実はそこまで重要視されず「火のないところに煙は立たぬ」論調になってくるものだ。
つまり、私は『悪女』と呼ばれることになる素質をもともと持っていたのだろう、だからこういう噂が流れることになるのだ――と。
けれど、私がたくさんの人に誤解されているとしても、私には打つ手がないことがもどかしい。話しかけようにも避けられているし、誤解をとく機会すら与えてもらえない状況だ。
私はこのまま修道院に行くことになるのかもしれない……と考えつつ、それでも今できることをしなければと不安な気持ちを隅に押しやり、がむしゃらに勉強を続けていた。後悔は全力を出し切って努力したあとにしても遅くない。
そんな日常が当たり前になってきたある日、私の現時点での一番の友人兼先生が、勉強を教えてくれている最中にこの特大の悩みの種の解決策を提案という形で授けてくれた。
「もしリリーがよければなんだけど……」
「……? はい」
「私の婚約者になってくれないかな?」
「はい?」
「だから、私の婚約者に……」
「いえ、あの、ちゃんと聞こえています。お話を遮って申し訳ありません」
驚きでドクドクと脈打つ胸に手を置く。
――二度も言われたら心臓が驚きすぎて処理能力の限界を超えてしてしまいそうだから遠慮していただきたい……
「うん。驚くよね。急にごめん。……でも私としてはずっと考えていたことなんだ」
私は目を白黒させながらも、どうにかして口を動かした。
「ずっと……。それは、クラウスとの一件があったときからですか?」
「……そうだね。あの男がどうやっても諦めないつもりなら、そうするべきだと考えていた」
「あなたのことだから、そうかなって思っていました。王太子殿下の婚約者なんて最強の肩書きがあれば、さすがのクラウスも引かざるを得ないでしょうから」
私がそう言うと、私の大好きな眼鏡姿だったルイ様は、そのレンズ越しに幻想的に輝く瞳で私を射抜き、真剣な表情で続けた。
「でも、あのときは我慢したんだ。リリーが自分の力で解決しようと奮起していたから。応援したかったんだ」
「私の意志を尊重してくださったのですね。とても嬉しいです。ありがとうございます」
私は思わず目を伏せた。
私の頑張りを認めてくれて、応援してくれていたことが本当に嬉しかったのと、真剣に見つめられて恥ずかしいのもあった。
けれど、何より、自分ではうまく対処しきれなくて、結局この優しい友人に一度飲み込んだ言葉を吐き出させてしまった自らの力不足が情けなかった。
「リリーには一切の過失はないのに『悪女』の印象が一人歩きして、リリーを貶めていいという免罪符になっている風潮がある。みんなの悪感情を集める装置になってしまっているんだ」
「はい……心当たりがあります。最近は恐怖を感じることも増えました」
「うん。護衛がいるとしても心配なんだ。だから、私にリリーを守らせてくれないかな? 守るには婚約者になってもらうのが一番都合が良いんだ。私にとってもね」
「でも……そう言ってもらえるのはとても嬉しくてありがたいのですが、そのような理由で王太子殿下の婚約者にはなれません」
「うーん、リリーの気持ちはわかるよ。未来の王太子妃なんて立場、リリーに負担しかかけないと思うし……」
「その立場を使って守ってもらおうというのに、負担だなんて滅相もないです……! ただ……『悪女』が王太子殿下の婚約者になるだなんて、王室に迷惑がかかりますので……」
「その点は問題ないよ。ね? イアン」
またもや同じ空間にいながら空気に徹していたアラスター様だが、ルイ様に話を振られてやっと言葉を発した。
「将来有望な学生の未来が根も歯もないくだらない噂で潰えてしまうなど、我が国にとって損失以外のなにものでもありません。恐れながらスヴェロフの繁栄を望むなら、王室としてはそのような臣下を一番に守るべきと存じます。そういうことですよね? ルイ様」
スヴェロフ王国と王族への忠心を叫んで憚らないアラスター様がこの無茶とも思える提案を肯定するので、私は驚いた。
でも、私の立場を優先しても何の得もないアラスター様がこう言うということは、ルイ様が私に特別の配慮をしてくれているわけではないという証明にもなる。
「うん。王室にとってリリーの存在は全く迷惑ではない、むしろ手段を問わず守りたい存在だということだ。伝わったかな?」
私たちが住むスヴェロフ王国は、この王太子殿下を始めとする王室の方々がいる限り大丈夫だと思えた瞬間だった。
私はこの人たちに救われてばかりだ。いつか恩返しができるだろうか? きっと立派な人間に成長してルイ様を支えられるような臣下になろう。受けた恩が大きすぎて返し切れる未来が想像できないけれど。
そういえばまだクラウスの件でお世話になったお礼すらできていないのだった。次から次へとトラブルが発生してしまって、いつ落ち着いて恩返しができるのか……。
「ありがとうございます。スヴェロフ王室の方々は国民への愛が深いのだということがよくわかりました」
「そうだよ。リリーのことを『悪女』だと見誤っている国民の目を覚まさせる必要もあるからね。リリーは誤った情報を正すために協力するのだと思ってくれればいい」
「では、その情報が正されるまでの、期間限定の婚約者役を務めればいいということですね」
「……そういうことになるかな。まぁ、そのまま王太子妃になってくれるのなら大歓迎するけど」
ルイ様がにっこり笑う。
そんなふうに優しく微笑まれたら、ルイ様にとって私が特別な存在なのかもしれないと勘違いしてしまいそうだ。
――まあ、冗談だってわかっているけれど。
「ふふ。いつもそうやって私を和ませてくれるルイ様に救われています。万が一そうなった場合には、よろしくお願いしますね。旦那様?」
「うん。まあいいか。今の『旦那様』呼びがとてもよかったので許す」
「……?」
「では、契約成立ということでいいかな?」
「はい。お言葉に甘えさせていただきます。是非、私をルイ様の婚約者にしてください」
「…………」
「? ルイ様……?」
ルイ様は目を細めて私を見つめたまま固まってしまっていて、私が「今の言い方はルイ様に対し傲慢だっただろうか」と不安に思い始めた頃――。
「リリアーヌ様、大丈夫です。ルイ様、戻ってきてください」
「あー。イアンのせいで台無しだ。せっかく噛み締めていたのに……」
「噛み……?」
「ああ。リリーごめんね。なんでもないんだ。こちらこそよろしく。愛しい婚約者殿」
「はい! よろしくお願いします……!」
これは人心の乱れを正すことが目的の、お互いがお互いを利用するための婚約だ。だから、私たちの間には深い友情以上の感情は存在しないはずで。
でも、このどこまでも優しくてかっこいい、尊敬できる最高に完璧な未来の君主から「愛しい」なんて声をかけられると――。ドキドキと騒ぎ始める鼓動を抑えることはもはや不可能であった。
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