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7.物は試し、他意はない!
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マナの鋭いツッコミが炸裂したところでシン……と場が静まる。
「え、なんかこれ、私が滑ったみたいになってない?」
「滑るも何も俺たち二人しかいないしな」
「じゃなくて! 本当に唾付けて傷を治すって意味なんですか?」
「仰る通りで」
だから特異スキル名が【回復唾液】なんだろうな。
この名前、唾液ってのが変態チックだから嫌なんだけど。
今からでも変更できないか? できれば座右の銘の所から。
『弘法筆を選ばず』とか『継続は力なり』とかなんか強そうじゃない?
実際にどんな特異スキルになるかは検討つかないが。
そもそも俺の【回復唾液】ってのもどれほどの代物なのだろう?
もしかすると使ってみると結構役に立つのかもしれない。所謂ヒーラーってやつ?
物は試しだ、と自身に怪我がないか探しつつ一応マナにも聞いてみる。
「とりあえずこのスキル試してみたいんだけど、怪我してたりしない?」
「し、してないっ! ていうか、何するつもり!?」
「え、そりゃもちろん、舐めてみようかと」
「へ、変態っ!」
急に侮辱されたのでムッとしてマナに向き直るが、顔を真っ赤にしている彼女を見て怒りはサッと引いた。
それよりも恥ずかしさが込み上げる。火照りそうな頬を冷ますように俺はぶんぶんと首と両腕を一緒に横に振った。
「ち、違うから! そういうのじゃないから!
単純に俺の特異スキルがどの程度のもんか知りたいだけで!」
決して可愛い女の子をぺろぺろして喜ぶ性癖とかはないからああぁ!!!!
と叫ぶ前に勢いよく風を切る自分の右手がヒリついたのに気づく。
見れば掌にできたばかりの擦り傷があった。
石に擦った感じの怪我なので、おそらく召喚時にこの地下室の石畳にぶつけたのだろう(眠っているところを喚ばれたので覚えていないが)。
何にせよ都合がいい。俺は右手の傷をマナに突きつける。
「この傷にスキルを試してみようと思う」
まだ少し顔が赤いマナだったが、黙って頷いた。これから起こる事を見逃さまいとじっと目を凝らしている。
その視線に少し緊張するが、なに、やる事は簡単だ。掌の傷を舐めるだけ。
ええいままよ! ぺろり。
うぇっ、若干の血の味と砂利が混じる……こんな事するの、中学生以来かもしれない。
口の中に入った違和感をぺっぺっと吐き出してから右手を見てみると。
舐めた部分の傷がなんか光っていた。
「え、なんかこれ、私が滑ったみたいになってない?」
「滑るも何も俺たち二人しかいないしな」
「じゃなくて! 本当に唾付けて傷を治すって意味なんですか?」
「仰る通りで」
だから特異スキル名が【回復唾液】なんだろうな。
この名前、唾液ってのが変態チックだから嫌なんだけど。
今からでも変更できないか? できれば座右の銘の所から。
『弘法筆を選ばず』とか『継続は力なり』とかなんか強そうじゃない?
実際にどんな特異スキルになるかは検討つかないが。
そもそも俺の【回復唾液】ってのもどれほどの代物なのだろう?
もしかすると使ってみると結構役に立つのかもしれない。所謂ヒーラーってやつ?
物は試しだ、と自身に怪我がないか探しつつ一応マナにも聞いてみる。
「とりあえずこのスキル試してみたいんだけど、怪我してたりしない?」
「し、してないっ! ていうか、何するつもり!?」
「え、そりゃもちろん、舐めてみようかと」
「へ、変態っ!」
急に侮辱されたのでムッとしてマナに向き直るが、顔を真っ赤にしている彼女を見て怒りはサッと引いた。
それよりも恥ずかしさが込み上げる。火照りそうな頬を冷ますように俺はぶんぶんと首と両腕を一緒に横に振った。
「ち、違うから! そういうのじゃないから!
単純に俺の特異スキルがどの程度のもんか知りたいだけで!」
決して可愛い女の子をぺろぺろして喜ぶ性癖とかはないからああぁ!!!!
と叫ぶ前に勢いよく風を切る自分の右手がヒリついたのに気づく。
見れば掌にできたばかりの擦り傷があった。
石に擦った感じの怪我なので、おそらく召喚時にこの地下室の石畳にぶつけたのだろう(眠っているところを喚ばれたので覚えていないが)。
何にせよ都合がいい。俺は右手の傷をマナに突きつける。
「この傷にスキルを試してみようと思う」
まだ少し顔が赤いマナだったが、黙って頷いた。これから起こる事を見逃さまいとじっと目を凝らしている。
その視線に少し緊張するが、なに、やる事は簡単だ。掌の傷を舐めるだけ。
ええいままよ! ぺろり。
うぇっ、若干の血の味と砂利が混じる……こんな事するの、中学生以来かもしれない。
口の中に入った違和感をぺっぺっと吐き出してから右手を見てみると。
舐めた部分の傷がなんか光っていた。
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