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御子誕生編
メモリーアルバムをタップして
『ツヴァイト閣下は後悔はなさらないのですか?』
どこかの執務室、ツヴァイト閣下が机で書類仕事をしている横から、同じように書類を確認しながら誰かがそんな質問をした。ツヴァイト閣下は肩を竦めて困ったように笑う。
『後悔なんてしたこともないよ。どうしたんだいいきなり』
『いえ……アイン殿下が失脚した今、一番王位に近かったのがツヴァイト閣下でしたのに、継承権を返上したことがもったいない気がしまして。閣下は昔からとても優秀で、そして周りからの支持も信頼も大きかったですから』
(そういう人たちが声を上げたからこそ、俺は兄上に疎まれていたんだけれどね)
閣下の声がどこからか聞こえた気がしたけれど、実際には口元は動いていなかった。
『もともと外交の方に興味があったんだよ。だから、今の地位が一番私はやりがいがあるかな。ヴォル……陛下は私よりもよほど国民のことを考えてくれる素晴らしい方だよ』
『それは理解しておりますが……ですが、妃殿下は』
『それも、私は陛下の判断はとても素晴らしいと思っているよ。彼女は優秀だ。あらゆる面でね』
(そして、私たちなんかよりもよほどこの国に命を懸けようとしてくれていた)
やっぱりそっと声が聞こえてくる。でも、そのことは隣にいる人には言えない内容のようだ。
『君はやはり陛下に仕えたかったかい?』
『いえ、私は昔から閣下を信頼しておりましたので、閣下の元でこのように働けることはとても誇らしいです』
『ありがとう。学生時代から君には苦労かけっぱなしだよねえ』
あははと笑い、ツヴァイト閣下はまた書類に視線を戻し、隣にいたその者もまた、口を噤み、手を動かし始めた。
ふと、ツヴァイト閣下が顔を上げた。
『そろそろ休憩時間かな。私は少し妻のところに顔を出してくるよ。新婚なのにここ二、三日顔を見ていないんだ。私の顔を忘れられた困るから、君たちも少し手を休めるといい』
『閣下。でしたら、こちらをお持ちください。私の妻が愛飲している茶葉なのですが、身体が温まるそうですので。女性は冷えが大敵だとことあるごとに妻に言われまして』
差し出された袋を、ツヴァイト閣下が手に取った。
『ありがとう。身体が温まるのか。私の妻も冷えないようにしなくてはね』
『ぜひ夫人を大事になさってください』
笑顔で手を振り、ツヴァイト閣下が執務室から廊下へ出る。
『閣下、少しよろしいですか』
そこで後ろから少し低めの声の男性に声を掛けられ、ツヴァイト閣下が振り返り——
そこで暗転し、目の前に文字が浮かんできた。
——こんなところで俺が足を引っ張るわけにはいかないんだよ——
暗い画面の中、そんな言葉が真ん中に浮かんだ。
と思った瞬間、目がパチリと開いた。
背中に汗をかいていて、それが少し気持ち悪い。
胃の中もぐるぐると何回転もしたような不快さがある。
けれど、ぐっと握られた手はとても温かくて、頭の下には少し硬い感触がある。推しの太腿である。そう考えた瞬間我に返った。
推しの太腿。
「兄……様。もしかしたら、発動、出来たかもしれません……」
とはいえ、あの魔力がごっそりなくなった不調が身体を襲っているけれども。
どうしてあのメモリーアルバム仕様なんだ……。あんなん、魔力がなくなってもタップしたくなっちゃうじゃないか……! オルシス様アルバムを開きまくりたくなるじゃないか!
あんなの禁断の魔法だよ!
ぐぐぐと悶えたところで、兄様が俺の前髪を手で払ってくれた。
「苦しくはない? 刻魔法は本当に魔力を使うね。僕ももうへとへとだよ」
ふにゃ、と笑う兄様も、額にはじんわりと汗をかいていた。
もしかして、俺はたったあれだけのアルバムを見るだけで俺と兄様の魔力を根こそぎ使っちゃった?
胸元から兄様仕様の竜の鱗を取り出すと、そこはまだ兄様の瞳によく似た紫色をしていて、そこまで根こそぎじゃなかったことにホッとする。いやしちゃダメだろ。魔力使い過ぎ。
「とりあえず二人ともこれ以上魔力を使わないようレガーレの飴を口に含んでおきなさい」
兄様に優しく頭を撫でられてうっとりしていた俺は、義父の言葉でここには義父もいたということを思い出した。
兄様の太腿に我を忘れてしまっていた。
起き上がろうとすると、俺の頭を撫でていた兄様の手が、優しく押しとどめた。
「少し休んで。怠いでしょう。魔力を回復しよう」
「ほら、オルシス。魔力回復薬を飲みなさい。アルバはこれではそれほど回復しないんだったね。では父様が」
「僕が回復してからアルバの魔力を回復させるので大丈夫です、父上」
兄様がいい笑顔で義父の申し出を断っていた。義父は呆れたような顔でまったく……と肩を竦める。
「落ち着いたら、何が見えたか教えてくれるかい?」
義父が俺にそう訊いてきたので、俺は兄様の太腿の上で頷いた。
とはいえ、全然全く関係ないことのような気がする。これだけ意気込んでこれだけ魔力を使って全く関係ないことを視ちゃったりしていたら、無駄もいいところじゃないか。
も、もしかしてあのメモリーアルバム、ランダム要素あり? まだまだ視れない場所がたくさんあるってことは、どういうこと? わけがわからなすぎる。
「……刻魔法の発動マニュアルとか、そんな便利なものはないですよね……」
あれば読み込むのに。そして一覧表を作って、すべてのスチルやメモリーアルバムを埋めるのに……!
「あっでも、主要メンバー以外のことはわからないってことなのかな……? じゃあ、黒幕をピンポイントで探そうとしても無理じゃん……! 俺のポンコツめ……!」
あああ、と顔を覆って悔やんでいると、兄様が「アルバ」と俺のことを呼んだ。
「アルバは、ポンコツじゃないよ。そもそもが、他の人が出来ないことを成しえようとしているんだからね。それだけもう賞賛ものだよ。それに主要メンバー……って、もしかして、僕やブルーノたちのこと……?」
「そうです……兄様、ブルーノ君、ツヴァイト閣下、ヴォルフラム陛下、アドリアン君、あと、リコル先生……ミラ妃殿下は、そもそも中心人物なので、その中に入るかはむしろ微妙……俺は思い出の人なわけだから見れるわけがないし……」
でもあんなシーンとスチルはなかった気がするから、あの前世のゲームとは違うのかな。だってゲームでは、兄様達の卒業までで終わってるし、国を救ったらもうエンディングなわけだし。あんな、閣下とか呼ばれるシーンはないわけで。
じゃあ、やっぱりあれは刻魔法……? 成功した?
もしかしてあのメモリーアルバムの他のページに誰がいるのかな。それがとても気になる。
他に名前が載っていたら、兄様が俺と婚約したあの婚約式のシーンも……? まさかね。もう一度あの神々しくも美しい兄様が堪能できるなんて、そんなそんな……いや、やってみる価値は……
「……もう一度、挑戦したいです。不意打ち過ぎてツヴァイト閣下のを視てしまいました……」
「閣下の……?」
「はい。執務室で、後悔しないのかって同じ部屋で仕事をしていた人に問われてて、今が一番いい的なことを閣下が答えてて。休憩時間にミリィ夫人のところに行くからってお茶の差し入れを持って行こうとして、廊下で誰かに声を掛けられて、それから、暗転して……」
「重要なところだったね、アルバ」
俺がつらつらと視たことを教えた瞬間、義父が呟いた。
重要? そんな何気ない日常だった……じゃあなんで、最後、暗転して、あんな言葉が浮かんできた……?
「——こんなところで俺が足を引っ張るわけにはいかないんだよ、って、閣下が思ってたみたいなんですけど」
あれは、イベントアルバムの一場面ではなく……?
と首を傾げた瞬間、兄様にぎゅっと頭を抱えられて、おでこにキスされた。
どこかの執務室、ツヴァイト閣下が机で書類仕事をしている横から、同じように書類を確認しながら誰かがそんな質問をした。ツヴァイト閣下は肩を竦めて困ったように笑う。
『後悔なんてしたこともないよ。どうしたんだいいきなり』
『いえ……アイン殿下が失脚した今、一番王位に近かったのがツヴァイト閣下でしたのに、継承権を返上したことがもったいない気がしまして。閣下は昔からとても優秀で、そして周りからの支持も信頼も大きかったですから』
(そういう人たちが声を上げたからこそ、俺は兄上に疎まれていたんだけれどね)
閣下の声がどこからか聞こえた気がしたけれど、実際には口元は動いていなかった。
『もともと外交の方に興味があったんだよ。だから、今の地位が一番私はやりがいがあるかな。ヴォル……陛下は私よりもよほど国民のことを考えてくれる素晴らしい方だよ』
『それは理解しておりますが……ですが、妃殿下は』
『それも、私は陛下の判断はとても素晴らしいと思っているよ。彼女は優秀だ。あらゆる面でね』
(そして、私たちなんかよりもよほどこの国に命を懸けようとしてくれていた)
やっぱりそっと声が聞こえてくる。でも、そのことは隣にいる人には言えない内容のようだ。
『君はやはり陛下に仕えたかったかい?』
『いえ、私は昔から閣下を信頼しておりましたので、閣下の元でこのように働けることはとても誇らしいです』
『ありがとう。学生時代から君には苦労かけっぱなしだよねえ』
あははと笑い、ツヴァイト閣下はまた書類に視線を戻し、隣にいたその者もまた、口を噤み、手を動かし始めた。
ふと、ツヴァイト閣下が顔を上げた。
『そろそろ休憩時間かな。私は少し妻のところに顔を出してくるよ。新婚なのにここ二、三日顔を見ていないんだ。私の顔を忘れられた困るから、君たちも少し手を休めるといい』
『閣下。でしたら、こちらをお持ちください。私の妻が愛飲している茶葉なのですが、身体が温まるそうですので。女性は冷えが大敵だとことあるごとに妻に言われまして』
差し出された袋を、ツヴァイト閣下が手に取った。
『ありがとう。身体が温まるのか。私の妻も冷えないようにしなくてはね』
『ぜひ夫人を大事になさってください』
笑顔で手を振り、ツヴァイト閣下が執務室から廊下へ出る。
『閣下、少しよろしいですか』
そこで後ろから少し低めの声の男性に声を掛けられ、ツヴァイト閣下が振り返り——
そこで暗転し、目の前に文字が浮かんできた。
——こんなところで俺が足を引っ張るわけにはいかないんだよ——
暗い画面の中、そんな言葉が真ん中に浮かんだ。
と思った瞬間、目がパチリと開いた。
背中に汗をかいていて、それが少し気持ち悪い。
胃の中もぐるぐると何回転もしたような不快さがある。
けれど、ぐっと握られた手はとても温かくて、頭の下には少し硬い感触がある。推しの太腿である。そう考えた瞬間我に返った。
推しの太腿。
「兄……様。もしかしたら、発動、出来たかもしれません……」
とはいえ、あの魔力がごっそりなくなった不調が身体を襲っているけれども。
どうしてあのメモリーアルバム仕様なんだ……。あんなん、魔力がなくなってもタップしたくなっちゃうじゃないか……! オルシス様アルバムを開きまくりたくなるじゃないか!
あんなの禁断の魔法だよ!
ぐぐぐと悶えたところで、兄様が俺の前髪を手で払ってくれた。
「苦しくはない? 刻魔法は本当に魔力を使うね。僕ももうへとへとだよ」
ふにゃ、と笑う兄様も、額にはじんわりと汗をかいていた。
もしかして、俺はたったあれだけのアルバムを見るだけで俺と兄様の魔力を根こそぎ使っちゃった?
胸元から兄様仕様の竜の鱗を取り出すと、そこはまだ兄様の瞳によく似た紫色をしていて、そこまで根こそぎじゃなかったことにホッとする。いやしちゃダメだろ。魔力使い過ぎ。
「とりあえず二人ともこれ以上魔力を使わないようレガーレの飴を口に含んでおきなさい」
兄様に優しく頭を撫でられてうっとりしていた俺は、義父の言葉でここには義父もいたということを思い出した。
兄様の太腿に我を忘れてしまっていた。
起き上がろうとすると、俺の頭を撫でていた兄様の手が、優しく押しとどめた。
「少し休んで。怠いでしょう。魔力を回復しよう」
「ほら、オルシス。魔力回復薬を飲みなさい。アルバはこれではそれほど回復しないんだったね。では父様が」
「僕が回復してからアルバの魔力を回復させるので大丈夫です、父上」
兄様がいい笑顔で義父の申し出を断っていた。義父は呆れたような顔でまったく……と肩を竦める。
「落ち着いたら、何が見えたか教えてくれるかい?」
義父が俺にそう訊いてきたので、俺は兄様の太腿の上で頷いた。
とはいえ、全然全く関係ないことのような気がする。これだけ意気込んでこれだけ魔力を使って全く関係ないことを視ちゃったりしていたら、無駄もいいところじゃないか。
も、もしかしてあのメモリーアルバム、ランダム要素あり? まだまだ視れない場所がたくさんあるってことは、どういうこと? わけがわからなすぎる。
「……刻魔法の発動マニュアルとか、そんな便利なものはないですよね……」
あれば読み込むのに。そして一覧表を作って、すべてのスチルやメモリーアルバムを埋めるのに……!
「あっでも、主要メンバー以外のことはわからないってことなのかな……? じゃあ、黒幕をピンポイントで探そうとしても無理じゃん……! 俺のポンコツめ……!」
あああ、と顔を覆って悔やんでいると、兄様が「アルバ」と俺のことを呼んだ。
「アルバは、ポンコツじゃないよ。そもそもが、他の人が出来ないことを成しえようとしているんだからね。それだけもう賞賛ものだよ。それに主要メンバー……って、もしかして、僕やブルーノたちのこと……?」
「そうです……兄様、ブルーノ君、ツヴァイト閣下、ヴォルフラム陛下、アドリアン君、あと、リコル先生……ミラ妃殿下は、そもそも中心人物なので、その中に入るかはむしろ微妙……俺は思い出の人なわけだから見れるわけがないし……」
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じゃあ、やっぱりあれは刻魔法……? 成功した?
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「閣下の……?」
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重要? そんな何気ない日常だった……じゃあなんで、最後、暗転して、あんな言葉が浮かんできた……?
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