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6.やはりそのままの意味ですはい
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『座右の銘』『特異スキル』……どこかで、というかさっき聞いたばかりの単語だな。
で、召喚された異世界人は答えた座右の銘によってそれぞれ異なる特異スキルを得る……って事らしい。
同じような事をつい先程も違う声が言っていた。マナ曰く『神のお告げ』とかいうやつだ。
俺は無機質なそれが言っていた事を思い返す。
『ヤクシジ・ライは召喚ボーナスとして特異スキル【回復唾液】を取得』
……これってつまり、
「だからさっきライが聞いた『神のお告げ』が本当なら、たぶん『唾付けときゃ治る』が座右の銘で、それに対する特異スキルが【回復唾液】って事……だよね?」
マナ、シンプルに纏めてくれてありがとう……。
「ところで、『唾付けときゃ治る』って何? どういう意味?」
「え?」
「特異スキルになったって事は何かしら意味がある貴方にとっての座右の銘なんだよね?」
……まずい。まあ、そうだよね、そういう世界ならそういう受け取り方するよね。
でも何を隠そう、座右の銘を聞かれた時、俺は完全に寝ぼけていた!
そして何故か俺は、敬愛なるうちの婆ちゃんの口癖を言い放ってしまった!
うちの婆ちゃんは一人田舎暮らしで、俺が子供の頃は夏休みと冬休みのほとんどをそこで過ごした。
都会の病院勤めで忙しい両親に代わってよく世話を焼いてくれて。
ヤンチャ盛りで擦り傷の絶えなかった俺にぺっと唾を吐き付けよく言いつけてきたのだ。
「その程度の怪我、唾付けときゃ治るわ!」
幼かった俺は本当にそれで治るもんだから感動して何度も怪我作っては唾付け、を繰り返したもんだ。
今思えば単に子供の皮膚治癒力が高かっただけだと思うが。
と話は逸れたが、つまり! 『唾付けときゃ治る』には────そのままの意味しかない!
しかもその効果は正直眉唾もんだ!
もちろん、座右の銘になんかなるはずないのだが……そこのシステムはよく分からないな。
とにかくなんて答えよう、と悩む沈黙に痺れを切らしたマナが怪訝そうに俺の顔を覗き込む。
「……ライ?」
「あっ、はいはい、えーとね、『唾付けときゃ治る』って言うのはね……」
何か適当に意味を見繕ってみようとも考えたが、あまりに捻りがなさすぎて何も思いつかない。
だって傷に唾を付けておけばそのうち治る、そのままの意味だ。それ以上でも以下でもない。
くそ、こうなったらもう、ありのままで勝負するしかないっ!
「キズニツバヲツケテオケバソノウチナオルというイミだよ」
「急に片言になってどうしちゃったの!?
しかも全然深い意味ないじゃん、てかそのまんまじゃん!!」
くっ、片言にしても誤魔化せなかったか……意外とこの少女、手強いぞ……。
で、召喚された異世界人は答えた座右の銘によってそれぞれ異なる特異スキルを得る……って事らしい。
同じような事をつい先程も違う声が言っていた。マナ曰く『神のお告げ』とかいうやつだ。
俺は無機質なそれが言っていた事を思い返す。
『ヤクシジ・ライは召喚ボーナスとして特異スキル【回復唾液】を取得』
……これってつまり、
「だからさっきライが聞いた『神のお告げ』が本当なら、たぶん『唾付けときゃ治る』が座右の銘で、それに対する特異スキルが【回復唾液】って事……だよね?」
マナ、シンプルに纏めてくれてありがとう……。
「ところで、『唾付けときゃ治る』って何? どういう意味?」
「え?」
「特異スキルになったって事は何かしら意味がある貴方にとっての座右の銘なんだよね?」
……まずい。まあ、そうだよね、そういう世界ならそういう受け取り方するよね。
でも何を隠そう、座右の銘を聞かれた時、俺は完全に寝ぼけていた!
そして何故か俺は、敬愛なるうちの婆ちゃんの口癖を言い放ってしまった!
うちの婆ちゃんは一人田舎暮らしで、俺が子供の頃は夏休みと冬休みのほとんどをそこで過ごした。
都会の病院勤めで忙しい両親に代わってよく世話を焼いてくれて。
ヤンチャ盛りで擦り傷の絶えなかった俺にぺっと唾を吐き付けよく言いつけてきたのだ。
「その程度の怪我、唾付けときゃ治るわ!」
幼かった俺は本当にそれで治るもんだから感動して何度も怪我作っては唾付け、を繰り返したもんだ。
今思えば単に子供の皮膚治癒力が高かっただけだと思うが。
と話は逸れたが、つまり! 『唾付けときゃ治る』には────そのままの意味しかない!
しかもその効果は正直眉唾もんだ!
もちろん、座右の銘になんかなるはずないのだが……そこのシステムはよく分からないな。
とにかくなんて答えよう、と悩む沈黙に痺れを切らしたマナが怪訝そうに俺の顔を覗き込む。
「……ライ?」
「あっ、はいはい、えーとね、『唾付けときゃ治る』って言うのはね……」
何か適当に意味を見繕ってみようとも考えたが、あまりに捻りがなさすぎて何も思いつかない。
だって傷に唾を付けておけばそのうち治る、そのままの意味だ。それ以上でも以下でもない。
くそ、こうなったらもう、ありのままで勝負するしかないっ!
「キズニツバヲツケテオケバソノウチナオルというイミだよ」
「急に片言になってどうしちゃったの!?
しかも全然深い意味ないじゃん、てかそのまんまじゃん!!」
くっ、片言にしても誤魔化せなかったか……意外とこの少女、手強いぞ……。
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