俺は大型トラックになった~トラックで無双する異世界旅~

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11 第二の開拓村へ到着前 俺はトレーラーを買えないか模索する

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 なんと、俺はあれからレベルが48まで上がった。

 異常なほどの速度でレベルが上がり続ける。

 確かに俺の睨んだ通り、最初に出会ったジャッカルは、倒してもレベルが上がりづらくなった。

 一番初めに出会ったキマイラは、レアな魔物らしくあれ以来出会わない。

 俺はこまめに見つけた魔物を倒し続け、魔石と経験値を溜め続けている。
 
 レベルが50に上がったので、レーダー(中)と、ナビのバージョンアップを取得した。

 レーダーに関しては非常に役に立っている。魔物の居場所を探知してくれる上に、真っ暗闇でもどんな魔物がいるか教えてくれるのだ。もっと早めに取っておくべきだったと後悔している。

 レーダー(中)になったことで、探知距離が3キロまで上がっている。かなり広範囲で生物がいることがわかるようになった。レベルアップするのも、かなり効率がよくなった。

 ナビのバージョンアップだが、これもかなり良い仕事をするようになった。

 人工知能レベルが上がったようで、ナビのランクが2に上がった。

 どのようなランクかは不明だが、性能が良くなったのは事実だ。GPS機能が強化されて、周辺地図が画面に表示されるようになった。しかも以前に言った場所ならいけるようになった。前回の開拓村にも、ナビの案内で簡単にいけるようだし、言った場所を次々に記憶してくれる。

 ナビを通して買える謎の通信販売も、かなり良い品ぞろえになった。

 食料品はもとより、衣類や靴、生活雑貨が買えるようになっている。電子レンジやオーブントースターと言った家電まで買える。ただし、それなりのガソリン(魔素)を支払わなければ買えない。

 ナビのバージョンアップとともに、魔素以外でも支払いが可能になった。それは魔石や、魔物の肉や素材だ。どうやっているのか分からないが、ナビが買い取り額を査定して、魔素に変換しているらしい。変換した魔素の量に応じて、商品と交換できるシステムだ。

 買い取り額はナビの性能によって変わるらしく、早めのバージョンアップが求められる。今はまだナビのランクが2なので、買い取り額は低い。ナビが分からない魔物に関しては、買取できないしな。

 ちなみに、ナビのメーカーはクラリオンというらしい。確か地球でそんなメーカーがあったような気がしたが、まぁいい。今は魔物から出る魔石と素材だ。

 俺はジェーンが魔物を解体する報酬として、魔石を与えることにした。肉や骨、牙や皮などは、ジェーンが望めば報酬とすることにした。

 魔石や素材でも商品が買えるようなったので、ジェーンの取り分は少なくなった。それでも、俺が倒した魔物を解体するだけだから、命の危険はない。よっぽど毒まみれの魔物でなければ、解体はただの作業だ。

 俺は作業料として、ジェーンに魔石や素材を支払うのだ。

 ジェーンも魔石を手に入れ、どんどんレベルを上げている。

 今やジェーンは中級上位の機械騎士になっている、らしい。

 正確には騎士団にある、認証協会で確認が必要らしい。正確な魔素の量と、肉体のレベルを計るようだ。

「大丈夫だ。明らかに私は強い。グレイジャッカルの群れでも、余裕で対応できた。今までの私ではなくなっている。これもすべてエルのおかげだ。ありがとう」

 ジェーンは俺に礼を言ってくれる。感謝されることは悪い気分ではないので、気にするなといって照れ隠しした。

 そのまま草原をドライブし続ける。結構寄り道をしながら走っているので、目的の街までなかなかつかない。

 ジェーンが所属している街は、草原への玄関口となっている大きな街らしい。そこの騎士団にジェーンは所属しているとのことだ。

 ジェーンは草原を巡回する機械騎士で、他にもたくさんの仲間が草原を巡回している。草原での治安を維持しているようだが、とても手が回っていないようだ。魔人への防衛もあるし、人間同士の戦争もある。少ない騎士で、なんとかやりくりしていると、ジェーンは言っていた。

 ジェーンが所属する街までは、あと5日くらい走ればつく。草原のけもの道なため、如何せん速度が出せないが、到着することは到着する。道は間違っていないとのことだ。

 ジェーンが所属する街に着く前に、中規模の開拓村に到着するらしい。まずはそこに立ち寄り、今まで得た魔物の肉を金に換えるようだ。

 ちなみに魔物の肉は、ナビからの買い取り額が低い。謎の通信販売で魔素に変換するよりも、食肉として消費した方が良い。現在魔物の肉は、干し肉となってトラックの荷台にたくさんぶら下がっている。

 たまに馬のフリードが干し肉をつまみ食いしている。フリードは純血の馬ではなく、魔物の血が混ざっている種だ。力が強く、魔力も持っている。基本は草や野菜を食べるが、おやつに肉も食べるみたいだ。草食用の歯で、どうやって食っているのか分からないが、肉も食べている。

 俺はその後も魔物を倒し続け、魔石と素材を溜め続けている。

 トラックの荷台がすでに限界をむかえている。馬のフリードもかなり窮屈そうだ。

 やはり大型トラック一台では無理がある。

 俺はナビに、けん引するトレーラーを買えないか聞いてみる。

「可能です。最低価格の商品で、魔素の量は100万クーロ必要です」

 クーロだと? 初めて聞くな。

「クーロってなんだ? リットルでどのくらいだ?」

「魔素10リットルで1クーロとなります」

 ちょっとまて。10で1だな? となると、100万クーロってのは、とんでもない量のガソリンが必要じゃねぇか?

 ええっと? 計算すると、1000万リットル必要ってことか? トレーラーを買うのに?

「ちょっと待てよ。じゃぁさ、最高額のトレーラーってのは?」

「1000万クーロ必要です」

 ムリゲーだろ。どうやって集めんだよ。トラックの荷台魔石いっぱいにしても、無理じゃねぇか? 魔石を魔素にする換金率も、そんなに高くないんだぞ。

「レベルアップにより改造ってのは、荷台を拡張とかできるか?」

 ナビは答えない。無視というより、答えられない案件のようだ。

 黙るということは、肯定ととらえることもできる。このままレベルアップが進めば、近いうちにトラックの外装やら、大きさを変えられるはずだ。そうなれば収納するスペースも大きくできる。それに期待するしかないな。

 俺はだんまりしているナビに言ってやる。

「お前のバージョンも上げれば、答えられるようになるのか? それもそれで面白そうだけどな」

 俺は心の中でにやりと笑うと、近くにいた魔物をついでとばかりに跳ね飛ばす。

 すまんが、俺の糧となってもらう。悪く思うなよ。

 しばらくして走り続け、第二の開拓村が見えてきた。

 今の俺のレベルは、49までに上がってきていた。

  
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