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第7章:リアライド王国・冒険編
第78話:ヴァルチザン再来
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暴走した戦闘用ゴーレムに黄金の光刃で斬り掛かる。ゴーレムは屈強な両腕でそれを受け止めていたが、ナハトの攻勢の激しさにやがて受け止め切れなくなり、その胴体に黄金の光刃が喰い込む。
戦闘用ゴーレムはそれでダウンし、大地にひれ伏した。ふぅ、とナハトは一息つく。
だが、休んでいる暇はない。暴れまわっているゴーレムは一体だけではないのだ。何があったのか大量のゴーレムたちが一気に暴れ出している。
轟音が響いたから振り向けばイーニッドが戦闘用ゴーレムの一体を殴り倒したところだった。
「イーニッド、大丈夫か?」
「なんとかな。しかし、どういうことだ……? ゴーレムたちが暴れ出すなど……」
ゴーレムを倒しつつもイーニッドも不思議で仕方がないといった様子だった。
ナハトやイーニッドに続き、アイネ、イヴ、グレース、ドラセナも宿から出て来る。「これは……どういうことだ?」とグレースが言うが、訊きたいのはナハトの方だった。
「分からないよ、とにかく、ゴーレムたちを止めないと!」
「アタシたちの出番ね!」
アイネが強気に氷雪剣を構えて見せる。分散して事に当たった方がいいかとも思ったが、一行はひとかたまりになって町を移動し、暴走するゴーレムたちの対処に当たった。
完全に無傷で倒せる程、ゴーレムたちは弱くはなかったが、治癒杖を持つイヴがいてくれるので多少の怪我はなんとでもなった。
ゴーレムの一体を斬り伏せた直後だった。背後に気配を感じ、「ナハト、危ない!」とドラセナの声が響く。
振り向かず、前に駆け出す。つい先程までナハトがいたところに紅蓮の太刀が振り下ろされた。
ナハトは体を向き直し、太刀の方を向く。見間違えようもない。
そこにはヴァルチザン四獅の一人、剣鬼ルゼが紅蓮の太刀を片手に立っていた。
「フッ、よく躱した……」
ルゼはニヤリ、と笑う。そこにいるのはルゼ一人ではない。ゴルドニアース傭兵団の人間やメリクリウスまでいる。
何故、このヴァルチザンの連中がここに? ナハトの脳裏は疑問でいっぱいになるがこの男たちがいるのなら、もしや、ゴーレムの暴走も……!? そこまで考えたナハトは声に出していた。
「まさか……ゴーレムの暴走もお前たちのしわざか!?」
「それはちょっと違うわね、お兄ちゃん」
ナハトの言葉にメリクリウスがクスクス、と笑って答える。相変わらず人を小馬鹿にした嘲笑だった。
「ま、便乗させてもらっているのは事実だけど……ドラセナ・エリアスを渡してもらうわよ」
「お前たちは……まだドラセナを狙って!」
ナハトはルゼたちを睨み付ける。
そんなことは構わないとばかりにルゼがナハトに斬り掛かってくる。紅蓮の太刀の一振りを黄金の光刃で受け止める。
メリクリウスもドラセナを狙って光芒剣ステラを振るう。宙空を斬った短剣から放たれた虹色の光線はドラセナに届く前にグレースのヴェントハルバードに弾き落とされた。
ゴルドニアース傭兵団の面々も襲い掛かってくる。ゴーレムだけでも大変なこの時に! ……と思いながらも相手をしない訳にはいかない。
アイネとグレースが二人がかりでメリクリウスと戦い、イーニッドは雑魚の傭兵たちの相手、ナハトとルゼとの戦いに、突入していた。
ルゼの超高速の斬撃を聖桜剣でなんとか受け止める。実力差は以前とそう変わりはない。
自分よりもこの男は強い……! ナハトはルゼを相手にしながら、それを実感する。
以前はドラセナから力を分けて貰って勝てた。しかし、今はそれがない。ルゼの攻勢をナハトは必死にしのいだ。
アイネとグレースもメリクリウスの強さの前に苦戦を強いられていたが、二人がかりならば、メリクリウスは倒せない敵でもなかった。
メリクリウスが振るう虹の短剣の斬撃をハルバードと氷雪剣が受け止め、隙を見つけ、斬り返す。
メリクリウスは苛立ちに表情を歪ませた。雑魚相手のイーニッドの戦いは圧倒的と言っていい。
元より雑魚のゴルドニアース傭兵団の人間にイーニッドが止められるはずもない。
次々に幻想具のガントレットの強烈な一撃を受けてダウンしていく。
となれば、後はナハトとルゼの戦いだった。なんとかルゼの攻勢にナハトは聖桜剣で付いていく。そんなナハトの様子を見て、ルゼは楽しげに笑みの表情を浮かべる。
「そうだ! そうこなくてはな! 桜の勇者! さあ、もっとオレを楽しませてくれ!」
ルゼはそう言って紅蓮の太刀を振るい続ける。
やがて雑魚のゴルドニアース傭兵団のメンバーを倒したイーニッドがナハトの救援に加わり、二人がかりでルゼの相手をした。
二対一、という状況になってもルゼは顔色一つ変えず、むしろ楽しみが増えたとばかりに嬉しげな顔をして、ナハトとイーニッドに太刀を振るう。
ナハトの聖桜剣とイーニッドのガントレットの一撃も反撃に放たれ、それをルゼはあるいは躱し、あるいは受け止め、しのぐ。
グレースとアイネを同時に相手取るメリクリウスはルゼ程、余裕のある状況ではなかった。
メリクリウスは強い。しかし、ルゼに比べれば一歩劣るのは否めない。二人の人間を相手にほぼ互角に戦えるだけの力量はあるが、やや押されがちになっていた。
メリクリウスが振るう虹の短剣の軌跡をグレースのハルバードが受け止め、その隙にアイネが氷雪剣を振るう。
メリクリウスは身を翻し、後ろに飛んでそれを回避する。
「ペルトーセでの借りを返させてもらうわよ!」
そう言いながら、氷雪剣を振るうアイネの気合いは十分といったところだ。
メリクリウスはそれを聞いても余裕の表情を浮かべ続けていたが、徐々にその余裕がなくなってきている。
一方でナハト&イーニッドVSルゼの戦いの方は二対一でありながらもルゼの方が優位に戦いを進めていた。
ナハトもイーニッドもちょっとでも気を抜けばルゼの紅蓮の太刀に斬り裂かれそうになる。
絶え間ない攻勢を加えることで数の優位をいかそうとするも、そんなものをひっくり返してしまうくらいルゼは強かった。
振るわれた紅蓮の太刀を黄金の光刃が受け止める。直後には紅蓮の太刀が引かれ、自分に向けて迫り来るガントレットを弾き返す。
そして、次の瞬間にはもう紅蓮の太刀がナハトたちに向けて振るわれているのだ。
超高速の剣技にナハトもイーニッドも驚嘆するしかない。
「どうした!? 二人がかりでこの程度か!?」
ルゼは笑みを浮かべて紅蓮の太刀を振るう。悔しいが、自分たちでは二人がかりでもこの男に押されている。それを実感する。
しかし、それでも勝たなければならないのだ。自分たちは負ける訳にはいかないのだ。
ナハトの聖桜剣とルゼの紅蓮の太刀がつばぜり合う。アイネの氷雪剣とメリクリウスの虹の短剣がつばぜり合う。その隙を狙ってイーニッドがルゼを、グレースがメリクリウスを攻撃しようとしたその瞬間、その轟音は巻き起こった。
研究所のあった区画から轟音が響き渡り、何か巨大なものが大地を踏みしめて歩いてくる気配が伝わってくる。
いきなりのことにナハトたちは一旦、戦いを中断して、そちらを見た。
そして、我が目を疑った。
見れば、それは5メートル近い全高を誇る巨大ゴーレムだった。ノシノシ、と地面を踏みしめ、巨大ゴーレムがこちらに向かってくる。
ルゼとメリクリウスはそれを確認すると身を翻し、後方に下がった。「逃げる気か!」とナハトがそんな二人に声をかける。
「フン! 不本意だが、あの化け物の巻き添えを喰らう訳にはいかないんでな!」
「ここはあのゴーレムに役目を譲ることにするわ」
ルゼとメリクリウスはそう言って、去って行く。
そうしている間にも巨大ゴーレムはナハトたちの元に迫り来る。巨大ゴーレムにナハトたちに対する敵意があることは明白だった。
「何なんだよ……この化け物みたいなゴーレムは……!」
ナハトが毒づく。こんなものまでこの町では研究されていたというのか。
ゴーレムたちの集団暴走、さらにヴァルチザンの連中の襲撃と来て、次は巨大ゴーレムと来た。一体、この町で何が起こっているのか。
ナハトは疑問に思ったが、その疑問に答えられる者はいない。そして、そんな疑問を考え込んでいる暇もありはしない。
「ナハト殿! 来るぞ!」
グレースが警告の声を発する。言われるまでもない。ナハトたちは皆、戦闘体勢に入り、構えを取る。
ルゼやメリクリウスが取ったように逃げ出す、という手はナハトたちにはない。
こんな巨大ゴーレムを放置してこの町から逃げ出したりしてしまってはこの巨大ゴーレムのせいでこの町にどれだけの損害が出てしまうのか、想像するだけに恐ろしい。
この巨大ゴーレムは自分たちが止めなければならない。
巨大ゴーレムはナハトたちを射程距離内に収める。巨大ゴーレムとの戦いが始まろうとしていた。
戦闘用ゴーレムはそれでダウンし、大地にひれ伏した。ふぅ、とナハトは一息つく。
だが、休んでいる暇はない。暴れまわっているゴーレムは一体だけではないのだ。何があったのか大量のゴーレムたちが一気に暴れ出している。
轟音が響いたから振り向けばイーニッドが戦闘用ゴーレムの一体を殴り倒したところだった。
「イーニッド、大丈夫か?」
「なんとかな。しかし、どういうことだ……? ゴーレムたちが暴れ出すなど……」
ゴーレムを倒しつつもイーニッドも不思議で仕方がないといった様子だった。
ナハトやイーニッドに続き、アイネ、イヴ、グレース、ドラセナも宿から出て来る。「これは……どういうことだ?」とグレースが言うが、訊きたいのはナハトの方だった。
「分からないよ、とにかく、ゴーレムたちを止めないと!」
「アタシたちの出番ね!」
アイネが強気に氷雪剣を構えて見せる。分散して事に当たった方がいいかとも思ったが、一行はひとかたまりになって町を移動し、暴走するゴーレムたちの対処に当たった。
完全に無傷で倒せる程、ゴーレムたちは弱くはなかったが、治癒杖を持つイヴがいてくれるので多少の怪我はなんとでもなった。
ゴーレムの一体を斬り伏せた直後だった。背後に気配を感じ、「ナハト、危ない!」とドラセナの声が響く。
振り向かず、前に駆け出す。つい先程までナハトがいたところに紅蓮の太刀が振り下ろされた。
ナハトは体を向き直し、太刀の方を向く。見間違えようもない。
そこにはヴァルチザン四獅の一人、剣鬼ルゼが紅蓮の太刀を片手に立っていた。
「フッ、よく躱した……」
ルゼはニヤリ、と笑う。そこにいるのはルゼ一人ではない。ゴルドニアース傭兵団の人間やメリクリウスまでいる。
何故、このヴァルチザンの連中がここに? ナハトの脳裏は疑問でいっぱいになるがこの男たちがいるのなら、もしや、ゴーレムの暴走も……!? そこまで考えたナハトは声に出していた。
「まさか……ゴーレムの暴走もお前たちのしわざか!?」
「それはちょっと違うわね、お兄ちゃん」
ナハトの言葉にメリクリウスがクスクス、と笑って答える。相変わらず人を小馬鹿にした嘲笑だった。
「ま、便乗させてもらっているのは事実だけど……ドラセナ・エリアスを渡してもらうわよ」
「お前たちは……まだドラセナを狙って!」
ナハトはルゼたちを睨み付ける。
そんなことは構わないとばかりにルゼがナハトに斬り掛かってくる。紅蓮の太刀の一振りを黄金の光刃で受け止める。
メリクリウスもドラセナを狙って光芒剣ステラを振るう。宙空を斬った短剣から放たれた虹色の光線はドラセナに届く前にグレースのヴェントハルバードに弾き落とされた。
ゴルドニアース傭兵団の面々も襲い掛かってくる。ゴーレムだけでも大変なこの時に! ……と思いながらも相手をしない訳にはいかない。
アイネとグレースが二人がかりでメリクリウスと戦い、イーニッドは雑魚の傭兵たちの相手、ナハトとルゼとの戦いに、突入していた。
ルゼの超高速の斬撃を聖桜剣でなんとか受け止める。実力差は以前とそう変わりはない。
自分よりもこの男は強い……! ナハトはルゼを相手にしながら、それを実感する。
以前はドラセナから力を分けて貰って勝てた。しかし、今はそれがない。ルゼの攻勢をナハトは必死にしのいだ。
アイネとグレースもメリクリウスの強さの前に苦戦を強いられていたが、二人がかりならば、メリクリウスは倒せない敵でもなかった。
メリクリウスが振るう虹の短剣の斬撃をハルバードと氷雪剣が受け止め、隙を見つけ、斬り返す。
メリクリウスは苛立ちに表情を歪ませた。雑魚相手のイーニッドの戦いは圧倒的と言っていい。
元より雑魚のゴルドニアース傭兵団の人間にイーニッドが止められるはずもない。
次々に幻想具のガントレットの強烈な一撃を受けてダウンしていく。
となれば、後はナハトとルゼの戦いだった。なんとかルゼの攻勢にナハトは聖桜剣で付いていく。そんなナハトの様子を見て、ルゼは楽しげに笑みの表情を浮かべる。
「そうだ! そうこなくてはな! 桜の勇者! さあ、もっとオレを楽しませてくれ!」
ルゼはそう言って紅蓮の太刀を振るい続ける。
やがて雑魚のゴルドニアース傭兵団のメンバーを倒したイーニッドがナハトの救援に加わり、二人がかりでルゼの相手をした。
二対一、という状況になってもルゼは顔色一つ変えず、むしろ楽しみが増えたとばかりに嬉しげな顔をして、ナハトとイーニッドに太刀を振るう。
ナハトの聖桜剣とイーニッドのガントレットの一撃も反撃に放たれ、それをルゼはあるいは躱し、あるいは受け止め、しのぐ。
グレースとアイネを同時に相手取るメリクリウスはルゼ程、余裕のある状況ではなかった。
メリクリウスは強い。しかし、ルゼに比べれば一歩劣るのは否めない。二人の人間を相手にほぼ互角に戦えるだけの力量はあるが、やや押されがちになっていた。
メリクリウスが振るう虹の短剣の軌跡をグレースのハルバードが受け止め、その隙にアイネが氷雪剣を振るう。
メリクリウスは身を翻し、後ろに飛んでそれを回避する。
「ペルトーセでの借りを返させてもらうわよ!」
そう言いながら、氷雪剣を振るうアイネの気合いは十分といったところだ。
メリクリウスはそれを聞いても余裕の表情を浮かべ続けていたが、徐々にその余裕がなくなってきている。
一方でナハト&イーニッドVSルゼの戦いの方は二対一でありながらもルゼの方が優位に戦いを進めていた。
ナハトもイーニッドもちょっとでも気を抜けばルゼの紅蓮の太刀に斬り裂かれそうになる。
絶え間ない攻勢を加えることで数の優位をいかそうとするも、そんなものをひっくり返してしまうくらいルゼは強かった。
振るわれた紅蓮の太刀を黄金の光刃が受け止める。直後には紅蓮の太刀が引かれ、自分に向けて迫り来るガントレットを弾き返す。
そして、次の瞬間にはもう紅蓮の太刀がナハトたちに向けて振るわれているのだ。
超高速の剣技にナハトもイーニッドも驚嘆するしかない。
「どうした!? 二人がかりでこの程度か!?」
ルゼは笑みを浮かべて紅蓮の太刀を振るう。悔しいが、自分たちでは二人がかりでもこの男に押されている。それを実感する。
しかし、それでも勝たなければならないのだ。自分たちは負ける訳にはいかないのだ。
ナハトの聖桜剣とルゼの紅蓮の太刀がつばぜり合う。アイネの氷雪剣とメリクリウスの虹の短剣がつばぜり合う。その隙を狙ってイーニッドがルゼを、グレースがメリクリウスを攻撃しようとしたその瞬間、その轟音は巻き起こった。
研究所のあった区画から轟音が響き渡り、何か巨大なものが大地を踏みしめて歩いてくる気配が伝わってくる。
いきなりのことにナハトたちは一旦、戦いを中断して、そちらを見た。
そして、我が目を疑った。
見れば、それは5メートル近い全高を誇る巨大ゴーレムだった。ノシノシ、と地面を踏みしめ、巨大ゴーレムがこちらに向かってくる。
ルゼとメリクリウスはそれを確認すると身を翻し、後方に下がった。「逃げる気か!」とナハトがそんな二人に声をかける。
「フン! 不本意だが、あの化け物の巻き添えを喰らう訳にはいかないんでな!」
「ここはあのゴーレムに役目を譲ることにするわ」
ルゼとメリクリウスはそう言って、去って行く。
そうしている間にも巨大ゴーレムはナハトたちの元に迫り来る。巨大ゴーレムにナハトたちに対する敵意があることは明白だった。
「何なんだよ……この化け物みたいなゴーレムは……!」
ナハトが毒づく。こんなものまでこの町では研究されていたというのか。
ゴーレムたちの集団暴走、さらにヴァルチザンの連中の襲撃と来て、次は巨大ゴーレムと来た。一体、この町で何が起こっているのか。
ナハトは疑問に思ったが、その疑問に答えられる者はいない。そして、そんな疑問を考え込んでいる暇もありはしない。
「ナハト殿! 来るぞ!」
グレースが警告の声を発する。言われるまでもない。ナハトたちは皆、戦闘体勢に入り、構えを取る。
ルゼやメリクリウスが取ったように逃げ出す、という手はナハトたちにはない。
こんな巨大ゴーレムを放置してこの町から逃げ出したりしてしまってはこの巨大ゴーレムのせいでこの町にどれだけの損害が出てしまうのか、想像するだけに恐ろしい。
この巨大ゴーレムは自分たちが止めなければならない。
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