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8 リスクアセスメント
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夜も遅いので、今日はララの家に泊まることになった。私ももう限界だったので、母から母乳をもらい、すぐに寝る。念の為、大根たちにララを見張らせてから寝る。まだまだ信用出来ないからだ。
その日はララから毛布を借りて、母と一緒にくるまって寝た。
◆◆◆
朝が来て、ララは母に朝食をご馳走してくれた。
メニューは野草のスープに正体不明の干し肉。母は肉は久しぶりだと喜んでいるが、一応大根たちに先に食わせ、安全を確かめてからにした。毒は入っていなかった。
ララは多分、良い人のようだ。大根たちが懐いているし、信用してもいいかもしれない。ただ、何かが引っかかる。
「エレノアはこれからどうするんだ?」
「分からないわ。ただ、ルーナも私も、幸せに成りたくて、逃げ出した。もう奴隷は嫌なの」
家畜同然の奴隷に、人権など無い。意味なく殺すのは禁止されているくらいで、それ以外は主の自由に扱っていい。
エレノアは産んだ子供たちが死ぬのは、もう見たくなかった。
「ロバを連れて歩いてるけど、あれはどうするの?」
「どこかでお金にしようかと思って」
エレノアは苦笑い。金にしようと思ったら、森で迷子になった。
「どうやって売るつもり? 村は人間しかいないんだよ?」
「なんとか顔と耳を隠して売るわ」
「無理だね。すぐに捕まる」
「でも、やらないと野垂れ死にするわ。食べ物を買わないと」
「買う前に人間に捕まる。無理」
「え、そんな……」
ララは無理だと言って聞かない。確かに人間の村は危険だが、食べ物や服などが必要だ。私の魔法だけでは無理がある。
「じゃあ、ララは今までどうやって生きてきたの?」
母が聞くと、ララは一拍間を置いてこう言った。
「魔族と取引している」
「ま、魔族!? あの魔族!?」
母は凄く驚いている。魔族がどうしたのだろうか? そんなに危険なのか?
「魔族って、エルフを食べるんでしょ? 大丈夫なの?」
え? 私たちを食べるの? マジで?
「全ての魔族がエルフや人間を食べるわけじゃない。私が取引しているのは、エルフ迎合派の魔族だ」
おいおい。なんだか雲行きが怪しくなってきた。大丈夫なの?
「私が魔族の仲介役をするから、ロバを売ったお金の二割、くれないか? 今月は稼ぎが少なくて、大変なんだ」
ララも切羽詰まっているらしい。リスクはあるが、これはチャンスか? 一宿一飯の恩義もあるし、ここは頼むべきではないか?
「本当に安全なの?」
「私を信じてくれ」
母は凄く悩んだ末、分かったと言った。
「よし! ならすぐに魔族の集落にいくぞ!」
ララは凄く嬉しそうに立ち上がった。
母はマジか、という顔をしていた。
大根たちは、ララの薬草を食い尽くした。
その日はララから毛布を借りて、母と一緒にくるまって寝た。
◆◆◆
朝が来て、ララは母に朝食をご馳走してくれた。
メニューは野草のスープに正体不明の干し肉。母は肉は久しぶりだと喜んでいるが、一応大根たちに先に食わせ、安全を確かめてからにした。毒は入っていなかった。
ララは多分、良い人のようだ。大根たちが懐いているし、信用してもいいかもしれない。ただ、何かが引っかかる。
「エレノアはこれからどうするんだ?」
「分からないわ。ただ、ルーナも私も、幸せに成りたくて、逃げ出した。もう奴隷は嫌なの」
家畜同然の奴隷に、人権など無い。意味なく殺すのは禁止されているくらいで、それ以外は主の自由に扱っていい。
エレノアは産んだ子供たちが死ぬのは、もう見たくなかった。
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「どこかでお金にしようかと思って」
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「どうやって売るつもり? 村は人間しかいないんだよ?」
「なんとか顔と耳を隠して売るわ」
「無理だね。すぐに捕まる」
「でも、やらないと野垂れ死にするわ。食べ物を買わないと」
「買う前に人間に捕まる。無理」
「え、そんな……」
ララは無理だと言って聞かない。確かに人間の村は危険だが、食べ物や服などが必要だ。私の魔法だけでは無理がある。
「じゃあ、ララは今までどうやって生きてきたの?」
母が聞くと、ララは一拍間を置いてこう言った。
「魔族と取引している」
「ま、魔族!? あの魔族!?」
母は凄く驚いている。魔族がどうしたのだろうか? そんなに危険なのか?
「魔族って、エルフを食べるんでしょ? 大丈夫なの?」
え? 私たちを食べるの? マジで?
「全ての魔族がエルフや人間を食べるわけじゃない。私が取引しているのは、エルフ迎合派の魔族だ」
おいおい。なんだか雲行きが怪しくなってきた。大丈夫なの?
「私が魔族の仲介役をするから、ロバを売ったお金の二割、くれないか? 今月は稼ぎが少なくて、大変なんだ」
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「本当に安全なの?」
「私を信じてくれ」
母は凄く悩んだ末、分かったと言った。
「よし! ならすぐに魔族の集落にいくぞ!」
ララは凄く嬉しそうに立ち上がった。
母はマジか、という顔をしていた。
大根たちは、ララの薬草を食い尽くした。
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