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1 エルヴ、異世界に降り立つ
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俺はエルヴだ。
異世界で目覚めたら、エルヴだった。
何を言っているか分からないと思う。俺も分からないんだ。
話は数時間前にさかのぼる。
★★★
確か俺はトラックで、高速道路を爆走していたんだ。
早く依頼主に積み荷を届けなきゃならない。遅延したら、賠償金とか取られる。会社に迷惑はかけられないと、眠い目をこすりながらトラックを走らせていたんだ。
高速道路でガンガン爆走していたら、いきなり衝撃が走ったんだ。
ドンッと押される感じだ。
衝撃的に考えて、追突されたようだ。時速100キロ近い速度で走ってんのに、追突とかマジかよ。
サイドミラーで確認すると、後ろも大型トラックだ。
最悪である。
俺は相手が怪我したかとか、死んでいないよな? とか考えもしなかった。
積み荷が時間まで届けられない。トラックは破損。会社に迷惑がかかる。依頼主からは賠償金。俺はクビ。
最悪のシナリオが思い描けた。
とにかく、俺はブレーキを踏んで減速しようと思ったが、なんと減速しなかった。
ブレーキが壊れたらしい。そんなことがありえるのか?
後ろのトラックも減速する気配すらない。暴走機関車のように突っ込んでくるではないか。
俺のトラックを、意味不明にグイグイ押してくる。荷台から、嫌なきしみ音がガンガンする。
向こうのドライバーはどうなっているんだ。居眠りしたままアクセル踏みっぱか? それとも病気か何かで失神したのか?
くそ。電話したいが、ハンドルから手が離せん。片手ではハンドルを取られる。
これは非常にまずい状態だ。
横にハンドルを切って逃げたいが、もしハンドルを切れば大惨事になる。
後ろのトラックに押された力で、俺のトラックがスピンするかもしれない。高速道路の真ん中でいきなりスピンすれば、どうなるか想像がつく。後続車が大勢ぶつかってくるぞ。
一直線の高速道路を走りながら、詰んだと思った。
地球に生を受けて35年。
お父さん。お母さん。今までありがとうございました。息子は星になります。
その後は、よく覚えていない。肝心な部分が欠如しているが、多分、死んだのだろうと思う。
多分、助からない事故だったと思うのだが、その先が理解できないのだ。
死んだら、大草原に転生するのだろうか? おれはなぜ草原にポツーンと一人でいるのだ?
さっきまで高速道路にいたはずなのに、なぜだ?
一体全体なにがなんだかわからない。少し話をまとめてみるか。
俺は仕事でトラックを運転していた。高速道路を使って、荷物を運んでいた。
いつも通りにトラックを運転していたら、見知らぬ大型トラックにケツを掘られた。
事故なので、止めようと思ってブレーキを踏んだが、ブレーキが壊れて止まらない。おまけに突っ込んできたトラックは、減速せずにスピードを上げ続ける。
俺は後ろのトラックにグイグイ押され続け、カーブが差し掛かったあたりで、意識が途切れた。
その後気づいたら、俺は大草原にいた。
っていう感じだが、大草原の意味が分からない。
俺は再度周りを見渡してみる。
絶景である。
大草原ってのは、テレビの中だけでしか見たことがなかった。実際に来て見ると、すごい絶景だ。細かいことで怒ったり泣いたりしているのが、バカみたいに感じる。それほど雄大な景色が広がっている。
草原では心地よい風が流れ、緑の匂いで満たされている。気温もちょうど良い感じで、夢ではないような現実感が、俺を支配する。
ふと、空を見上げる。真っ青な空を。
ああ。空ってこんなにきれいだったんだ。ゆったりと大きな雲が流れている。
雲を見ながら、空をよく見ると、ドラゴンみたいな巨大な生き物が飛んでいる。
その後地上に視線を移してみると、遠くの方で恐竜みたいな奴も動いている。
ただの草原、じゃないのか? なんだここはと俺は思って、気づいた。
俺は。俺自身は。
エルヴになっていた。
え? なに? エルヴ?
エルフじゃないかって?
違うよ。 森のエルフじゃないよ。
トラックのエルヴだよ。
そう。
俺。トラック。
トラックになってたの。
知ってる? 大型トラックだよ? 荷物をいっぱい運ぶ奴。
「…………なんなんだこれは」
俺は憤慨する。
「なんなんだこれは!!!!」
これが数時間前の状態だ。
★★★
異世界は、広大で美しかった。
手つかずの大自然が残っている感じだ。
右を見ても、左を見ても、大草原なんだ。地平線ってやつを、初めて見たぜ。
とにかく俺は、アイドリング状態で自分の状態を確かめた。
視界を確認する。
前が見える。180℃どころか、全方位360℃見える。
これは俺のトラックに装備された、最新型のカメラが原因だろう。横も見えるのは理解できないが、とにかく俺は目がいい。
ライトも点くし、ウインカーも動く。最後に少し走ってみたら、走った。歩くぞ、という感じで動いたら、タイヤが前に少し進んだ。
整地されていない場所だったので、ガタンガタンと揺れたが、仕方ない。
自分自身の状態も分かるようで、エンジンオイルは満タン。バッテリーも弱っていない。走行距離は15メートル。
油温なども完璧で、俺の状態は健康そのもの。いつでもバリバリ荷物をお届けできまっせ! 荷物はどこかいな!? 俺に荷物を!!
「…………」
ここはよく分からない世界だ。
誰に荷物を届けるというのか。
ちなみに、俺の車体は箱型のボディだ。ウイングボディってやつで、荷台が鳥の翼のように開くんだぜ。スゲェだろ! これで荷物の荷卸しも楽勝だぜ!! 大量の荷物だって怖くねぇ! いつでもきやがれ!!
「…………」
ここはよく分からない世界だ。
荷物なんて、届けようがねぇ。
俺は荷台のウイングを開けてみたが、無事に開閉した。
荷台だが、なぜか居住スペースがあった。せいぜい2人が寝られるスペースだ。トイレ、シャワー完備。かなり狭いが、生活できないことはない。
まさか、俺はここで一人で生きてけと? トラックとなって?
いや、それ以前に、トラックならシャワーとかトイレいらないだろう。どういうことだってばよ。
荷台だが、なんと空ではなかった。居住スペースの他にも荷が積んであった。
俺に荷物をくれとか騒いでいたが、実は最初から荷物が積んであった。食料品や衣類が詰め込まれたダンボールが、山積みになっているようだ。
いったい、なんなんだ。これを誰かに届ければいいのか? そもそもなんで俺はトラックになっている?
意味が分からない。誰か教えろください。
俺は心の中でつぶやくが、誰も答えてくれない。大草原の風がヒュウッと吹き抜ける。
俺は大草原にポツーンと佇む。人間の気配がない。なぜだ。どうしてこうなった。ここはどこだ。私は誰だ。
いろいろ考えるが、答えは出ない。地団太を踏もうにも、足が無い。代わりにあるのは太いタイヤだ。
「なんなんだ、これは! なんなんだ!」
イラついた俺は、エンジンを空ぶかしした。
ブオン!!!!!
すさまじいエンジンサウンドが響いた。
V型16気筒並みの、すさまじいエンジンサウンド。大草原に、俺の鼓動が響き渡る。
ブオン、ブオン!!!!
「す、すげぇぞ。俺。すげぇトラックになっちまった」
どこまででも加速しそうな、この心臓。
排ガス規制なんて俺には関係ない!!
地平線の彼方まで、走りたくなった!!
俺はアイドリングをやめる。走り出したのだ。
この、大自然が残る、草原を。
ドラゴン? 恐竜? しらねぇよ。俺は泣く子も黙る大型トラックだ。
ぶつかったら、シャレにならねぇぞ?
ガソリンは満タンだ!
行くぞ異世界! 待ってろよ!!
俺は心の中で叫んだが、アクセルはゆっくり開けた。
まずは徐行からね。タイヤパンクしたら終わりだから。
異世界で目覚めたら、エルヴだった。
何を言っているか分からないと思う。俺も分からないんだ。
話は数時間前にさかのぼる。
★★★
確か俺はトラックで、高速道路を爆走していたんだ。
早く依頼主に積み荷を届けなきゃならない。遅延したら、賠償金とか取られる。会社に迷惑はかけられないと、眠い目をこすりながらトラックを走らせていたんだ。
高速道路でガンガン爆走していたら、いきなり衝撃が走ったんだ。
ドンッと押される感じだ。
衝撃的に考えて、追突されたようだ。時速100キロ近い速度で走ってんのに、追突とかマジかよ。
サイドミラーで確認すると、後ろも大型トラックだ。
最悪である。
俺は相手が怪我したかとか、死んでいないよな? とか考えもしなかった。
積み荷が時間まで届けられない。トラックは破損。会社に迷惑がかかる。依頼主からは賠償金。俺はクビ。
最悪のシナリオが思い描けた。
とにかく、俺はブレーキを踏んで減速しようと思ったが、なんと減速しなかった。
ブレーキが壊れたらしい。そんなことがありえるのか?
後ろのトラックも減速する気配すらない。暴走機関車のように突っ込んでくるではないか。
俺のトラックを、意味不明にグイグイ押してくる。荷台から、嫌なきしみ音がガンガンする。
向こうのドライバーはどうなっているんだ。居眠りしたままアクセル踏みっぱか? それとも病気か何かで失神したのか?
くそ。電話したいが、ハンドルから手が離せん。片手ではハンドルを取られる。
これは非常にまずい状態だ。
横にハンドルを切って逃げたいが、もしハンドルを切れば大惨事になる。
後ろのトラックに押された力で、俺のトラックがスピンするかもしれない。高速道路の真ん中でいきなりスピンすれば、どうなるか想像がつく。後続車が大勢ぶつかってくるぞ。
一直線の高速道路を走りながら、詰んだと思った。
地球に生を受けて35年。
お父さん。お母さん。今までありがとうございました。息子は星になります。
その後は、よく覚えていない。肝心な部分が欠如しているが、多分、死んだのだろうと思う。
多分、助からない事故だったと思うのだが、その先が理解できないのだ。
死んだら、大草原に転生するのだろうか? おれはなぜ草原にポツーンと一人でいるのだ?
さっきまで高速道路にいたはずなのに、なぜだ?
一体全体なにがなんだかわからない。少し話をまとめてみるか。
俺は仕事でトラックを運転していた。高速道路を使って、荷物を運んでいた。
いつも通りにトラックを運転していたら、見知らぬ大型トラックにケツを掘られた。
事故なので、止めようと思ってブレーキを踏んだが、ブレーキが壊れて止まらない。おまけに突っ込んできたトラックは、減速せずにスピードを上げ続ける。
俺は後ろのトラックにグイグイ押され続け、カーブが差し掛かったあたりで、意識が途切れた。
その後気づいたら、俺は大草原にいた。
っていう感じだが、大草原の意味が分からない。
俺は再度周りを見渡してみる。
絶景である。
大草原ってのは、テレビの中だけでしか見たことがなかった。実際に来て見ると、すごい絶景だ。細かいことで怒ったり泣いたりしているのが、バカみたいに感じる。それほど雄大な景色が広がっている。
草原では心地よい風が流れ、緑の匂いで満たされている。気温もちょうど良い感じで、夢ではないような現実感が、俺を支配する。
ふと、空を見上げる。真っ青な空を。
ああ。空ってこんなにきれいだったんだ。ゆったりと大きな雲が流れている。
雲を見ながら、空をよく見ると、ドラゴンみたいな巨大な生き物が飛んでいる。
その後地上に視線を移してみると、遠くの方で恐竜みたいな奴も動いている。
ただの草原、じゃないのか? なんだここはと俺は思って、気づいた。
俺は。俺自身は。
エルヴになっていた。
え? なに? エルヴ?
エルフじゃないかって?
違うよ。 森のエルフじゃないよ。
トラックのエルヴだよ。
そう。
俺。トラック。
トラックになってたの。
知ってる? 大型トラックだよ? 荷物をいっぱい運ぶ奴。
「…………なんなんだこれは」
俺は憤慨する。
「なんなんだこれは!!!!」
これが数時間前の状態だ。
★★★
異世界は、広大で美しかった。
手つかずの大自然が残っている感じだ。
右を見ても、左を見ても、大草原なんだ。地平線ってやつを、初めて見たぜ。
とにかく俺は、アイドリング状態で自分の状態を確かめた。
視界を確認する。
前が見える。180℃どころか、全方位360℃見える。
これは俺のトラックに装備された、最新型のカメラが原因だろう。横も見えるのは理解できないが、とにかく俺は目がいい。
ライトも点くし、ウインカーも動く。最後に少し走ってみたら、走った。歩くぞ、という感じで動いたら、タイヤが前に少し進んだ。
整地されていない場所だったので、ガタンガタンと揺れたが、仕方ない。
自分自身の状態も分かるようで、エンジンオイルは満タン。バッテリーも弱っていない。走行距離は15メートル。
油温なども完璧で、俺の状態は健康そのもの。いつでもバリバリ荷物をお届けできまっせ! 荷物はどこかいな!? 俺に荷物を!!
「…………」
ここはよく分からない世界だ。
誰に荷物を届けるというのか。
ちなみに、俺の車体は箱型のボディだ。ウイングボディってやつで、荷台が鳥の翼のように開くんだぜ。スゲェだろ! これで荷物の荷卸しも楽勝だぜ!! 大量の荷物だって怖くねぇ! いつでもきやがれ!!
「…………」
ここはよく分からない世界だ。
荷物なんて、届けようがねぇ。
俺は荷台のウイングを開けてみたが、無事に開閉した。
荷台だが、なぜか居住スペースがあった。せいぜい2人が寝られるスペースだ。トイレ、シャワー完備。かなり狭いが、生活できないことはない。
まさか、俺はここで一人で生きてけと? トラックとなって?
いや、それ以前に、トラックならシャワーとかトイレいらないだろう。どういうことだってばよ。
荷台だが、なんと空ではなかった。居住スペースの他にも荷が積んであった。
俺に荷物をくれとか騒いでいたが、実は最初から荷物が積んであった。食料品や衣類が詰め込まれたダンボールが、山積みになっているようだ。
いったい、なんなんだ。これを誰かに届ければいいのか? そもそもなんで俺はトラックになっている?
意味が分からない。誰か教えろください。
俺は心の中でつぶやくが、誰も答えてくれない。大草原の風がヒュウッと吹き抜ける。
俺は大草原にポツーンと佇む。人間の気配がない。なぜだ。どうしてこうなった。ここはどこだ。私は誰だ。
いろいろ考えるが、答えは出ない。地団太を踏もうにも、足が無い。代わりにあるのは太いタイヤだ。
「なんなんだ、これは! なんなんだ!」
イラついた俺は、エンジンを空ぶかしした。
ブオン!!!!!
すさまじいエンジンサウンドが響いた。
V型16気筒並みの、すさまじいエンジンサウンド。大草原に、俺の鼓動が響き渡る。
ブオン、ブオン!!!!
「す、すげぇぞ。俺。すげぇトラックになっちまった」
どこまででも加速しそうな、この心臓。
排ガス規制なんて俺には関係ない!!
地平線の彼方まで、走りたくなった!!
俺はアイドリングをやめる。走り出したのだ。
この、大自然が残る、草原を。
ドラゴン? 恐竜? しらねぇよ。俺は泣く子も黙る大型トラックだ。
ぶつかったら、シャレにならねぇぞ?
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