前世がロリ美少女妖精だったから前世の姿を取り戻して魔物相手に戦う! 妖精聖姫の魔物退治の旅

和美 一

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第4話:空中戦

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「魔将の居場所は分かっているのか?」

 歩きながらレイは訊ねる。シリアが頷いた。

「はい、レイ様。この地区の魔物たちを束ねる魔将は竜人族のドラギース。ここから南に行った先にドラギースの拠点があります」
「なら、まずはそこを目指すことだな」

 場所が分かっているのなら話は早い。
 その竜人ドラギースとやらを倒して、この地区に平和を取り戻そう。
 俺の体が妖精聖姫の生まれ変わりがどうこうというのはその後だ、とレイは思う。

「あのー、レイ様ー」

 そんな中、フレミアが口を開く。
 なんだろう、と思いレイはそちらに視線を向けた。

「こんな風に歩いていくんじゃなくて、飛んで行きません? そっちの方が遥かに速いですよ?」
「あー、それもそうだな……」

 言われてみれば確かに。
 足で行くより羽根で行った方が早そうだ。
 だが、それをするとなると、

(また妖精の姿になるのか……)

 それが少し悩ましいことではあった。
 いや、既に覚悟は決まっている。

 魔将と戦うにあたってレイは妖精聖姫リリィの姿になる必要があることは分かっている。
 とはいえ、なるべくあんな幼い美少女の体になるのも遠慮したいというのも事実であった。事実ではあるのだが。

「そうだな。飛んで行こう」
「やった!」
「分かりました、レイ様」

 そうと決まり、レイは腕輪に思いを込める。
 するとレイの体が光に包まれ、むさ苦しい男の肉体が美少女妖精のものに変貌していた。
 それを見たフレミアが目を輝かせる。

「うん。レイ様。やっぱりそちらのお姿の方が素敵ですよ」
「そ、そうか……」

 レイにとっては違和感しかない姿なのだが。
 三人して羽根を広げ、空を駆け、魔将のアジトに向かって飛んでいく。
 途中で前方から飛行型の魔物が何匹も襲来して来た。

「シリア! これは!」

 確信を持ちつつ、レイは言う。シリアは頷いた。

「私たちを迎撃しようとする魔将配下の魔物たちでしょう」
「こんなのあたしたちなら楽勝よ! そうでしょ? レイ様?」

 シリアもフレミアも戦意は十分のようであった。
 レイとて今の妖精聖姫の体ならこんな程度の魔物たちに負ける気はしない。
 前方を見据え、レイも返事をする。

「ああ! 蹴散らしてやろう!」

 手をかざし、光線を放ち、敵魔物を撃ち落としていく。
 シリアも光線を放ち、フレミアは火炎を放ち、敵魔物を攻撃する。
 怪鳥型の魔物の他にワイバーンなどの亜竜も混ざっていたが、それでも妖精三人の敵ではない。

 片っ端から撃ち落としていく。
 レイが人間の姿であればとてもかなわないであろう魔物たちを次々に撃破していく。
 妖精聖姫の力は伊達ではなかった。未だにロリ美少女妖精となっている我が身には違和感を抱くものの。

 そうして、魔物たちを蹴散らしてると一匹の大型のワイバーンが姿を見せた。

「ワイバーン・レックス!?」

 若干の警戒心を込めて、フレミアが叫ぶ。シリアもレイを見た。

「レイ様、お気を付けを。ワイバーン・レックスは通常のワイバーンの数倍の力を持っています」
「分かった! お前たちも気を付けてな!」

 そう叫び返すレイだが、負ける気はしない。
 ワイバーン・レックスのそばまで飛び寄ると、ワイバーン・レックスは火炎を吐いて攻撃してくる。

 それを羽根を動かし回避し、手をかざし、暴風を放つ。
 この暴風をワイバーン・レックスは受け止めて、吹き飛ばされず、レイに爪を振るう。
 これもすんでの所で躱す。

(なるほど。確かに普通のワイバーンよりは強いみたいだな)

 その認識を改めて、手をかざし光線を放つ。
 光線はワイバーン・レックスの羽根に命中したが、貫くことはできなかった。
 しかし、ダメージは与えた。

 そのままレイは光線を連射。
 シリアも光線を放ち、フレミアは火炎で攻撃する。
 三人の妖精の集中攻撃を喰らい、さすがのワイバーン・レックスもされるがままになっている。

 しかし、火炎放射で反撃してきてただではやられてくれないことを示す。

「この!」

 そんなワイバーン・レックスにレイはさらに光線を放つ。
 それらを受けてワイバーン・レックスは満身創痍気味になりながらもまだ闘志は折れないようだ。

 レイは両手を合わせて必殺の光線を放つ準備に入る。
 そんな時、別のワイバーンがレイに炎を吐いた。
 それを羽根に受けたレイの体はバランスを崩し、落下せんとする。

「しまった!? うわ!」
「レイ様!」

 あわててフレミアがレイのもとに行き、落下しそうなレイの体を体で受け止める。おかげで地面に叩きつけられずに、済んだ。
 済んだのだが。

「レ、レイ様……」
「う、うわっ。すまない!」

 体と体が重なりあっている。
 レイの体はフレミアの体の触ってはいけない所を触っており、慌てて、フレミアから離れる。

「ま、まぁ、レイ様だから許しますけど……」

 頬を若干朱色に染めて、フレミアが言う。
 そうして、二人して上空のワイバーン・レックスを見据えた。
 レイとフレミアが戦線離脱したのでシリアが一人で戦っている。

 レイとフレミアは羽根を羽ばたかせすぐに戦線に復帰した。

「レイ様! フレミア! 大丈夫ですか!?」
「なんとかな!」
「あたしもよ、シリア!」
「それならよかった!」

 さて、お返しをしなければならない。
 レイは光線を放ち、ワイバーンを撃墜するとワイバーン・レックスと再び相対する。

 両手を合わせ、今度こそ妨害が入らない状況で極太の光線を放つ。
 それはワイバーン・レックスの体を貫き、ワイバーン・レックスは地面に墜落した。

「やったわ!」

 歓声を叫ぶフレミア。
 しかし、レイにはまだだ、という気がしていた。

 ワイバーン・レックスは再び飛び上がり、レイたちの前に現れる。

「しぶとい!」

 舌打ちしてレイは言い、光線を連射する。

「あたしたち三人が力を合わせれば!」
「ワイバーン・レックスごとき!」

 フレミアとシリアも頷き、集中攻撃を浴びせる。
 レイは再び両手を合わせ、極太の光線を放って、ワイバーン・レックスを攻撃する。

 今度こそ、ワイバーン・レックスは地に落ちた。
 その体が再び浮遊することはなかった。

 三人は一息つく。
 とりあえず飛んでいるのも疲れるので一旦、地面に降りる。

 と、レイの体が光に包まれ、美少女妖精のものから男の体に戻った。
 空中戦でワイバーン・レックスなんてヤツとも戦って力を使いすぎたのだろう。

「ふぅ……二人とも、とりあえず今日のところはここで休まないか?」
「そうですね、レイ様」
「レイ様がその姿に戻られてしまっては飛んで行くこともできませんしね。全く。魔将ドラギースも厄介な妨害を……」

 レイの言葉に二人は頷き、とりあえず今日の所はここで休むことになった。
 相変わらず美少女妖精に体が変身するのは慣れないな、とレイは思いつつ、野営の準備を整えていく。

 ワイバーン・レックスは強敵だったが、倒すことができた。
 この調子で魔将ドラギースも倒すことができればいいな、と思いつつも少し力を浪費しただけで妖精の体から人間に戻ってしまうのは小さからぬ弱点だな、と己を分析するレイであった。
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