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第一章 伝説の水魔法使い
6 旅人小屋に、まさかの冒険者
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旅人小屋で一夜を明かした。
オルフェにはたっぷりと水と食料を与え、疲れを癒してもらった。蹄鉄の減り具合や、筋肉のマッサージを施し、ぐっすりと寝てもらった。
これからまた、オルフェには頑張って走ってもらわなければならない。
「聖石灰を持てるだけ持っておくか。あと、使われていない水筒もあったな。それも持って行こう」
銅で出来た水筒が転がっていた。錆びていたが、穴が開いているわけではない。水を持ち運ぶには十分だ。俺は旅人小屋に捨てられていた水筒を予備に持ち、昨日作った水をたっぷり入れた。
「皮の水袋にも水を入れたが、オルフェの飲む水は多いからな。水筒はいっぱいあった方がいい」
俺は日の出前に出発の準備をしていると、外で”ガラガラ”という音が聞こえた。昨日、井戸の釣瓶を使った音に似ている。
まさか、魔物でも現れたのか?
俺は静かに外へ出ると、なんと井戸の所に女がいた。
皮の鎧を着て、ライフル銃を装備している。腰に二丁の拳銃も装備している。多分、冒険者だ。
喉が渇いているのか、ひどくやつれた顔をしており、井戸から毒水を汲み上げていた。
俺は少し離れた場所から、女の様子を見る。まさかあの女も水魔法の使い手なのだろうか? それとも、毒水をろ過する装置を持っているのだろうか?
俺は女が何をするのか見ていると、なんと、赤い毒水をそのまま飲もうとした。よほど喉が渇いているのか、正常な判断が出来なくなっているようだ。目が血走っており、水のことしか頭にないような状況だ。
俺はそこで、その女に叫んでしまった。そのまま放っておいたらよかったのに、叫んでしまった。
「飲むな!!」
女は小屋の陰に隠れていた俺に気付いた。女の顔は白くなっていて、頬がこけていた。
「おいあんた! その水を飲むと死ぬぞ! 内臓が焼けただれて、すぐに死ぬ!!」
女は俺を見ると腰に装備していた拳銃を構えたが、体力が無いのかその場に倒れてしまった。女が手を放したので、赤い毒水はそのまま井戸の中に落ちて行った。
「かはっ。かっは」
渇いた咳をする女冒険者。
俺は女に近づくと、「みず、みず」と言っている。朦朧としているが、まだ意識があるので、助かる可能性は高い。
「くそ。日本人だったころを思い出しちまった。死にそうな人を見ると、つい助けてしまう」
俺は持っていた水筒を女に渡すと、ゆっくりと飲ませた。
「一気に飲むな。少しずつだ。胃がびっくりして戻してしまう」
俺は女の上半身を抱きかかえると、ゆっくりと水を飲ませた。
「水! 水!」
女は俺の手から水筒をひったくり、ごくごく飲み始めた。
オルフェにはたっぷりと水と食料を与え、疲れを癒してもらった。蹄鉄の減り具合や、筋肉のマッサージを施し、ぐっすりと寝てもらった。
これからまた、オルフェには頑張って走ってもらわなければならない。
「聖石灰を持てるだけ持っておくか。あと、使われていない水筒もあったな。それも持って行こう」
銅で出来た水筒が転がっていた。錆びていたが、穴が開いているわけではない。水を持ち運ぶには十分だ。俺は旅人小屋に捨てられていた水筒を予備に持ち、昨日作った水をたっぷり入れた。
「皮の水袋にも水を入れたが、オルフェの飲む水は多いからな。水筒はいっぱいあった方がいい」
俺は日の出前に出発の準備をしていると、外で”ガラガラ”という音が聞こえた。昨日、井戸の釣瓶を使った音に似ている。
まさか、魔物でも現れたのか?
俺は静かに外へ出ると、なんと井戸の所に女がいた。
皮の鎧を着て、ライフル銃を装備している。腰に二丁の拳銃も装備している。多分、冒険者だ。
喉が渇いているのか、ひどくやつれた顔をしており、井戸から毒水を汲み上げていた。
俺は少し離れた場所から、女の様子を見る。まさかあの女も水魔法の使い手なのだろうか? それとも、毒水をろ過する装置を持っているのだろうか?
俺は女が何をするのか見ていると、なんと、赤い毒水をそのまま飲もうとした。よほど喉が渇いているのか、正常な判断が出来なくなっているようだ。目が血走っており、水のことしか頭にないような状況だ。
俺はそこで、その女に叫んでしまった。そのまま放っておいたらよかったのに、叫んでしまった。
「飲むな!!」
女は小屋の陰に隠れていた俺に気付いた。女の顔は白くなっていて、頬がこけていた。
「おいあんた! その水を飲むと死ぬぞ! 内臓が焼けただれて、すぐに死ぬ!!」
女は俺を見ると腰に装備していた拳銃を構えたが、体力が無いのかその場に倒れてしまった。女が手を放したので、赤い毒水はそのまま井戸の中に落ちて行った。
「かはっ。かっは」
渇いた咳をする女冒険者。
俺は女に近づくと、「みず、みず」と言っている。朦朧としているが、まだ意識があるので、助かる可能性は高い。
「くそ。日本人だったころを思い出しちまった。死にそうな人を見ると、つい助けてしまう」
俺は持っていた水筒を女に渡すと、ゆっくりと飲ませた。
「一気に飲むな。少しずつだ。胃がびっくりして戻してしまう」
俺は女の上半身を抱きかかえると、ゆっくりと水を飲ませた。
「水! 水!」
女は俺の手から水筒をひったくり、ごくごく飲み始めた。
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