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第5章:新たな旅立ち
第57話:竜、討伐
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竜の胸元の鱗は剥がれた。ならば、そこを狙うだけのこと。
竜が放った火炎を躱し、反撃に聖桜剣を振るう。聖桜剣から黄金の波動が放たれる。炎を放ったばかりの竜は即座に次の炎を放つことをできない。
真っ直ぐに飛ぶ黄金の波動は竜の胸元を直撃するかと思われたが、竜は体を動かし、命中する箇所を別の箇所に変えた。硬い鱗に阻まれ、ダメージは通らない。
怒り心頭といった様子の竜は再度、炎を放ってきて、ナハトは慌ててこれを回避する。
竜とて、でくのぼうではない。弱点を素直に狙われてくれる程、愚かではないか。ナハトはそう思いながらも再度の黄金の波動を放つ。周りではグレースとアイネがそれぞれ風刃と氷雪を放ち、イーニッドが隙あらば近付いて拳をお見舞いせんと様子を伺う。
四人がかりでかかる攻撃に竜は防御が間に合わなくなってきていた。吐き出す炎も脅威ではあるのだが、そう簡単に喰らうこともない。
黄金の波動、風刃、氷雪の波動。三つの攻撃が三方向から同時に放たれる。無論、ナハトたちが息を合わせた結果だ。
竜は火炎を吐き、氷雪の波動を掻き消した。しかし、黄金の波動と風刃まで対処する余裕はなかった。黄金の波動と風刃が竜の胸元、鱗が剥がれた箇所に命中する。
皮膚を風の刃が裂き、黄金の波動が裂けたところに命中し、肉をえぐる。これには流石の竜も苦悶の声を上げた。
イーニッドが今が好機と見たのか駆け出し、飛ぶ。斬り裂かれた皮膚目掛けて巨大な拳のオーラを纏ったガントレットを、叩き付ける。
竜は絶叫を上げ、反撃もままならず、イーニッドが無事、地面に着地する。今、竜は苦しみにのたうち回っている。 攻めるのならこの機を逃す手はない。ナハトは黄金の光刃を両手でしっかり握り締めると、竜に向かって駆け出す。遠距離から黄金の波動を放つことでも攻撃できるが、やはり威力は直接、この剣を叩き付けた方が大きい。地を蹴り、飛び上がり、竜の胸元に肉薄する。
「うおおおおおおっ!」
気合の声を叫びながら、黄金の光刃をあらわになっている皮膚に突き立てる。黄金の光刃は胸元を貫通し、竜の体内に深々と突き刺さる。
竜が再び絶叫する。ダメージは通っている。
だが、相手は生物の中で頂点に君臨する最強種、竜。それだけで簡単にやられてはくれない。
ナハトは着地すると竜を見上げる。胸元の傷から血をしたたり流しながらも、竜は未だ、闘志が衰えた様子を見せない。
再度、その口から炎が放たれ、ナハトを狙う。だが、その勢いは先程より明らかに衰えが見えた。胸の傷が響いているのだろう。ナハトは後退してこれを回避すると、叫んだ。
「次は足だ! 右足を狙うぞ!」
イーニッドが頷き、駆け出す。グレースとアイネも了承した様子だった。ナハトも再び前進し、渾身の力を込めて竜の右足を斬り付ける。
直後、そこから離れ、イーニッドが拳を右足に叩き付ける。ナハトとイーニッド目掛けて竜は火炎を放ったが、その隙にグレースとアイネの攻撃が右足に命中する。
四連撃。短いスパンで受け続けた攻撃に右足の竜の鱗も剥がれる。こうなればもう、後は攻めるだけだ。
グレースとアイネも遠距離攻撃をやめて前進してくる。ナハトが斬り、イーニッドが殴り、グレースが斬り、アイネが斬る。竜の右足に連続して攻撃を浴びせる。
竜は絶叫し、傷ついた体で狂ったように炎を吐きまくるがそれに当たるナハトたちではない。危ういところもあったが、なんとか躱し続ける。
ナハトの聖桜剣が血まみれの右足に再び突き刺さる。
これが決め手となり、竜は右足の支えを失い、右側に倒れ込む。
地面に倒れ込んだ竜。その頭部が容易に狙える位置にまで降りてきている。四人がかりで頭部に向かって攻撃を仕掛ける。グレースとアイネが斬り掛かり、イーニッドが殴りかかり、ナハトはジャンプし、竜の頭の上に飛び乗るとその頭に向かって上から黄金の光刃を突き立てた。
脳天に突き立てられた刃に竜は力なく悲鳴を上げ、そして、ついに、ついに、動かなくなった。
その瞳がゆっくりと閉じられる。
竜の頭の上から飛び降りたナハトは着地し、竜の様子を油断なく伺う。竜が再び動き出すことはなかった。「そんな馬鹿な……」と声がした。声の方向を見れば想獣使いの女、リリアーヌが呆然とした面持ちでこちらを見ていた。
「そんな……竜を倒すなんて……そんなの、あり得ない……!」
信じられない、とばかりにリリアーヌは呟く。ナハトはその姿を見据え、聖桜剣を構えた。
「アンタが呼んだ竜は倒れた。さあ、どうする? 次はアンタが俺たちの相手をしてくれるのか?」
ナハトの挑発するような言葉にリリアーヌはキッと、ナハトを睨んだが、すぐにその表情も仏頂面に戻ると「それは無理ですね」と言った。
「私には竜を倒す程、強い者と直接戦えるだけの力はありません。新たに竜を召喚しようにも、今の竜の召喚でこの幻想具の想力はほとんど使い切ってしまった」
そう言い、リリアーヌは手に持つ鞭を示す。あれだけの力を持った竜を召喚したのだから、それはさぞかし想力を消費したことだろう。
もう、新たに竜を召喚することはかなわない。ならば、たしかに目の前の女はナハトたちの敵ではない。
それでもナハトは油断せずにリリアーヌに剣を向ける。リリアーヌはナハトたちを一瞥する。
「悔しいですが、私の敗北ですね。ここは素直に撤退することにします」
「逃がすと思うか? ヴァルチザンの女」
グレースの鋭い声がリリアーヌに浴びせられる。
たしかに、グレースの言う通りだ。この女は想獣を自由に操る危険すぎる能力を持っている。
想獣の大群を操って町にけしかけたり、竜などという危険すぎる生物を召喚できる女。野放しにしていていい存在ではない。
ナハトも逃がすつもりはなくリリアーヌを見据えた。リリアーヌは仏頂面のまま、鞭を振るった。
攻撃してくるのか、と思ったがそれは違った。
「このくらいの低級の想獣を呼ぶくらいの想力は残っているのですよ」
その言葉と共に魔法陣が描かれ、中から数匹の想獣が飛び出してくる。それらは一斉にナハトたちに襲い掛かってきた。
そいつらは先程の竜などとは比べ物にならないくらいの雑魚だ。ナハトたちの敵ではない。
しかし、ナハトたちが新たに発生した想獣を相手にしている隙にリリアーヌは姿を消していた。「逃したか……」と悔しそうにグレースが呟く。
敵は逃してしまったが、戦いは終わった。竜との戦いは激闘だった。ナハトは聖桜剣を纏う黄金の輝きを解除すると、聖桜剣を鞘に収め息を吐いた。
「ふぅ……竜との戦い、危ないところだったけど、なんとかなったな」
「ま、この天才、アイネ様にとって竜なんて敵じゃないってことね」
「わたしも竜と戦えて、いい経験になったぞ!」
竜は倒れ、敵は去った。緊張感が解けたのだろう。アイネとイーニッドが笑顔を見せる。後方にいたドラセナとイヴも前に出てくる。
「ナハト、みんな……大丈夫?」
「傷を負ってる人は言って下さいね、治しますから」
ドラセナの言葉に「大丈夫、大丈夫」とナハトは答える。そんなに深手を負った者はいなかったが、小さなかすり傷などは負っていたのでみんな素直にイヴの治癒杖キュアでの治療を受ける。
安心してくると竜を倒した、ということへの達成感がナハトの胸の中に沸き上がってきた。
俺たちはあれだけ強い竜を倒せるくらいに強いんだな……、と思うと悪い気分はしない。アイネ程、露骨に勝ち誇ることはしないが勝利を噛みしめるくらいの気持ちはナハトにもあった。
治癒杖は傷は治せても体力までは治せない。竜との戦いでみんな疲れ切っていたのでその場でしばらく休憩することにした。
ナハトも疲労困憊で地面に尻をつけていたが、視線を感じたので見ればイヴが笑みを浮かべてナハトを見ていた。「何か用か、イヴ?」とナハトが訊ねるとイヴはハッとしたように目を見開き「いえ……」と答える。
「ナハト様はやはり桜の勇者なんだな~、って思いまして」
「そんな、何を今更」
ナハトの口元にも笑みがこぼれる。これまでで自分が桜の勇者だと言うことは分かりきっていた話ではないか。イヴは言葉を続ける。
「最初にお会いした時に言ったじゃないですか、桜の勇者は邪竜をも打ち倒す、と」
「ああ、そういえば」
そんなことも言っていたな。桜の勇者が放つ閃光は邪竜をも一撃で打ち倒すとかなんとか。
「やはりナハト様はこの世界の秩序を守ってくれる。悪を打ち倒す桜の勇者なのだと改めて確信したものですから……」
それは褒められすぎだ。「言い過ぎだよ」とナハトは苦笑いする。今回だって竜を倒したのは自分一人ではない。みんなの協力あってのものなのだ。
ナハトは空を見上げた。雲一つない快晴の空。気持ちが晴れることを感じ、ナハトは仲間たちの方を向いた。
「王都にはあとどれくらいかかるんだ?」
アイネが「もうここまで来れば目と鼻の先よ」と答える。「明日には辿り着けるのではないでしょうか」とイヴも言う。
「そうか……ついに王都の側まで来ているんだな……」
感慨深くナハトは呟く。この世界に来て、ドラセナに出会って、それから旅の目的地としてきた王都、クラフトシティ。それがすぐ側まで来ている。どんな町なんだろうな、とナハトはまだ見ぬ王都へ思いを馳せた。
竜が放った火炎を躱し、反撃に聖桜剣を振るう。聖桜剣から黄金の波動が放たれる。炎を放ったばかりの竜は即座に次の炎を放つことをできない。
真っ直ぐに飛ぶ黄金の波動は竜の胸元を直撃するかと思われたが、竜は体を動かし、命中する箇所を別の箇所に変えた。硬い鱗に阻まれ、ダメージは通らない。
怒り心頭といった様子の竜は再度、炎を放ってきて、ナハトは慌ててこれを回避する。
竜とて、でくのぼうではない。弱点を素直に狙われてくれる程、愚かではないか。ナハトはそう思いながらも再度の黄金の波動を放つ。周りではグレースとアイネがそれぞれ風刃と氷雪を放ち、イーニッドが隙あらば近付いて拳をお見舞いせんと様子を伺う。
四人がかりでかかる攻撃に竜は防御が間に合わなくなってきていた。吐き出す炎も脅威ではあるのだが、そう簡単に喰らうこともない。
黄金の波動、風刃、氷雪の波動。三つの攻撃が三方向から同時に放たれる。無論、ナハトたちが息を合わせた結果だ。
竜は火炎を吐き、氷雪の波動を掻き消した。しかし、黄金の波動と風刃まで対処する余裕はなかった。黄金の波動と風刃が竜の胸元、鱗が剥がれた箇所に命中する。
皮膚を風の刃が裂き、黄金の波動が裂けたところに命中し、肉をえぐる。これには流石の竜も苦悶の声を上げた。
イーニッドが今が好機と見たのか駆け出し、飛ぶ。斬り裂かれた皮膚目掛けて巨大な拳のオーラを纏ったガントレットを、叩き付ける。
竜は絶叫を上げ、反撃もままならず、イーニッドが無事、地面に着地する。今、竜は苦しみにのたうち回っている。 攻めるのならこの機を逃す手はない。ナハトは黄金の光刃を両手でしっかり握り締めると、竜に向かって駆け出す。遠距離から黄金の波動を放つことでも攻撃できるが、やはり威力は直接、この剣を叩き付けた方が大きい。地を蹴り、飛び上がり、竜の胸元に肉薄する。
「うおおおおおおっ!」
気合の声を叫びながら、黄金の光刃をあらわになっている皮膚に突き立てる。黄金の光刃は胸元を貫通し、竜の体内に深々と突き刺さる。
竜が再び絶叫する。ダメージは通っている。
だが、相手は生物の中で頂点に君臨する最強種、竜。それだけで簡単にやられてはくれない。
ナハトは着地すると竜を見上げる。胸元の傷から血をしたたり流しながらも、竜は未だ、闘志が衰えた様子を見せない。
再度、その口から炎が放たれ、ナハトを狙う。だが、その勢いは先程より明らかに衰えが見えた。胸の傷が響いているのだろう。ナハトは後退してこれを回避すると、叫んだ。
「次は足だ! 右足を狙うぞ!」
イーニッドが頷き、駆け出す。グレースとアイネも了承した様子だった。ナハトも再び前進し、渾身の力を込めて竜の右足を斬り付ける。
直後、そこから離れ、イーニッドが拳を右足に叩き付ける。ナハトとイーニッド目掛けて竜は火炎を放ったが、その隙にグレースとアイネの攻撃が右足に命中する。
四連撃。短いスパンで受け続けた攻撃に右足の竜の鱗も剥がれる。こうなればもう、後は攻めるだけだ。
グレースとアイネも遠距離攻撃をやめて前進してくる。ナハトが斬り、イーニッドが殴り、グレースが斬り、アイネが斬る。竜の右足に連続して攻撃を浴びせる。
竜は絶叫し、傷ついた体で狂ったように炎を吐きまくるがそれに当たるナハトたちではない。危ういところもあったが、なんとか躱し続ける。
ナハトの聖桜剣が血まみれの右足に再び突き刺さる。
これが決め手となり、竜は右足の支えを失い、右側に倒れ込む。
地面に倒れ込んだ竜。その頭部が容易に狙える位置にまで降りてきている。四人がかりで頭部に向かって攻撃を仕掛ける。グレースとアイネが斬り掛かり、イーニッドが殴りかかり、ナハトはジャンプし、竜の頭の上に飛び乗るとその頭に向かって上から黄金の光刃を突き立てた。
脳天に突き立てられた刃に竜は力なく悲鳴を上げ、そして、ついに、ついに、動かなくなった。
その瞳がゆっくりと閉じられる。
竜の頭の上から飛び降りたナハトは着地し、竜の様子を油断なく伺う。竜が再び動き出すことはなかった。「そんな馬鹿な……」と声がした。声の方向を見れば想獣使いの女、リリアーヌが呆然とした面持ちでこちらを見ていた。
「そんな……竜を倒すなんて……そんなの、あり得ない……!」
信じられない、とばかりにリリアーヌは呟く。ナハトはその姿を見据え、聖桜剣を構えた。
「アンタが呼んだ竜は倒れた。さあ、どうする? 次はアンタが俺たちの相手をしてくれるのか?」
ナハトの挑発するような言葉にリリアーヌはキッと、ナハトを睨んだが、すぐにその表情も仏頂面に戻ると「それは無理ですね」と言った。
「私には竜を倒す程、強い者と直接戦えるだけの力はありません。新たに竜を召喚しようにも、今の竜の召喚でこの幻想具の想力はほとんど使い切ってしまった」
そう言い、リリアーヌは手に持つ鞭を示す。あれだけの力を持った竜を召喚したのだから、それはさぞかし想力を消費したことだろう。
もう、新たに竜を召喚することはかなわない。ならば、たしかに目の前の女はナハトたちの敵ではない。
それでもナハトは油断せずにリリアーヌに剣を向ける。リリアーヌはナハトたちを一瞥する。
「悔しいですが、私の敗北ですね。ここは素直に撤退することにします」
「逃がすと思うか? ヴァルチザンの女」
グレースの鋭い声がリリアーヌに浴びせられる。
たしかに、グレースの言う通りだ。この女は想獣を自由に操る危険すぎる能力を持っている。
想獣の大群を操って町にけしかけたり、竜などという危険すぎる生物を召喚できる女。野放しにしていていい存在ではない。
ナハトも逃がすつもりはなくリリアーヌを見据えた。リリアーヌは仏頂面のまま、鞭を振るった。
攻撃してくるのか、と思ったがそれは違った。
「このくらいの低級の想獣を呼ぶくらいの想力は残っているのですよ」
その言葉と共に魔法陣が描かれ、中から数匹の想獣が飛び出してくる。それらは一斉にナハトたちに襲い掛かってきた。
そいつらは先程の竜などとは比べ物にならないくらいの雑魚だ。ナハトたちの敵ではない。
しかし、ナハトたちが新たに発生した想獣を相手にしている隙にリリアーヌは姿を消していた。「逃したか……」と悔しそうにグレースが呟く。
敵は逃してしまったが、戦いは終わった。竜との戦いは激闘だった。ナハトは聖桜剣を纏う黄金の輝きを解除すると、聖桜剣を鞘に収め息を吐いた。
「ふぅ……竜との戦い、危ないところだったけど、なんとかなったな」
「ま、この天才、アイネ様にとって竜なんて敵じゃないってことね」
「わたしも竜と戦えて、いい経験になったぞ!」
竜は倒れ、敵は去った。緊張感が解けたのだろう。アイネとイーニッドが笑顔を見せる。後方にいたドラセナとイヴも前に出てくる。
「ナハト、みんな……大丈夫?」
「傷を負ってる人は言って下さいね、治しますから」
ドラセナの言葉に「大丈夫、大丈夫」とナハトは答える。そんなに深手を負った者はいなかったが、小さなかすり傷などは負っていたのでみんな素直にイヴの治癒杖キュアでの治療を受ける。
安心してくると竜を倒した、ということへの達成感がナハトの胸の中に沸き上がってきた。
俺たちはあれだけ強い竜を倒せるくらいに強いんだな……、と思うと悪い気分はしない。アイネ程、露骨に勝ち誇ることはしないが勝利を噛みしめるくらいの気持ちはナハトにもあった。
治癒杖は傷は治せても体力までは治せない。竜との戦いでみんな疲れ切っていたのでその場でしばらく休憩することにした。
ナハトも疲労困憊で地面に尻をつけていたが、視線を感じたので見ればイヴが笑みを浮かべてナハトを見ていた。「何か用か、イヴ?」とナハトが訊ねるとイヴはハッとしたように目を見開き「いえ……」と答える。
「ナハト様はやはり桜の勇者なんだな~、って思いまして」
「そんな、何を今更」
ナハトの口元にも笑みがこぼれる。これまでで自分が桜の勇者だと言うことは分かりきっていた話ではないか。イヴは言葉を続ける。
「最初にお会いした時に言ったじゃないですか、桜の勇者は邪竜をも打ち倒す、と」
「ああ、そういえば」
そんなことも言っていたな。桜の勇者が放つ閃光は邪竜をも一撃で打ち倒すとかなんとか。
「やはりナハト様はこの世界の秩序を守ってくれる。悪を打ち倒す桜の勇者なのだと改めて確信したものですから……」
それは褒められすぎだ。「言い過ぎだよ」とナハトは苦笑いする。今回だって竜を倒したのは自分一人ではない。みんなの協力あってのものなのだ。
ナハトは空を見上げた。雲一つない快晴の空。気持ちが晴れることを感じ、ナハトは仲間たちの方を向いた。
「王都にはあとどれくらいかかるんだ?」
アイネが「もうここまで来れば目と鼻の先よ」と答える。「明日には辿り着けるのではないでしょうか」とイヴも言う。
「そうか……ついに王都の側まで来ているんだな……」
感慨深くナハトは呟く。この世界に来て、ドラセナに出会って、それから旅の目的地としてきた王都、クラフトシティ。それがすぐ側まで来ている。どんな町なんだろうな、とナハトはまだ見ぬ王都へ思いを馳せた。
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