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第一章 伝説の水魔法使い
11 枯れた森で、狩り
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案の定、夜になった。
リザはオルフェに乗っているし、俺は歩きだ。どう考えても数時間でレミル村に着くわけがない。地図を見ると、旅人小屋からは20キロ離れている。森の中のあぜ道だし、けっこうな悪路だ。坂道も多いので、子供の足では夜までに着かなかった。
「それじゃアオ君。餌役お願いね」
この女はマジだった。マジで護衛対象を囮にする気だ。今は真っ暗だし、月明かりが見えないほど曇っている。焚火の火はあるが、数メートル先でさえ見えない。
「ちょっとまて。本気で言っているのか?」
「うん」
リザは頷いた。頭がおかしいと思った。
「死んだらどうするんだ!」
「大丈夫だよ。今は元気だし、シルバーランクの冒険者は狼に後れを取らない」
なに? シルバーランク? それはギルドのランク制度か?
俺は冒険者に詳しくないが、聞いたことがある。確か、下からブロンズ、アイアン、シルバー、ゴールド、ミスリルと言う感じのランクのはずだ。シルバーとなると、彼女は中堅クラスの冒険者となる。
「リザ、それって、本当な…………」
「あっ、いた」
リザは真っ暗な夜の森に、ライフルをいきなりぶっ放した。弾丸は暗闇の中に吸い込まれていったが、遠くの方から狼の鳴き声が聞こえた。どうやら命中させたらしい。
「一匹殺した」
「え?」
「はい二匹目」
リザはライフルをもう一発ぶっ放す。すると、どこからか鳴き声が聞こえた。
「私はここまで来るのに、あいつらの生き血を飲んで生きながらえていたんだ」
「え? 生き血?」
「水は無いからな。旅をするには仕方がないんだ」
血を飲んで大丈夫なのか? 細菌とかあるだろう?
「だけど、とあるフクロウの血を飲んでからおかしくなったんだ。多分毒血を飲んでしまったんだ。すぐに脱水症状になった。それからは本当に死にそうになって、なんとかあの小屋に辿り着いたんだ」
リザはとんでもない女だった。水が無いので仕方ないが、もう少し考えて行動したらどうだ?
「アオ君。どうやら狼はいなくなったぞ。これで当分襲って来ない」
言いながら、リザは三匹目の狼を仕留めていた。短絡的な女だが、腕は確かだった。
リザはオルフェに乗っているし、俺は歩きだ。どう考えても数時間でレミル村に着くわけがない。地図を見ると、旅人小屋からは20キロ離れている。森の中のあぜ道だし、けっこうな悪路だ。坂道も多いので、子供の足では夜までに着かなかった。
「それじゃアオ君。餌役お願いね」
この女はマジだった。マジで護衛対象を囮にする気だ。今は真っ暗だし、月明かりが見えないほど曇っている。焚火の火はあるが、数メートル先でさえ見えない。
「ちょっとまて。本気で言っているのか?」
「うん」
リザは頷いた。頭がおかしいと思った。
「死んだらどうするんだ!」
「大丈夫だよ。今は元気だし、シルバーランクの冒険者は狼に後れを取らない」
なに? シルバーランク? それはギルドのランク制度か?
俺は冒険者に詳しくないが、聞いたことがある。確か、下からブロンズ、アイアン、シルバー、ゴールド、ミスリルと言う感じのランクのはずだ。シルバーとなると、彼女は中堅クラスの冒険者となる。
「リザ、それって、本当な…………」
「あっ、いた」
リザは真っ暗な夜の森に、ライフルをいきなりぶっ放した。弾丸は暗闇の中に吸い込まれていったが、遠くの方から狼の鳴き声が聞こえた。どうやら命中させたらしい。
「一匹殺した」
「え?」
「はい二匹目」
リザはライフルをもう一発ぶっ放す。すると、どこからか鳴き声が聞こえた。
「私はここまで来るのに、あいつらの生き血を飲んで生きながらえていたんだ」
「え? 生き血?」
「水は無いからな。旅をするには仕方がないんだ」
血を飲んで大丈夫なのか? 細菌とかあるだろう?
「だけど、とあるフクロウの血を飲んでからおかしくなったんだ。多分毒血を飲んでしまったんだ。すぐに脱水症状になった。それからは本当に死にそうになって、なんとかあの小屋に辿り着いたんだ」
リザはとんでもない女だった。水が無いので仕方ないが、もう少し考えて行動したらどうだ?
「アオ君。どうやら狼はいなくなったぞ。これで当分襲って来ない」
言いながら、リザは三匹目の狼を仕留めていた。短絡的な女だが、腕は確かだった。
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