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第二章
80 魔法訓練1
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砦にある図書室に移動し、『魔法書』を用意してもらった。ページ数は20ページ前後。ずいぶん薄いなと見てみると、中身はイラストばかり。どうやら、子供向けの絵本みたいだ。
「アオ君。まずはそれを読んでほしい」
俺は狼と子豚の描かれた絵本をリザに渡された。狼が魔法を教える先生役、子豚が生徒役という感じで、物語が展開していた。
「なにこれ? 魔法書じゃないの?」
絵本を用意されて、ちょっとがっかりする。
「それは幼児用の魔法書だ」
「幼児用……」
「べ、別にアオ君を馬鹿にしているわけじゃないぞ。水魔法以外、まったく分からないというから、その本を用意したんだ」
「むぅ」
確かに、俺は今まで感覚で魔法を使ってきた。
術式などと言うものに頼らず、筋肉を操る感覚で魔法を使ってきた。だから魔法とか、どうやって動いているのかよく分からない。
理解するためにも、言われた通り絵本を読んでみる。
やっぱり、絵本だ。イラストばかりで文字があまりない。5分程度で読了した。
「どうだアオ君? 分かったか?」
「なんとなく分かった」
絵本に書かれた内容を要約すると、こうだ。
「あらゆる物質、つまり元素には魔力が宿っていて、それを操ることで魔法を発生させる」
元素。いわゆる、水や火、空気。金属のような物質まで。すべての、根源的なエネルギーのことだ。
「正解だ。だから魔力で火を生み出すことも可能だ。だけど人間と魔力には相性が合って、水の魔力を操れる人間はごくわずだ。神々がいた大昔には、水魔法使いは大勢いたみたいだけどね」
「神々……。それは水の女神、ダーナ様もいたってこと?」
「分からない。おとぎ話みたいなものだからね。ここ数百年で水魔法使いはさらに激減しているから、アオ君のような存在は貴重で、信仰の対象なんだ」
「ふうん。そうなのか」
結局のところ、水魔法は人間の命に直結するから貴重のようだ。戦闘能力的にもかなり強い方だが、火、風、水、土の四属性は、基本的に同等の力と絵本に書いてある。単に、魔力量の多い者が水魔法使いに多く、いつの時代も世界を変えて来たと書いてある。だから、水魔法使いが伝説的に扱われているんだ。
「まぁ、細かいことはいいや。で? どうやって水魔法以外の魔法を使うんだ?」
「手っ取り早くいくには、これを使う」
リザがポッケから取り出したもの。それは俺が見慣れた物だった。
俺が最初に暮らしていた村で採取していた物質。
「魔石か」
「その通り」
小難しい話は終わりにして、さっそく実践訓練に移ることになった。本当は術式とかいろいろあるみたいだけど、俺には時間が無い。だからいきなり実践だ。一応、魔法書は絵本以外にも数冊渡された。自主学習しておけということだった。
「さてアオ君。実践訓練、開始だ」
俺とリザはもう一度訓練所に戻り、そこで魔法訓練を始めることにした。
★★★
訓練所に戻ってきた俺たち。
円形闘技場のようになったこの場所では、さまざまな訓練をしている兵士がいる。現在は城に突入するための兵士が、弓矢や陣形の訓練をしている。人数は300人程度。残りの兵士たちは砦の外で大規模な訓練をしていた。
雇った傭兵たちも続々とこの砦に集結しており、砦全体がピリピリとした緊張感に包まれている。あちこちで怒鳴り声も聞こえる。命がかかった戦いをするから、みんな怖いのだろう。
そんな一触即発と言う雰囲気の中、俺とリザはイチャイチャしながら魔法訓練である。
「いい? アオ君。この腕輪をして魔力を込めるんだよ。ほら、私がつけてあげよう。上着を脱いで腕を出して」
「う、うん」
リザは俺の背後に回り込み、体を密着させてきた。リザの巨乳が背中にあたって気持ちいい。彼女も俺と直接触れ合える数少ないチャンスだからか、遠慮せず体を触ってくる。
「動かないでね。この腕輪は術者の体に合うように、調節が必要なんだ」
俺の細い腕を取って、腕輪を優しく装着してくれる。俺の背後から抱きしめるような格好だ。はたから見れば、年の離れた弟に魔道具を装備する姉に見える。他の兵士たちには仲の良い姉弟に見えるかもしれないが、俺とリザは血がつながっていない。
「リザ? ちょっとくっつきすぎじゃないか?」
「そ、そんなことはない。こ、これは必要なことなんだ。アオ君は言われた通り動かないで」
「あ、あぁ……」
やはりリザの態度がおかしい。俺に対する愛情ゲージが、いきなり限界突破したのだろうか? 今まで俺を見る時は、基本的に可愛い仲間を見る感じだった。だが今は違う。リザは俺を見て明らかに発情してる。まだ俺は子供で、女に相手されないような年だが、リザは普通じゃない。
「う、動かないでね。ハァハァ」
「………………」
だ、大丈夫だよなこの女。こんな場所で俺を襲ったりしないよな。嬉しいを通り越して、ちょっと怖くなってきたぞ。
その後、カチッという音ともに腕に装着された魔法の腕輪。見た目は銀色で無骨。魔石が一つはめ込んであり、魔力で光っている。魔石は取り換え可能なのか、リザの手には複数の魔石が握られている。
「これに魔力を通すと、はめ込んだ魔石に応じて魔法が発動するんだ。火の魔石なら火の魔法が。風の魔石なら、風の魔法が使える」
「へぇ。じゃぁこれがあれば誰でも魔法が使えるんじゃないか?」
「無理だ。さっき言った通り、人間には魔力の相性が合る。火の魔石と相性が良くなければ、基本的に火魔法は使えない。訓練せずに使える魔道具もあるにはあるが、非常に高価だ。これは、単なる測定器みたいなものだ」
「そうなのか」
初めの村にいた村長とかは、まったく魔石を使えなかった。使える人間はごくわずかだった。魔法の素養と相性が大きく左右されるみたいだ。
ということで、俺はリザと一緒に魔法訓練開始。
手取り足取り、リザに教わりながら腕輪に魔力を込める。俺に水魔法以外の力があるのか、検査するのだ。
それで三十分くらいリザにもみくちゃにされ、検査した結果。
「アオ君は全属性を使えるみたいだけど、戦闘では役に立たないレベルだな」
「まじか」
魔石を使って火花を出したりすることは出来ていた。だから火魔法くらい使えるのではと思ったが、読みが甘かった。俺はすべての属性を使用できるが、それは火花を出したり、そよ風を出したりするくらいのレベルだ。俺に、水魔法以外の素質は無かった。
がっかりしたが、リザが一つ提案をした。
「ならアオ君。私と一緒に混合魔法を使ってみるか?」
「え?」
「すごく魔力操作が難しくて私には使えなかったけど、アオ君となら出来る気がする。私の魔法と、アオ君の水魔法、合体させよう!」
リザは俺の手を取って、満面の笑顔で「合体」を強調した。
「アオ君。まずはそれを読んでほしい」
俺は狼と子豚の描かれた絵本をリザに渡された。狼が魔法を教える先生役、子豚が生徒役という感じで、物語が展開していた。
「なにこれ? 魔法書じゃないの?」
絵本を用意されて、ちょっとがっかりする。
「それは幼児用の魔法書だ」
「幼児用……」
「べ、別にアオ君を馬鹿にしているわけじゃないぞ。水魔法以外、まったく分からないというから、その本を用意したんだ」
「むぅ」
確かに、俺は今まで感覚で魔法を使ってきた。
術式などと言うものに頼らず、筋肉を操る感覚で魔法を使ってきた。だから魔法とか、どうやって動いているのかよく分からない。
理解するためにも、言われた通り絵本を読んでみる。
やっぱり、絵本だ。イラストばかりで文字があまりない。5分程度で読了した。
「どうだアオ君? 分かったか?」
「なんとなく分かった」
絵本に書かれた内容を要約すると、こうだ。
「あらゆる物質、つまり元素には魔力が宿っていて、それを操ることで魔法を発生させる」
元素。いわゆる、水や火、空気。金属のような物質まで。すべての、根源的なエネルギーのことだ。
「正解だ。だから魔力で火を生み出すことも可能だ。だけど人間と魔力には相性が合って、水の魔力を操れる人間はごくわずだ。神々がいた大昔には、水魔法使いは大勢いたみたいだけどね」
「神々……。それは水の女神、ダーナ様もいたってこと?」
「分からない。おとぎ話みたいなものだからね。ここ数百年で水魔法使いはさらに激減しているから、アオ君のような存在は貴重で、信仰の対象なんだ」
「ふうん。そうなのか」
結局のところ、水魔法は人間の命に直結するから貴重のようだ。戦闘能力的にもかなり強い方だが、火、風、水、土の四属性は、基本的に同等の力と絵本に書いてある。単に、魔力量の多い者が水魔法使いに多く、いつの時代も世界を変えて来たと書いてある。だから、水魔法使いが伝説的に扱われているんだ。
「まぁ、細かいことはいいや。で? どうやって水魔法以外の魔法を使うんだ?」
「手っ取り早くいくには、これを使う」
リザがポッケから取り出したもの。それは俺が見慣れた物だった。
俺が最初に暮らしていた村で採取していた物質。
「魔石か」
「その通り」
小難しい話は終わりにして、さっそく実践訓練に移ることになった。本当は術式とかいろいろあるみたいだけど、俺には時間が無い。だからいきなり実践だ。一応、魔法書は絵本以外にも数冊渡された。自主学習しておけということだった。
「さてアオ君。実践訓練、開始だ」
俺とリザはもう一度訓練所に戻り、そこで魔法訓練を始めることにした。
★★★
訓練所に戻ってきた俺たち。
円形闘技場のようになったこの場所では、さまざまな訓練をしている兵士がいる。現在は城に突入するための兵士が、弓矢や陣形の訓練をしている。人数は300人程度。残りの兵士たちは砦の外で大規模な訓練をしていた。
雇った傭兵たちも続々とこの砦に集結しており、砦全体がピリピリとした緊張感に包まれている。あちこちで怒鳴り声も聞こえる。命がかかった戦いをするから、みんな怖いのだろう。
そんな一触即発と言う雰囲気の中、俺とリザはイチャイチャしながら魔法訓練である。
「いい? アオ君。この腕輪をして魔力を込めるんだよ。ほら、私がつけてあげよう。上着を脱いで腕を出して」
「う、うん」
リザは俺の背後に回り込み、体を密着させてきた。リザの巨乳が背中にあたって気持ちいい。彼女も俺と直接触れ合える数少ないチャンスだからか、遠慮せず体を触ってくる。
「動かないでね。この腕輪は術者の体に合うように、調節が必要なんだ」
俺の細い腕を取って、腕輪を優しく装着してくれる。俺の背後から抱きしめるような格好だ。はたから見れば、年の離れた弟に魔道具を装備する姉に見える。他の兵士たちには仲の良い姉弟に見えるかもしれないが、俺とリザは血がつながっていない。
「リザ? ちょっとくっつきすぎじゃないか?」
「そ、そんなことはない。こ、これは必要なことなんだ。アオ君は言われた通り動かないで」
「あ、あぁ……」
やはりリザの態度がおかしい。俺に対する愛情ゲージが、いきなり限界突破したのだろうか? 今まで俺を見る時は、基本的に可愛い仲間を見る感じだった。だが今は違う。リザは俺を見て明らかに発情してる。まだ俺は子供で、女に相手されないような年だが、リザは普通じゃない。
「う、動かないでね。ハァハァ」
「………………」
だ、大丈夫だよなこの女。こんな場所で俺を襲ったりしないよな。嬉しいを通り越して、ちょっと怖くなってきたぞ。
その後、カチッという音ともに腕に装着された魔法の腕輪。見た目は銀色で無骨。魔石が一つはめ込んであり、魔力で光っている。魔石は取り換え可能なのか、リザの手には複数の魔石が握られている。
「これに魔力を通すと、はめ込んだ魔石に応じて魔法が発動するんだ。火の魔石なら火の魔法が。風の魔石なら、風の魔法が使える」
「へぇ。じゃぁこれがあれば誰でも魔法が使えるんじゃないか?」
「無理だ。さっき言った通り、人間には魔力の相性が合る。火の魔石と相性が良くなければ、基本的に火魔法は使えない。訓練せずに使える魔道具もあるにはあるが、非常に高価だ。これは、単なる測定器みたいなものだ」
「そうなのか」
初めの村にいた村長とかは、まったく魔石を使えなかった。使える人間はごくわずかだった。魔法の素養と相性が大きく左右されるみたいだ。
ということで、俺はリザと一緒に魔法訓練開始。
手取り足取り、リザに教わりながら腕輪に魔力を込める。俺に水魔法以外の力があるのか、検査するのだ。
それで三十分くらいリザにもみくちゃにされ、検査した結果。
「アオ君は全属性を使えるみたいだけど、戦闘では役に立たないレベルだな」
「まじか」
魔石を使って火花を出したりすることは出来ていた。だから火魔法くらい使えるのではと思ったが、読みが甘かった。俺はすべての属性を使用できるが、それは火花を出したり、そよ風を出したりするくらいのレベルだ。俺に、水魔法以外の素質は無かった。
がっかりしたが、リザが一つ提案をした。
「ならアオ君。私と一緒に混合魔法を使ってみるか?」
「え?」
「すごく魔力操作が難しくて私には使えなかったけど、アオ君となら出来る気がする。私の魔法と、アオ君の水魔法、合体させよう!」
リザは俺の手を取って、満面の笑顔で「合体」を強調した。
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