150 / 151
御子誕生編
思わぬ人物の名前が出てきたぞ……
見あげた兄様は、何やら目にハイライトがなくて、思いつめたような表情になっていた。
ううう、闇落ち兄様も最高に素晴らしい……。でもなんで?
「アルバは、本当にすごいことをやってのけたんだと自覚して……? 本当に、誰かに知られたら取られちゃうかもしれないからこの部屋にずっと閉じこめてただ僕だけを見ていて欲しいくらいだよ……」
「うえええ兄様……? 兄様の部屋にずっと閉じ込められて一緒にいるなんてどんなご褒美ですか……?」
「アルバ、オルシス、ちょっと冷静になろうか」
闇落ちしそうな雰囲気の兄様にうっとりしていると、義父がストップをかけてくれた。
「幸いにして、アルバのその能力は私とオルシスとアルバ自身しかわからない。これは……フローロとルーナに伝えるのすら時期を考えないといけないかもしれないね……ブルーノには伝えよう。ただ、王宮には、たとえ陛下でもお伝え出来ない能力だね」
ふ―……と重々しく溜息を吐いた義父は、けれど俺達を安心させるように微笑んだ。
「アルバ、君は、決してポンコツなんかじゃないよ。ただ、その類稀な能力を、私たちは絶対に私利私欲では使いはしないから」
義父の言葉に、胸がじんわり温かくなる。
むしろ俺が今まさに私利私欲のために使っちゃってるんだけどね!
これは家族の私利私欲のためならためらいなく使うけれども。だってこれでもし悪いことが回避できるなら、それに越したことはないもん。
「……アルバがどんな光景を視ているのか、僕には知ることが出来ないのは辛いな」
兄様の呟きに、俺は後ろめたくて視線を逸らした。
私利私欲で、兄様のスチルを網羅したいと思っちゃったんだけど、あれを兄様と視覚共有しちゃったりしたらドン引き案件間違いなしだよね……気持ち悪いやつとか言われたら、流石に兄様のすべてを全肯定の俺でも立ち直れない。
兄様のスチルを眺めてはえへへあははしてたりしたら本当に気持ち悪いと思うんだよ……
「視えない方がいいです。絶対に」
あの笑わないオルシス様を兄様が視てしまったらいったいどう思うのか。あっちは俺が消えたいわば別世界だから、皆が皆全然違う状態なわけだ。それを言ったらミラ妃殿下だって、ゲームとは全く違う。最初から全く違っていた。本当にこの人が主人公? ってくらい。ゲームでの主人公は俺にとって好感度は地の底をいっていたからね。それなのにミラ妃殿下はカラッとしていて誰よりも男ま……げふんごふん、いい人で、好感度は爆上がり状態。
レガーレはまだ見つかったばかりで、今まさに研究を始めようという状態。そこにブルーノ君はほぼ関わっていなかった気がする。だって宰相補佐してて、ヴァルト家の後継者だったし。
そんな状態のオルシス様とブルーノ君の距離感を兄様が視てしまったら、どう思うのか。
ああああやっぱり見せられない。あの義父の冷たいまなざしをずっと受け続けてきたオルシス様を見せるなんてどんな罰ゲーム……
「でも一番肝心な閣下に声をかけた人の姿は視えなかったですし、そこから先もわからないですし……」
あのアルバムに新たなメモリーが追加されているのかも、発動してみないとわからないわけで。
一人でアルバムを視ようと思ったら絶対にタップしてしまう自信があるので、魔力の減り具合からして発動もそんな簡単に出来るわけもない。
「せめて、黒幕だけでもわかればって思ったのに……」
「そうだね、でも、今日はもう終わり。魔力がちゃんと回復したら、また僕と一緒に試してみよう」
「はいい……」
がっかりしながら口の中でレガーレ飴を転がした。
「……という感じでした」
ブルーノ君を兄様の部屋に呼んで、さっきのことを三人でブルーノ君に伝えた。
ステファノ殿下はただいまねんね。発作も起こさずにルーナの子守歌でご機嫌なまま寝ちゃったらしい。よかった。ルーナも立派なお姉ちゃんだね。その光景を見たかったなあ……
母がその場で様子を見ていてくれるからブルーノ君もこっちに来ることが出来たんだけど。
ブルーノ君は詳細を聞き、目元を指でぐりぐりしながら疲れの滲ませた表情になった。
俺をじっと見て、指を指す。
「規格外」
そんなことないよね、と兄様と義父を交互に見ると、二人ともうんうん頷いていた。
「ところでアルバ、その茶葉の袋ってどんなんだったか憶えてるか?」
「茶葉の袋……? ええと、確か白い紙の袋に入っていた気がします。横側に茶色のラインが入っていて……どこの茶葉だったかは言ってなかったような……」
ブルーノ君はスッと目を細めた。
「それ、多分俺が『青の結晶』を間違えて飲んじまった時に淹れた茶葉の袋だ。まあそれに毒が入っていたわけじゃなかったし、ツヴァイト閣下の差し入れっていわれたから淹れたんだが……実は側近の差し入れで、しかも閣下が持ってきたわけじゃなく……? 身体が温まる茶……? いや、あれはそんな効能のある茶葉じゃなかったぞ。たしか東側のラングル伯爵領産の胸がすっきりするハーブを混ぜた茶葉だったはず」
義父がブルーノ君の言葉に反応する。
「ラングル伯爵領か……あそこにはかなり珍しい薬草を特産としている街があったはず……そこを治めているのが」
うむむと考えてから、顔を上げた。
「「アルトモント子爵家」」
義父とブルーノ君の声が重なる。
「アルトモントとは……? どこかで聞いたことのあるような……」
俺が首を捻っていると、兄様とブルーノ君がそっと教えてくれた。
「ほら、リコル先生の代わりに養護教諭になった先生がいるだろ。あの先生の実家だよ。前に話題に出ただろ。な、オルシス」
「そうだね。嫡男が病弱で、次男が後継になる予定だったのが、嫡男の体調がよくなり、すんなり兄が後継に決まって、実は地魔法が得意だった次男が兄に毒を盛っていたのではという話が出て、一時期揉めた家だよ」
あー、そうだった。俺の記憶力が一番の問題だった。
「あれ、でもあれは冤罪だったんですよね? だからこそロッソ先生は学園にいるんでしょうし」
そうじゃなかったら学園に入れるなんて絶対にしないよね。
そう呟いたら、義父がうんうん頷いた。
「そうだね。でも、あの家はそのロッソ氏が家を出てから薬草の質が下がってしまって、もううちでは取引をしていないんだよ。ロッソ氏が後継だと言われていた時は、とてもいい薬草を育てていて、うちでもよく取引をしていたんだけれど。あの薬草は東の気候でしか育たないから」
「この温室で育てようと思って失敗しましたからね。でもあの薬草が切れたら解毒薬の約四分の一種類くらいは作れなくなるので、国としては痛手ですよね」
「ブルーノの言うとおりだ。いっそのことロッソ氏がそのまま継げばよかったんだが……子爵夫妻は病弱の兄を可愛がっていたというからね」
なるほど……
「って、今回の王宮の事件とは全く関係ない話でしたね……」
やっぱり俺は視るメモリーを間違えたってことかな。
もう一回って言われても、兄様の魔力まで使い果たさせているし、俺の魔力もすっからかんだし今日は無理だよね……むしろそのピンポイントで視たいものを視れるって思うこと自体がダメなのかもしれない。今までだって意図してみたいものを視れたためしはなかったんだし。
溜息を吐いた途端、兄様が「そうでもないんだよ」と首を横に振った。
ううう、闇落ち兄様も最高に素晴らしい……。でもなんで?
「アルバは、本当にすごいことをやってのけたんだと自覚して……? 本当に、誰かに知られたら取られちゃうかもしれないからこの部屋にずっと閉じこめてただ僕だけを見ていて欲しいくらいだよ……」
「うえええ兄様……? 兄様の部屋にずっと閉じ込められて一緒にいるなんてどんなご褒美ですか……?」
「アルバ、オルシス、ちょっと冷静になろうか」
闇落ちしそうな雰囲気の兄様にうっとりしていると、義父がストップをかけてくれた。
「幸いにして、アルバのその能力は私とオルシスとアルバ自身しかわからない。これは……フローロとルーナに伝えるのすら時期を考えないといけないかもしれないね……ブルーノには伝えよう。ただ、王宮には、たとえ陛下でもお伝え出来ない能力だね」
ふ―……と重々しく溜息を吐いた義父は、けれど俺達を安心させるように微笑んだ。
「アルバ、君は、決してポンコツなんかじゃないよ。ただ、その類稀な能力を、私たちは絶対に私利私欲では使いはしないから」
義父の言葉に、胸がじんわり温かくなる。
むしろ俺が今まさに私利私欲のために使っちゃってるんだけどね!
これは家族の私利私欲のためならためらいなく使うけれども。だってこれでもし悪いことが回避できるなら、それに越したことはないもん。
「……アルバがどんな光景を視ているのか、僕には知ることが出来ないのは辛いな」
兄様の呟きに、俺は後ろめたくて視線を逸らした。
私利私欲で、兄様のスチルを網羅したいと思っちゃったんだけど、あれを兄様と視覚共有しちゃったりしたらドン引き案件間違いなしだよね……気持ち悪いやつとか言われたら、流石に兄様のすべてを全肯定の俺でも立ち直れない。
兄様のスチルを眺めてはえへへあははしてたりしたら本当に気持ち悪いと思うんだよ……
「視えない方がいいです。絶対に」
あの笑わないオルシス様を兄様が視てしまったらいったいどう思うのか。あっちは俺が消えたいわば別世界だから、皆が皆全然違う状態なわけだ。それを言ったらミラ妃殿下だって、ゲームとは全く違う。最初から全く違っていた。本当にこの人が主人公? ってくらい。ゲームでの主人公は俺にとって好感度は地の底をいっていたからね。それなのにミラ妃殿下はカラッとしていて誰よりも男ま……げふんごふん、いい人で、好感度は爆上がり状態。
レガーレはまだ見つかったばかりで、今まさに研究を始めようという状態。そこにブルーノ君はほぼ関わっていなかった気がする。だって宰相補佐してて、ヴァルト家の後継者だったし。
そんな状態のオルシス様とブルーノ君の距離感を兄様が視てしまったら、どう思うのか。
ああああやっぱり見せられない。あの義父の冷たいまなざしをずっと受け続けてきたオルシス様を見せるなんてどんな罰ゲーム……
「でも一番肝心な閣下に声をかけた人の姿は視えなかったですし、そこから先もわからないですし……」
あのアルバムに新たなメモリーが追加されているのかも、発動してみないとわからないわけで。
一人でアルバムを視ようと思ったら絶対にタップしてしまう自信があるので、魔力の減り具合からして発動もそんな簡単に出来るわけもない。
「せめて、黒幕だけでもわかればって思ったのに……」
「そうだね、でも、今日はもう終わり。魔力がちゃんと回復したら、また僕と一緒に試してみよう」
「はいい……」
がっかりしながら口の中でレガーレ飴を転がした。
「……という感じでした」
ブルーノ君を兄様の部屋に呼んで、さっきのことを三人でブルーノ君に伝えた。
ステファノ殿下はただいまねんね。発作も起こさずにルーナの子守歌でご機嫌なまま寝ちゃったらしい。よかった。ルーナも立派なお姉ちゃんだね。その光景を見たかったなあ……
母がその場で様子を見ていてくれるからブルーノ君もこっちに来ることが出来たんだけど。
ブルーノ君は詳細を聞き、目元を指でぐりぐりしながら疲れの滲ませた表情になった。
俺をじっと見て、指を指す。
「規格外」
そんなことないよね、と兄様と義父を交互に見ると、二人ともうんうん頷いていた。
「ところでアルバ、その茶葉の袋ってどんなんだったか憶えてるか?」
「茶葉の袋……? ええと、確か白い紙の袋に入っていた気がします。横側に茶色のラインが入っていて……どこの茶葉だったかは言ってなかったような……」
ブルーノ君はスッと目を細めた。
「それ、多分俺が『青の結晶』を間違えて飲んじまった時に淹れた茶葉の袋だ。まあそれに毒が入っていたわけじゃなかったし、ツヴァイト閣下の差し入れっていわれたから淹れたんだが……実は側近の差し入れで、しかも閣下が持ってきたわけじゃなく……? 身体が温まる茶……? いや、あれはそんな効能のある茶葉じゃなかったぞ。たしか東側のラングル伯爵領産の胸がすっきりするハーブを混ぜた茶葉だったはず」
義父がブルーノ君の言葉に反応する。
「ラングル伯爵領か……あそこにはかなり珍しい薬草を特産としている街があったはず……そこを治めているのが」
うむむと考えてから、顔を上げた。
「「アルトモント子爵家」」
義父とブルーノ君の声が重なる。
「アルトモントとは……? どこかで聞いたことのあるような……」
俺が首を捻っていると、兄様とブルーノ君がそっと教えてくれた。
「ほら、リコル先生の代わりに養護教諭になった先生がいるだろ。あの先生の実家だよ。前に話題に出ただろ。な、オルシス」
「そうだね。嫡男が病弱で、次男が後継になる予定だったのが、嫡男の体調がよくなり、すんなり兄が後継に決まって、実は地魔法が得意だった次男が兄に毒を盛っていたのではという話が出て、一時期揉めた家だよ」
あー、そうだった。俺の記憶力が一番の問題だった。
「あれ、でもあれは冤罪だったんですよね? だからこそロッソ先生は学園にいるんでしょうし」
そうじゃなかったら学園に入れるなんて絶対にしないよね。
そう呟いたら、義父がうんうん頷いた。
「そうだね。でも、あの家はそのロッソ氏が家を出てから薬草の質が下がってしまって、もううちでは取引をしていないんだよ。ロッソ氏が後継だと言われていた時は、とてもいい薬草を育てていて、うちでもよく取引をしていたんだけれど。あの薬草は東の気候でしか育たないから」
「この温室で育てようと思って失敗しましたからね。でもあの薬草が切れたら解毒薬の約四分の一種類くらいは作れなくなるので、国としては痛手ですよね」
「ブルーノの言うとおりだ。いっそのことロッソ氏がそのまま継げばよかったんだが……子爵夫妻は病弱の兄を可愛がっていたというからね」
なるほど……
「って、今回の王宮の事件とは全く関係ない話でしたね……」
やっぱり俺は視るメモリーを間違えたってことかな。
もう一回って言われても、兄様の魔力まで使い果たさせているし、俺の魔力もすっからかんだし今日は無理だよね……むしろそのピンポイントで視たいものを視れるって思うこと自体がダメなのかもしれない。今までだって意図してみたいものを視れたためしはなかったんだし。
溜息を吐いた途端、兄様が「そうでもないんだよ」と首を横に振った。
あなたにおすすめの小説
「許してやりなさい」と言われ続けた令嬢が、許した回数を数えていた——千二百回
歩人
ファンタジー
「許してやりなさい」
侯爵令嬢リーリエは、この言葉を千二百回聞いた。
婚約者が夜会で他の令嬢と踊ったとき。義母に「出来損ない」と言われたとき。父が「お前さえ我慢すれば丸く収まる」と目を逸らしたとき。
リーリエは毎晩、帳面に書いた。日付。許した内容。許した理由——その欄はいつも空白だった。
千二百回目の「許してやりなさい」を聞いた日、リーリエは帳面を閉じた。
「お父様。千二百回、許しました。千二百一回目は、ございません」
帳面が社交界に渡ったとき、「許してやりなさい」と言っていた全員の顔から血の気が引いた。我慢の記録は、どの告発よりも雄弁だった。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。
古森真朝
ファンタジー
「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。
俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」
新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは――
※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
「お前を愛する事はない」を信じたので
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することは無い。お前も私を愛するな。私からの愛を求めるな」
お互いの利益のために三年間の契約結婚をしたアヴェリンとロデリック。楽しく三年を過ごしたアヴェリンは屋敷を出ていこうとするのだが……。
よかった、わたくしは貴女みたいに美人じゃなくて
碧井 汐桜香
ファンタジー
美しくないが優秀な第一王子妃に嫌味ばかり言う国王。
美しい王妃と王子たちが守るものの、国の最高権力者だから咎めることはできない。
第二王子が美しい妃を嫁に迎えると、国王は第二王子妃を娘のように甘やかし、第二王子妃は第一王子妃を蔑むのだった。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載