文字の大きさ
大
中
小
96 / 706
連載
217、『石の宴』大ブレイク
日暮れ近くまで山の麓で素材を集めた俺たちは、結構大量に集まった素材にホクホクしながら工房まで跳んで帰った。
やっぱりヴィデロさんは索敵を覚えたっぽい。俺と同じくらいの精度で魔物が出て来るのに気付いていた。マップとか見えないのにそこまで出来るのって凄過ぎる。好き。
工房に帰った俺は少しだけ大きくなって、今度こそ工房で熱い二人っきりを堪能した。明日はヴィデロさんが門に立つらしいから泊まっていくわけにはいかなかったらしいので、帰るまでの間それはそれは濃厚に。
最高でした。愛してます。
キスで見送って、俺はほんわかしたままログアウトしたのだった。素材確認は明日でいいや。
そして日曜日。俺は雄太に呼び出しを食らって家に遊びに行くことになってしまった。
とはいえ今日はヴィデロさんは仕事だって言ってたし、きっと魔法陣の構築をひたすらやってるだけになるだろうから少しぐらいいいか、と思って雄太の家に行くと、にこにこと雄太のお母さんが出迎えてくれた。
今日は沢山来たのね、というお母さんの言葉通り、玄関には靴が並んでいた。
雄太のお母さんに飲み物とお菓子を託されてそれを手に部屋に入ると、案の定というか増田とユイとブレイブがいた。
軽く挨拶をして、適当に座る。テーブルの一角にはユイとブレイブがくっついて並んでいて、その一角だけはとても空気が華やいでいた。
でもこのメンバーで話をするのは、どう頑張ってもADOのこと以外にないわけで。
情報交換って感じかな。
「勇者がすごく健吾を警戒してるんだよ」
「勇者が?」
「ああ。あいつはちょっとしたきっかけで世界をひっくり返しちまうようなやつだって。なんかたまにそういう運を引き寄せるみたいなやつがいるらしいんだけど、それが健吾だって」
結構な真顔で雄太がそんなことを言い始めた。
確かに勇者にガン見はされてたけどさ。何でそんな大物にそんなよくわからない理屈で警戒されなきゃいけないんだろう。
首を捻ったら、ブレイブがそう言えば、とカップを弄びながら口を開いた。
「マックはあのディスペルハイポーションの製作者なんでしょう? ひたすらありきたりな効果のありきたりな薬しか作ってなかった薬師が表に引きずり出されたのはマックと宰相のせいだって辺境に居を構えているNPCの薬師が言ってた」
「ああ、うん、まあ……クエストだったからね」
「教会の悪事を暴いたのもマックだっていうのは高橋から聞いてたんだけど。勇者がそれに喰いついちゃってさ。で、ほんとのところは?」
「俺はそのディスペルハイポーションの効果を知られちゃったせいで拉致されて、その他のことはほぼユキヒラっていうプレイヤーとヴィデロさんと近衛騎士が解決したんだよ」
改めてブレイブと増田に教えると、ユキヒラ、という名前の所で二人が顔を見合わせた。
「郷野はユキヒラとも知り合いだったんだ? ユキヒラって実質トップって言われてるくらいのソロプレイヤーだよ。俺達がまだレベル100くらいの時にもう130とかいってたから。どうやって知り合ったんだ?」
「最初は雑貨屋でナンパしてるのを見かけたんだけど。ロミーナちゃんっていうセィの雑貨屋さんの子にアタックしまくってて」
とりあえず当たり障りのないところを暴露すると、皆が微妙な顔をした。
ほんとの事なんだけどなあ。まさかあとかいう呟きが聞こえたけど。
「あいつはプレイヤーの中でただ一人『聖騎士パラディン』っていう職に就いた奴なんだよ。その職がめちゃくちゃかっこいいからとか言って狙ってる人も結構いるんだけど、何が条件なのか、パラディンの職には誰も就くことが出来てないみたいなんだよね。だからもしかしてユキヒラは清廉潔白なやつなのかなとか噂が出回っててさ。『白金の獅子』はユキヒラのことを知ってるみたいだけど、悪い奴じゃないの一点張りでさ」
ああうん、確かに悪い奴じゃない。いいやつだよ。いいやつなんだけど、清廉潔白? それ、誰の事ですか? って言いたくなる。
「職と言えば、健吾の「胃腸薬師」はどんなのだったんだ?」
「胃腸違うから。『諧調かいちょう』だから。なんか、職じゃなくて、称号みたいな物なんだって聞いた」
レガロさんの受け売りを教えると、増田がなるほどとうなずいた。
「だから獣人の村とかに行けるようになってたんだ郷野は。諧調ってあれだろ、調和を司るとかそんな意味だろ。もしかして獣人と人族を繋ぐ役目とかしてる? 結構大変そうだね」
「あんまり自覚したことないから大変なのかもわからないけど。でも諧調薬師だから獣人の村に行けたわけではないよ」
職業ではない、ときっぱりと言っておく。ほんとに色々あって、それが積み重なって行けるようになっただけだから。
それにしても、と獣人の話になってから、ユイとブレイブはユイルの可愛さでひたすら盛り上がっていた。確かにユイルは可愛いから。ほんと可愛いからなあ。ユイルに会いに行っちゃおうかな。
ちょっとだけユイルのニコニコ顔を思い出して和んでいると、雄太が真顔で「なあ健吾、古代魔道語教えてくれ」と頭を下げてきた。
「どうしたんだよいきなり」
「この間山の麓まで武者修行みたいな感じで行った時に古い廃墟みたいなところで見付けちまってさ、古代魔道語のギミック。俺ら誰一人読めないから、そのギミックを無視するしかなくて悔しかったんだよ」
え、何それすごく気になる。でも結構そういうギミックはあの世界のいたるところに散らばってるから、確かに覚えれば色々と便利だったり今までと違ったことが出来たりするんだよなあ。たまに厄介なのもあるけど。
「でも俺が教えても覚えられるのかな。勇者とか読めないの?」
「全く何が書いてあるのかわからねえって胸張ってた。自分以外の仲間だった奴らがすいすい読めるから覚えなくても何とかなってたから覚える気は全くねえって」
勇者よ、それでいいのか。この間感じていたあの怖さが半減するよ。愛妻家だって自分で言ってたし。根は面白い人なの、かなあ。
「そういえば昨日あの後ずっと飲んでたの?」
「ああ。まあ俺らはなんちゃって酒だったんだけどな。あの熊が石化しないのなんて珍しいからってもう皆で羽目外してた。熊が飲むとほんと楽しいんだよ。こういう酒を味わっちゃうと早く酒飲める年になりたいって思うよ。熊もさ、しみじみとこうやって堂々と座って酒を酌み交わすのが楽しいって。酒の半分は石化を止めるために身体に零さねえといけねえのが勿体なくって涙を呑んでたって言ってたからよ」
「そうなんだ……」
もしかして、獣人は皆酒好きなんだろうか。必死で禁酒しようとしてるジャル・ガーさんを思い出して思わず笑いそうになる。
「ねえ、マック君、職業じゃないんならどうやって獣人の村に行けるようになったの? あのばらばらだったライオンの石像を集めたから?」
目をキラキラさせたユイが、何気なくその質問を投げつけてきた。
きっかけはどこが初めの所なんだろう。
俺が攫われそうになったところ? それとも宰相にクエストを出されたところ? 直接の依頼はオランさんの身体集めだけど、そこまで行きつくのに色々な経緯を経ているし、どれ一つとってもオランさんまでは辿り着かなかったと思う。でもさらに遡ればヴィデロさんと付き合ってなかったらありきたりなゲーム生活だっただろうし、今みたいな中枢にかかわることなんて全然なかっただろうし。
そしてそれらは、楽しいこともあんまり口に出したくないことも沢山含まれていて。一言で表すことなんてできなくて。どれか一つ欠けてても、多分獣人の村には行けてない。
「……それも、ある」
「ってことは他にもあるの? 私たちも行けるようにならないかなあ」
「こら唯。それは訊くなって熊さんに言われたでしょ」
「あ、そうだった。ごめんなさい。でも初めて見た現地の獣人さんがすごく可愛くて。ごめんねマック君」
ユイはブレイブに窘められて、肩を竦めて謝ってきた。でもわかるよ。俺もユイルを見た時思わず拾い上げちゃったくらいだし。あれでも熊さんも獣人なんだけどな。獣人じゃなくて石像認定?
でも、そうだね。行けるようになるといいよね。
そしたら、ユイルとジャル・ガーさんも憂いなく一緒に過ごせるから。
少しだけ目を伏せた俺の背中を、雄太が指でつんつんと突いた。
「俺もアレ読んでみた。勇者が読んだっていう石像の話。熊が言うには、本当にあった話なんだってな」
「ああ、うん」
「あ、俺も読んだよ。今一番話題の新アイテムで、モロウさんの所に見物人が来るようになったって言ってたよ。皆触ろうとするから焦るって。でもモロウさんの呪いは簡単な呪いだから皆ディスペルハイポーション持って触っては飲んでってしてるんだって苦笑してた」
「うわあ……」
あの本が出たことでそんなことが起きるようになってたのか。人がいない静かな洞窟だったんだけどなあ。ジャル・ガーさんの所にもプレイヤーが押し寄せるようになるのかな。ユイル見つからなきゃいいけど。
っていうか、あの本、どれだけ売れたんだろう。
「っていうか、皆買ったの?」
「もちろん」
4人が一斉に頷く。ついでに『白金の獅子』のメンバーもばっちり一人一冊手に入れてたって。
確か、一冊売れるごとに俺の所にも印税みたいにお金が入ってくることになってるから。
……村に大量のお酒を差し入れようかな。ギルドに顔を出さないから、どんな売り方をされているのかわからないんだよなあ。
「あ、そうだ。増田、貰った素材に入ってた謎素材って、どこで手に入れたの? もしまた見つけたら送って欲しいんだけど。もちろんお礼はするから」
「あ、あれ? あの花気に入ったの? 綺麗だもんねえ。でも謎素材ってレア素材なんだって。偶然崖の所に咲いてるのを修行だって採らされたんだよ。面白かったけど。うん、でもわかった。また謎素材があったら送るよ。人が行かない山の方には比較的謎素材あるみたいだし。あ、そういえばエルフの里にもいろんな謎素材があったんだった。でももうエルフの里はこりごりだしなあ」
「何言ってんだよ増田。俺ら大分レベルアップしただろ。また行くぞ。それでも苦戦するなら『白金の獅子』誘ってみてもいいんじゃね? エルフの里って言ったら多分飛びつくぞ。ドレインさんあたりが」
雄太が増田に突っ込むと、ユイがちょっとだけ首を傾げて雄太を見た。「エルフの人たちが綺麗だから?」なんて無邪気に訊いてるけど、それ、攻撃されるからやめた方がいいと思う。何より、雄太が興味あるのはエルフよりユイだから。と二人を観察していると、案の定、雄太が「そんなもんに興味はねえ」とユイの頭をぐりぐりし始めた。ユイがいたたたとか言ってるのが何とも微笑ましかった。
集まっていた皆は、今日は勇者がたまりにたまった騎士団の書類を片付けるため奥さんに連れていかれたからレベル上げは休みだ、と言ってこれからダブルデートをするらしい。
と言っても近場のファーストフード店にしけこむだけらしいけど。俺は誘いを辞退して、家に戻ってきた。
素材をチェックしないと。錬金術師としてお出掛けしたから、ヴィデロさんが倒した魔物の恩恵を俺も貰えてるんだよな。多分俺達、一緒に動いてるとパーティー認定されてる。嬉しい。
早速ログインして、工房のテーブルにインベントリから次々手に入れた素材を取り出していく。
錬金術師じゃないジョブの時は皮とか肉とかが多い魔物素材も、錬金術師をセットすると骨とか内臓系が出てくる。内臓って言っても本物の臓器みたいなグロテスクな物じゃなくて、宝石みたいな石なんだ。そして『地獄の狼の肝』とかいうアイテム名だったりするんだ。これが本物の内臓だったらちょっと怖い。魔石みたいな物なのかなあ。
出てくる石系を避けて、骨と採取した草と木の実を大雑把に分ける。結構手に入ったなあ。
中には今まで手に入れたことのない木の実とかもあって、山の麓は結構ワクワクした。あれだったら謎素材とかあってもおかしくないよ。また行こう。
確認した素材を倉庫のインベントリに入れつつ、錬金レシピ集を開く。
新しい素材が手に入ったら一応確認しとかないと。また新たな物が作れるかもしれないし。と思ってページを繰ってみたけど、残念、今回はなかった。
「そうだ。あの本、どんな風に売れてるのかちらっと見に行こう」
ふと思い立ち、俺はギルドに向かうことにした。
外に出て、よくプレイヤーが集まっている広場を横切ろうとしたとき、ふと声が聞こえてきた。
「何かここの近くの呪いの洞窟にプレイヤーじゃねえ本物の獣人が出たってよ!」
「マジか! 俺、見に行ってくる!」
あ、ここでも売れてたんだ。もしかしてユイルが見つかっちゃったのかな、大丈夫かな、とドキドキしていると、他のプレイヤーさんもその言葉を訊いていたらしく、目を輝かせていた。
「嘘、行かないと! あそこって狼の石像でしょ。あの本のモデルになった石像だったりして」
「まさか。でもそうだったらいいのに。なんかロマンチック。あ、お酒って書いてあったよね。持ってってみる?」
「勿論。でも本当に話をするのかなあ」
「ダメもとでいいじゃん。売り切れる前にディスペルハイポーション買いに行こうよ」
ジャル・ガーさん……多分、禁酒するのは、無理そうです。
原因を作ったのは俺とエミリさんです。ごめんなさい。
感想 555
あなたにおすすめの小説
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
本編完結済。
おまけのお話を時々更新したりしています。
皆さまの応援のおかげで『もふもふ獣人に転生したら、最愛の推しに溺愛されています』書籍化、心から、ありがとうございます!
ふたりの動画をつくりました!
もしよかったら、プロフのwebサイトからどうぞです!
表紙や動画にはAIを使っていますが、小説にはAIを使っておりません
【8月書籍化♡】キュートなモブ令息に転生したボク。可愛さと前世の知識で悪役令息なお義兄さまを守りますっ!
これは、あざと可愛い悪役令息の義弟VS.あざと主人公のおはなし。
ボクの名前は、クリストファー。
突然だけど、ボクには前世の記憶がある。
ジルベスターお義兄さまと初めて会ったとき、そのご尊顔を見て
「あああ!《《この人》》、知ってるう!悪役令息っ!」
と思い出したのだ。
あ、この人ゲームの悪役じゃん、って。
そう、俺が今いるこの世界は、ゲームの中の世界だったの!
そして、ボクは悪役令息ジルベスターの義弟に転生していたのだ!
しかも、モブ。
繰り返します。ボクはモブ!!「完全なるモブ」なのだ!
ゲームの中のボクには、モブすぎて名前もキャラデザもなかった。
どおりで今まで毎日自分の顔をみてもなんにも思い出さなかったわけだ!
ちなみに、ジルベスターお義兄さまは悪役ながら非常に人気があった。
その理由の第一は、ビジュアル!
夜空に輝く月みたいにキラキラした銀髪。夜の闇を思わせる深い紺碧の瞳。
涼やかに切れ上がった眦はサイコーにクール!!
イケメンではなく美形!ビューティフル!ワンダフォー!
ありとあらゆる美辞麗句を並び立てたくなるくらいに美しい姿かたちなのだ!
当然ながらボクもそのビジュアルにノックアウトされた。
ネップリももちろんコンプリートしたし、アクスタももちろん手に入れた!
そんなボクの推しジルベスターは、その無表情のせいで「人を馬鹿にしている」「心がない」「冷酷」といわれ、悪役令息と呼ばれていた。
でもボクにはわかっていた。全部誤解なんだって。
ジルベスターは優しい人なんだって。
あの無表情の下には確かに温かなものが隠れてるはずなの!
なのに誰もそれを理解しようとしなかった。
そして最後に断罪されてしまうのだ!あのピンク頭に惑わされたあんぽんたんたちのせいで!!
ジルベスターが断罪されたときには悔し涙にぬれた。
なんとかジルベスターを救おうとすべてのルートを試し、ゲームをやり込みまくった。
でも何をしてもジルベスターは断罪された。
ボクはこの世界で大声で叫ぶ。
ボクのお義兄様はカッコよくて優しい最高のお義兄様なんだからっ!
ゲームの世界ならいざしらず、このボクがついてるからには断罪なんてさせないっ!
最高に可愛いハイスぺモブ令息に転生したボクは、可愛さと前世の知識を武器にお義兄さまを守りますっ!
※表紙その他のイラストはAIにて作成致しております。(文字指定のみで作成しております)
⭐︎⭐︎⭐︎
ご拝読頂きありがとうございます!
コメント、エール、いいねお待ちしております♡
「もう我慢なんてしません!家族からうとまれていた俺は、家を出て冒険者になります!」書籍発売中!
連載続いておりますので、そちらもぜひ♡
【完結】悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
本編完結済です。
もっちもっち感謝祭で、リクエストいただいたお話を更新しています。
皆さまの応援のおかげで『もふもふ獣人に転生したら、最愛の推しに溺愛されています』書籍化、心から、ありがとうございます!
皆の動画をつくりました!
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
表紙や動画にAIを使っていますが、小説にはAIを使っておりません
薬師だからってポイ捨てされました~異世界の薬師なめんなよ。神様の弟子は無双する~
薬師のロベルト・シルベスタは偉大な師匠(神様)の教えを終えて自領に戻ろうとした所、異世界勇者召喚に巻き込まれて、周りにいた数人の男女と共に、何処とも知れない世界に落とされた。
─── からの~数年後 ────
俺が此処に来て幾日が過ぎただろう。
ここは俺が生まれ育った場所とは全く違う、環境が全然違った世界だった。
「ロブ、申し訳無いがお前、明日から来なくていいから。急な事で済まねえが、俺もちっせえパーティーの長だ。より良きパーティーの運営の為、泣く泣くお前を切らなきゃならなくなった。ただ、俺も薄情な奴じゃねぇつもりだ。今日までの給料に、迷惑料としてちと上乗せして払っておくから、穏便に頼む。断れば上乗せは無しでクビにする」
そう言われて俺に何が言えよう、これで何回目か?
まぁ、薬師の扱いなどこんなものかもな。
この世界の薬師は、ただポーションを造るだけの職業。
多岐に亘った薬を作るが、僧侶とは違い瞬時に体を癒す事は出来ない。
普通は……。
異世界勇者巻き込まれ召喚から数年、ロベルトはこの異世界で逞しく生きていた。
勇者?そんな物ロベルトには関係無い。
魔王が居ようが居まいが、世界は変わらず巡っている。
とんでもなく普通じゃないお師匠様に薬師の業を仕込まれた弟子ロベルトの、危難、災難、巻き込まれ痛快世直し異世界道中。
はてさて一体どうなるの?
と、言う話。ここに開幕!
● ロベルトの独り言の多い作品です。ご了承お願いします。
● 世界観はひよこの想像力全開の世界です。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
【完結】憧れの先輩アルファに告白されたんだがどうやら罰ゲームだったらしい
ある日の放課後、校舎裏で花壇の手入れをしていた上田凛斗に告白してきたのは、憧れの先輩であり校内の人気者でもある上條蘭世だった。
目付きの悪さと暗い性格のせいで恋人どころか友達もいない凛斗は、戸惑いながらもお試しで蘭世との交際をはじめたのだが……
美形溺愛アルファ×三白眼平凡オメガ
ベータだった俺が後天性オメガになったら、幼馴染アルファがもっと過保護になりました
ごく普通のベータとして生きてきた村井圭太(むらいけいた)は、ある日突然、希少な「後天性オメガ」に転化してしまう。
不安な日々が始まる……かと思いきや、幼馴染アルファの白河泰雅(しらかわたいが)とはまさかの両思い。
早々に『番(つがい)』となり、幸せな日々を送っていた。
「オメガになっても俺は俺」と持ち前のポジティブさで新しい生活に向き合っていく圭太。
だが、晴れて番となった泰雅は、今まで以上に過保護になっていく。
どんなトラブルも二人なら大丈夫!
過保護で執着強めなスパダリ幼馴染攻め(α) × ポジティブで男前な元ベータ受け(β→Ω)
明るくて幸せいっぱいオメガバース!
私の大好きなオメガバース。
愛をたくさん詰め込んだので、みなさまにも楽しんでいただけますように。
辺境食堂の隠れΩなのに、拾った皇帝陛下が嫁になれと迫ってくる
元宮廷料理人で隠れΩの青年レオは、帝国の辺境で小さな食堂兼農園を営みながら、誰にも縛られない平穏なスローライフを送っていた。
ある日、レオは裏庭の不思議な洞窟で、血まみれになって倒れていた大柄な青年アレクを拾う。
彼の正体は、お忍びで辺境を訪れていた帝国最強のα皇帝だった。
身分を隠してレオの家に居候することになったアレクは、レオの作る絶品の手料理と、彼から漂う穏やかな香りに冷え切った心を溶かされていく。
一緒に土を耕し、美味しいご飯を分け合ううちに、相反するはずの二人のフェロモンは心地よく調和していくが、やがて帝都からの追手が迫り……。
手料理が繋ぐ心と体。身分差を越えた、最強α皇帝と隠れΩ料理人の美味しくて甘い辺境スローライフが幕を開ける!
※本作にはボーイズラブ要素およびオメガバース設定(α、β、Ωの概念やフェロモンに関する描写)が含まれています。苦手な方は閲覧にご注意ください。