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媚薬
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放課後。
クラスの前で待ち伏せしていた不良達をなんとか振り切れたはいいものの、確実に追われているのを感じる。
振り切る際に一悶着あったのにクラスメイトも教師も無関心。
そんな事にはもう慣れたが本当に腹立たしい。
目の前であんな事があって何故知らぬ素振りで談笑をしていられるのか。
誰一人助けに入ろうとは思わないのか。
こみ上げる憎悪をぐるぐると巡らせながらなるべく細い道、目立たない道を進んで行くと、すっかり薮道の、今にも倒壊しそうな廃工場に辿り着いた。
疲れきった僕は、そこに身を隠して休もうと、荒れきった内部に足を踏み入れた。
何かの機械や書類は無造作に転がっているものの、ここが一体何を製造している工場だったのかをうかがい知ることは出来なかった。
ふと外に人の気配を感じた気がして、慌てて作業台のような物の下に身を隠す。
稀有だったようで誰かが入ってきた様子はないが、無造作に置かれていたダンボールを蹴飛ばしてしまった。
「?なんだ、これ?」
蹴飛ばしたダンボールから、何か貴重な物が入っているような箱が転がり出てきた。
妙にその箱が気になり、まるで誘われるように開けてしまった。
中には2リットル程の透明な液体が入った瓶と、その使用方法が記されている紙が入れられていた。
(媚薬……?)
信じられないことに、説明書にはこの液体が媚薬だと示す内容が書かれている。
媚薬。
エロビデオや漫画ではよく見掛けるが、現実世界でついぞ効力のある物が存在するなんて信じている者がいるだろうか?
バカバカしい、と思いながらも一抹の期待は禁じ得ず、僕はその瓶と紙を通学カバンに入れ、日が暮れだした空の下、自宅に戻った。
クラスの前で待ち伏せしていた不良達をなんとか振り切れたはいいものの、確実に追われているのを感じる。
振り切る際に一悶着あったのにクラスメイトも教師も無関心。
そんな事にはもう慣れたが本当に腹立たしい。
目の前であんな事があって何故知らぬ素振りで談笑をしていられるのか。
誰一人助けに入ろうとは思わないのか。
こみ上げる憎悪をぐるぐると巡らせながらなるべく細い道、目立たない道を進んで行くと、すっかり薮道の、今にも倒壊しそうな廃工場に辿り着いた。
疲れきった僕は、そこに身を隠して休もうと、荒れきった内部に足を踏み入れた。
何かの機械や書類は無造作に転がっているものの、ここが一体何を製造している工場だったのかをうかがい知ることは出来なかった。
ふと外に人の気配を感じた気がして、慌てて作業台のような物の下に身を隠す。
稀有だったようで誰かが入ってきた様子はないが、無造作に置かれていたダンボールを蹴飛ばしてしまった。
「?なんだ、これ?」
蹴飛ばしたダンボールから、何か貴重な物が入っているような箱が転がり出てきた。
妙にその箱が気になり、まるで誘われるように開けてしまった。
中には2リットル程の透明な液体が入った瓶と、その使用方法が記されている紙が入れられていた。
(媚薬……?)
信じられないことに、説明書にはこの液体が媚薬だと示す内容が書かれている。
媚薬。
エロビデオや漫画ではよく見掛けるが、現実世界でついぞ効力のある物が存在するなんて信じている者がいるだろうか?
バカバカしい、と思いながらも一抹の期待は禁じ得ず、僕はその瓶と紙を通学カバンに入れ、日が暮れだした空の下、自宅に戻った。
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