これは報われない恋だ。

朝陽天満

文字の大きさ
145 / 744
連載

228、無意識だったんだよ

しおりを挟む
 ヴィデロさんの足の間に身体を割り込ませて、凄く元気に勃っているヴィデロさんのヴィデロさんを舌で舐める。

 大きいので全部は咥えられそうもないので、手を添えて。

 舌を這わせるたびにちょっと反応するのがいい。好き。

 ちらっと上を向くと、すごく気持ちよさそうな顔で俺を見下ろしてるヴィデロさんと目が合った。その顔がすごく好き。俺で気持ちよくなって。

 俺が奉仕してるはずなのに、ヴィデロさんのヴィデロさんを可愛がるたびに自分の中の熱も燃え上がっていく気がする。

 愛し合いたいなあ。

 くっついて、キスをたくさんして、二人で気持ちよくなって、そして、愛し合いたい。

 俺の髪を撫でるヴィデロさんの手が優しくて、ペロペロ舐めながら俺もうっとりと目を閉じた。

 先を咥えると、ちょっと出ていた透明な液体が舌に絡まる。ぐぐぐ……と飲み込めるだけ飲み込んで、ゆっくりと引き抜く。

 やっぱりオエっとしないアバターの身体っていい。喉のほうまで飲み込んでるはずなのに、オエッとしないからしっかりとヴィデロさんを気持ちよくさせれる。

 頭上から時折息を詰めたような声が微かに聞こえると興奮する。

 気持ちいい? ねえ、もっと激しいほうがいい?

 試行錯誤しながら熱を食む。

 吸ってみたり舌を這わせてみたり。どれが気持ちいかな。それとも激しく出し入れしたほうがいいのかな。俺の中に入ってる時みたいに。

 じわり、と俺の腰辺りが熱くなる。

 頭の動きを速めて、添えた手もそれと一緒に動かす。

 俺の口の中を出入りするたび、じゅぶじゅぶとやらしい音が洩れる。

 頭の所が唇に引っかかるたび、ヴィデロさんのヴィデロさんがピクッと跳ねるのが、咥えててすごく楽しい。



 しばらく無心にヴィデロさんのヴィデロさんを味わっていると、段々と頭の部分が張ってきた。



「……っ、マック、口、離して」



 イきそうなのかな。いやです。今日は最後までヴィデロさんを味わい尽くしたい気分なのです。

 嫌々、と頭を横に振ると、それすら刺激になったのか、ヴィデロさんが、く、と声を漏らした。

 そのまま、イって。

 そう訴える目で見上げて、先をチュウチュウ吸うと、俺の頭に添えられたヴィデロさんの手にちょっとだけ力が入った。

 抜いちゃダメ。と腰に腕を回して咥えたまま抱き着く。その勢いで喉の奥深くまで熱が挿し込まれる。

 そこに熱い飛沫が流れ込んだ。

 さすがに苦しい。けど嬉しい。

 口の中でビクビクしていたヴィデロさんのヴィデロさんが落ち着くと、俺はゆっくりと口から引き抜いた。

 もちろん、喉の奥に出されたので、そのまま飲んだよ。味はあんまりわからないくらい、奥だった。実際にこんな奥まで突っ込んだら大変なんだろうなあ。アバターって優秀。パンツ剥がれないけど。

 さっさと呑み込んじゃった俺は、先に残っていたヴィデロさんの出した液体をペロッと舐めとると、口の周りの涎を袖で拭き取りながら身体を離した。



「気持ちよかった?」

「ああ……、でもマックは苦しくなかったか?」

「大丈夫。……ちょっと興奮した」



 舐めてる間ずっと下腹部が熱かったから。



「今日は例のやつ持ってこなかったから最後までは愛し合えないのが悔しい。すっごくしたいのに」



 今も熱がくすぶってるから、多分俺の顔、すごく物欲しそうな顔をしてると思う。



「愛し合おう」



 そんな俺をベッドの上に引き上げながら、ヴィデロさんが熱を孕んだ声でそう囁いた。





 ローブと装備とインナーをベッドに下に投げ出して、胸の羽根の刺青と腰のオプション傷を晒した俺に、ヴィデロさんのキスが降る。

 すっかり真っ赤になった羽根に唇で触れられると、それだけでカアッと熱くなる。

 もしもパンツが脱げたなら、今のキス一つで絶対に完勃ちしてるよ俺のナニ。

 優しく触れるようなキスに吐息が洩れる。

 ヴィデロさんの指は胸の小さな突起を摘んで捏ねて指の腹で撫でている。そこもじわじわと変な感覚が溢れる。



「あ、ン……っ」



 サラ……とヴィデロさんの手が俺の傷をなぞり、思わず声が漏れる。

 あ、あ、そこ、や……、なんて、どこから出してるのかわからないような声が、自分の口から洩れるのが恥ずかしい。

 ちゅ、と傷にキスをされて頭が真っ白になる。

 いい、よすぎる。待って。



「ヴィデロさ……、あ、待って……っ」



 俺の口から制止の言葉が洩れる。だってこれ以上そこを攻められたら……。

 はむ、と甘噛みされて、俺の中の熱が弾けた。

 もしこれが射精出来てたらそこで終わりなのに、それがないから弾けた熱が身体中を反射して、浸透していく。



「あ、や、もぅ、気持ちよすぎて……っ、わけわかんない……っ」



 甘噛みされるたびに頭の中が霞んでいく。

 出したい、挿れたい、挿れられたい。繋がりたい。欲しい。

 そんな想いがグルグルと身体を駆け巡る。



「ヴィデロさ……っ、欲しい、奥に……っ」



 欲求のままそう叫ぶと、俺は手を宙に伸ばしていた。



 無意識に俺は指を動かしていたらしい。

 真っ白になった頭で描いた魔法陣で、俺とヴィデロさんは工房の俺のベッドの上に跳んでいた。



「マック……」



 驚いたように顔を上げたヴィデロさんと目があった俺は、ちょっとだけ正気に戻って、「あ、あれ……?」と周りを見回した。

 自分でも驚いてる。

 確かに繋がりたくて仕方なかったけど、最中に転移。

 貴重な体験だ。



「ついついヴィデロさんと繋がりたくて、跳んじゃった」

「ついついって」



 俺の言い訳じみた言葉に、ヴィデロさんが笑い出した。

 笑いながら、ほんと何をするかわからないな、なんて俺の唇にキスをくれた。うん、俺も。



 どうせだからと倉庫のインベントリから愛し合うのに必要な物を取り出して、例のブツをほんの少しだけ舐めると、ようやく俺のナニがパンツの中で生えてきて、しっかりと天を仰いでいた。

 自ら下着を脱いで、さらされた下半身に満足する。

 ヴィデロさんの首に腕を回すと、引っ付くようにしてナニをヴィデロさんのヴィデロさんに擦り付けた。続き、しよう。





 さっきまでくすぶっていた熱が、ヴィデロさんによってさらに高ぶらされる。

 奥を突かれるたびにその熱が弾けて、その残滓が俺のナニの先から液体になって洩れていく。



「マック、愛してる……」



 ギュッと抱きしめられて耳元でそう囁かれて、熱に浮かされたように「俺も、俺も」と返す。

 密着した素肌も、重ねられる唇も、絡まる舌も、身体の奥に感じる熱も、すべてヴィデロさんだと思うとそれだけで愛しい。好き。





 俺の中に熱が流れ込み、俺も密着した二人の腹を濡らして、お互いが満たされたように笑いあった。

 身なりを整えて、ヴィデロさんと手を繋いで部屋に戻る魔法陣を描く。

 一瞬でヴィデロさんの部屋に戻ってきた俺は、ベッドの下に散らかった自分の服が目に入って、慌ててそれをカバンの中に詰め込んだ。

 ヴィデロさんの服を脱がせてなくてよかった。脱がせてたら、裸のまま帰らないといけないという羞恥プレイが発生するところだったよ。

 ローブを拾って羽織って、今度こそ俺は詰所の入り口から工房に帰り着いたのだった。









 次の日ログインして、アバターがまだ成長したままだったことに気付いた俺は、昨日舐めた細胞活性剤が(小)じゃなくて(中)だったことに気付いた。



「うわあ、昨日は切羽詰まってたから間違えた……」



 溜め息を吐きながら瓶を覗き込む。いつも使うやつより濃いピンクに、どうして気付かなかったのかと溜め息を呑み込んだ。

 いやでも無意識にここに跳んじゃうくらいだからこんな色の違い、気付かないよな。なんて自分に言い訳してみて、さらに溜め息。

 ってことは今日と明日はスタミナとかMPとか使うことをしたら自然回復でしか回復できないってことか。

 舐めただけだから、ほとんど見た目が変わってないのが救いだよ。

 でも、そうなると行動範囲とかやることはかなり制限されちゃうよなあ。

 どうしようかな。



 そうだ、こんな時は読書だ。

 そう思い立った俺は、工房を出てクラッシュの店に向かった。

 目標、古代魔道語の本。そして、レシピ。







しおりを挟む
感想 535

あなたにおすすめの小説

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 全8話 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /c

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください! できるかぎり毎日? お話の予告と皆の裏話? のあがるインスタとYouTube インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

転生令息は冒険者を目指す!?

葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。  救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。  再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。  異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!  とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A

【完結】この契約に愛なんてないはずだった

なの
BL
劣勢オメガの翔太は、入院中の母を支えるため、昼夜問わず働き詰めの生活を送っていた。 そんなある日、母親の入院費用が払えず、困っていた翔太を救ったのは、冷静沈着で感情を見せない、大企業副社長・鷹城怜司……優勢アルファだった。 数日後、怜司は翔太に「1年間、仮の番になってほしい」と持ちかける。 身体の関係はなし、報酬あり。感情も、未来もいらない。ただの契約。 生活のために翔太はその条件を受け入れるが、理性的で無表情なはずの怜司が、ふとした瞬間に見せる優しさに、次第に心が揺らいでいく。 これはただの契約のはずだった。 愛なんて、最初からあるわけがなかった。 けれど……二人の距離が近づくたびに、仮であるはずの関係は、静かに熱を帯びていく。 ツンデレなオメガと、理性を装うアルファ。 これは、仮のはずだった番契約から始まる、運命以上の恋の物語。

嫌われ魔術師の俺は元夫への恋心を消去する

SKYTRICK
BL
旧題:恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する ☆11/28完結しました。 ☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます! 冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫 ——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」 元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。 ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。 その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。 ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、 ——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」 噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。 誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。 しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。 サラが未だにロイを愛しているという事実だ。 仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——…… ☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!

【完結済】「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。

キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ! あらすじ 「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」 貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。 冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。 彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。 「旦那様は俺に無関心」 そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。 バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!? 「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」 怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。 えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの? 実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった! 「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」 「過保護すぎて冒険になりません!!」 Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。 すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。

【完結】悪役令息の従者に転職しました

  *  ゆるゆ
BL
暗殺者なのに無様な失敗で死にそうになった俺をたすけてくれたのは、BLゲームで、どのルートでも殺されて悲惨な最期を迎える悪役令息でした。 依頼人には死んだことにして、悪役令息の従者に転職しました。 皆でしあわせになるために、あるじと一緒にがんばるよ! 透夜×ロロァのお話です。 本編完結、『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけを更新するかもです。 『悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?』のカイの師匠も 『悪役令息の伴侶(予定)に転生しました』のトマの師匠も、このお話の主人公、透夜です!(笑) 大陸中に、かっこいー激つよ従僕たちを輸出して、悪役令息たちをたすける透夜(笑) 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

もう殺されるのはゴメンなので婚約破棄します!

めがねあざらし
BL
婚約者に見向きもされないまま誘拐され、殺されたΩ・イライアス。 目覚めた彼は、侯爵家と婚約する“あの”直前に戻っていた。 二度と同じ運命はたどりたくない。 家族のために婚約は受け入れるが、なんとか相手に嫌われて破談を狙うことに決める。 だが目の前に現れた侯爵・アルバートは、前世とはまるで別人のように優しく、異様に距離が近くて――。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。