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第一章 伝説の水魔法使い
5 旅人小屋
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俺はオルフェを休ませつつ、日の出から夜まで走ってもらった。足が速く体力のあるオルフェだが12時間近く走ったのはさすがに堪えたのか、かなりぐったりとしていた。
オルフェが走ってくれたおかげで、なんと一日で旅人小屋に着いた。本当は三日くらいかかる行程らしいが、それを一日で走破してくれたのだ。俺はオルフェのおかげで命拾いした。
「ありがとうオルフェ。今日の分の食事だよ。いっぱい食べてくれ」
俺は旅人小屋にオルフェを連れ込むと、そこで牧草と野菜、水を一杯食べさせた。持ってきていた食料の半分がなくなったが、仕方ない。明日中に隣町に着けば、食料も補充できる。
旅人小屋だが、普通のログハウスだ。商人のキャラバンと、ごくわずかな冒険者しか利用しない、ただのログハウスだ。ほとんど物がないが、魔物除けの「聖石灰」やアルコールランプ。毛布類が常備されていた。多分、万が一を備え、商人が置いていったものだろう。
「誰もいなくて助かった」
こんな辺境の村にある旅人小屋を使用する人間はごくわずかだ。辺境の村と言うのが、逆に助かった。俺の水魔法を人前で使わずに済む。
オルフェに餌を与えると、小屋の周りに聖石灰を撒くことにした。念のため、魔物除けを施しておくのだ。
小屋の周りを一周、聖石灰を撒くと、小さな井戸を発見した。当然、枯れ果てていると思って覗き込んだが、暗くて良く見えない。一応、小石を投げ込んでみると、ボチャンという音がした。
「え? まさか。水があるのか?」
俺は備え付けの釣瓶を使い、汲み上げてみる。ちなみに、釣瓶とは、滑車と桶を使い、水をくみ上げる装置だ。井戸に使われる、原始的な装置である。
俺はボロボロになった釣瓶で、中の水を汲み上げ見ると、その水は赤く濁っていた。多分、酸性の濃度が高い。飲めば、死ぬのは間違いない。
「あぁ。そうか。ここは枯れた森だった。そのことを忘れていた」
ここは、戦争の化学兵器で焼かれた森だ。当然、水も汚染されている。相当深く掘ればきれいな水があるかもしれないが、浅い井戸では汚染された毒水しか出てこない。
「ふはは。だけど、俺は水魔法の使い手だぜ? 水の浄化魔法だって使えるんだ!」
俺は鉄製のスプーンを持つと、浄化魔法を使ってかき混ぜた。すると、赤い水がみるみるうちに透明になっていく。数分かき混ぜると、すっかり純水になり、飲める濃度にまで回復した。
「はぁはぁ。水を作り出すよりは楽だけど、やっぱり疲れる。あんまり大量に浄化は出来ないな」
俺はその後浄化魔法を数回繰り返し、数十リットルの水を確保した。近くにドラム缶があったので、それに貯めておいた。
オルフェが走ってくれたおかげで、なんと一日で旅人小屋に着いた。本当は三日くらいかかる行程らしいが、それを一日で走破してくれたのだ。俺はオルフェのおかげで命拾いした。
「ありがとうオルフェ。今日の分の食事だよ。いっぱい食べてくれ」
俺は旅人小屋にオルフェを連れ込むと、そこで牧草と野菜、水を一杯食べさせた。持ってきていた食料の半分がなくなったが、仕方ない。明日中に隣町に着けば、食料も補充できる。
旅人小屋だが、普通のログハウスだ。商人のキャラバンと、ごくわずかな冒険者しか利用しない、ただのログハウスだ。ほとんど物がないが、魔物除けの「聖石灰」やアルコールランプ。毛布類が常備されていた。多分、万が一を備え、商人が置いていったものだろう。
「誰もいなくて助かった」
こんな辺境の村にある旅人小屋を使用する人間はごくわずかだ。辺境の村と言うのが、逆に助かった。俺の水魔法を人前で使わずに済む。
オルフェに餌を与えると、小屋の周りに聖石灰を撒くことにした。念のため、魔物除けを施しておくのだ。
小屋の周りを一周、聖石灰を撒くと、小さな井戸を発見した。当然、枯れ果てていると思って覗き込んだが、暗くて良く見えない。一応、小石を投げ込んでみると、ボチャンという音がした。
「え? まさか。水があるのか?」
俺は備え付けの釣瓶を使い、汲み上げてみる。ちなみに、釣瓶とは、滑車と桶を使い、水をくみ上げる装置だ。井戸に使われる、原始的な装置である。
俺はボロボロになった釣瓶で、中の水を汲み上げ見ると、その水は赤く濁っていた。多分、酸性の濃度が高い。飲めば、死ぬのは間違いない。
「あぁ。そうか。ここは枯れた森だった。そのことを忘れていた」
ここは、戦争の化学兵器で焼かれた森だ。当然、水も汚染されている。相当深く掘ればきれいな水があるかもしれないが、浅い井戸では汚染された毒水しか出てこない。
「ふはは。だけど、俺は水魔法の使い手だぜ? 水の浄化魔法だって使えるんだ!」
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「はぁはぁ。水を作り出すよりは楽だけど、やっぱり疲れる。あんまり大量に浄化は出来ないな」
俺はその後浄化魔法を数回繰り返し、数十リットルの水を確保した。近くにドラム缶があったので、それに貯めておいた。
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